2010年01月06日

二つの整合性という意味

今年の目標を積みゲーの大幅削減に定めたのですが、一向に12月発売組を処理する目処がたちません。これもやけに時間の掛かる某FDのコンテンツ(RPG)から始めてしまったからですが、これがなかなか面白くて時間ばかり掛かるばかり。まあそれは嬉しいことなのですが、このままそればかりプレイしていると新年早々から大幅削減の公約破りとなってしまいそう。
というわけで取りあえず簡単に終わりそうなゲームをということで始めたのが、Princess Holiday~転がるりんご亭千夜一夜~。この作品の成功が後のオーガストの躍進を決定づけたといってもいいくらいの著名作で、いつかはプレイすることもあるかとかなり前にワゴンセールで購入したのですが、まさかプレイする日が来るとは思ってもいませんでした。

そんな有名作品なのですが、時代の流れというものは恐ろしいもので発売から8年近く経った今プレイしてみると、さすがに古さは隠し切れません。ヒロインルート確定条件も何気に厳しく、漫然とプレイしていると主人公が再び1人で放浪する羽目になってしまいますし、BGMも最近のオーガストのゲームとは比較になりません(それでも主題歌は今聴いてもいい曲ですが)。何より一番がっかりしたのはエロが薄いこと。ぼく的にオーガストのゲームで一番期待しているのはこの部分なので、この部分が弱いと正直厳しい。それでもメインヒロインのレティに関してはおまけもあり優遇されているので、彼女に萌えられればソコソコ満足できるかもしれません。

さてこの時代のオーガストには漏れなく付いていると言われている超展開ですが、巷の噂ではこのゲームが一番顕著かつ有名で、そのためまだプレイしていないぼくも大体の展開は分かっていました。そのためか、いざ最終ルートに入ってもそれほどの驚きは無かったのですが、よくよく考えてみるとこのゲームのラストを超展開と呼ぶのはちょっと可哀想という気はします。というのもライターは最後のSF展開に入るに至りそれなりに伏線を張っているから(それでも星間移民して200年しか時代が経っていないというのはちょっとどうかと思いますが)で、レイ姉ルートの最終盤で城の宝物庫に忍び込むシーン等がその一例ですが、ああいった聴覚でなく視覚的に伏線を見せる手法は映画やテレビドラマなどではよく見かけるのですが、エロゲーの世界では余り見かけない手法で感心してしまったくらいです。特にこのゲームに於ける個別ルートの淡白さ起伏のなさは尋常でなくラストであれくらいの展開を用意しておかないと、本当に何の印象も残らないままゲームを終えてしまうことになりかねませんし。

ただそういった点を加味して、それでも中世雰囲気を壊してしまう終盤の展開に納得がいかないという意見なら分からないでもないです。つまり話の整合性はとれているが作品世界の整合性はとれていないという意味での否定意見です。こういった意見が出てくるということは、確かに終盤の展開は驚かされたかもしれないけれど、驚かせただけで心に響くものではなかったということでしょう。つまりミステリーでいう「トリックは優れているが話は面白くない」という評がそのままこのゲームにも当てはまるというわけです。

最近開発のニュースが聞かれずもしかしたら今年一杯新作の発売がないのでは?という不安からついプレイしてしまったこの作品。オーガストも新作の開発が難航しているのならこのゲームをリメイクしたらと思ったりしないでもないのですが、レティ役の声優の方が復帰されない以上難しいかもしれませんね。それでもあの時代から比べるとグンと力量を付けたオーガストが再びこのゲームを作ったらもっと良いものが出来るのではないかとぼくは思っているのです。二つの整合性の取れた素晴らしいリメイクが。

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