2010年06月11日

バカゲーとすら呼べない

前回紹介したアッチむいて恋(ASa project)が4月のダークホースならば、同じ月で大きく期待を裏切ってしまったのが色に出でにけり わが恋は(ういんどみる)です。発売当初から批評空間でも酷評の嵐だっただけにプレイする前からある程度は覚悟していたのですが、確かにこれは酷いデキです。どう分類していいか分からないという意味で仕方なくバカゲーという表現を使ってしまっているのですがこのゲーム、狭義の意味ではバカゲーと呼べないのではないかと思い始めています。まあ登場キャラクターの思考がバカという意味でバカゲーと呼ぶなら差し支えないかもしれないのですが・・・

このゲームの酷い点を挙げたらキリがないのですが、ぼく的に一番酷く感じられるのは登場人物の思考パターンがほとんど同じでほとんど差異が見られないこと。これが萌えゲーならば各ヒロインについて明確なキャラクター付けが行われているはずで、これを疎かというかほとんど無視しているところを見るとメーカーはこのゲームを萌えゲーとして企画する意思はなかったといえるかもしれません。

さてこのゲームのメインライターとして名が挙がっているのが平内太兵衛氏で、彼が美少女ゲームのシナリオを手がけたのはこれが2作目。デビュー作のプリズム・アーク らぶらぶマキシマム!(ぱじゃまソフト)はそれほど評価が低いわけではないし実際ぼくもプレイしてそこそこ楽しめただけに今回のデキには裏切られたという思いが強いのですが、よくよく考えてみると2つのゲームによく似ている点はあったのです。
これはぼくの全くの想像なのですが、平内氏が担当したのは本編のヒロインのおまけシナリオだったのではと思うのです。このおまけシナリオの主人公(ハヤウェイ)ときたら完全なスケベ親父と化していてヒロインに迫るという展開。まあほとんどのヒロインも痴女の気があったりするので主人公と似たり寄ったりなのですが、これは色に出でにけり わが恋はと同じような流れ。それがそれなりに面白く感じられたのは、本編である程度ヒロインを始めとするキャラクター作りが行われていたからでしょう。だから主人公の性格が変であってもヒロインの反応が同一であってもギャグとして受け止められるし、ファンディスクということもあって強引なエロもサービスと認識されるわけです。

ところが色に出でにけり わが恋はの場合は条件が違います。二次創作ではないだけにキャラクター作りも自分で行わなければならないし、ストーリーにもバリエーションが必要でしょう。それが結果を見る限りプリズム・アーク らぶらぶマキシマム!の方式そのまま流用したとしか思えない展開。キャラクター作りを疎かにしたままギャグに走っても上滑りするのが関の山で面白くなるわけがありません。

これは結果論になるのですが平内氏に一本のゲームのメインライターを担わせるには正直荷が重かったといえるのではないでしょうか?未熟な彼を起用したういんどみる首脳陣の失策は責められて当然でしょうが、不思議なのは人気萌え絵師に分類されるこ~ちゃ氏を抱えながら、どうしてこんなゲームが世に出てしまったのかということです。一体ユーザーがどんなゲームをういんどみるというブランドに求めているかもう一度見つめ直して次の作品に望んで貰いたいものです。

この記事へのトラックバックURL

http://sakanaeye.mediacat-blog.jp/t54438
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい