2012年02月02日
相性の悪さが祟って
前回紹介したアサプロはぼくと相性の良いメーカーの代表的存在といえます。ゲーム全体として見ると辛口の評価を付けざるを得ないめいくるッ!やHimeのちHoneyですがぼく的には楽しめましたのは事実で決して購入したのを後悔するようなデキではありませんでした。
それに比べるとぼくと相性が悪いメーカーの代表的存在といえるのがCROSS NET→FAVORITEです。これまでリリースしてきたゲームの評価を見る限り少なくとも駄作と云われるような作品は出してなく・・・というより良作ばかり産み出しているメーカーなのですが、ぼくがプレイすると落胆の溜息しか出てこない。ならばそんな相性の悪いメーカーのゲームなんて買わなければいいと仰られるかもしれませんが、原画家の司田カズヒロ氏の魅力を十二分に活かすCGを見せられてはつい購入したくなってしまうから仕方ありません。しかも作品ごとにライターを代えてくるとなると、もしかしたら今回はぼくに合うゲームかもしれないと思い込んでしまうのも仕方がないのです。
というわけで性懲りもなく最新作(といっても昨夏の発売ですが)のいろとりどりのセカイを購入してしまったわけですが、やはり相性の悪さを思い知らされる結果となりました。これくらいぼくの感情を悪い意味でもやもやさせるゲームはそうはないといった意味では、前作の星空のメモリア以上に合わなかった作品でした。
ただぼくが感じたいわゆる悪い心証は最終ルートである真紅エンドでほぼ解消されるのです。だからこのゲームの感想に「真紅ゲー」という台詞が目立つのも分かるし、ラストでの感動を否定する気はありません。あのラストに感じ入ったファンが高い評価を与えたくなる気持ちも分かりすぎるくらい分かるのです。
ただ大多数の人と違いぼくにはそれまでの失点が大きすぎると感じたためそれを払拭するだけの感動を得られなかったというのが、このゲームを評価できない大きな理由でしょう。
(ここからネタバレ)
序盤から主人公に寄り添う真紅の存在。彼女はヒロインを初め誰からも認識されずまるで守護霊のように主人公を見守っていて、彼女が真のヒロインであることは多少エロゲーをプレイした人ならおおよそ予想が付くと思います。もちろんぼくも例外ではありませんでした。
ただそれにしても・・・
ライターは真紅の存在をあまりに強調しすぎたのではないかと思うのです。他のヒロインのルートに入るまで真紅を主人公に寄り添わせるのでは、プレイヤーは他のヒロインに心動かされる以上に真紅の存在が気になって素直に萌えられないのです。
そして主人公が真紅に頼りすぎて見えるのもどうも気に入らない。主人公の能力であるヒーリング力も真紅が与えたものと説明されるし、これでは真紅がまるで放蕩息子を相手しているような気がしてしまって萌えるというより可哀想に見えてしまいます。ただこの主人公のダメっぷりも実のところ伏線ではあるのですが、それでもここまで失点をしてしまってはラストでいくら感動を持ってきてもぼく的には取り返せていないように思えてならないのです。また他のヒロインと比べて真紅のHシーンが少ないことも取り返せていないと感じる一因かもしれません。
そしてこれで割を食ってしまったのが真紅以外のヒロインたちです。詳しくいうとネタバレになってしまうのですが、彼女たちをまるで捨て石のように使う構成は萌えゲーとして考えるとどうも間違っているように思えて仕方がない。まあ正直真紅以外のヒロインのルートは食い足りない部分が多くて最終ルートの足元にも及ばないのですが、それでもあんな扱いをされるほどヒロインの魅力がないとは思えない。それだけに捨て石にされた彼女たちが不憫に思えてしまうのです。
こう考えると、このゲームのライターの思考とぼくの嗜好が全く噛み合っていないことがよく分かります。いろとりどりのセカイという表題の割に周る世界もいろとりどりでないし、ヒロインも真紅一点主義でいろとりどりなヒロインでない。ぼくが表題から想像していたゲーム展開とは大きく違っていたこともこのゲームの世界に入り込めなかった要因ですが、まあこれは勝手読みしたぼくの責任なんでしょうね。
それに比べるとぼくと相性が悪いメーカーの代表的存在といえるのがCROSS NET→FAVORITEです。これまでリリースしてきたゲームの評価を見る限り少なくとも駄作と云われるような作品は出してなく・・・というより良作ばかり産み出しているメーカーなのですが、ぼくがプレイすると落胆の溜息しか出てこない。ならばそんな相性の悪いメーカーのゲームなんて買わなければいいと仰られるかもしれませんが、原画家の司田カズヒロ氏の魅力を十二分に活かすCGを見せられてはつい購入したくなってしまうから仕方ありません。しかも作品ごとにライターを代えてくるとなると、もしかしたら今回はぼくに合うゲームかもしれないと思い込んでしまうのも仕方がないのです。
というわけで性懲りもなく最新作(といっても昨夏の発売ですが)のいろとりどりのセカイを購入してしまったわけですが、やはり相性の悪さを思い知らされる結果となりました。これくらいぼくの感情を悪い意味でもやもやさせるゲームはそうはないといった意味では、前作の星空のメモリア以上に合わなかった作品でした。
ただぼくが感じたいわゆる悪い心証は最終ルートである真紅エンドでほぼ解消されるのです。だからこのゲームの感想に「真紅ゲー」という台詞が目立つのも分かるし、ラストでの感動を否定する気はありません。あのラストに感じ入ったファンが高い評価を与えたくなる気持ちも分かりすぎるくらい分かるのです。
ただ大多数の人と違いぼくにはそれまでの失点が大きすぎると感じたためそれを払拭するだけの感動を得られなかったというのが、このゲームを評価できない大きな理由でしょう。
(ここからネタバレ)
序盤から主人公に寄り添う真紅の存在。彼女はヒロインを初め誰からも認識されずまるで守護霊のように主人公を見守っていて、彼女が真のヒロインであることは多少エロゲーをプレイした人ならおおよそ予想が付くと思います。もちろんぼくも例外ではありませんでした。
ただそれにしても・・・
ライターは真紅の存在をあまりに強調しすぎたのではないかと思うのです。他のヒロインのルートに入るまで真紅を主人公に寄り添わせるのでは、プレイヤーは他のヒロインに心動かされる以上に真紅の存在が気になって素直に萌えられないのです。
そして主人公が真紅に頼りすぎて見えるのもどうも気に入らない。主人公の能力であるヒーリング力も真紅が与えたものと説明されるし、これでは真紅がまるで放蕩息子を相手しているような気がしてしまって萌えるというより可哀想に見えてしまいます。ただこの主人公のダメっぷりも実のところ伏線ではあるのですが、それでもここまで失点をしてしまってはラストでいくら感動を持ってきてもぼく的には取り返せていないように思えてならないのです。また他のヒロインと比べて真紅のHシーンが少ないことも取り返せていないと感じる一因かもしれません。
そしてこれで割を食ってしまったのが真紅以外のヒロインたちです。詳しくいうとネタバレになってしまうのですが、彼女たちをまるで捨て石のように使う構成は萌えゲーとして考えるとどうも間違っているように思えて仕方がない。まあ正直真紅以外のヒロインのルートは食い足りない部分が多くて最終ルートの足元にも及ばないのですが、それでもあんな扱いをされるほどヒロインの魅力がないとは思えない。それだけに捨て石にされた彼女たちが不憫に思えてしまうのです。
こう考えると、このゲームのライターの思考とぼくの嗜好が全く噛み合っていないことがよく分かります。いろとりどりのセカイという表題の割に周る世界もいろとりどりでないし、ヒロインも真紅一点主義でいろとりどりなヒロインでない。ぼくが表題から想像していたゲーム展開とは大きく違っていたこともこのゲームの世界に入り込めなかった要因ですが、まあこれは勝手読みしたぼくの責任なんでしょうね。
この記事へのトラックバックURL
http://sakanaeye.mediacat-blog.jp/t75173
この記事へのコメント
こんばんは。ご無沙汰しております。a103netです。
「いろせか」の感想、拝見いたしました。
ほぼ同意の感想です。
(「外れ」という感想で一致しても、楽しみを共有できないのが残念ですが。)
私も、真紅以外の4ヒロインの、あの扱いにはすごく否定的なのですが、
批評空間では高評価が圧倒的多数なので、
「少数派」の好みなのかなあ、と思っていました。
いわゆる「真ヒロイン」ものには、
他のルートを伏線にしていたり、踏み台のように活用していたりするものが見られますが、
今作のような扱いはいかがなものかな、と思っています。
また、もし、真紅一本で勝負するなら、残りの4ルートで、
設定(世界の話や、主人公・真紅の正体)の推理ができるような伏線があって、
各個別ルートで推理する、あるいは、少しずつ謎が解ける、という構成であれば、
それなりの楽しみ方ができたと思うのですけれど。
「いろせか」の感想、拝見いたしました。
ほぼ同意の感想です。
(「外れ」という感想で一致しても、楽しみを共有できないのが残念ですが。)
私も、真紅以外の4ヒロインの、あの扱いにはすごく否定的なのですが、
批評空間では高評価が圧倒的多数なので、
「少数派」の好みなのかなあ、と思っていました。
いわゆる「真ヒロイン」ものには、
他のルートを伏線にしていたり、踏み台のように活用していたりするものが見られますが、
今作のような扱いはいかがなものかな、と思っています。
また、もし、真紅一本で勝負するなら、残りの4ルートで、
設定(世界の話や、主人公・真紅の正体)の推理ができるような伏線があって、
各個別ルートで推理する、あるいは、少しずつ謎が解ける、という構成であれば、
それなりの楽しみ方ができたと思うのですけれど。
Posted by a103net at 2012年02月13日 20:10
>a103netさん
お久しぶりです。
改めて批評空間でa103netさんの感想を拝見いたしました。
a103netさんは温厚な方ですのでトーンはやや抑え目ですが、
作品として納得していない部分が少なからずあるという点では大きく頷かされました。
幼なじみ好きのぼくとしてゲーム開始前一番期待していたのは澪あったのですが、
最終ルート前、お気に入りとなったのは鏡でした。
真紅を全面に押し出すとしても、そういったこれまでののヒロインがもたらした余韻を犠牲にしてまで押し出す必要があったのか?
それにそんな贔屓されても真紅は喜ばないのではないか?
そう考えると、最終ルートの感動もつい冷めた気持ちで見てしまっても仕方ないわけですが、
ただこのあたりはa103netさんの仰られるとおり料理方法で何とかなったと思うのです。
といってもこのゲーム、伏線の消化などシナリオ面でも見所はあって、良作評価が間違っているとまで言い切るつもりはありません。
ライターの意図どおり素直に真紅を萌えられた人がこのゲームを高く評価したくなるのも当然のことだと思います。
まあこのあたりは本当に好みの問題なのでしょうけどね。
最後にコメントどうもありがとうございました。
また機会がありましたらお会いして、色々とご教示願いたいと思っています。
お久しぶりです。
改めて批評空間でa103netさんの感想を拝見いたしました。
a103netさんは温厚な方ですのでトーンはやや抑え目ですが、
作品として納得していない部分が少なからずあるという点では大きく頷かされました。
幼なじみ好きのぼくとしてゲーム開始前一番期待していたのは澪あったのですが、
最終ルート前、お気に入りとなったのは鏡でした。
真紅を全面に押し出すとしても、そういったこれまでののヒロインがもたらした余韻を犠牲にしてまで押し出す必要があったのか?
それにそんな贔屓されても真紅は喜ばないのではないか?
そう考えると、最終ルートの感動もつい冷めた気持ちで見てしまっても仕方ないわけですが、
ただこのあたりはa103netさんの仰られるとおり料理方法で何とかなったと思うのです。
といってもこのゲーム、伏線の消化などシナリオ面でも見所はあって、良作評価が間違っているとまで言い切るつもりはありません。
ライターの意図どおり素直に真紅を萌えられた人がこのゲームを高く評価したくなるのも当然のことだと思います。
まあこのあたりは本当に好みの問題なのでしょうけどね。
最後にコメントどうもありがとうございました。
また機会がありましたらお会いして、色々とご教示願いたいと思っています。
Posted by 7月の魚 at 2012年02月13日 22:43
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません