2023年12月03日

転生ものとしての評価はともかく

半年掛けてプレイしていた天使☆騒々 Re-BOOT! (ゆずソフト)をクリアしたので、久しぶりに所感を投稿して見ました。

といっても、ゆずソフト(というかこぶいち&むりりん)がエロゲーを出してくれるだけで感謝したい気持ちなので、あまり批評というか悪口を書く気にはならないのです。ただそうは言ってもここで提灯記事を書いても特に影響力なんてさらさらないので、ただ思いついたことをだらだらと・・・まあ相変わらずですね。

といっても最初プレイしたルートなんて半年前のことですから、内容の細かい部分なんて忘れてしまっているわけで、細かな感想なんてとても書けない。だからあくまですべてのルートをプレイしての大雑把な所感ということになります。
まあざっくり言うと「前作の喫茶ステラと死神の蝶の悪かった部分が強調されてしまったゲームといったら大げさになるのですが、その原因はというと、設定によるものが大部分なので、この悪かった部分という点に関してゆずソフトのスタッフは、ぼくの見方と違っているのかもしれません。


(ここからネタバレ)


このゲーム。主人公が過去の世界の魔王の転生・・・まあラノベ等でよくある設定なのかもしれませんが、妹やクラスメイト(そして女性教師)といったヒロインまで、魔族の転生という過去を引きずったものになっています。そして魔王復活の情報を聞きつけて、別次元からやってきた王女(そして侍女)と、本人がこれまで送ってきた生活とは関係ない部分で、ヒロインとの関係が始まるというわけ。つまり徹底した主人公巻き込まれ型のストーリーが展開されるのです。

正直こうしたゲームは、主人公の魅力が伝わりにくく、プレイヤーが主人公に感情移入することが難しいのです。プレイヤーが感情移入できない主人公になぜヒロインが惚れるのか?そう思わせるようでは、萌えゲーとして大抵失敗への道を進んでしまっているのですね。特に一番最初にプレイしたかぐやルートに関して、ヒロインが主人公に惚れた理由がどうにも伝わってこなかった。まさか主人公でなく、転生した魔王という部分を魅力に感じたというわけではないでしょうが、そうぼくに思わせてしまうだけでも損に思えるのです。
ではこのリンカーネーション設定が、全くの失敗だったというわけではないのが難しくも面白いところ。
それを如実に表しているのが、来海ルート。彼女は魔王の副官だった魔族(スレイ)の転生といった役どころなのですが、この生真面目なスレイが、典型的な委員長タイプ・・・つまり苦労性な性格で、いつも魔王に振り回される損な役回りをしていたという設定。
そんなスレイの能力を受け継いでいる来海ですが、その性格は明るく周囲を引き付ける容姿も相まってクラスの人気者といった設定。つまりスレイとは性格は違っているわけですが、過去の世界でスレイが魔王に対して愛情を秘めていたことを感じてしまい、主人公に対する恋愛感情が、過去スレイが魔王に対して持っていた感情とないまぜになってしまい、よく分からなくなってしまう。
こうした来海の心情をはっきり説明していないところが、このゲームに於いては成功しているように(ぼくは)思っています。来海が時に自爆発言をしてしまったり、Hシーンで異常に積極的になったりするのも、過去スレイの抑制されていた感情が爆発してしまった結果ではないと、ぼくは脳内変換しました。こうした細かな心情をプレイヤー任せにしてしまう手法は、失敗してしまうケースも多いのですが、このゲームでは成功したと思っています。
これは妹の天音も同様で、前世で吸血鬼だった際、魔王の最初の配下で最期まで見届けたという設定。それだけにより主人公に対し業が深いといえるのですが、前世で彼女が魔王に対しどのような感情を持っていたか、今ひとつ(ぼくに)伝わってこない点で、来海ルートよりやや劣るのではと感じました。
一方、転生キャラで一番劣るように思えたのがメインヒロイン格の乃愛で、前世での彼女の性格というか人間味が希薄(まあ設定的に仕方ないかもしれないですが・・・)で、魅力に欠けるのですね。このゲームはなぜ主人公にヒロインが恋愛感情を持つようになったか不明な部分が多く(強いて書き込まれていたのはサブヒロインのオリエくらいか)、前世での書き込みが薄いヒロインは損をしているような気がしてならないのですね。

(総括)
転生ものとして成功したとは言い難いゲームですが、萌えたヒロインが1人存在しただけでも、ぼく的には充分だったと言えます。喫茶ステラと死神の蝶のナツメと比べても今回の来海は全くヒケを取らないヒロインでした。まあこれは前世と現在とのキャラ設定両方がぼくの嗜好にピンポイント過ぎて、一粒で二度おいしかったからかもしれませんが。とにかくゆずソフトには、これからも18禁萌えゲーをリリースして欲しいと切に願っています。

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