2008年04月02日

火中の栗を拾う

4月に発売される美少女ゲームの中で一番注目されているのは批評空間の発売予定表を見れば分かるようにつよきす2学期(きゃんでぃそふと)で間違いないでしょう。
最初某ゲーム雑誌の表紙を見てこのゲームの制作が進行中であることを知ったときぼくは何かの冗談としか思えませんでした。そしてそれが冗談でないことを知らされたとき一体誰が表紙の原画を描いたのか気になったものでした。というのも行きつけの本屋でそのゲーム雑誌の表紙を遠めで見たとき一瞬白猫参謀本人が描いているのかと思ったほどでしたから。
それはすぐに誤解だと気づいたのですが、担当原画家がMilkywayシリーズでおなじみの真広雄海氏だというのはサプライズでした。と同時に真広氏もなぜわざわざ火中の栗を拾ったものかと不思議に思ったものです。
というのも、表紙の絵は完全に前作を模倣しており本来真広氏が持つ絵柄とは違っています。自分の持ち味を捨ててまでネタ企画としか思えないつよきす2学期に挑むなど狂気の沙汰としか思えなかったからです。
しかし最近になってこの選択もありなのではないかと思い始めてきました。

メキシコにAAAというルチャリブレ(プロレス)団体があります。ひと昔前、エース格の所属選手であるラ・パルカ、シコシスらが脱退したとき当時代表のアントニオ・ペーニャ氏はすぐ彼らの代理を仕立てて似たようなマスクを被せて同名でリングに上げたものでした。最初ファンもこの入れ替わりに違和感を感じたらしいのですが、そのうち気にしなくなりました。
というのもペーニャ氏が代理選手に二流ルチャドールを当てるのでなく、それなりに力のある選手を起用したからです。もしペーニャ氏が二流選手でお茶を濁そうとしたらブーイングを浴びたでしょうし団体としての人気も失っていたに違いありません。

今回きゃんでぃそふとがした選択もペーニャ氏と同じ考えだったに違いありません。初代である白猫参謀の代役にただ絵が似ているだけの原画家を当ててもブーイングどころか注目すらされないかもしれない。その点真広氏なら実力は初代と変わらない・・・いや安定感からいえば初代より上かもしれない実力者。真広氏もWitch退社後SchoolFesta(ロール)を担当したものの売れ行きは芳しくなく、その後は商業原画家としてほぼ開店休業状態。漫画家への転進も雑誌の休刊によって頓挫し今や忘れられた存在になりつつありましたから、二代目つよきすゲンガーに変身する(レスラー風に)というバクチを打つ気になったのかもしれません。失敗してもともと。もし成功したとすれば一躍表舞台にのし上がれるわけですから真広氏にとっても悪くはない話。それに元同僚の瀬之本久史氏がAXLでそれなりの成功を収めているのを見て俺もこの世界でもう一花をという気になったのかもしれません。

前にも述べたとおりネタだろうか野次馬的興味だろうがつよきす2学期が注目されているのは間違いないところ。原画家の選択も含めきゃんでぃそふとのこれまでのパブリッシングは誤っていないことの証左ともいえます。実際ぼくもこの月の購入候補一番手に挙げていますし(よって体験版プレイ予定なし)恐らく売れ行きも悪くはないでしょう。ただ真広氏やきゃんでぃそふとがこのままエロゲー界のリングに上がり続けられるかどうかそれともUWA(昔メキシコにあったルチャ団体)のようになってしまうかはそのゲームのデキにかかってくるわけで・・・

まあ何はともあれいいファイトを望みたいものです。

この記事へのトラックバックURL

http://sakanaeye.mediacat-blog.jp/t20111
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい