2008年10月07日

熾烈を極める残留争い

Jリーグの優勝争いは相変わらず混沌を極めている。第28節土曜日の試合で鹿島がG大阪に引き分けたため浦和や名古屋は順位を上げるチャンスだったのだが、浦和は千葉の勢いに呑まれてしまった形で点差以上の差を見せ付けられての完敗。名古屋も4連敗中の東京Vに苦しめられての引き分け。後半必要以上に名古屋の攻撃力を恐れて守り重視の交代をし結果的にチームの勢いを削いでしまった柱谷監督の弱気な采配さえなければ名古屋もまず追いつくことは出来なかっただろう。
正直今節の内容では浦和も名古屋も優勝を狙うなどと広言するのはおこがましいといっていい。相手チームのJ2に落ちたくないという気持ちが優勝したいという気持ちを上回ってしまうようでは資格などないだろう。逆にそんな降格チームの必死に立ち向かってくる焦りを利用するくらいの狡猾さがなければ優勝など不可能なのだ。

そんな風に上位チームが足踏み状態を続けているせいか、優勝争い以上に下位グループの降格阻止にむけての争いが熾烈を極めている。1チーム札幌のみが蚊帳の外となっているが、他のチームはほぼ団子状態の様相。特にここにきて千葉が5連勝と絶好調。第23節同じく降格争いをしている磐田と引き分けたときにはほぼ終戦かと思われたのだが、そこからの勢いはすさまじい。決して良いサッカーを90分間続けているわけでなく、札幌戦や京都戦などはどちらに転んでもおかしくない内容だったのだが、そういった試合を拾っていくうちに勢いが出てきたようだ。谷澤・工藤が好調な上新加入の深井もチームに溶け込み点が取れてきただけにこの勢いは本物といっていいだろう。
磐田もここにきて連勝と降格圏内からようやく脱出してきたが、相手はアウェーになるとホームとは全く別のチームになってしまう新潟と終戦が確定した札幌だけにあまり参考にならない。といっても点が取れなかったどころかチャンスすら作れなかったチームが札幌戦で5点も取れたのは大きい。同勝ち点だと最後得失点差で残留が決まってくる可能性もあるからだ。問題はオフト監督の采配に相変わらず冴えが見られない点。ここまで混戦となってくると最後には監督の指揮能力が勝敗を分ける可能性もあり、勝負勘に欠けるオフト采配がもしかすると致命傷になってしまうかもしれない。
東京Vは名古屋戦のような試合やディエゴ、大黒など前線の選手たちの能力を考えればまず降格などありえないはずだが、何となくワシントンという決定的な仕事ができる選手を持ちながら降格してしまった年とムードが似てきたような気がしてきた。もしかすると完全に勝ちゲームだった名古屋戦の引き分けは痛恨となってくるかもしれず、柱谷監督が再び弱気の虫を見せてしまうとまた悪魔が忍び寄ってくるかもしれない。
柏は残留争いのライバルである大宮を叩いて一息つけた。出場停止の選手が出て苦肉の起用だったサイドバックの村山がハットトリックという大サプライズ。こんなミラクルが起きるチームに降格などまず考えられないだろう。
そして今一番危険なムードが漂っているのがその直接対決で敗れた大宮だ。デニス・マルケスが離脱し完全に前線の核が消えてしまったためかここ4試合ノーゴールと全く点が取れない。山形の監督時代もそうだったが、不調に陥ると長引いてしまうのが樋口監督の欠点なのかなかなか適切な処置が行えないようだ。期待の新外人であるラフリッチもフィットしているとはいい辛く、早く立て直してこないと本当に危ない。

さて、今後の対戦相手だが、千葉は次節はホームで新潟と対戦でアウェーになるとてんでだらしない新潟だけに勝ち点は計算できそうだ。もし勝てば得失点差で新潟の上に行くことになり残留へ大きく近づくことになる。ただし負けるようだとその次の大宮戦は文字通り大勝負となりそうだ。
磐田は調子を上げつつあるG大阪が次の相手で、続く名古屋戦の次が清水との静岡ダービーと対戦相手は厳しい。正直勝ち点が計算できそうなのは不調に陥りつつある名古屋くらいで、もしこの3試合で勝ち点を積み重ねられないようだと首筋が冷たくなってきそうな気配だ。
東京Vは次節が大宮との直接対決。ホームで戦える利もあり確実に叩いておきたい。もし叩けられれば京都・神戸と余裕を持って対戦できるし目標を失くした札幌というボーナスステージが残っているのも大きい。そんなわけで順当ならば降格圏からは抜け出せる皮算用だが、もし大宮戦に敗れるようだとチームが泥沼状態に陥る可能性もある。
最後に大宮だが、次節は東京Vでその次が千葉。もし連敗するようならほぼ終戦となってしまうだけに好調な千葉はともかく最低でも東京Vには引き分けておきたい。そしてとにかく早くチームを立て直して最終節の磐田と乾坤一擲の勝負を挑みたいところだ。サポーターのためにも絶対に最終節を消化試合にしてはいけない。

そして前にも話したと思うがJ1の16位とJ2の3位が行う入れ替え戦はここ3年J2が3連勝中。力が上のはずのJ1チームが苦杯を喫しており安心は出来ず、降格だけでなく入れ替え戦枠阻止をめぐる争いにも注目してみたい。

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