2022年01月09日

リツミサンの新作を読んでみた。

今年も元日に初詣に行ってきました。
昨年はコロナ禍の影響で少なかった人も今年は多くの人で賑わっていました。昨年は出店のなかった熱田神宮の屋台も今年は通常通り。今年初めて訪れた川原神社もすごい列でなかなか本殿までたどり着けず、当初乗る予定だったバスを乗り逃がす羽目に。
若宮八幡社も訪れた時間が違ったこともあるのですが、昨年は閑散としていたのに、今年は神札を買うのも一苦労。
そんなわけで3が日で大小合わせて15社にお参りしてきたのですが、その甲斐あってか初詣に行って以降の天鳳の成績は好調。この初詣で動いた人流のためか、再びコロナ再流行の兆しが見えるのは複雑ですが、何とか早く収まって欲しいものです。

さてその道中で、昨年発売されたリツミサンの新刊勝つためのメンゼンドリルを読み返していました。この本を買うため発売日に行きつけの本屋に行ったのですが入荷してなく,別の日に名古屋駅の三省堂書店まで行って手に入れました。ただ同時に購入しようと思っていた園田賢プロの新刊は売り切れていたのか売ってなく残念でした。

そのメンゼンドリルですが、最初この本の発売を聞いたとき、あまりピンと来なかったのは事実。というのもリツミサンの前著超メンゼン主義麻雀で、どちらかというと次の一手についてあまりはっきりした結論を出さないようにしていたのです。リツミサンは「こうした打ち方もある。」といった表現をしていたかと思うのですが、こうしたところに著者の心情が表れていて非常に好感が持てた記憶があります。現代は自分の主義を押し付けて他者の思想は認めないといった風潮が見られるのですが、そういった世間の流れに背を向けているように見えたリツミサンが、あえて正解が一つと求められる次の一手問題集を上梓するということに違和感を持ったのです。
(いやもしかしたら、正解数が複数ある問題集なのかもしれない)
と思ったりもしたのですが、実際読んでみると普通に次の一手本で良かった半面残念という複雑な気分になりました。

さてぼくは実のところほとんど麻雀の次の一手問題集は購入したことがありません。というのも以前語ったことがあったかもしれませんが、ぼくが麻雀本に求めるものは①文章としての面白さ②読んで強くなった気分にさせられるかの2点で、次の一手集は大抵問題と解答そして簡単な解説ばかり載っていて、面白みに欠けるものが多いから。そして問題を多量に見せられても、その時は「ふーむ。」と思うのですが、まず頭に残らない。何度も読み返せばいいのですが、文章に面白みがないと何度も読み返す気にならない・・・というわけで戦術本は買っても、次の一手集は購入しないのです。

そして昔から読んでいた某スポーツ誌の麻雀問題で、明らかな誤解答を何度も見ていて、次の一手本に対し猜疑心を持っていたことも理由の一つにあります。

ただリツミサンが出した問題集となると話は別で、前著はぼくがこれまで読んだ麻雀本の中でベスト3に入ると思っているくらいで、その信頼感から購入しないという選択はありませんでした。これはお知らせ氏が昨年上梓した3人麻雀本と同様で、お知らせ氏に対する信頼度から、例えプレイしない3人麻雀に対する戦術書でも「何か得るところはあるだろう。」と思って購入したのと同じ理由でした。
そんなリツミサンの問題集ですが、正直問題としてはあやすいものが多い。
いやこれはぼくだけの事情があるかもしれません。というのもぼくは天鳳鳳凰卓の観戦をするのですが、ぼくがもっぱら観戦するのは、リツミサンやすずめクレージーさんといったいわゆる門前強者といわれる雀士なのですね。というわけでリツミサンの打ち筋は結構理解している(つもり)なのです。
それにこの本の冒頭で「自分が迷った局面を羅列したところで、Twitterの何切るを羅列したものと何ら変わらない。ほんとは何かを体系的に学ぶべき媒体だ。」と語られているように、この本ではトリッキーで人によって見解が分かれるような問題は少ない(と思う)。特に初めの方の問題はメンゼン派を自称するなら100%正解して当然というくらい基本の問題が並んでいる。
ただ問題で正解しても実戦で同じ打牌が選べなければ何の意味がない。そしてこの本はそのメンゼン派の打牌が見につくような工夫がされているのです。この本を何度も読み返して、ぼくも問題だけでなく実戦でもリツミサンと同じ打牌ができるようにしたい。

そしてこの本でぼくが一番ためになったのが守備に対する問題。ぼくはメンゼン主体でありながら、放銃率の高さに悩まされているのはこの守備がなっていないからで、相手がリーチを掛けてくればオリるための打牌は選べても、鳴きが入っている人への警戒がおろそかになりがちなのですね。これは覚えたての頃、赤なしの麻雀ばかり打っていたからで、つい鳴きが入っているとつい舐めてしまい押しすぎてしまうのですね。
最近は矯正してきて改善しつつあるのですが、この本のおかげでその重要性が再認識されました。
問題集ということで、前作ほどリツミサンの味のある語り口が楽しめなかったのは事実ですが、麻雀に対する視野を広げるために、ぜひおすすめしたい本です。

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