2017年03月07日
萌えゲーにおける主人公の重要性
前回時点でプレイ中だったAmenity's Life -アメニティーズ ライフ-(HOOK)がようやくクリアできました。
プレイ中途ではまずまず良作の予感が漂っていたのですが、プレイ後の所感ではそこから評価を大きく上積みするまでは至りませんでした。それでも充分好作といえるだけのデキだったのは確かです。
(ここからネタバレ)
プレイ中途での書き込み通り、楽しめたことは確かなのですが、シナリオについて特筆すべき点があったかというと、首をひねらざるを得ない・・・というのが大まかな評価となります。
もしこのゲームがシナリオ寄りなものにしたならば、当然擬人化されたヒロインが中心となるはずです。とすればモノがなぜ人化したのか?人化するのが女性ばかりなのはどうしてなのか?といった理由を説明する必要が出てくるわけですが、このゲームはそういった点をスルーしてしまっています。
ただこれが他のメーカーだったらともかく、HOOKがこれまでリリースしたラインナップを考えれば、そういった点について期待してはいけないことは理解できるでしょう。ですからシナリオについて深く突っ込んではいけないのです。
といってもこのゲームを萌えゲーと考えれば、ヒロインの魅力を充分生かされたシナリオでした。そして何より良作萌えゲーには欠かせない存在となる主人公の好漢ぶりが、このゲームを成功に導いた大きな要因ではないかと思うのですね。
萌えゲーの多くは主人公がヒロインの好意を一身に集めるものですが、中にはなぜヒロインがこんな人物を好きになったのか不思議に思えて仕方ないようなダメ主人公ぶりを発揮する場合も多く見られるのは、こういったゲームをプレイしたことのある人なら多少なりとも経験があると思います。そう考えると、萌えゲーにおいては良主人公を創造するだけでもある程度の成功は約束されたようなものなのですが、このAmenity's Life -アメニティーズ ライフ-では、擬人化ヒロインたちの存在そのものが、良主人公を創造する上での土壌になっているというのがミソとなっているのですね。
というのもこのゲームに登場する擬人化されたモノのほとんどは主人公の自宅にあるモノたちなのです。そしてそのモノたちは主人公の役に立つべく奮闘するわけで、これは昔話にある一種の恩返しものに通ずると思うのです。
恩返しされるということは、それだけ主人公は物を大切に慈しんで使っていたのでしょう。もちろん物をぞんざいに使う人物が人間性に劣ると決め付けるつもりはありません。例えば主人公の友人である大地は自分のスマホを壊してしまうという、ズボラとしかいいようがない人物なわけですが、友人思いなところもありどちらかというと気のいい人物に描かれています。いやそれだからこそ、より一層主人公の好人物ぶりが引き立つというわけで、そう考えると擬人化ヒロインたちがゲーム部分を生かすことについて充分貢献しているといえるのです。
さて、このゲームでコメディとして一番面白く感じられるのは望希シナリオで間違いないところですが、ただこのシナリオは残念ながら、擬人化(女性化)されたヒロインやサブヒロインたちの絡みが薄い。そういうわけでぼくが一番バランスが取れていると感じたのはメインヒロインである美栗シナリオなのです。
最序盤から主人公に婚姻なんて重い(ただそれを感じさせないところがHOOKらしい)ものを申し込んだりとヤンデレ風味を臭わせるなどFairlyLife再びというような危険な香りを漂わせていた彼女ですが、意外にも幼馴染ヒロインとして正統な仕上がりを見せていました。麻帆やレゾナといったヒロインたちとの距離も非常に良く、メインヒロインらしくイメチェンしてから主人公と恋人同士になっていく遣り取りも微笑ましかった。ただ惜しむらくはパッケージやHPなどの美栗はすべてイメチェン後の姿ばかりで、イメチェンの意外性が全く感じられなかったこと・・・まあこのあたりは営業的に仕方なかったのかもしれませんが。
そしてあと1つ付け加えるとHシーン後の主人公と添い寝CGが非常に興味深かったです。このゲームのHシーンについてはあまり良質とはいえず、Hシーンの構図も差分ではないかと云いたくなるようなものが混じっているくらいなのですが、コトが終わった後にベッドの上で主人公に寄り添う姿が、ヒロインたちの性格の対比を表しているようで、これもHシーンとして含まれるとしたならばそれほどマイナスにならないのではと思ったくらいです。
他にこのメーカーのゲームをプレイするのはStrawberry Nauts以来ですが、あのゲームにもあったPITも今回テクマという掲示板に進化していたのもプラス。というわけで、これまでどちらかというと退屈なゲームばかりリリースしているという印象の強かったHOOKというメーカーを大きく見直した今作。惜しむらくはメーカーを引っ張ってきた原画家である松下まかこ&らっこが健在なうちに、このレベルの作品をリリースして欲しかったと思っています。
プレイ中途ではまずまず良作の予感が漂っていたのですが、プレイ後の所感ではそこから評価を大きく上積みするまでは至りませんでした。それでも充分好作といえるだけのデキだったのは確かです。
(ここからネタバレ)
プレイ中途での書き込み通り、楽しめたことは確かなのですが、シナリオについて特筆すべき点があったかというと、首をひねらざるを得ない・・・というのが大まかな評価となります。
もしこのゲームがシナリオ寄りなものにしたならば、当然擬人化されたヒロインが中心となるはずです。とすればモノがなぜ人化したのか?人化するのが女性ばかりなのはどうしてなのか?といった理由を説明する必要が出てくるわけですが、このゲームはそういった点をスルーしてしまっています。
ただこれが他のメーカーだったらともかく、HOOKがこれまでリリースしたラインナップを考えれば、そういった点について期待してはいけないことは理解できるでしょう。ですからシナリオについて深く突っ込んではいけないのです。
といってもこのゲームを萌えゲーと考えれば、ヒロインの魅力を充分生かされたシナリオでした。そして何より良作萌えゲーには欠かせない存在となる主人公の好漢ぶりが、このゲームを成功に導いた大きな要因ではないかと思うのですね。
萌えゲーの多くは主人公がヒロインの好意を一身に集めるものですが、中にはなぜヒロインがこんな人物を好きになったのか不思議に思えて仕方ないようなダメ主人公ぶりを発揮する場合も多く見られるのは、こういったゲームをプレイしたことのある人なら多少なりとも経験があると思います。そう考えると、萌えゲーにおいては良主人公を創造するだけでもある程度の成功は約束されたようなものなのですが、このAmenity's Life -アメニティーズ ライフ-では、擬人化ヒロインたちの存在そのものが、良主人公を創造する上での土壌になっているというのがミソとなっているのですね。
というのもこのゲームに登場する擬人化されたモノのほとんどは主人公の自宅にあるモノたちなのです。そしてそのモノたちは主人公の役に立つべく奮闘するわけで、これは昔話にある一種の恩返しものに通ずると思うのです。
恩返しされるということは、それだけ主人公は物を大切に慈しんで使っていたのでしょう。もちろん物をぞんざいに使う人物が人間性に劣ると決め付けるつもりはありません。例えば主人公の友人である大地は自分のスマホを壊してしまうという、ズボラとしかいいようがない人物なわけですが、友人思いなところもありどちらかというと気のいい人物に描かれています。いやそれだからこそ、より一層主人公の好人物ぶりが引き立つというわけで、そう考えると擬人化ヒロインたちがゲーム部分を生かすことについて充分貢献しているといえるのです。
さて、このゲームでコメディとして一番面白く感じられるのは望希シナリオで間違いないところですが、ただこのシナリオは残念ながら、擬人化(女性化)されたヒロインやサブヒロインたちの絡みが薄い。そういうわけでぼくが一番バランスが取れていると感じたのはメインヒロインである美栗シナリオなのです。
最序盤から主人公に婚姻なんて重い(ただそれを感じさせないところがHOOKらしい)ものを申し込んだりとヤンデレ風味を臭わせるなどFairlyLife再びというような危険な香りを漂わせていた彼女ですが、意外にも幼馴染ヒロインとして正統な仕上がりを見せていました。麻帆やレゾナといったヒロインたちとの距離も非常に良く、メインヒロインらしくイメチェンしてから主人公と恋人同士になっていく遣り取りも微笑ましかった。ただ惜しむらくはパッケージやHPなどの美栗はすべてイメチェン後の姿ばかりで、イメチェンの意外性が全く感じられなかったこと・・・まあこのあたりは営業的に仕方なかったのかもしれませんが。
そしてあと1つ付け加えるとHシーン後の主人公と添い寝CGが非常に興味深かったです。このゲームのHシーンについてはあまり良質とはいえず、Hシーンの構図も差分ではないかと云いたくなるようなものが混じっているくらいなのですが、コトが終わった後にベッドの上で主人公に寄り添う姿が、ヒロインたちの性格の対比を表しているようで、これもHシーンとして含まれるとしたならばそれほどマイナスにならないのではと思ったくらいです。
他にこのメーカーのゲームをプレイするのはStrawberry Nauts以来ですが、あのゲームにもあったPITも今回テクマという掲示板に進化していたのもプラス。というわけで、これまでどちらかというと退屈なゲームばかりリリースしているという印象の強かったHOOKというメーカーを大きく見直した今作。惜しむらくはメーカーを引っ張ってきた原画家である松下まかこ&らっこが健在なうちに、このレベルの作品をリリースして欲しかったと思っています。
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