2018年01月21日
良い意味での雰囲気ゲー
天鳳の合間に少しづつ進めていたしゅがてん! -sugarfull tempering- (Recette)ですが、意外に早くクリアすることができました。
まあミドルプライスで攻略ヒロインも3人と少なく、シナリオ自体も奇をてらったところがないので早くクリアできる条件は揃っているといえますが、それでも1月も掛からず全エンドを見ることが出来たのは、前にも少し述べたかと思うのですが雰囲気の良さに尽きるでしょう。
(ここからネタバレ)
このゲームのあらすじはと言うと「パティシェである祖父が長期入院して閉店の危機に陥ったパティスリーに、流れ者の主人公がパティシェ代理として立て直しながら、ヒロインとの仲を深めていく。」というもの。古典西部劇の名作シェーンを代表とする典型的な風来坊ものといえますが、シェーンと違うのは映画で云うライカー一味を担うはずだったショコラの兄ガトー・ネージュが序盤ですぐ和解してしまったところ。古典のテンプレ的展開ですと主人公の店(フォルクロール)に嫌がらせしたり、主人公の引き抜きを画策したりといった悪巧みをしそうなものですが、結局そういった展開にはならずショコラのいいお兄さん役でしかない。というわけでガトーの活躍する場面はほとんどないのです。
もちろんライターにそういった悪役が登場させるつもりは全くなかったのでしょう。実際もう一人悪役になりそうだった氷織の父もそういった存在ではなかったですし、ライターが意図したこのゲームの主眼はギスギスした展開は持ち込まなく、あくまで洋菓子店を舞台とした終始甘くて暖かな物語だったのでしょう。
そんな洋菓子店を舞台としたゲームというと、ぼくはパティシエなにゃんこ(ぱじゃまソフト)が思い出されます。かんなぎれい氏の出世作として名高い作品で、冬(クリスマス)を舞台にしており暖かな雰囲気・魅力的なサブヒロイン(攻略不可)が存在するなど、しゅがてんと共通するところは意外に多い。といってもパティシェなにゃんこは15年も前のゲームであり現在プレイすると恐らく古く感じる場面が多いかと思います。実際ぼくはこのゲームを新作で購入していなくて、プリンセスうぃっちぃずに同梱されていたものをプレイしたのですが、あの当時でも暖かな雰囲気はあったもののやや古臭く感じられたのは事実でした。それを目安にして考えればこのしゅがてんも古臭さを感じてもおかしくないはずですが、ぼくは不思議にそんな感触はこのゲームに関しては全くといっていいほど感じなかったのですね。
その原因をぼくなりに考えてみると、原画絵師であるしらたま氏の貢献は小さくないと思うのですが、(確かにパティシェなにゃんこ当時のかんなぎれい氏はその後のぷりっちと比較するとまだ技量は拙かったように感じる)それよりもライターであるさかき傘氏の構成した世界観や流れる暖かな雰囲気は、現代でも充分通用するということでしょう。いや生活に疲弊した人の多い現代こそこのゲームの価値は高いとぼくは思ったのですが・・・
ただ批評空間のデータを見るとこのゲームの評価は決して低くはないですが、ぼくが思うほど評価は高くありません。ただ批評空間の感想をチラ見した感じでは、積極的に否定した意見はほとんど見当たらない。つまりアンチがほとんど存在しないのですね。つまり積極的に肯定する意見はない替わりに否定する人もいない。悪い言葉でいえば「毒にも薬にもならない」ということですが、ぼくにとっては精神安定剤として充分薬となっているわけで、そう考えると意外に現代で疲弊した精神状態に陥っている人は少ないのかもしれません。
さてヒロインの顔ぶれですが、しらたま絵の効果もあってか3人全員が可愛く感じられます。ただどのシナリオも飛びぬけたものはなく、ヒロインを引き立てるようなエピソードはそれほどありません。逆に目立っているのは主人公で記憶喪失という身の上ながら街の著名店であるフォルクロールのパティシェに納まってしまうほどの能力を発揮します。とすると普通に考えれば記憶を失う前にケーキ職人として身を立てていると思わせる(実際ライターはそうミスリードさせるよう誘導している)のですが、氷織ルートでは赤ちゃんを取り上げる(それも帝王切開!で)など万能選手どころでない能力を発揮するのですね。ですからこのゲームの主人公が過去どのような人生を送ってきたのか・・・記憶が戻った後どうなるのか・・・といったところが焦点となってくるのですが、残念ながらそういった点は最後匂わすくらいで、はっきりとは語られない。どうやら魔法使いや妖精といった人知を超える存在ではないようですが、彼がこのゲームで発揮した能力を考えるとそういった存在であっても不思議でない。そう考えるとこれだけの力を発揮する主人公の過去が明確に明かされないというのはご都合主義というより卑怯な手を使ったように感じられるかもしれません。
まあこうした所がこのゲームの評価が思ったほど高くない原因なのではと思わないでもないのですが、それでもぼくはこのゲームが醸し出す世界を充分に楽しめたといった点で高く評価しているのです。
まあミドルプライスで攻略ヒロインも3人と少なく、シナリオ自体も奇をてらったところがないので早くクリアできる条件は揃っているといえますが、それでも1月も掛からず全エンドを見ることが出来たのは、前にも少し述べたかと思うのですが雰囲気の良さに尽きるでしょう。
(ここからネタバレ)
このゲームのあらすじはと言うと「パティシェである祖父が長期入院して閉店の危機に陥ったパティスリーに、流れ者の主人公がパティシェ代理として立て直しながら、ヒロインとの仲を深めていく。」というもの。古典西部劇の名作シェーンを代表とする典型的な風来坊ものといえますが、シェーンと違うのは映画で云うライカー一味を担うはずだったショコラの兄ガトー・ネージュが序盤ですぐ和解してしまったところ。古典のテンプレ的展開ですと主人公の店(フォルクロール)に嫌がらせしたり、主人公の引き抜きを画策したりといった悪巧みをしそうなものですが、結局そういった展開にはならずショコラのいいお兄さん役でしかない。というわけでガトーの活躍する場面はほとんどないのです。
もちろんライターにそういった悪役が登場させるつもりは全くなかったのでしょう。実際もう一人悪役になりそうだった氷織の父もそういった存在ではなかったですし、ライターが意図したこのゲームの主眼はギスギスした展開は持ち込まなく、あくまで洋菓子店を舞台とした終始甘くて暖かな物語だったのでしょう。
そんな洋菓子店を舞台としたゲームというと、ぼくはパティシエなにゃんこ(ぱじゃまソフト)が思い出されます。かんなぎれい氏の出世作として名高い作品で、冬(クリスマス)を舞台にしており暖かな雰囲気・魅力的なサブヒロイン(攻略不可)が存在するなど、しゅがてんと共通するところは意外に多い。といってもパティシェなにゃんこは15年も前のゲームであり現在プレイすると恐らく古く感じる場面が多いかと思います。実際ぼくはこのゲームを新作で購入していなくて、プリンセスうぃっちぃずに同梱されていたものをプレイしたのですが、あの当時でも暖かな雰囲気はあったもののやや古臭く感じられたのは事実でした。それを目安にして考えればこのしゅがてんも古臭さを感じてもおかしくないはずですが、ぼくは不思議にそんな感触はこのゲームに関しては全くといっていいほど感じなかったのですね。
その原因をぼくなりに考えてみると、原画絵師であるしらたま氏の貢献は小さくないと思うのですが、(確かにパティシェなにゃんこ当時のかんなぎれい氏はその後のぷりっちと比較するとまだ技量は拙かったように感じる)それよりもライターであるさかき傘氏の構成した世界観や流れる暖かな雰囲気は、現代でも充分通用するということでしょう。いや生活に疲弊した人の多い現代こそこのゲームの価値は高いとぼくは思ったのですが・・・
ただ批評空間のデータを見るとこのゲームの評価は決して低くはないですが、ぼくが思うほど評価は高くありません。ただ批評空間の感想をチラ見した感じでは、積極的に否定した意見はほとんど見当たらない。つまりアンチがほとんど存在しないのですね。つまり積極的に肯定する意見はない替わりに否定する人もいない。悪い言葉でいえば「毒にも薬にもならない」ということですが、ぼくにとっては精神安定剤として充分薬となっているわけで、そう考えると意外に現代で疲弊した精神状態に陥っている人は少ないのかもしれません。
さてヒロインの顔ぶれですが、しらたま絵の効果もあってか3人全員が可愛く感じられます。ただどのシナリオも飛びぬけたものはなく、ヒロインを引き立てるようなエピソードはそれほどありません。逆に目立っているのは主人公で記憶喪失という身の上ながら街の著名店であるフォルクロールのパティシェに納まってしまうほどの能力を発揮します。とすると普通に考えれば記憶を失う前にケーキ職人として身を立てていると思わせる(実際ライターはそうミスリードさせるよう誘導している)のですが、氷織ルートでは赤ちゃんを取り上げる(それも帝王切開!で)など万能選手どころでない能力を発揮するのですね。ですからこのゲームの主人公が過去どのような人生を送ってきたのか・・・記憶が戻った後どうなるのか・・・といったところが焦点となってくるのですが、残念ながらそういった点は最後匂わすくらいで、はっきりとは語られない。どうやら魔法使いや妖精といった人知を超える存在ではないようですが、彼がこのゲームで発揮した能力を考えるとそういった存在であっても不思議でない。そう考えるとこれだけの力を発揮する主人公の過去が明確に明かされないというのはご都合主義というより卑怯な手を使ったように感じられるかもしれません。
まあこうした所がこのゲームの評価が思ったほど高くない原因なのではと思わないでもないのですが、それでもぼくはこのゲームが醸し出す世界を充分に楽しめたといった点で高く評価しているのです。
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