2011年10月05日

人間よりもゲームの方がずっと・・・

批評空間では9月発売組の感想がぼちぼちと出始めているというのに、ぼくは一昔前の積みゲー崩しに励む日々。まあここ2ヶ月新作を1本も買ってないわけで旧作をプレイするしかないわけですが、2ヶ月もの間何もゲームを購入しないというのも寂しすぎるというわけで、評判の良さそうなものを1本くらい手に入れてこようかと思っています。といっても今のところソコソコ期待していたゲームが伸び悩んでいる現況なわけでどれを購入するか悩んでいます。まあ評価だけ考えればVenusBlood -ABYSS- が飛びぬけているのですが、現在のぼくの状況を考えるととてもプレイできず積みゲーとなること確定なわけでもっとサクッとプレイできるゲームを探しているのです。
まあそんなゲームの評価なんて高く出るわけがないのですけどね。

さて新作を買ってプレイするには、今HDを占領しているゲームを終わらせなければならないというわけで、今回プレイし終えたのがCURE GIRL(Noesis)です。杉菜水姫率いるInnocent Greyの別ブランドとして低中価格帯のソフトをリリースしてきたNoesis初のフルプライス作品で、ダメ人間を主軸とする群像劇という設定は魅力的なものでした。もちろんそれより原画家の魅力の方がより上回るわけですが、それでもこれまでとは明らかに毛色の違った作品なだけに不安も大きいが大化けする可能性もあるのではというわけで購入前の期待値はそこそこでした。
その後批評空間の評価がさほどでなかったりして期待は脆くも崩れ去ったわけですが、実際にプレイしてみて評価が高くない理由がよく分かりました。
というのもこのゲームのウリであるダメ人間の群像劇という設定が全くといっていいほど生かされていなかったからです。

このゲーム、主人公は狙ったヒロインの下に足しげく通い、ヒロインの好む話題を探りながら会話をして好感度を上げていくというのが序盤の進行なわけですが、その展開のどこに「人嫌い世間嫌いな主人公」という設定が結びつくのでしょうか。逆にぼくはこの主人公はどちらかというとアグレッシブな性格なのではと思い直したくらいで、主人公はダメ人間とウソを付いてコミュに接触しているのではと勘違いしてしまったくらいです。そう考えるとこの時点でダメ人間という設定が破綻しているといっても過言ではありません。

こんな設定で始まるものですから、主人公を始めどうも登場人物の設定が薄っぺらいのですね。このゲームのヒロインは大なり小なりトラウマを持っていてそれがダメ人間になってしまった要因となるわけですが、それが伏線もなく終盤になって唐突に提示されるため、どうにも作られたような印象しか与えないのですね。ダメ人間という設定は悪くないのですから序盤からダメ人間っぷりを垣間見せるような展開にしておかなければいけないと思うのです。
まあこれが生まれついてのダメ人間ならそんな細かいことに気を使わないでいいのかもしれないのですが、このゲームの登場人物は何かの理由があってダメ人間になったわけですから余計そのあたりの伏線が序盤から必要となってくると思うのです。こんな薄っぺらい設定のヒロインしか創造できないならば、背伸びせず普通の萌えゲーを制作しておけば良かったのではと思わずにいられません。

折角の好素材を生かし切れずに終わったという印象しかない本当に残念なゲームで、人間よりもゲームの方がずっとダメなのではと思ってしまった魚でした。

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