2017年08月07日

いいとこ取りは果たせず

いよいよ今週、麻雀大会に参加してきます。
その準備に勤しんでいる今日この頃ですが、ネット麻雀で勝負勘を養うには当然として、1番心配しているのがリアル麻雀への対応力を身につけなければいけないということ。
その対策として、自宅近くから駅で1つ行ったくらいに初心者向けの麻雀教室があったので、さもブランクが長く久々にリアル麻雀を打ちに来たという体を装って、卓を囲んできました。相手はぼくより年上というか年金を貰っているおじいさんといった方たちばかりでしたが、久々にリアル麻雀を打つことができました。初めて目の前にする全自動卓に関しては戸惑うことが多かったのですが、点数計算に関しては「昔取った杵柄」でほとんど無理なく上がり点を申告できました。まあ点数計算の申告ばかり考えていて、リーチを掛けて上がったとき裏ドラを見るのを何度も忘れたのはご愛嬌ということで・・・(汗)
肝心の成績も半荘4回で1着1回2着2回3着1回ならまずまずでしょう(生き馬の目を抜くようなフリー雀荘でないので威張れたものではないですが)。この調子ならあと1~2回通えば牌をポロポロこぼしたり牌山を崩したりして対戦相手に迷惑を掛けるような恥かしい真似はしなくて済みそうです。

さてそんな麻雀三昧の生活の中、ボチボチ進めていた千の刃濤、桃花染の皇姫(オーガスト)がエンドまで辿りつき、後は各ヒロインの後日談を残すのみになりました。これまでオーガストの後日談というとおまけHが中心でシナリオの核心や隠された伏線等が語られるようなことはなかったですから、おおよそ評価は固まったと見て(今更ですが)簡単な所感を述べたいと思います。

(ここからネタバレ・・・)


ゲームをクリアした直後の心中は「ユースティア以前のオーガストに戻ってしまった。」という残念な気分で一杯でした。
もちろん全くの駄作というつもりはありません。特にシナリオとは直接関係しない演出部分に関してはエロゲー界の最高峰であると断言できます。ただ残念ながら胸に響く部分はほとんどなかったのは意外でした。

その要因は成功したユースティアと大図書館の羊飼いのいいとこどりを果たそうとして設定に無理を重ねたことによるものが大きかったのではないかと思います。これは当初から不安視されていたのですが、主人公やヒロインが通う学園パートの部分によるものが意外に大きく響いたように思います。。制作者も違和感を与えないようテキストでかなり細部に気遣いしていたのは見て取れたのですが、武人が闊歩し活躍するハードな部分と萌えを感じさせる学園部分とが上手く反応してなくただ混ざっているだけのように感じられたのですね。その混ざり方もしばらく放置しておくと2つの層に分かれてしまうような中途半端な混ざり方。ぼくが想像するにこれは学園生活を挟むことによって不足しそうなヒロイン萌え部分を補おうとしたのではないかと。
ヒロインの1人である稲生滸がアイドルとして活躍するといった件(くだり)もその一環なのでしょう。これも萌え部分を補強しようとしたのでしょうが、荒廃した皇国を慰めるという名目があったとしても作品の雰囲気を壊してしまっているように思えてならなかった。そうしてまで萌え分を高めようとした割には今回のヒロインには魅力を感じられなかったのは皮肉としかいいようがない。特に学園部分が舞台となる奏海ルートは面白さという点でかなり劣り、損な役回りになってしまったような気がします。エルザルートはまだしもですが、ユースティアで同じ役回りだったフィオネと比べても魅力は劣る。これも萌えにこだわりすぎてシリアス部分を犠牲にしてしまった反動でしょう。

そんなシナリオも古杜音ルートに入ってからややシリアス度が増していくようになるのですが、主人公が皇国創設時に造られた兵器だったという設定が明らかになってから、ぼく的には盛り上がった気分が徐々に萎んでいくような気がしました。序盤から主人公に感情の起伏がなかった点も人間ではなかったということで説明は付くし、一種の伏線としては分かる気がするのですが、これでは終盤主人公が無双してしまうのがミエミエで緊迫感が乏しくなってしまいます。ぼく的には主人公の強さだけが取り上げられるのではなく、併せ持つ弱さがあってこそだと思うので、人間味が感じられないキャラでは感情移入ができないのですね。他にも不満点は多いのですが、何より残念なのはヒロインに魅力が感じられなかったためかそれとも主人公の性格が影響したのか、Hシーンがどうにも抜けなかったこと。オーガストのHシーンはぼくはいつも高く評価しているのでそれだけでも大きく減点したくなりました。

(総括)

穢翼のユースティアの再現を期待していたのですが、そこに安易な萌え要素を入れてしまおうとした結果逆効果となってしまった印象が強い。細かな演出等に見るべきものが多く全くの失敗作とまで言い切るつもりはありませんが、期待ハズレと感じてしまったことは確か。皇国に対する共和国の圧政も通り一遍でしか語られていないし、シリアスな展開も妙に薄っぺらく感じられてしまうのも設定で無理してしまった影響によるものでしょう。オーガストはサービス精神旺盛なメーカーであり大図書館の羊飼いではそれがいい面に出たのですが、今回に限ってはそれが裏目にでてしまったように感じます。オーガストは現在のエロゲー界を牽引していく存在だと思っているだけに厳しい評価をしてしまったのですが、次回の巻き返しに期待したいです。

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