2014年08月30日

偉大な名を冠した効果は・・・

汗かきの体質のため夏が嫌いという割にはほとんど夏バテしたことがないぼくですが、今年の夏はさすがにバテ気味です。例年の夏と比べてまだ涼しいと云われる今年の夏でこの状態ですから酷暑と云われる年だったらと考えると恐ろしくなってきますが、それはともかく社会人になって以来順調に増え続け全くといっていいほど落ちる気配のなかった体重が順調に落ちていっているのが怖い。まあ減っている食事量とそれ以上に増えている酒量の事を考えれば当然かもしれませんが。

そんな体重のように順調に減らないのが積みゲーですが、それでも最近の食事のように買う本数が少なくなっているおかげで少しずつ減っているのは確かです。
そんな中、今回クリアしたゲームがつよきすNEXT(CandySoft)でした。前作のつよきす3学期でつよきすワールドへの造詣の深さを見せてくれたさかき傘氏のシナリオということで期待していたのですが・・・

(ここからネタバレ)

結論を先に言うと、今回のつよきすNEXTはこれまでのつよきすシリーズと似て非なるものと云えるのではないでしょうか。
確かにつよきすで登場したキャラクターも登場しますし、またCGこそないものの存在を匂わせるキャラクターもいます。そういった意味でつよきすシリーズの一環といえないこともないのですが、プレイしている感触からは、あのつよきすの世界を楽しんでいるという雰囲気が全く起きなかったのです。
この理由として、前作の対馬グループを形成したカニやフカヒレ・スバルと比較して今作の主人公グループのキャラに魅力がなかったと言ってしまえばそれまでなのですが、ぼくが思うには今回の主人公のグループは対馬グループと比較して縁が薄いように感じられたのが原因と思うのですね。これは別に今回の主人公が仲間意識が薄いと言っているわけでなく、前作のようにグループの強固さを形作るようなエピソードがあまり語られなかったからそう感じてしまったのではないかと思うのです。

そういった友情部分があまり強く触れていなかったのに対し、逆に強化されていたのがヒロインとのイチャラブ部分。ネコ先輩や伊那瀬のデレに変わった際の豹変ぶりは楽しいし、チェリの友情が恋愛に変わっていく関係も定番ながら興味深く読めた。ただどのルートも消化不良というより、週刊少年漫画の連載が突然打ち切りを喰らったような駆け足ぶりが気になりました。これは最終ルートの澄香を目立たせようというライターの思惑があったように感じるのですが、ぼく感じるにははっきりいって逆効果。澄香がつよきす本編のよっぴーのようなアクの強いキャラクターならもう少し変化があったのかもしれませんが、ピュアで素直がウリの彼女にグランドルートを任せるのは荷が重すぎるように思えて仕方ないのです。悪役も信念だけ凝り固まった策ばかり弄する小悪党というキャラは序中盤のルートならともかく最終ルートを務めるにしては澄香以上に役不足。そして一番問題なのはこのルートで澄香が精神的に強くなった(成長した)という部分があまり見られなかったこと。これではつよきすという題名を冠するヒロイン・・・特にメインの・・・として相応しいとはとてもいえない。こんな蛇足としか思えないルートを作るなら、各ヒロインのルートの収束にもう少し力を入れた方が良かったように思えてならないのです。

ヒロインは誰もが可愛いし、アクが強く万人受けするとはとてもいえないヒロインが揃っていたつよきす本編と比べれば楽しめるシーンは多い。全体に散りばめられているつよきす本編の名残など、ライターのつよきすに対する知識の深さは今回も健在。ただつよきす本編と比べると根本的に味が違う。これならばつよきすNEXTなんて上段に振りかぶったタイトルを付けなくても、全くの新作としてリリースした方が良かったように思えて仕方がない。このタイトルのため嫌でも本編と比較してしまうことになるし、言いたくはないですがフカヒレのような存在がないことが目に付いてしまうのです。決して詰まらないゲームではないだけに、自ら土俵下に足を踏み出してしまったような結果になってしまったのは惜しいことこの上ないというのがぼくの評価でした。

あとこれはぼくの気のせいかもしれませんが、あの最終ルートを入れたのはつよきすよりも真剣で私に恋しなさい!の影響を受けたのかと思ったり思わなかったり。とするとライターのタカヒロ氏に対する念というのはかなり強いものがあると思うのですが、今回に関してはややその意識が強すぎたのかもしれませんね。

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