2009年10月04日

蜂蜜のような甘さが持ち味も

さて前回予告した通り、今回はハチミツ乙女blossomdays(ルピナス)についてです。
このゲームの原画家はミヤスリサ氏でエロゲーではもはやベテランの域に達しているといえる絵師ですが、ぼくの脳裏に何ともいえない不安感が訪れました。というのもこのゲームのメーカーの煽り文が照れ×デレ 恥ずかしがる乙女に萌える学園ADVでこれがシリウスのこいびとどうしですることぜんぶを思わせたからです。
実のところこのこいびとどうしですることぜんぶは事前では11月の傑作群(世界でいちばんNGな恋、キラ☆キラ、赫炎のインガノック、そして明日の世界より――)に次ぐ評価をしていたゲームで直前まで購入を考えていたのですが、体験版をプレイしてぼくの趣味に合わないことを察知し回避を決めました。このこいびとどうしですることぜんぶの煽り文ができたてカップルラブラブADVで何かコンセプトが共通のように思われてならないわけで無条件で買うには危険かもしれない・・・

というような思惑を抱えて体験版を始めてみたわけですが、真っ先に気づいたのはミヤスリサ氏の絵がシリウスの諸作品と比べて今ひとつなこと。これは塗りの問題が関係しているかもしれませんが妙に荒く感じます。まあこのあたりは個人的な好みかもしれませんが、シナリオが多少悪くても原画補正で購入してしまうというほどのオーラを感じることは出来ませんでした。
まあぼくにとってはそれよりシナリオの方が重要です。前回書いたとおりこのゲームに一番期待しているのは佐野一馬氏のテキストなわけですので。
そのテキストですが体験版をプレイした限りでは正直良さについてはよく分かりませんでした。というのも(これはぼくの想像ですが)どうやらプロローグ部分を担当しているのは佐野一馬氏でなくJ・さいろー氏(もしくは狩野伊太朗氏)ではないかと思うのです。佐野氏なら取りあえずプロローグ部分からインパクトのあるイベントをぶつけてきて読み手を引き付けると思うのですが、このゲームでは冒頭ヒロインが朝寝ぼうした主人公を起こしに来るというお定まりの出だし。まあこういった小さなイベントを積み重ねていくことによってヒロインの魅力を浮き立たせていくのがJ・さいろー氏や狩野氏の持ち味といえるかもしれませんが、体験版の範囲ではヒロインの魅力という部分は余り伝わってきませんでした。。
まあよく考えれば、ちょっぴり田舎を舞台とした暖かな雰囲気の恋愛ADVという設定は佐野氏でなくどちらかといえばJ・さいろー氏が得意とする分野ですし、そういった雰囲気を好むファンなら買っても損はないかもしれません。ゲーム後半でのイチャデレパートにもそれなりに期待できそう。ただこれまでの恋愛ADVと違う目新しい部分に欠けるのは否めないといったところで、主人公も好感が持てそうな感じとはいえ鈍感すぎるのが難。とはいえ実のところJ・さいろー氏の裏芸(お家芸)といえば女の子に襲われる受身一本槍のショタ系主人公なわけで、こういった恋愛ADVでもヒロインからの告白されるのを待つだけの鈍感主人公となっても仕方ないかもしれませんが。

というわけで、雰囲気は悪くないものの原画を含めてやや強調材料に欠けるというのが体験版を終えた感想です。ぼく的には佐野一馬氏のテキストに期待していたためネガティブ気味な紹介になってしまいましたが、過度な期待をしなければそれなりに楽しめるのではないでしょうか。これはぼくの勘になるのですがメインヒロイン格の七瀬姉妹よりサブヒロインである美樹の方が化ける可能性が大きく、この作品が成功するか否はもしかしたら彼女の両肩に掛かっているかもしれませんね。

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