2012年07月08日

脇に入ってこそ光るヒロイン

今年に入ってからぼくがプレイしたゲームというと、そのほとんどが続編・FDの類のような気がしてならないのですが、今回クリアしたゲームもご多分に漏れずということでグリザイアの果実(フロントウィング)の続編であるグリザイアの迷宮の所感についてだらだらと語ろうかと思います。
このゲームの大まかな構成はというと本編ヒロインのアフターが5本とサブキャラとのHシーン6本。そして主人公風見雄二の過去編であるカプリスの繭の3つからなるのですが、サブキャラのHシーンについてはどうにも語るに困る代物ですし、カプリスの繭は確かに読み応えがあるのですが一番盛り上がるところで「次回にこうご期待」となっていて、これからどちらの方向に評価が動くか何とも言えないところ。

というわけで、非常に評価が付けにくいFDであるのですが、ぼく的に本編は大いに笑わせてもらっただけに、その笑いをほどよく継承していたヒロインアフターについてはそれなりに評価しています。
このゲームのヒロインは設定を見れば分かるように曲者揃いでそのキャラ立ちの良さについては半端ないわけですが、共通パートや個別ルート前半で見られたテンポの良い掛け合いをこのアフターでも楽しめたのは嬉しかったところ。ぼくが心配していたのはよくあるFDのようにイチャラブに特化するあまり(まあそれはそれで萌えという点では満足できるのかもしれませんが)笑いの面が犠牲になってしまわないかということでしたが、これはほぼ杞憂に終わったといっていいでしょう。典型的なツンデレヒロインと思わせながらFDでは弄られキャラに変貌していた由美子の魅力を再確認できましたし、さばさばした姉御肌の天音、一介のおバカヒロインに終わらなかったみちるに子供らしい無邪気な毒を放つ蒔菜。その蒔菜とは逆に優等生らしい計算した鋭い毒を放つ幸ら個性の強い面々が他のヒロインのアフターでも消えることなくキャラ立ちの良さを発揮してくれたのは素直に喜びたいと思います。

そんなヒロインたちの中で、ぼくが本編を通じて一番好みなのは小嶺幸なのですが、正直彼女のアフターは他のヒロインと違ってデキが良いといえなかったのが残念でした。まあ本編でも彼女のシナリオは上の部類とはいえなかったのですが、このアフターではより面白さに欠けてしまったような気がしてならないのです。本来ならお気に入りヒロインのアフターならば他のヒロインのアフター以上に魅力を感じるはずなのに、これはどうしたことなのか・・・

つまりぼくはヒロインとしての幸に魅力を感じていたのでなく、他のヒロインのシナリオでツッコミとボケを自在に操るサブキャラとしての幸に魅力を感じていたということなのでしょう。だからメインヒロインとなる自分のシナリオでは幸の特長である毒が封印される形となって魅力も半減してしまったのではないでしょうか。
サブキャラとして人気があったのにFDなどでヒロインに昇格した途端に陰りがでてしまうというのはまま聞く話なのですが、この幸もサブキャラとして魅力を発揮するタイプといえるかもしれません。まあ単に幸アフターを担当したライターが他のライターよりも腕が劣るだけなのかもしれませんけど・・・

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