2013年09月07日

ループ物は嫌い

正直言うとループ物は嫌いなのです。

嫌いというとやや語弊があるかもしれないのでもう少し柔らかく言うと、「周囲の評価ほど楽しめた記憶がない。」・・・つまり根本的にループ物自体がぼくの体質に合わないのでしょう。
ぼくがプレイしたゲームで唯一楽しめたループ物(といっていいのか?)がNega0(ETERNAL)ですが、あれは正統でなく一種サッカーでいうカウンターアタック的な内容だったためそれがぼくの趣味に合ったような気がします。

それならループ物は買わなければいいのでは?と思うかもしれませんが、基本的に重大なネタバレ要素となるループを発売前から明かしているケースは稀。ある程度評価が定まってから購入するならともかく、予約した場合や情報の少ない発売直後では分かるわけがありません。

ですからはるまで、くるる。(すみっこソフト)が所謂ループ物だなんて購入するまで知る由もなかったのです。

ただこのゲーム。これまでのループ物が抱えている弱点を解消しようとしていた点は好感が持てました。
ループ物といえば周回プレイが付き物なわけですが、周回するたび何度も同じテキストを読まされる(しかも場合によってはスキップできない)苦痛はほとんど感じませんでした。確かに序盤に展開される「きゃっきゃうふふワールド」は苦行としか言いようがない代物でしたが、その後の春海ルートはホラー調でまとめ、そして秋桜ルートはミステリー調でストーリーを展開させるというような構成は、ループ物の弱点を解消させようという意図があったと見るのが妥当でしょう。とするとあのプロローグ直後の苦行も全く意味がないと決めつけられないかもしれません。(まあ成功したとはとても言えませんが)

そして世界がループする意味をプレイヤーの想像に頼るでなく、きっちり物語中で説明しようとしていた点も〇。含みを持たせるといえば格好いいのですが、このあたりの設定がいい加減(物理的に説明がつかない)ケースがループ物には多いのですね。これはライター(ディレクター)が物語世界をしっかり構築していたという証左でしょう。同人はともかくこれまで商業作品ではあまり結果を出していなかった渡辺僚一氏ですが、このあたりはさすがといえます。冬音らヒロインが繰り出す下ネタはまさしく渡辺ワールドというべきものですし、氏のファンなら充分楽しめたと思います。

というわけでこのゲームが高評価を受ける理由はよく分かるのです。ただぼく的に楽しめたかというとやはり微妙だったと言うのが本当な所でした。というのもラストはともかく冬音ルートから静夏ルートで徐々に明かされていくループの謎の解明が淡々としていてドラマ性に欠けるのですね。これがループという世界観を説明しようとした反動というと皮肉としか言いようがないのですが、どうも惹きつける魅力というのに欠ける気がするのです。これはぼくにSFの素養がないためかもしれないためかもしれないのですが、もう少しヒロインのアクを抑えて萌え色を強めてくれたなら多少はカバーできたのかと思ったりするのです。といってもアクの強いヒロインこそがライターの持ち味であるだけに難しいところなのですが・・・

まあそう考えていくとやはりぼく自身に問題があると考えるべきで、評判の高いこの作品をもってしてもループ物に対するネガティブ感を払拭する事は出来ませんでした。実は次作のなつくもゆるるも積みゲーで抱えているのですが、どうかループ物でないよう心から祈りたいと思います。

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