2008年06月01日

我那覇ドーピング違反問題の裁定について考えてみる

注目されていた我那覇(川崎フロンターレ)のドーピング違反問題についてスポーツ仲裁裁判所(CAS)の判決が出たのが5月27日。その判断は大方の予想通り我那覇選手にドーピング禁止違反により出場停止の最低いや裁定をしたJリーグの判断は間違っており我那覇選手及びチームドクターに非はないとの判断だった。そして直後の土曜日、川崎対コンサドーレ札幌の試合で我那覇選手はゴールを決めインタビューで涙ながらに喜びを語りファンの感動を誘った。

そんな我那覇選手側の喜びをよそに、Jリーグ側は我那覇選手には謝罪こそしたもののCASの裁定には不満を漏らしているという。
CASは今後このような事例があった場合裁判費用が安く済む日本国内での裁判を勧めたと聞くが、我那覇選手側はそんなことは分かりきっていてもともと日本国内での裁判を望んでいた。それをJリーグはかたくなに拒否した。この時点でまさか我那覇選手が多額の裁判費用(約4500万円)を使ってまでわざわざスイスにあるCASにまで訴えるとは思ってもみなかったのだろう。本当に姑息な考えである。
そんな上層部だからどんな発言をしても驚きには値しないが、最近こういった裁判所の判決に不満を漏らしたり自分勝手な理屈を展開したりした事例に覚えはないだろうか?

そう名古屋高裁で判断が下されたイラク派遣差し止め裁判である。
高裁で「イラクでの航空自衛隊の空輸活動は憲法9条に違反している」と明確に判断されたのだが、その判断の是非はともかく政府や自衛隊幹部は「判決に疑問」「裁判所が傍論の形で憲法判断を述べるのはおかしい」挙句のはてに「そんなの関係ねぇ」との暴言。日本政府自体がこんな裁判所軽視の発言を繰り返しているのだからJリーグがCASの判決をねじ曲げて解釈・主張するのも当然といえば当然なのかもしれない。

そんな日本で今後導入されるという裁判員制度。このような制度を導入しようとする国が裁判所の権威を貶めるような発言をするというのは如何なものだろうか?そしてそんな風土にあるからこそJリーグのような判決を素直に認めないような土壌が出来上がってしまうのではないだろうか?

とエロゲーのことばかりでなく、真面目なことも考えているということを声高に主張してみたくなった魚の戯言でした。

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