2012年01月25日

方向性は間違っていないが・・・

デビュー作から欠かさずそのメーカーの作品を購入しているというケースは意外に少ないのではないかと思います。
因みにぼくが皆勤賞を続けているブランドとなるとコットンソフトくらいですが、そんなコットンのゲームでさえ半分は積んだままプレイしていないことを考えると欠かさずプレイし続けるとなると相当敷居が高い。
そんな皆勤賞を続けている数少ないメーカーがASa projectです。アサプロのデビュー作であるめいくるッ!はほとんど話題にならなかったゲームで、これをプレイした感想はというと光る部分はあったものの粗さが多く今後商業作品を続けていくとしたら前途多難ではと思ったのは事実でした。
それが3作目のアッチむいて恋のスマッシュヒットで一躍名が知られるようになり、そして最新作の恋愛0キロメートルではソフマップで力の入った特典を企画して貰えるほどまでになりました。そして肝心のデキの方も批評空間での評価は好評のようでプレイする前からぼくも非常に楽しみにしていました。相変わらずよく分からないタイトル名ですが、アサプロに期待するのはテンポの良い笑いでありタイトルを深読みするだけムダであることは経験上分かっているので無問題といったところ。

そんな本作ですが、前作で掴んだヒロインを汚れさせても笑いを追及するといった点は確実に進歩していました。ヒロイン紹介からお笑い担当として認知されていた乃来亜は当然として、他のヒロインもボケ役としてきっちり笑いの部分で貢献しています。このあたりは前作より進歩したといえるのですが、ただ瞬間風速的な笑いはこれまでの作品と比べるとやや見劣りした気がします。
これはヒロイン全員はもとより本田や氷室屋らボケ役の豊富さに比べて、ツッコミ役を主人公がほぼ一手に引き受けてしまったため、やや笑いのパターンが単調になってしまったためではないかと思うのです。理想的には主人公以外にもツッコミ役として貢献するキャラがいれば良かったのですが、その役を担うかと思われた夕空の出番があまりなかった影響があるかもしれません。彼?が活躍する唯一のルートといっていい咲耶シナリオではなかなかいい味を出していただけに、もう少しツッコミ役としての出番を増やしてあげても良かったと思うのです。

それでもこれまでの作品と違い、共通パートだけでなく個別ヒロインのルートに入ってからも満遍なく笑いが散りばめてあったのは嬉しかったところ。このあたりはメーカーが日進月歩している証左だと思うのですが、それともう一つ前作の最大の欠点であったルート別のデキに相当な差があるといった点も今回解消されていたこともメーカーの勉強熱心な表れでないかと思います。 
ただ前作のかぐやルートのような箸にも棒にも掛らないものが無くなった代わりに、優由ルートのような質の高いルートが見られなかったのが残念でした。本来ならまずまず読めるルートの中に1本飛び抜けて面白いルートがあるというのが理想で、次回は1本くらいキラーシナリオを忍ばせて欲しいところです。

というわけでやや厳しい意見になってしまった気がするのですが、これはぼくのアサプロに対する期待の表れで出来ないメーカーならばここまで辛めの感想は言わないでしょう。実際プレイ中楽しめたのは事実で充分及第点以上の評価は出していると思います。ただこれは減点材料にはしていませんが、前作以上に抜けないエロシーンは正直苦笑するしかありませんでした。もしかしたら笑いを取るためにわざと体のバランスを崩してエロシーンの原画を書いているのでは?という節もあるのですが、ぼく的はそこまで奇矯に走らなくても良いのではと思うのですけどね。

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