2017年05月19日
埋もれてしまったデビュー作
今回はibizaのデビュー作であるしぐなリストスタ~ズ!! にプレイ後の所感ついて語ろうかと思います。
このゲームの批評空間の総データ数はわずか10件(H29.5.18現在)。完全に埋もれてしまった作品であり、この惨状ですと、新規ブランドのibizaが2作目をリリースすることはほぼ不可能でないかと思わないでもないですが、このゲームの発売直前のぼくの評価はそれほど悪いものではありませんでした。
ただ気になったのは、出演声優が妙に地味だったこと(メインヒロインを担当する榊原ゆいも最近メジャーな萌え系ゲームの出演はほとんど見当たらない)。ヒロインは一見可愛く感じられるものの、1枚絵の構図が妙に崩れています。その崩れ方も作為的なものでなく主に技量不足と思われる部分が多く、また味のある原画とも言い切れない。この2点はいわゆる萌え系ゲームとして売っていくにはやや厳しくて、それを補填するとしたらシナリオの助けというより、シナリオを全面に打ち出すくらいライターが活躍しないといけないのではないかと思いました。
それでも設定は悪くないと思わせました。いわゆる燃え系バカを主人公に起用した割りには、あえてそれに振り回されるヒロインタイプを起用せず、主人公をライバル視するヒロインや主人公の手綱を握るヒロインなど少し変わった役回りを与えたこと。そこに人間の憧れ(夢)をかなえるという街の設定を生かせれば、以外な大化けも期待できるのではと思ったのです。
ただスタート直後はともかく、序盤のテキストを追っていくうちにどうやらぼくの期待が叶えられることはないと悟りました。コメディというよりギャグ寄りといっていい設定なのに、テキストにどうもスピーディさが欠けるのですね。ぼくは文学的素養もなく何となくというか感覚的でしか説明できないのですが、これはライターの手馴れてなさもあるのですが、それに加えて主人公のキャラが意外にバカ度は薄くて、どちらかといえばヒーロー志望の熱血キャラだったこともあったのですね。そういった意味で主人公は一人で笑いを取れるようなタイプでなく、コメディとするのは他のキャラの助けが必要となるのですが・・・残念ながらそういったキャラが他に見当たらなかったのが誤算でした。
メインヒロインの紅葉とのライバル関係も序盤で早くも同じ委員会に所属してしまったことにより希薄になってしまったし、キャラ的にはいいものを持っている伊墨も、ストーリーに積極的に絡まない分継続的な笑いには貢献できてなかった。こういったコメディには付き物の友人キャラである宗治も今ひとつキャラが定まってなく、これではコメディで重要となる掴み部分で早くも挫折しているといっても過言ではありません。
そしてコメディでなくシナリオ主体のゲームと考えても物足りないのですね。その主な要因がダラダラと流れるだけの共通パートと共に、個別ルートへ分岐する直前に主人公&ヒロインの敵役として登場する灰被雛子の設定(存在)でしょう。彼女がヒロインの前に立ちふさがり振りかざす演説(主張)がプレイヤー(ぼく)に全く響いてこなく、その時点で敵役としての魅力は半減いやそれ以下となってしまいました。これもライターが彼女をすべてのヒロインルートにおいて敵役としてしまった配役ミスにあります。彼女の演説の効き目があったのは藍茶だけで桃に対しては全く効果なく、伊墨に至っては格の違いを見せ付けられただけでした。紅葉ルートではいつのまにか伊墨の後継者に納まっていたりと、ぼくの頭の中に灰被雛子というキャラの存在について?マークが浮かんでしまうくらい。こうした無理な起用をするよりも各ヒロインルートごとに合った敵役を登場させれば、もう少しルートごとに起伏が生まれたと思うのですね。
そして何より問題なのは人間の憧れを叶える街という設定が、結局ほとんど見せ場に関与していなかったこと。なぜ御厨グループがこんな実験都市を作ったのか納得のいく説明をしないままで、こうした謎要素を有効に使わないのはあまりにもったいない。こうして見ると細かい部分を含めてライターの力量不足が明らかになっているのですが、それでも共通パート以降の個別ルートは多少面白みが出てきたのは確か。これはヒロインの魅力に関してはある程度引き出していたということになるかと思います。そう考えるとシナリオライターの特性を考えれば、笑いで押すよりも萌え色を強くした方が結果的には良かったかもしれません。
ただそこで問題になるのは新規ブランドとしての資金力で、最初に述べたとおりマイナーといっていい原画陣とそれ以上にマイナーな出演声優を考えると単純に萌えで勝負するわけにはいかないとライターは考えたのかもしれません。とすれば不得手な土俵で戦わざるを得なかったライターには若干ではありますが同情の余地はありますし、次回は上積みも見込めるもしれません。ただ今回の知名度や販売本数を考えると次回作があるかどうか疑わしくなってくるのですが・・・
このゲームの批評空間の総データ数はわずか10件(H29.5.18現在)。完全に埋もれてしまった作品であり、この惨状ですと、新規ブランドのibizaが2作目をリリースすることはほぼ不可能でないかと思わないでもないですが、このゲームの発売直前のぼくの評価はそれほど悪いものではありませんでした。
ただ気になったのは、出演声優が妙に地味だったこと(メインヒロインを担当する榊原ゆいも最近メジャーな萌え系ゲームの出演はほとんど見当たらない)。ヒロインは一見可愛く感じられるものの、1枚絵の構図が妙に崩れています。その崩れ方も作為的なものでなく主に技量不足と思われる部分が多く、また味のある原画とも言い切れない。この2点はいわゆる萌え系ゲームとして売っていくにはやや厳しくて、それを補填するとしたらシナリオの助けというより、シナリオを全面に打ち出すくらいライターが活躍しないといけないのではないかと思いました。
それでも設定は悪くないと思わせました。いわゆる燃え系バカを主人公に起用した割りには、あえてそれに振り回されるヒロインタイプを起用せず、主人公をライバル視するヒロインや主人公の手綱を握るヒロインなど少し変わった役回りを与えたこと。そこに人間の憧れ(夢)をかなえるという街の設定を生かせれば、以外な大化けも期待できるのではと思ったのです。
ただスタート直後はともかく、序盤のテキストを追っていくうちにどうやらぼくの期待が叶えられることはないと悟りました。コメディというよりギャグ寄りといっていい設定なのに、テキストにどうもスピーディさが欠けるのですね。ぼくは文学的素養もなく何となくというか感覚的でしか説明できないのですが、これはライターの手馴れてなさもあるのですが、それに加えて主人公のキャラが意外にバカ度は薄くて、どちらかといえばヒーロー志望の熱血キャラだったこともあったのですね。そういった意味で主人公は一人で笑いを取れるようなタイプでなく、コメディとするのは他のキャラの助けが必要となるのですが・・・残念ながらそういったキャラが他に見当たらなかったのが誤算でした。
メインヒロインの紅葉とのライバル関係も序盤で早くも同じ委員会に所属してしまったことにより希薄になってしまったし、キャラ的にはいいものを持っている伊墨も、ストーリーに積極的に絡まない分継続的な笑いには貢献できてなかった。こういったコメディには付き物の友人キャラである宗治も今ひとつキャラが定まってなく、これではコメディで重要となる掴み部分で早くも挫折しているといっても過言ではありません。
そしてコメディでなくシナリオ主体のゲームと考えても物足りないのですね。その主な要因がダラダラと流れるだけの共通パートと共に、個別ルートへ分岐する直前に主人公&ヒロインの敵役として登場する灰被雛子の設定(存在)でしょう。彼女がヒロインの前に立ちふさがり振りかざす演説(主張)がプレイヤー(ぼく)に全く響いてこなく、その時点で敵役としての魅力は半減いやそれ以下となってしまいました。これもライターが彼女をすべてのヒロインルートにおいて敵役としてしまった配役ミスにあります。彼女の演説の効き目があったのは藍茶だけで桃に対しては全く効果なく、伊墨に至っては格の違いを見せ付けられただけでした。紅葉ルートではいつのまにか伊墨の後継者に納まっていたりと、ぼくの頭の中に灰被雛子というキャラの存在について?マークが浮かんでしまうくらい。こうした無理な起用をするよりも各ヒロインルートごとに合った敵役を登場させれば、もう少しルートごとに起伏が生まれたと思うのですね。
そして何より問題なのは人間の憧れを叶える街という設定が、結局ほとんど見せ場に関与していなかったこと。なぜ御厨グループがこんな実験都市を作ったのか納得のいく説明をしないままで、こうした謎要素を有効に使わないのはあまりにもったいない。こうして見ると細かい部分を含めてライターの力量不足が明らかになっているのですが、それでも共通パート以降の個別ルートは多少面白みが出てきたのは確か。これはヒロインの魅力に関してはある程度引き出していたということになるかと思います。そう考えるとシナリオライターの特性を考えれば、笑いで押すよりも萌え色を強くした方が結果的には良かったかもしれません。
ただそこで問題になるのは新規ブランドとしての資金力で、最初に述べたとおりマイナーといっていい原画陣とそれ以上にマイナーな出演声優を考えると単純に萌えで勝負するわけにはいかないとライターは考えたのかもしれません。とすれば不得手な土俵で戦わざるを得なかったライターには若干ではありますが同情の余地はありますし、次回は上積みも見込めるもしれません。ただ今回の知名度や販売本数を考えると次回作があるかどうか疑わしくなってくるのですが・・・
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