2010年10月03日

交替選手が明暗の分かれ目に

昨日は久しぶりに瑞穂までグランパスの試合を見に行ってきました。
現在グランパスはJ1の首位を快走中なわけですが、繁華街はそれが嘘のように全く盛り上がっていません。実際スタンドも相手がベガルタ仙台という馴染みの薄いチームだったとはいえ満員には程遠い入りだったですし、もし優勝が決まるかもしれないゲームにこの入りだったらどうしようと・・・

(ここから寸評)
現在首位を快走中の名古屋と残留争いの仙台という対戦とあって名古屋の圧倒的有利が予想された通りキックオフ直後から名古屋が圧倒的に仙台を攻めまくる。
名刺がわりのダニルソンのミドルに始まってケネディがフリーで放ったヘッドがゴール隅をかすめるなどいつ名古屋にゴールが生まれてもおかしくないムードだったが先制点は意外にも仙台に入る。右サイド菅井の突破に阿部があっさり交わされ、そこから生まれた絶妙のクロスをFW赤嶺がスルーしフリーで待っていたリャン・ヨンギにあっさりゴールを決められてしまう。この得点以降サイドの攻防で後手を踏んだ名古屋はいいクロスをケネディに供給できずゴールをどうしても割れない。ならば中央突破と金崎がドリブルで侵入するも反則スレスレで対応する仙台守備陣の守りに手を焼き仙台の思い通りの展開のまま前半を終えた。
後半はほぼ互角の立ち上がりで名古屋の攻勢に慣れた仙台守備陣は落ち着いて攻撃に対処できるようになり名古屋サポーターのイライラは最高潮に達するところだったが、それを変えたのは一つのプレー。ペナルティエリアに侵入したケネディを仙台の渡辺が引っ張ったとしてPKが名古屋に与えられたのだ。主審の見ていた位置が遠く正直幸運ともいえるPKだったが、これまで仙台がケネディ相手にはボールと関係なく体をぶつけて止めるなどフェアとは言い難いプレーで決定機を阻止していたことを考えると名古屋に幸運が与えられてもおかしくないプレーだったといえるかもしれない。何はともあれそのPKをケネディ自身が決め名古屋が同点に追いつく。
それでも全体の流れはそれほど変わらず名古屋が攻めるものの仙台のカウンターも鋭くどちらに次の得点が入ってもおかしくないムードだったが、それを変えたのは仙台手倉森監督の采配だった。
守備強化のためボランチの千葉を入れるという作戦は中盤のバイタルエリアを名古屋に使われていただけに一見妥当な作戦に見える。ただ前線で体を張っていたFWの中原を外してしまったことで仙台に攻め手が無くなってしまったのだ。これを見た名古屋のストイコビッチ監督はマギヌンに代え小川を投入すると続いてこの日やや精彩を欠いていた玉田を外しDFの千代反田を入れ闘莉王を前線で張らせるというパワープレーを敢行。これが実ったのは88分。仙台のミスパスをカットした小川がそのまま前線に上がり混乱する仙台守備陣をあざ笑うかのような見事なヘディングシュートを決めたのだ。歓喜する名古屋イレブンに対しガックリとピッチに崩れ落ちる仙台イレブン。この後仙台はフェルナンジーニョ・平瀬といった攻撃の札を切ってきたが仙台には反撃する気力はもう残っておらずこれ以上スコアが動くことはなかった。

仙台の思い通りの展開で進んでいたゲームだったが、手倉森監督の采配がすべてを変えてしまった。中盤のスペースを金崎や中村にさんざん使われていただけにそのスペースを埋めるために千葉を入れるという作戦は一見納得できる。ただFWの駒を一枚削ってしまうのはあまりに弱気すぎた。これが残り時間が10分切っていたのなら納得はいくがまだ20分近くも時間も残っていたのだ。実際同点に追いつかれてからでも仙台の攻撃は名古屋を慌てさせていた(事実今日の名古屋の守備陣は安定さを欠いていた)し、仙台に次の得点が生まれてもおかしくなかった。もし中原の疲労を考慮して代えるなら同じ長身FWの平瀬かキープ力のあるフェルナンジーニョだったし、千葉を入れたいのなら代えるのは富田(もしくは斉藤)だった。
一見劇的とも思える勝利にもそれなりの必然というものがあるものだ。交替選手の小川が得点に絡んだのとは対象的な仙台手倉森監督の弱気な采配。勝ち点1を守ろうとしてすべてを失うというのはよくある話だが、仙台はここで勝ち点を失ったツケを最後に払わなければいいのだが・・・そして名古屋の勢いは本物だ。この勝利を見る限り念願のJ1優勝にかなり近づいたといっても過言でないと思う。

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