2008年08月22日

ご都合主義的設定も悪くない

るいは智を呼ぶ(暁WORKS)をようやくクリアしました。
批評空間での評価(予定)は90点。これは今年発売されたゲームの中では最高点で、ぼくが90点台の点数を付けるのは大体年間1本程度ですから今年一番面白かったゲームになることはほぼ確定したといえるかもしれません。(勿論これ以上に面白いゲームが出現してくれれば嬉しいんですけど・・・)

ただこのゲーム、欠点は少なからずあって特に甚だしいのがご都合主義的設定と伏線未回収の問題。数年前のぼくならこのような欠点があったとしたら大いに減点したでしょうからこのような高い評価は絶対に与えなかったであろうと思います。
それがなぜこのような点数を与えることになってしまったかというと、ぼくの嗜好が少なからず変化していったことがあるでしょう。
昔はこのようなマンガ的なご都合主義的展開は毛嫌いしていてリアル志向なストーリーを好んでいたのですが、エロゲーをプレイするのにそこまで肩肘張っていても仕方ないと方針を90度ほど転換してしまったことがあります。まあ180度でないのですから転換というより容認というのが正しい日本語かもしれませんが・・・それはともかくエロゲーにそこまでリアルな話を求めても仕方が無いと一種諦めの心境に達してしまったわけです。これはエロゲーを小説より位を一段(以上)低く見てしまったことになり本当にエロゲーを愛している人にとっては好きなものをバカにされたと感じてしまうかもしれず、またエロゲーに対する正当な評価といった意味では誤った評価を下してしまう結果になってしまったのかもしれません。それでもぼくにとって純粋にこのゲームを楽しむことができたというエンターテイメント的意味でこのゲームに高い評価を与えます。
ただぼくがすべてのエロゲーに対してご都合主義を許しているというわけではありません。(これが180度でない意味)序盤はリアルな人間ドラマ的衣装を身に纏っておいて終盤それを脱ぎ捨てるがごとく恥ずかしげも無くご都合主義に走るのは大いにくさします。それはプレイヤーに対する一種の裏切り行為だからです。つまりどうせ風呂敷が畳めないのなら賢しげに覆面を被ったりせず最初から開けっぴろげにご都合主義であることを宣言しておきなさいといいたいわけです。
その点、このるい智は冒頭から風呂敷を畳む気がないことをあからさまにしてくれます。(逆にこの設定できっちり風呂敷を畳みきったら大喝采を贈るのですがそれは望むのが無理というもの)そういった潔さが伝わってきたからこそ、頭を空っぽにして楽しむことが出来たというわけです。
ただ広げた風呂敷を最初から畳む気はないとしても、少しは丸めておいたほうがいい気はしますが・・・


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