2014年10月18日

2作目で前進というわけには行かず

2か月ほど前から断続的にプレイしていた夏恋ハイプレッシャー(スミレ)がようやくクリアできました。コメディと萌えの程よいバランスで今や本家のHOOKより勢いのある存在であるSMEEに続く存在にもなりえると見ていた割には、デビュー作のラブレッシブでは今一つの評価だったスミレだけに、今回こそは期待に応えたいところですが・・・

このメーカーのメインライターである雪仁氏の作品として思い浮かぶのがStrawberry Nauts(HOOK)で、モブキャラの鬱屈した心情を曝け出したPITという発想は中々面白く、練り上げれば面白いシステムとなりそうでした。
そしてラブレッシブではツブヤッキーというツイッターに模したシステムが導入されていました(らしい)。肉食系女子が主人公を取り合うというゲームのコンセプトだけに、主人公の知らない所で丁々発止とやり合うことを想像すると、確かにツブヤッキーというシステムには合っていると考えていました。(ただそれが点数に表れなかったところを見ると、実際には練られていなかったようですが)
それだけに2作目でこのシステムをどこまで練り上げてくるのか注目していたのですが、残念ながら進化したとは言い難いデキでした。というのもPITではモブキャラたちの会話が主となっていたのですが、今回はヒロイン及びサブキャラが呟くのみなのですね。確かにモブキャラの会話となるとかなりの呟きがストーリーにほとんど影響しない意味ないものとなってしまうのですが、ヒロインやサブキャラのみが呟くのみとなると、PITにあったような主人公に対する鬱屈したどす黒い思いを曝け出すということにはほとんどならない。特に今回は個別ルートに入ると他のヒロインが結ばれたヒロインとの仲を祝福するのみで、それ以後ほとんど呟かなくなるようではこの機能が生かされたというのとても言えないのですね。そんな中ヒメとババロアが時折笑いを誘ってくれますが、逆に言えば笑いが提供されたのはそれだけ。主人公の1人ボケツッコミはかなり寒いし、学園長のハゲネタも彼が権力を振りかざすタイプの人物ならともかくどちらかというと不遇な人なだけに、あれだけ連発されてはさすがにくどい。
というわけで期待した笑いという点ではイマイチどころかぼく的な評価はそれ以下という結果でした。

ではストーリーの方はどうかというと、萌えゲージャンルを考えれば標準レベルで良くも無ければ悪くもないといったデキ。まあ気分を害すようなシーンは少なかったのが救いとはいえそうですが、ただHOOKの一連の作品と比べると原画やCGがワンランク落ちるのは否めず「HOOKの下位互換」と見られるのは仕方ないところ。まあヒロインと結ばれた後のイチャラブに関してはかなりの破壊力があるのは確かですが、萌え一本で勝負するというわけでなく笑いに軸足を置いていることを考えるとやはり中途半端さは否めない。

結論的には笑いさえ合えば楽しめるのかもしれませんが、笑いのネタがかなり偏っているだけにその可能性は意外に低そう。まあ原画やCG(塗り)のレベルを考えると萌え一本で勝負するのは苦しそうなだけに仕方ないのかもしれませんが、期待のツブヤッキーにほとんど進化が見られなかった時点で勝負の行方が見えてしまった印象は拭えない。デビュー作に続いて2作目の今回も成功とはいえない結果に終わってしまったことで、メーカーとして苦しい立場に追い込まれてしまいそうですが、エロゲーで笑いを提供してくれるメーカーは少ないだけにぼく的には頑張って欲しいと思っています。

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