2012年04月20日

もうひと工夫必要だった新趣向

先月初めくらいから少しずつプレイしていたStrawberry Nauts(HOOK)ですが、ようやくコンプすることができました。昨年末の公約どおりならとっくに終わっていなければいけないはずなのですが、ここまで時間が掛かってしまったのはぼくの不徳の致すところで面目次第もありません。それでいてまともな感想も書けないというわけで一体どんなプレイをしていたのかと言われそう。

というのもこのゲーム、正直シナリオには余り語るべきところがない。このメーカーのゲームらしく目立った欠点はないのですが、平板でどこかで見たような展開に終始しているのですね。それにすべてのヒロインが主人公に好意を抱いているといういわゆるハーレムゲーでありながら、ヒロインがなぜ主人公を好きになったのかという点が全くといっていいほど語られていないので、何かストーリーが薄っぺらく感じられるのです。まあこのゲームは主人公がある程度デキる人物に描かれているので一応は納得できるのですが、それでもあるヒロインのルートの終盤でヘタレる寸前まで陥ったりするわけで、超優良主人公と言い切るほどではない。まあそれでも良主人公の条件は十分満たしているとはいえますが。

それはともかく、ぼく的にはこうした平均点でまとまっているゲームよりも、欠点はあってもどこか1点でも飛びぬけた部分があるゲームの方が点数的には悪くてもはるかに印象度は高いのです。まあHOOKのゲームにそんな冒険心のあるシナリオを期待するほうが間違っているのですが。

ただシナリオこそ冒険していないものの、このゲームは違う部分で新機軸を打ち出しています。それがPITというもので簡単な事をいえば某サイトの掲示板を模しているようなシステム。この掲示板にいわゆるモブキャラたちが心の声を書き込むというのがミソなのですが、確かにこのPITが平板になりがちなシナリオに起伏を与えていることは事実です。ヒロインたち美少女から一身に好意を集めまくる主人公をやっかむモブキャラたちの悲痛な叫びは、もし主人公にプレイヤーを投影させていたとすればある種の優越感を持って眺めることができますし、そこまで入り込んでいないとしてもモブキャラたちの動きから学園の雰囲気を感じ取ることができます。そういった意味ではこの新趣向は成功しているといっていいと思います。
ただ惜しむらくはモブキャラたちが書き込んでいる内容があまりに単調なこと。もしこれが某掲示板だったとしたら明らかな駄スレッドと云われてしまいそうなくらいのカキコの群れで、最初はニヤニヤ笑いながら読んでいたとしてもルートを繰り返すうちさすがに飽きてきました。ライターも本編ルートの他に掲示板の内容も考えるとなるとそれだけ労力を使うわけでだんだん似たような書き込みの繰り返しとなってしまうのはある程度仕方ないとも言えますが、それでも折角の新趣向なわけですからもう少し掲示板の内容にも頭をひねって欲しかったと思うのです。

これはかなりの冒険になるのですが、どうせモブキャラを猿回し的に使うのならばPITを使って主人公とヒロインのHシーンを実況させるという手はなかったかと思いました。特に学園内で行われるHシーンならば誰かに見られる可能性は大なわけで、他のシーンは絶えず主人公とヒロインの一挙手一行動が中継されるのにHシーンだけモブキャラの目に触れないというのはちょっと不自然なような気がしないでもないのです。まあさすがに学園内のHを中継するというのは風紀的に問題で管理者に即効削除されてしまうでしょうが、それなら問題になる一歩手前(キスシーン)までに留め、盛り上がった後は人目につかないところで・・・という手も使えるわけで、それが学園内の出来事は逐一書き込まれるのにHシーンのみ見逃されるというのは少々ご都合主義ではないかと思ってしまうのです。
そしてもう一つこれも一種冒険になるかもしれないのですが、モブキャラだけでなくヒロインやサブヒロインたちが掲示板に書き込みをするシーンがあっても良かったのではないかと思うのです。もちろん書き込みなんてしそうにもないキャラは別でしょうが、選ばれなかったヒロインたちの本音が現れるなんてこういった趣向でないとまず実現しそうにもないわけで、そういった機会を逃したのは惜しかったとぼくは考えるのです。

そういうわけでPITについてはまだまだ改良の余地ありと思ったわけですが、ヒロインの造形に関してはぼくの知るHOOKのゲームでは最優秀といってよく、その分Hシーンも魅力的なものに仕上がっていました。期待の俺の部屋が使い回しのCGばかりで少々落胆させられましたが、それを差し引いても充分満足できたのではないかと・・・まあこれも追加ダウンロードですずめルートをプレイできたから言えることで、メインヒロイン以上の魅力を放つ彼女のHシーンがもしプレイ時に無かったとしたら大きく減点せざるを得なかったでしょうから。

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