2017年12月16日

画龍点睛を欠いた惜しさ

休みの日は天鳳を最低半荘6回。多いときは10回と鬼打ちを繰り返しているぼくですが、その甲斐あってようやく4段に昇段することができました。といってもレートが1800に満たないということで、特上卓で打つことは出来ないという罠。恐らくぼくの3着回数が少ないためでしょうが、それで仕方なく変わらず上卓で打つ羽目に。そんな昇段しての初戦は最悪の飛びラス。この調子ではレートを上げるどころか降段の心配をしなくてはいけません。この調子では鳳凰卓どころかそのはるか手前で立ち往生することになりそうです。

そんなわけでなかなかエロゲーに手が伸びないのですが、続けて逆連対(3・4着)を3回連続取ったの機に、ずっと前から崩し始め長い間中断していたDEARDROPS(OVERDRIVE)を一気にクリアしてしまいました。2010年発売というかなり古いゲームですが、現在でも中央値80点弱(批評空間)を保っていてかなり評価の高いゲームとなっています。そんな良作をなぜここまで放っておいた(実は新品で購入していた)か今となってはぼくでも分からないのですが、想像すると2010年5月発売の新作は期待のリアル妹がいる大泉くんのばあいを含め3本購入。6月はこれも発売前かなり期待していたこんそめを含む5本購入していて、いまだにプレイしていないゲームが2本あるなど(そういえば5月発売のあまつみそらにも長い間積んだままにしていた)手が回らないまま現在に至ってしまったのですね。

というわけで今更ながらプレイを始めて驚いたのは、現在のぼくのパソコンの環境でプレイすると、ゲーム画面が小さくて見づらいこと。モニターの設定を変えれば画面は大きく出来るのですが、そうすると(恐らく)他のゲームをプレイしたり天鳳をプレイするとき、またモニターの設定をいじらなくてはならず面倒・・・ということで、画面が小さくて見づらいのを我慢してそのままプレイを始めることにしました。

さてOVERDAIVEといえば、ぼくのようなジュラ紀から生きている古ゲーマーですと思い浮かべるのは初代グリグリということになるのですが、大多数の人となるとキラキラということになるでしょう。そのキラキラと同じ音楽(ロック)を題材としているとあって、ファンにはキラキラ再びと思ったのかもしれませんが、発売前ぼくは醒めた目で見ていました。というのも別ライターだったファンディスクのキラキラ・カーテンコールが本編とは別の意味でクソッタレな内容。今回もライターは瀬戸口廉也氏ではないし、大きな期待はしないでおこうと思ったのです。
まあそれでも音楽を舞台にしたゲームにハズレの作品は少ないし、制作陣はロックの世界に詳しい面々。ロックを舞台に新たな世界を構築してくれるなら大ハズレはないと楽観もしていました。そしてその予感はおおむね当たっていました。同じロックの世界が題材となっていましたが、その味わいはかなり変わっています。それでも関西にゲストで呼ばれるくだりは、キラキラの旅回りを思わせましたし、キラキラファンにはサービスといえるようなシーンも入っています(効果がそれほどあったと思えないのですが)。

そんなこのゲームでぼくのお気に入りのヒロインは初見では弥生だったのですが、「ぼくのお気に入りヒロインは必ず冷遇される。」の法則(苦笑)どおり、やはりシナリオ面ではりむと並んでやや落ちる印象。この落ちるという意味は制作者(ライター)にとって、弥生やりむはかなでや律穂と違ってDEARDROPSの世界を構築するのに重要とされなかったという意味で、決してシナリオがつまらなかったというわけではありません。それでも弥生に関しては他のヒロインに比べHシーンが少なかったりと不遇さが目立ちますが・・・まあこのゲームは(現在)エロマンガ家として人気のある藤丸氏が原画家を担当したにしては、Hシーンにエロさが全く感じられなかっただけに、特に損をしたという気分にはならなかったのは幸い(苦笑)でした。

さてこのゲームを終えた時点で、制作者が1番力を入れたルートは律穂で間違いないところでしょう。脇役の範疇には収まらない存在感を放つ権田の過去についてはりむや弥生といった前座のルートをプレイしていて気になったものですが、律穂ルートでそれが語られます。主人公が過去の恩讐を振り払い、再びバイオリニストとして欧州へ旅立つといった件(くだり)は、相手役が律穂でなければ成立しなかったでしょうし、そういった意味でも真のメインヒロインに相応しいといえます。
ただ最後の飛行場の滑走路に主人公以外のメンバーが乗り込んでのロック演奏はやりすぎでしょう。大型犬や認知症の老人が入り込んだだけで、滑走路が閉鎖されるほどの大事件となるのに、トレーラーで滑走路に突入するなんて成功するわけがありません。まあ仮に成功したとしても軽くお叱りを受けたくらいで無罪放免になるわけはなく、前科者になるのは確定的。律穂や権田はそんなものは気にしないとしても、普通を身上とする弥生がそこまで悪乗りするとは思えません。このご都合主義ともいえるラストでこのゲームの価値はかなり落ちたようにぼくは思います。

それでもぼくはこのゲームが駄作と言い切るつもりはありません。律穂ルートに関してはいわば「画龍点睛を欠く」結果だっただけで、主人公と律穂が主人公の父親からバイオリンを譲り受けるシーンは律穂のカッコ良さが表れていましたし、ハイエナら他のバンドメンバーとの交流も楽しかった。一癖ありそうなレオはルート間での立ち位置が若干変わりますが、音楽界にいそうな変人らしさが表れていましたし、サブも含めキャラが立っていたのは好感が持てました。そう考えるとライターの手腕は決して悪いものではなく律穂ルートのラストはロックの世界の非常識さを意識し強調しようとして筆が滑ったように思えて仕方ないのです。

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