2010年02月26日

特長を捨てた謎

先月はファンディスクの発売が目立ったのですが、その中で特に評判の悪いゲームの一つが花と乙女に祝福を ロイヤルブーケ(ensemble)です。しかも中央値が60点付近を彷徨っているとなるとかなりの酷いデキであることが容易に想像できるわけですが、果たしてどの程度のものなのか確かめてみたいということで先月購入組の中から真っ先にプレイすることにしました。

このゲームをプレイするにあたって予備知識として持っていたのは、妹の晶子のHシーンがないことでこれが批評空間で腐されていた大きな要因の一つだったのですが、これについてぼくは最初それほどこだわりを持っていませんでした。というのも確かに晶子は魅力的なキャラですが、ビジュアル的に見れば主人公と同一なだけにHシーンとして考えた場合違和感が大きくなるのではと考えたのです。
ぼくがもし晶子のHシーンを挿入するとしたならば、主人公(彰)と晶子の組み合わせでなく晶子とヒロイン(聖佳あたりが第一候補か)のレズシーンか主人公を含めた3P。ただここまでサービスしなくても本編の世界観が再び楽しめるなら充分と思っていました。
ただそんなぼくの考えはゲームをプレイするにつれて甘かったと気付かされました。というのもこのゲーム、ファンディスクとして最低の体裁しか整ってなくて、目立って良いといえる部分が本当に少ないのです。これならば多少不自然でも晶子のHシーンがあってもと思ったわけで・・・

花と乙女に祝福を本編の魅力といえば主人公の健気さでありヒロインに甲斐甲斐しく尽くすその姿がぼくの心を打ったのですが、このファンディスクではただヒロインたちに弄ばれるだけの存在となっています。これでは折角本編で築き上げた主人公のアイデンティティが崩壊したも同然で、本編よりつまらなくなったのも当然といえるかもしれません。
それに本編から考えると主人公がかなり病的なシスコンに脚色されています。まあこの変化は多分コメディさを強調するために後付けで考えられたものだとぼくは思っているのですが、ファンディスクの構成を考えると逆効果だったのではと思います。
というのもここまで病的なシスコンに設定してしまった以上、晶子とのHシーンが発生しないのはおかしいと考えるのはエロゲーマーとしてごく自然なことですので。もしこれが本編と同じような主人公の性格だったとすれば晶子とのHシーンがなくてもそれほど不満に思わなかったでしょう(ぼく的には)。それが本編の持ち味を破壊させてしまうような外連(ケレン)味たっぷりのショートストーリーを展開させてしまった以上、双子同士というHシーンがあっても不思議でない・・・というより逆にない方が不自然なくらいに思えたわけです。

このファンディスクが失敗した原因は制作者(ディレクター)自体なぜ本編がこれほど人気を博したかよく理解していなかったためではないでしょうか。でなければどちらかというと不評だった園芸部ルートのヒロインたちよりも聖佳や薫をメインとしたストーリーを投入していたでしょう。これはぼくの推測になるのですがもしかしたら聖佳や薫といった生徒会ルートを担当したライターがこのファンディスクには係わっていなかったのではないかと考えるのです。つまり園芸部ルートを担当したライタ-のみでこのファンディスクは制作された・・・そう考えると園芸部ルートの評価の低さからしてこのファンディスクがつまらないのも仕方ないのかもしれませんが、そうとでも考えないことには散々たる結果に終わった原因が説明できないとぼくは思っているのです。

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