2014年11月06日

終盤の追い込みがすべて

先月末Lump of Sugarの新作運命線上のφが発売されたのですが、周回遅れでエロゲーをプレイしているぼくは今頃になってMagical Charming! をプレイしています。
このMagical Charming!。ぼくが初めてプレイするLump of Sugarの作品だったりします。なぜこれまでこのメーカーのゲームをプレイしていなかったかと聴かれても特に深い理由がなく間が悪かったとしか答えるしかないのですが、実際このMagical Charming!が発売された月もぼくの購入順位ではグリザイアの楽園ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1-らぶおぶ恋愛皇帝 of LOVE!お嬢様はご機嫌ナナメに次ぐ5番手か6番手といったところで、まず手を出していなかったところでした。まあこの月はなぜか懐に余裕があったからこのゲームにまで議席が回ったのですが、それでも最後まで月あかりランチとどちらを買うか最後まで迷ったくらいで、もしEX-ONEの前作を購入していなかったら恐らくこちらが落選していた可能性は高かったと思います。
結果的にはこの月は当たりが多くてどれを選んでもハズレではなかったわけですが、これまで批評空間での評価はいつも一歩足りないLump of Sugarの作品で唯一好評を博しているゲームを手にできたというのは僥倖といったところ。そういいながらこれまでずっと積みっぱなしだったのはお約束なのですが・・・


(ここからネタバレ)


このゲームの(恐らく)メインライターはしげた氏ではないかと思われます。しげた氏といえばかんなぎれい氏と組んだプリンセスうぃっちぃずティンクル☆くるせいだーすが代表作であり、この2本が魔法少女ものということもあって今作も同系統の作品であると思っていました。
実際主人公の性格設定は妙なノリでやや暑苦しかったりとしげた氏の一連の作品と近い性格となっています。主人公はライターにとって一番動かしやすい性格にするのが常道であるわけで、この主人公の妙なノリはまさにしげた節というもの。恐らく好き嫌いが大きく分かれそうな主人公だと思うのですが、このあたりはぼく的にはあまり気にならなりませんでした。
それより人気絵師の一角であるはずの梱枝りこ氏の原画があまり可愛く感じられなかったのは小さくない誤算でした。このあたりはぼくの嗜好もあるのか、それとも他に要因があるのか分かりませんが、そのため折角のステディモードのHシーンも満足がいくとまで言い切れなかったのが辛い。

それでもこのゲームの主眼といえるクロノカード集めさえ面白く感じられるなら充分といえるでしょう。そのクロノカード蒐集に嵌ることができるか、それとも面倒くさく感じられるかが評価の分かれ目かと思います。恐らく各ヒロインを1回ずつクリアしただけでは、トゥルーエンドに辿りつくのは不可能といってよく、少なくないバットエンドも見てかなりのカードを集めておかないとラストの戦いで積んでしまうことは必定でしょう。ぼくは元来の蒐集癖が幸いして何とか勝利できたのですが、少なくとも4大精霊のカードくらいは持っておかないと終盤苦しい戦いが待っている筈です。
といって最初から攻略サイトを見て安易にカードを集めていっても、このゲームの本当の面白さは分からないのではないのでしょうか?意味あるかどうか分からないような選択肢を一つずつ潰していくなどしていかないとカードは集まらないのですが、この作業を苦行と感じてしまい攻略サイトの解答を見てしまっては達成感は得られないと思うのです。

実際このゲームの個人ルートについてはそれほど特徴のあるものではありません。特にトゥルールートに掛かるオリエッタのルート以外は凡百の萌えゲーと変わることはありません。しかもHシーンがすべてステディモードに集中しているため、より個別ルートの物足りなさを強く感じてしまうのですね。唯一オリエッタルートはトゥルールートへの橋渡しの形で考えさせられるものになっているのですが、伏線が消化されないままラストを迎えてしまうのでラストはかなり物足りなく感じてしまう。
そういった意味で面倒くさくともぜひ最後までプレイしてもらいたいものですが、こうして考えるとこのゲームはトゥルールートがすべてといっても過言ではないと思うのですね。あまり意味ないものと思われていたクロノカード集めが実はストーリーに深く関わっていたという意外性は少なくない驚きをぼくに与えてくれました。ただこの謎を知ってプレイするのと知らずにプレイするのでは、犯人やトリックを知ってしまってから読む本格推理小説が味気なく感じてしまうのと同じ感触を与えるのではないかと思うのです。
ただミステリーでも名作と呼ばれるものは犯人やトリックを知ってしまっていても面白く感じられるもので、このゲームでも同じことが言えたのかもしれませんが・・・

(総括)
クロノカード集めがただのアクセントではなくストーリーに重大な影響を与えるというアイデアがこのゲームを支えているといっても過言ではない。そういった意味でも終盤特化型のゲームでありただの萌えゲーではありません。マイナス点は個別ルートがかなり退屈なことと、ヒロインは確かに可愛くイチャラブについては合格点を与えられるものの、Hシーンがまったく使えないこと。つまりエロ可愛くないということですが、よく考えると肝心のトゥルールートでは全くHシーンが存在していないことを考えると、そういった点を期待する方が間違っているのかもしれませんね。

この記事へのトラックバックURL

http://sakanaeye.mediacat-blog.jp/t104188
上の画像に書かれている文字を入力して下さい