2010年08月10日

当たるとデカイ妹ゲー

妹属性がほとんど無いぼくにとってエロゲーに於ける妹ルートは凡打に終わってしまうケースがほとんどなのですが、一発当たると特大のホームランをかっ飛ばしてくれるのも妹シナリオの面白いところで、みずいろ(ねこねこソフト)の雪希シナリオやこころナビ(Q-X)の凛子シナリオなどが柵越えしていったゲームの例に挙げられます。
今回クリアしたリアル妹のいる大泉君のばあい(Alcotハニカム)もそれらのゲームに匹敵するくらいぼくの心に響いて妹ヒロインの恐ろしさを久々に味わさせてもらったわけですが、このゲームがこれまで当たりだった多くの妹ゲーと違う点は妹という特長を全面に押し出してホームランを飛ばしたことにあります。妹ヒロインというとどちらかというとメインヒロインに対する影ともいえる存在で、自らがメインヒロインとなる場合はあまりなかった(メインを担うと成功しないケースが多かった)のですが、このゲームの場合完全に妹がメインヒロインを張るまさに妹オンリーゲー。ここまで妹ヒロインを押し出しかつ読ませるゲームというとぼくのプレイしたものでは何処へ行くの、あの日(MOONSTONE)以来といっていいかもしれません。

このゲームでぼくが一番感心させられた点は、妹を愛するのと同じくらいエロゲーを愛しているという主人公の設定です。このゲーム、設定を見る限りとても現実ではありえないようなご都合主義的展開に満ち溢れていて一見感情移入し難く思えるのですが、主人公たちが語るエロゲーの話があまりに現実味溢れていて設定のご都合主義をある意味中和してくれます。しかも主人公たちがする会話の端々にエロゲーに対する愛が垣間見えるものですから、何か主人公が身近の存在のように思えて仕方が無いのです。
ここまで計算して主人公の性格を設定したライターの狙いは素晴らしいとしか言いようがないのですが、こうした設定を思いつくということはライター自身がエロゲーを愛しているに他ならないからでしょう。ラストは必ずしもハッピーエンドとはいえずやや収まりが悪いように思えるのですが、実妹シナリオという点を考えれば100%のハッピーエンドよりもああいった形の収束の方が良いとも考えられてぼく的には充分納得。このゲーム、妹ゲーとしてだけでなくエロゲー全体として考えても久々の大当たりといえるわけですが、もし現実にリアル妹が居たとしたらまた違った感想が導かれた可能性が高いのかも。このあたりはぼくに実在の妹が居なかった幸運を素直に喜びたいと思います。

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