2012年08月04日

良作になれなかった原因とは

前回いつクリアできるか見通しが立たないと泣き言を言ってしまいましたが、そんな舌の根も乾かないうちにフツウノファンタジー(EX-ONE)がいつの間にかすべてのエンドを迎えてしまいました。
といってもプレイに費やした時間はそれほど多くはないわけで、ではなぜそんな簡単にクリアできてしまったかというとこのゲーム、4人のヒロインのルートはほぼ同じ展開に終始してしまうのです。だから1人クリアし再び共通ルートから始めて、既読テキストを読み飛ばそうと思ってスキップをかけてしまうとHシーン以外ほとんど未読テキストを読むことなくエンドを迎えてしまう。

このゲーム、6月のゲーム予想の記事でも単穴印を付けたようにかなり期待していました。もちろんその評価も理由があって、ゲーム開始直後の展開はかなり面白く今後に期待できそうな内容だったからです。実際その予想はある程度は当っていて、既存のコンピュータRPGを皮肉っただけでなくそれを生かしたストーリー展開はぼくの嗜好に合うものでした。実際最初に攻略したヒスイルートをプレイした段階ではゲームとしてそれなりに満足していたのです。
ただ他の3ルートも全く同じ展開が繰り返されるのでは手抜きと腐されても仕方ないでしょう。実はぼくの予想では4人のヒロインのうちリブラルートだけは他と違った展開が待っているのではと考えていたのですがどうやら甘かったようです。

これでは例え共通ルートで大笑いさせられたとしてもとても高得点は付けられません。ましてこのゲーム、設定などの小ネタで笑わせることはあっても会話シーンはどちらかというとスベることの方が多かっただけに、何かもう一つ隠し玉が欲しかったと思うのですね。そしてもう一つぼくにとって誤算だったのはどのルートでも同様のストーリーにしてしまった結果、萌えも不足がちになってしまったこと。ヒロインの魅力(キャラ性)が薄く、前作のような原画(CG)だけで萌えさせてくれるような絵師を起用できなかったというような態勢で萌えを高めるにはシナリオの助けが必要だったと思うのです。それなのに画一的なストーリーの影響でヒロインとのいちゃラブをほとんど楽しめることができなかった。それならば最悪ヒロインのルートはいちゃラブのみで終わらせておいて、このゲームのキモといえる女神との決戦は4人のヒロインのルートを終えた後に発生するグランドルートに取っておくという手もあったと思うのです。

それともどのルートを選んでもストーリー自体ほぼ一本道で終わってしまうというのは、一時代前のコンピュータRPGのシナリオを皮肉っているのでしょうか?とすればその手法は明らかな失敗だったと思うのですね。目の付け所は良く、良作以上の評価を得てもおかしくない素材だっただけに腰砕けのような結果に終わってしまったのは非常に残念です。

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