2011年07月27日

傷ついた林檎の行方は

ぼく的に主人公女装ものは大好物でどんなエロゲーでも購入候補になってしまうわけですが、最近このジャンルのゲームがあまりに氾濫している状況では、さすがに全てを購入するわけにはいきません。
となってくると体験版をプレイしたりライターの過去作などを調べて購入の可否を決めるわけですが、この手のゲームは大抵調べれば調べるほどアラが目に付いて買いたくなくなってくるのですね。

そんなわけでキミとボクとエデンの林檎(ALMA)も当初はオミットする予定でした。それも迷った末のことでなく割合早く買わないことに決めていたのですが、その方針を違えて購入することになったのは批評空間のせいなのです。
あの批評空間のトップに貼り付けてあるバナーがどうにもぼくの眼に焼きついて、まるでサブリミナルのようについ買ってしまったわけですがこれも一種の原画買いという奴でしょうか。バナーで購入してしまったというのは初めての経験なのですが、とするとメーカーが最近頻繁に行っているバナーキャンペーンというのも満更ムダでなく多少は売り上げに貢献しているのかと思ったり思わなかったり。

さてそんな切欠で購入した本作品ですが、実を言うともうクリアしてしまったわけで1ヶ月強程度の時間で終えてしまったというのはぼくにしてはかなり早いペースです。というよりある程度寝かしておかないと崩さないぼくが購入早々プレイを始めるというのはこのゲームにかなり期待していた表れといえるかもしれません。まあ結果的にはその期待は裏切られたわけなのですが・・・

最初に述べたとおりこのゲームは女装した(させられた)主人公が女子校に潜入するといういわゆる主人公女装ものでは定番といえる設定なのですが、このゲームほど女装設定が生かされていないゲームも珍しい。
大体主人公に女装して女子校に通うという危険に対する自覚が乏しいのがどうにも困りもので、女装しているにも関わらず平気で「俺」なんて一人称を平気で使ったりするものだから、プレイしているこちらの方がバレないか心配になってくるくらい。
まあこういったゲームらしくご都合主義に満ち溢れていて首謀者の従妹と婚約者以外誰も気が付かないわけですが、そう考えるとどうやらこのゲームは一般の主人公女装潜入ものとは味が違うことが分かってきました。本来の女装潜入ならば主人公の女装がバレるバレないといったシーンがクライマックスになってくるわけですが、主人公自身にそういった危機感がないわけですから盛り上がるわけがないのです。
だから主人公が女装していることを知らない雪乃や七海のルートが伏線もおざなりにして終わっても大して気になりませんでした。それはかれんルートも同様だったのですが、ぼく的には主人公が女装して潜入していることを知っている琉奈&琴音ルートのデキさえまともだったなら充分という気持ちだったのは確かです。そうルートに入るまでは・・・

その肝心な琉奈&琴音ルートも雪乃&七海ルートと同じく何の盛り上がりもないままラストを迎えてしまっては当然シナリオに高評価を与えることなんてできないわけですが、ここまでシナリオが酷いと何か清々しい気分になってくるから不思議。もちろん何のとりえもなければそう思うわけないのですが、このゲームは何といても小さなバナーでぼくを惹き付けるくらいの魅力を秘めた原画があるのです。この原画に関しては期待通りでありエロシーンについても充分ぼくを満足させてくれました。そういった意味では決して損をしたとは言えないわけですが、それでも魅力的なキャラ絵を少しでも生かしたシナリオだったならばもっとヒロインに萌えられたと思うのですね。そう考えると声優陣を含めて派手な無駄遣いをしたものだなと思ってしまいました。

たとえ大震災の影響があった(ライターが代わった)としてももう少しまともな仕上げをしていればと思うのですが、それとも傷ついた林檎はもう甦らないと考えたのでしょうか?

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