2018年12月15日

最終ルートの是非

麻雀にかまけてきてエロゲーの方はさっぱり進んでいなかった現況でしたが、3ヶ月ぶりにようやくクリアすることが出来ました。
そのゲームはまおてん(CandySoft)ですが、実はこのゲームも発売当日に購入してなくて、発売後1ヵ月ほど経ってから手に入れた・・・といっても発売後の評価を見定めてといった理由ではなくて、単に発売日にショップの行くのが億劫だったからという消極的なもの。さすがのぼくでも絶対に購入したいというものは、現在少ないながらも予約しているので、このゲームに対する期待というのは「予約をしてまで購入するほどでない。」といったものでした。(まあ数年前なら当然予約購入していたでしょうけれど・・・)
このゲームのシナリオライターはさかき傘氏。つよきす3学期でデビューして以来、ハズレは出してない評判の高いライターです。ぼくも彼の噛むゲームにはこれまで楽しませて貰っているのですが、実はまおてんの設定がどうも気になっていて逡巡してしまったのですね。

悪魔と人間が共存している世界という設定はともかく、メインヒロイン3人のうち2人がヒューマンでなくカリンはほとんど反則級の能力を持ち、姉(実ではないが・・・)のゆうりも天使ということでカリンに近い能力を持つ。そして幼なじみの梨多も人間ながらイタズラ好きな台風のようなヒロイン。こうしてみるとつよきすの世界再びといったヒロイン構成であることが良く分かります。そしてつよきすNEXTの評価が(ぼくにとっては)今ひとつ(それでも凡百のゲームと比べれば充分楽しめたのは確かですが)だっただけに、同じ原画家を起用したこの作品に対してあまり期待が持てなかったというのが、ぼくが発売日購入を見送った理由でした。
そしてその予想は当たらからずとも遠からずといったものでした。

(ここからネタバレ)

このゲームの世界観は学園ものに悪魔や天使といったファンタジーを絡めたもの。ただ普通の人間社会に別世界のヒロインがまぎれこんだといったタイプでなく、また主人公が別世界にタイムスリップするといった異世界転生ものといった単純ではない。過去因縁があって悪魔と人間が共存することになったという三咲町(恐らく三浦半島の先端にある三崎漁港がモデル)を舞台にするという一ひねりした世界を創造。どうやらこの世界観はこのゲームのためだけに創造されたものではないらしいですが、人間社会に同化しつつある魔族(馬場さんやチタン等)魅力あるキャラが多数登場してくらただけでも、このゲームを購入した甲斐があったといえます。
そういった彼らが活躍する共通ルートは楽しめたのですが、各ルートに入るとやや物足りなさが否めません。特にメインヒロインと目されていたカリンルートはイチャラブに特化しすぎて、内容は乏しかった。アースラが悪役としてより三枚目としての役割が強いのが分かっているだけにシリアスにしにくいし、委員長をつよきすの佐藤さんのようなキャラにしてしまうのも難しいとなれば、あの結末は仕方なかったとはいえますが、3人のヒロインのルートでは一番内容が劣った気がします。
それより上といえるのがゆうりや梨多ルートですが、収まるところに収まったという形で意外性に欠けるのが難点(さかき傘氏は終盤落とし穴を掘るタイプのライターでないだけに仕方ないかもしれませんが)。

そんな3人のルートを経てプレイすることになるアナザールートですが、このルートをプレイしてみると評価が割れるのが分かる気がします。主人公がこれまでプレイ(攻略)してきたヒロインに見捨てられる展開は、これまでプレイしてきてヒロインに愛着の湧いたプレイヤーにとっては痛くまた胸糞悪いものでしょう。まあぼくはこのゲームのヒロインにそこまでのめりこめなかったので、比較的冷静にプレイできたのですが、最後までプレイして首をひねることになりました。

「このルートのHシーンって愛海さんしかなかったのでは・・・?」

というのは冗談としてもこのルートの中心であるはずの梨多にHシーンがなかったというのはどうなのか。まあこのルートの梨多は別主人公にいわばNTRされたような気がしないでもないので、Hしーんがあったとしてもそれはそれで複雑な気分になるのですが、そういったゲーム後の読後感があまりいいものではなかっただけに、なぜか最後ヒル姉と結ばれたおまけルートが一番しっくりきたりして複雑な気分になるのですね。

(総括)
梨多アナザーという真ルートが楽しめれば評価はもう少し上がったと思うのですが、ライターが伏線回収を優先したばかりにプレイヤーの読後感を犠牲にしてしまった作品。もちろん伏線回収は大事なのですが、ヒロインの魅力を損なわないような配慮もして欲しかったと思うのですね。もちろんこれが別ライターでしたら何も言わないのですが、さかき傘氏なら出来るのではないかと思うのです。まあ共通ルートや世界観は充分楽しめたので平均以上の作品であることは間違いないのですが。

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