2010年03月16日
美少女ゲームライブラリー⑫~univ~恋・はじまるよっ~
今回の美少女ゲームライブラリーは人気ブランドカクテルソフトのラスト作として当時かなりの話題を集めたuniv~恋・はじまるよっ~(カクテルソフト)を紹介したいと思います。まあ最終作と謳いながらしばらくしてそれを忘れたかのように突如ブランドが墓場から甦ったりしてしまうところがその後のF&Cの迷走ぶりを如実に表しているのですが、それはまた別の話としてこのゲームかなりの好セールスを記録したように記憶しています。それもそのはずで原画がF&Cの最終兵器というべき松本規之氏と新進気鋭の萌木原ふみたけ氏のタッグ。みつみ美里氏や甘露樹氏といったエース級の原画家が抜けながらまだこれだけの原画家が泉のように湧き出てくるというF&Cの懐の深さには当時は感嘆したものでした。
ただ改めて現在の批評空間のデータ数を見るとあまりに少ない。同日発売された21-Two One-やDOUBLE~ダブル~といった著名作よりもずっと少ないデータ数というのはその売り上げ本数から考えると納得がいかないのですが、それよりもぼく的に納得がいかないのはこのゲームの評価があまりに低いことなのです。
まあシナリオについてはあってないが如しですし、意味深な伏線についても解決するのは後編であるuniv~愛・おまたせっ~を待たなくてはいかない。ゲーム期間が長大なわりに内容がないとなれば評価が低迷するのもやむを得ないのかもしれないのですが、ぼくがこのゲームを高く評価する理由はこのゲームの主眼といえるキャンパス生活が非常に良く描かれているところなのです。
このゲームのシステムは主人公(プレイヤー)が情報を集めることによって、その情報をもとにヒロインをデートに誘う。この工程を重ねることによってヒロインとの親密度が上がっていくわけですが、これが妙に主人公たちのキャンパスライフを表していてぼく的には完全にツボに嵌りました。人によっては単調で退屈とも受け取られるシステムなのですが、下手なテキストを読まされることを考えれば余程ましと思うのですけれど・・・
ただ出来ればこのデート場面でのイベントCGをもっと増やして欲しかった。折角苦労してヒロインをデートに誘ったというのに何のイベントCGもないのでは余りに寂しすぎます。単調と言われる要因はもしかしたらこんな所にあるのではと思うわけですが、それでもぼく的に楽しめたのは事実です。
そんなぼくのお気に入りヒロインはティナや育といった萌木原キャラでなく倫子や微といった松本キャラ。というか倫子&微との微妙な三角関係がぼくの琴線に触れたのですが、メインヒロインの倫子より微の方に心動かされたのはぼくだけではないはず。
さてこのunivというゲーム。実は~恋・はじまるよっ~は前編であり後編の~愛・おまたせっ~と合わせて一本のゲームという趣向なのですが、次の~愛・おまたせっ~についてはぼくには正直蛇足というイメージしかありません。気を持たせた伏線についてもありきたりな解決だったし、H色を強めたといってもCGの絶対量は少ない。それより一番の問題は松本&萌木原両氏の原画が恋編より明らかに精彩を欠いていること。萌木原氏がその直後に原画を担当したモルダヴァイトやプラチナウインドでは前と変わらないクオリティの良さだったことを鑑みると萌木原氏の心が愛編の時点ではもうunivには無かったと言っても過言ではないでしょう。そう考えると愛編は発売時機を逸したというより前後編に分けたという企画自体の間違いといえるかもしれません。(この項終わり)
ということで中断期間を挟みながら12回まで続けてきたこの懐ゲー企画ですが、かなり時代を下ってきたこともありひとまず今回をもって終了したいと思います。といってもカクテルソフトのように突然再開するかもしれませんけれど・・・とりあえず長い間お付き合い下さってどうもありがとうございました。
ただ改めて現在の批評空間のデータ数を見るとあまりに少ない。同日発売された21-Two One-やDOUBLE~ダブル~といった著名作よりもずっと少ないデータ数というのはその売り上げ本数から考えると納得がいかないのですが、それよりもぼく的に納得がいかないのはこのゲームの評価があまりに低いことなのです。
まあシナリオについてはあってないが如しですし、意味深な伏線についても解決するのは後編であるuniv~愛・おまたせっ~を待たなくてはいかない。ゲーム期間が長大なわりに内容がないとなれば評価が低迷するのもやむを得ないのかもしれないのですが、ぼくがこのゲームを高く評価する理由はこのゲームの主眼といえるキャンパス生活が非常に良く描かれているところなのです。
このゲームのシステムは主人公(プレイヤー)が情報を集めることによって、その情報をもとにヒロインをデートに誘う。この工程を重ねることによってヒロインとの親密度が上がっていくわけですが、これが妙に主人公たちのキャンパスライフを表していてぼく的には完全にツボに嵌りました。人によっては単調で退屈とも受け取られるシステムなのですが、下手なテキストを読まされることを考えれば余程ましと思うのですけれど・・・
ただ出来ればこのデート場面でのイベントCGをもっと増やして欲しかった。折角苦労してヒロインをデートに誘ったというのに何のイベントCGもないのでは余りに寂しすぎます。単調と言われる要因はもしかしたらこんな所にあるのではと思うわけですが、それでもぼく的に楽しめたのは事実です。
そんなぼくのお気に入りヒロインはティナや育といった萌木原キャラでなく倫子や微といった松本キャラ。というか倫子&微との微妙な三角関係がぼくの琴線に触れたのですが、メインヒロインの倫子より微の方に心動かされたのはぼくだけではないはず。
さてこのunivというゲーム。実は~恋・はじまるよっ~は前編であり後編の~愛・おまたせっ~と合わせて一本のゲームという趣向なのですが、次の~愛・おまたせっ~についてはぼくには正直蛇足というイメージしかありません。気を持たせた伏線についてもありきたりな解決だったし、H色を強めたといってもCGの絶対量は少ない。それより一番の問題は松本&萌木原両氏の原画が恋編より明らかに精彩を欠いていること。萌木原氏がその直後に原画を担当したモルダヴァイトやプラチナウインドでは前と変わらないクオリティの良さだったことを鑑みると萌木原氏の心が愛編の時点ではもうunivには無かったと言っても過言ではないでしょう。そう考えると愛編は発売時機を逸したというより前後編に分けたという企画自体の間違いといえるかもしれません。(この項終わり)
ということで中断期間を挟みながら12回まで続けてきたこの懐ゲー企画ですが、かなり時代を下ってきたこともありひとまず今回をもって終了したいと思います。といってもカクテルソフトのように突然再開するかもしれませんけれど・・・とりあえず長い間お付き合い下さってどうもありがとうございました。
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この記事へのコメント
どうも、お久しぶりです。いつも楽しく拝読させていただいております。
美少女ゲームライブラリー、最終回ですかー。この企画は今ではそうお目にかかれない、当時の声が聴こえてくるようで大好きだったので、少し残念ですね…。
しかしまあ、魚さんの仰るように、この『univ~恋・はじまるよっ~』発売の後、間もなく『君が望む永遠』や『家族計画』といった、懐かしいというには少々新しい作品が続々とリリースされますし、泣きゲー→萌えゲーって感じの変遷云々もライブラリーに収めるのは早という気もするので、区切りとしては丁度いいのかもしれませんね。
これまで楽しい企画をありがとうございました&お疲れ様でした。
…でも、もし復活するのなら、カクテルソフトではなくねこねこソフト的な感じでお願いします(笑)。
ではでは。
美少女ゲームライブラリー、最終回ですかー。この企画は今ではそうお目にかかれない、当時の声が聴こえてくるようで大好きだったので、少し残念ですね…。
しかしまあ、魚さんの仰るように、この『univ~恋・はじまるよっ~』発売の後、間もなく『君が望む永遠』や『家族計画』といった、懐かしいというには少々新しい作品が続々とリリースされますし、泣きゲー→萌えゲーって感じの変遷云々もライブラリーに収めるのは早という気もするので、区切りとしては丁度いいのかもしれませんね。
これまで楽しい企画をありがとうございました&お疲れ様でした。
…でも、もし復活するのなら、カクテルソフトではなくねこねこソフト的な感じでお願いします(笑)。
ではでは。
Posted by wizard at 2010年03月17日 06:36
>wizard さん
こちらこそご無沙汰しています。
半年もの中断期間のあった企画なのに残念と仰られてしまうと恐縮するしかないのですが、
このあたりが時代的にもいい潮時と思い決断しました。
univ~恋・はじまるよっ~はヴォーカル曲も素晴らしく内容的にも印象の強いゲームでしたので、
最終回を飾るには相応しかったとぼく的には思っています。
連載再開となるともうしばらく時を経ないといけないでしょうね。
これから登場する名作と言われるゲームの印象が薄くなるとなると、
あと4~5年くらいは先のことになるでしょうか。
そんな先までエロゲーを続けられたら嬉しいことですけど・・・
こちらこそご無沙汰しています。
半年もの中断期間のあった企画なのに残念と仰られてしまうと恐縮するしかないのですが、
このあたりが時代的にもいい潮時と思い決断しました。
univ~恋・はじまるよっ~はヴォーカル曲も素晴らしく内容的にも印象の強いゲームでしたので、
最終回を飾るには相応しかったとぼく的には思っています。
連載再開となるともうしばらく時を経ないといけないでしょうね。
これから登場する名作と言われるゲームの印象が薄くなるとなると、
あと4~5年くらいは先のことになるでしょうか。
そんな先までエロゲーを続けられたら嬉しいことですけど・・・
Posted by 7月の魚 at 2010年03月18日 03:04
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