2008年09月10日

ソフトボールブームとエロゲー

北京オリンピックで女子ソフトボールがアメリカを破り念願の金メダルを取りました。大口を叩きながら銅メダルの確保も成らなかった野球の反動もあるのか帰国してからの彼女たちへの注目度は想像以上で、五輪での中断期間を経て久しぶりに開催された女子リーグの試合ではかなりの観客が試合を観戦に集まったと報道されました。
地元である豊田自動織機やデンソーのライバルチームであるルネサス高崎の上野投手ばかり注目が集まるのは若干複雑な思いがあるのですが、ソフトボール愛好者としてこの異常ともいえる人気は嬉しいものがあります。

さて、こうしたブームに乗っかろうとする動きが出てくるのは当然ともいえるのですが、エロゲーでもそれは例外でないでしょう。世間の冷たい目も意に介さず現在いろいろなソフトハウスの企画会議でソフトボールを題材にしたエロゲーが提案されていることでしょう。それが何本陽の目を見ることになるかは神のみぞ知るですが、前にコラムで取り上げたようにスポーツを舞台としたエロゲーに良作は少ないとの定説どおりまず良作が生まれ出てくることはないでしょう。というよりソフトボールという競技を真剣に見たこともなく、ただブームに乗っかっただけの生噛り状態で良作が生まれるなんてまず不可能ということは冬季トリノ五輪で話題となったカーリングを題材として制作されたと思われるこなゆきふるり~柚子原町カーリング部~の失敗でおおよそ証明されたかと。

実際にエロゲーとして制作されることを考えるとソフトボールという競技は不向きといえるかもしれません。ネックとなるのはソフトボールのレギュラーメンバーが9人と多いこと。ソフトボールというのは正式には男女混合チームで行う競技ではないのでチームメンバー全員の性別は必ず同一であり自ずと攻略キャラとなってくるわけですが、9人もの攻略ヒロインというのは明らかに過剰です。9人ものシナリオを考えなければいけないとなるとどうしてもシナリオは薄くなってしまうし、またリアリティを出そうとするなら控え選手やマネジャーの存在を(そしてそのルートも)考えないといけないわけでよりシナリオは軽薄になってくる。開き直って個別シナリオは存在せずルートを一本道としてしまうのも手ですが、よほど巧くやらないと(例えばプリンセスワルツのように)ユーザーに鬱屈した思いがくすぶってしまうのでどちらにしてもライターはかなりの力量を要求されるというわけで・・・
なんといっても攻略メンバー的には遥かに有利なカーリング(チームメンバーは4~5人)でも失敗作が出来上がってしまうのですからソフトボールを題材としたエロゲーで良作を期待するのが無茶なのかもしれませんけどね。まあ恋愛ゲーでなく凌辱ゲーとして制作されるのならばそんな心配は無視できるのですが・・・

さて、現在のところソフトボールを題材としたエロゲーとしてぼくが思い浮かぶのはコートの中の天使達2~ソフトボール編~ただ一つなのですが、ぽよよんろっく氏原画でかなりの成功を収めた前作と比べるのもおこがましいほどの知名度ということは、メーカーのピンパイがこれ以後エロゲーの制作から足を洗ったことから容易に想像できるかと思いますが・・・実際の作品がそれほど酷かったわけではなく、ただ原画が変わってしまったことにより前作のファンからすれば劣化具合が目だってしまったのが不幸の原因といえるでしょう。というのもシナリオは当然ながら薄いもののテキストはそれほど悪くなかったからです。もし原画をそのままろっく氏に依頼出来ていたとすればソフトボール・エロゲーのパイオニアとしてもう少し認知度が高くなっていたかもしれません。いやそんな気がするだけかもしれませんけど。

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