2022年09月13日

多恵子さんに救われる

少し前に1/1彼氏彼女(SMEE)をクリアしました。

あまり記憶が定かではないのですが、購入してそんなに経ってない時期に始めたので、およそクリアまで半年近く掛かってしまいました。これはぼくが天鳳にかまけたこともあるのですが、SMEEで一番面白かったMaking*Loversと比べると、やはり物足りなく感じたのが時間が掛かった原因でしょう。

さて、このゲームでまず触れないといけないのが、原画が大きく変化してしまったことです。
SMEEといえば躍進の一翼を担ったあめとゆき・ひなたももの2人が原画家として思い浮かぶのですが、その2人が去った後、原画として微妙過ぎるカノジョ*ステップを経て、メイン原画家の座に就いたのが谷山さん。Making*Loversではまだまだといった感じの画力だったのですが、続くSugar*Styleでは急成長を見せて驚かされました。その原画が今回別人のように変わり・・・あまりこうした言葉は使いたくないのですが劣化してしまったように見えたのは残念に思えました。

ただそれが分かっていても購入したのは、最初に攻略するヒロインが(事実上)決まっていて、その後順番に攻略するヒロインが決まっていく(ぼくはヒロイン解凍型と呼んでいる)・・・こうしたゲームはままあるのですが、この作品はそこに少し味付けして、ヒロインと結ばれなかった主人公の年齢が増えていくというもの。高校生らしい恋愛だけでなく、主人公が成長して大人になってからの恋愛と、一粒で二度おいしいといった趣向が面白そうに思えたからです。

(これ以降若干ネタバレ)


そんなこの作品。まずルートに入るのがえいみですが、いきなり問題点が露見します。というのも学園のアイドルという位置づけのえいみのビジュアルがあまり可愛く見えないこと。早々に原画の変化が裏目に出てしまったように思えたのですが、友人たちとの恋愛に振り回されるような形で付き合い始める主人公とえいみが、徐々に周囲があきれるほどのバカップルぷりを見せるあたりは、SMEEらしさを垣間見せてそれなりに楽しむことはできました。

ただ続く千津・コレットルートが中だるみしたように見えたのが残念。

まず千津ルートですが、これはシナリオの問題というよりも、ライターが笑わせようとしてやり過ぎた嫌いがありました。
まあこれはぼくの好みの問題なのかもしれませんが、千津にいろいろな声色を使わせるといった件は、余分だったような気がしてなりません。どうやら千津役の声優さんはかなりの実力派らしくて、それを生かそうとしてのサービスだったのでしょうが、これまで恥ずかしがり屋でおどおどした性格のように見えた千津が、声色を変える趣向でそれまで見せていた性格を演技していたかのように感じてしまったからです。もちろん千津の本来の性格がブラックならば構わないのですが、そんな穿った見方に取られるのはライターにとって本意ではないしょう。ぼくはこの過剰なサービスにより千津が腹黒のように見えてしまい、それ以降このルートが、まったく楽しめなくなってしまいました。

そしてコレットルートですが、お嬢さまに振り回される主人公という展開はよくあるのですが、夢を持つヒロインを応援する主人公という図式は微笑ましく感じられるはずでした。ただこのルートは唯一主人公の会社での仕事や業務内容を見せてくれることになっているのですが、ヒロインが実質経営者の娘との設定になっているため、せっかくの主人公の奮闘が共感を得にくくなってしまっているのですね。折角社会人としてのシナリオとするならば、ヒロインを普通の同僚のようなもっと身近な存在に設定するか、いっそ千津ルートを削ってしまったほうが良かった気がします。というのも千津を別に学生としなくても、後輩として入社してきて主人公が彼女を指導する立場にしたほうが、社会人に女子学生の家庭教師をさせるような違和感アリアリ(主人公が一流大学を出ているとはとても感じられないので)の設定にしなくても、よほどベターに思えるからです。

正直ここまでプレイしてきて購入は失敗したという印象しかなかったのですが、最後のルートで大きく挽回しました。
何よりほかの3人のヒロインと比べて断然可愛く見えるのが大きい。いや年齢が30に到達した女性に対し可愛いなんて言葉を使ったら失礼かもしれないけれど、それなりの繁盛店なカフェを経営する女性で、男性に対してスキがないように見えながら、実は男慣れしていないだけで一つ箍がゆるんでしまうと一気に主人公依存になってしまう多恵子さんにはすっかりやられてしまいました。

というわけで最後になって一気に巻き返したこのゲーム。逆に言えばそれがなければ大変なことになってしまっていたかもしれません。もし原画が変わってしまったことについては、これまで劣化しすぎて奇形と言われるようになってしまった某原画家のことを思えばマシと言えるかもしれないですが、それでもこれまでと比べ下振れの方向に向いたことは間違いない。それでも大きくマイナスとならなかったのは多恵子さんのおかげといっても過言ではないでしょう。

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