2018年05月05日

アタリ牌見逃しの功罪

麻雀の最終盤でどうしてもライバルの上に行きたいときに、アタリ牌をあえて見逃してのライバルへの直撃・自力ツモ狙いという手法があります。
特にラス脱出が最優先となる天鳳の場合、ラス確定のアガリをして他家を助けるのもバカバカしいので、逆転の可能性がわずかでもある限り、大多数(特に上級者)は一縷の望みを求め逆転の手作りをするでしょう。(もちろん差があまりに大きければ順位浮上を諦め、早々にラス確定のアガリを決めてもう半荘という考えもありますが)
ぼくもオーラスでラスというシーンはそれこそ頻繁にあるので、その場合当然逆転を狙う手作りをするわけですが、ラスに包囲網が敷かれる天鳳ではこの段階で自ら逆転の手を和了するのは難しく、ましてアタリ牌を見逃して直撃に成功したというのはかなりのレアケースではないかと思います(それだけに成功したときの嬉しさは格別なのかもしれませんが)

そんなレアケースが訪れようとした場面。

オーラス西家の10巡目。12200点持ちのラス目で、3着の対面とは6200点差。1着と2着はほぼ同点数で激しく競っている局面。
二萬:麻雀王国三萬:麻雀王国三筒:麻雀王国四筒:麻雀王国五筒赤:麻雀王国五索:麻雀王国六索:麻雀王国七索:麻雀王国八索:麻雀王国八索:麻雀王国八索:麻雀王国九索:麻雀王国北:麻雀王国 ツモ一萬:麻雀王国ドラ西:麻雀王国

リーチをかけて四索:麻雀王国七索:麻雀王国ツモ(もしくは3着目からのジカ取り)なら逆転。ただリーチを掛けたら対面はまず安全牌しか切ってこないでしょう。といってタンヤオ変化や赤五索赤:麻雀王国ツモでもう1ファン付けようとするのも遠い。となればツモに賭けてリーチするしかないところですが、4巡後2着目から出たのが七索:麻雀王国。果たしてここでアガるかどうか。
これがもっと早い巡目ならツモに賭けた方が成算が高い気がしますが、この巡目となると残りツモが少なく微妙に感じます。親は3着に満足して連荘するわけがないでしょうから、恐らくこの局で終了。ならば裏ドラが1枚あれば逆転だけに上がる手もありそうですが、さてどうするか・・・

このあたりは後悔しないよう上がるか見逃すかは最初から決めておいた方がいいのですが、場に出ている残り枚数を考えたとしても、ぼくならまず倒す場面です。そして自らラスを確定させてしまったというオチが付くのですが・・・

さてこれはまた別のケースで最近のぼくの特上卓での実戦譜から
南2局1本場の親番。前局リーチドラ2の7700点を下家から出上がり43200点持ちのトップに浮上。以降南家17600点、西家100点、北家39100点という並び。対面が瀕死状態なだけに、ここで終了させたいところ。
その10巡目でこんな手牌。
二萬:麻雀王国二萬:麻雀王国三萬:麻雀王国五筒:麻雀王国六筒:麻雀王国五索:麻雀王国六索:麻雀王国七索:麻雀王国八索:麻雀王国八索:麻雀王国東:麻雀王国東:麻雀王国東:麻雀王国ドラ七筒:麻雀王国

ここで対面から二萬:麻雀王国が切られたためポン。アタリ牌の四筒:麻雀王国七筒:麻雀王国四筒:麻雀王国を2枚対面が切っているという状況。
そんな次の巡目。下家が四筒:麻雀王国を切ってきました。果たして上がるかどうか。
ツモるか対面が打てば当然上がります。上家が切っても2着目との差が広がることから上がるつもりでいました。ただ下家から上がっても正直意味がなくただ局面を先延ばししただけといえます。
というわけでぼくはこの局で勝負を付けようと思い見逃しました。これは当初の予定通りだったのですが、ただアタリ牌の片割れはドラで早々打たれる牌でなく、四筒:麻雀王国は残り1枚。ならばよくよく考えれば上がったほうが良かった。その後、白:麻雀王国を鳴いていた上家が2巡後チーを入れ、すぐに対面から出上がり。ドラ七筒:麻雀王国が雀頭で3900点の1本場で4200点。しっかり捲られてしまいました。

こうして考えると、見逃しが成功する確率は相当低いように思えます。実際、見逃しの恩恵を受けた他家がその後バカヅキ状態となったことを何度も目にしています。そう考えるとこの見逃しという技は天鳳でのラス目の3着狙い以外はあまり多用する戦術ではないような気がしてきました。次にこういった局面が訪れたら見逃さずしっかり上がっておきたいと思います。

この記事へのトラックバックURL

http://sakanaeye.mediacat-blog.jp/t128493
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい