2008年08月09日

エロゲー業界は斜陽産業?

物価の優等生と言われた玉子までもが値上げされるなどここ最近の物価高は目に余るものがあります。といってもパソコンの世界に関しては今のところ値上げは無縁なようで・・・というよりどちらかというと数少ない物価を押し下げている製品なので、そう考えるとエロゲーは「精密機器」であり「パソコン補修部品」(通販時、商品名覧にはこのように書いてある)なわけですから、もう少し値段が安くなってもいいのでは?と言いたくなるのですが、ここで言う「精密機器」という名称は建前でありパチンコ屋が景品を金銭と交換していないと主張するようなものですから値下げなど全く無理なお話でしょう。

実際エロゲーの価格というのは、ここ10年間くらい全く変わっていません。あの当時と比べてCG等の技術の革新は目覚しいものがありますしゲームとしてのスペックは格段に上がっています。少なくとも箸にも棒にも引っかからないといったエロゲーは少なくなっているはずです。何といっても10年前のゲームには声が付いているものはほとんどなかったですしまたヴォーカルソングの存在など考えられなかったのに対し、今のエロゲーには大抵声が付いていますしヴォーカルも2~3曲あるのが当たり前になってきています。P2P等のコピーが蔓延することによる販売本数の低下も今後ますます増えてくるでしょうし、そういった違法コピー対策に費やす費用もバカにはならないでしょう。そういった経費がいつ商品に転嫁されてもおかしくないと考えるべきだと思います。

もしエロゲーの販売価格が今より1割上がったとすると、どれくらい売り上げに影響があるでしょうか?ぼくの主観ではそれ程変わらないのではと思っています。ただそれは大手メーカーのゲームに関してのことで、中小特に新規メーカーのゲームはかなり売り上げが落ちるのではないでしょうか。
実際ぼくも数年前より明らかにエロゲーを買う本数は増えていますが、昔は何気なしに付けてもらっていた特典つきテレカを断ったり要らなくなった中古ゲームを売ったりして少しでも費用を抑えようと努力しています。もし1割価格が上がったとしたら特攻(予約)する本数を抑えて未開封中古やワゴン落ちしたものを拾うようになるでしょう。となると新規メーカーのゲームなどはまず予約購入は見送りとなるでしょうし、後でワゴン落ちしたところを買うとしても批評空間などで評価があまりに悪いゲームは手を出さないでしょう。

それはともかくエロゲー価格が今後値上げされたとしてもされなかったとしてもこういった厳しい環境が続く限りオーガストのような一介の同人メーカーが押しも押されぬ人気メーカーになったアメリカンドリームのようなことは今後起こりにくくなるのは間違いないのではないでしょうか。エロゲー業界というものに商売としての魅力がなくなってくれば参入しようとする人は少なくなるでしょうし、わざわざ商業に進出しなくとも同人世界で気楽にやっていれば充分と考えるでしょうから。
新規に参入したり投資したりする人がいない産業というものは明らかに工業的な活力を失ってきているといえます。現代の日本では(繊維の)染色工場を新たに営もうとする人は皆無ですが、その一方趣味で草木染を行い個人的にネットなどで販売している人はたくさんいます。そんな染色業界のような斜陽産業にエロゲー業界は今後陥っていくのでしょうか・・・

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