2011年08月04日

巡回して感じたこと

穢翼のユースティア(オーガスト)をクリア後、ぼくが良く巡回している感想サイト(ブログ)を回ってみたのですが、ほぼ例外なくこのゲームを取り上げているのには驚かされました。
もちろん話題の新作でしたし批評空間の感想数もかなり多くなっているので当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが、ぼくが言いたいのはどのサイトでもかなり力の入った感想(考察)を載せていたということです。
もちろんその感想は好意的なものばかりでなく腐していたものもあったわけですが、その感想も通り一遍の批判でなく力の入った苦言であり、その多種多様な感想は驚くとともに感心させられました。

では、なぜこのゲームをプレイしたユーザーがそれだけ感想に力が入ったかというと、このゲームのシナリオがそれだけユーザーの心を捉えていたからだといえるのではないでしょうか?
これはぼくの個人的な感覚なのですが、これまでのオーガストのゲームといえば感想を書こうと思ってもシナリオの内容に乏しくて、どちらかというと斜に構えないといけなかった(でないと悪い部分だけを強調することになってしまう・・・)のですが、このゲームに関しては真っ向からシナリオ部分を評せるくらいの内容を誇っていたと思うのです。
そして、それ以外でも深読みできる部分が多々あります。ストーリーの根幹部分を成す崩落が東日本を襲った大地震と重なってみえるのは単なる偶然なのでしょうが、それ以外でも閉鎖空間である空中都市が不思議にも水や食料の不足に喘いでいないという部分は現在の日本の食糧事情に擬えそうですし他にも考えさせられる部分があり、このゲームは萌えゲーにしては珍しいシニカルな内容といえないこともないのです。

そう考えると、このゲームがこれまでのオーガストの作品群とはかなり様相の違うものになっているといえるのですが、それでもこれまで持っていたオーガストの味というものは失っていないのは嬉しかったところ。
確かにメインヒロインのティアは正直これまでのオーガストの作品群のメインヒロインと比較すると萌えという点に関してはやや弱いことは否めません。そういった部分だけを取り上げれば萌え不足であり、リシアやフィオネといった他のヒロインの個別ルートが短いというのもよりそのように感じてしまう要因なのかもしれませんが、それでもぼくがこのブランドの特色と思っている萌えとエロとの高次元での両立という部分では充分期待に応えてくれていると思っています。おまけルートで本編で不足気味だったイチャラブ&エロを補完するというのは最近では珍しくなくなってきていますが、それでも今回のおまけは質量とも充分でぼく的には充分満足できましたので。

萌えエロとストーリー性の折り合いを付けたという意味ではオーガストの試みは成功したといっていいかもしれません。この良作によってオーガストは一皮向けたといっても過言でないとぼく的には思っています。

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