2013年10月26日

あばたもえくぼ

今回は乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-(Navel)について思ったことをまたいつものようにだらだらと述べてみたいと思います。

(ここからネタバレ)

ほとんどの方が承知の通り、このゲームは「つり乙」こと月に寄りそう乙女の作法のFDです。というわけで本編でサブキャラながらルナに引けを取らない人気を誇った大蔵りそながヒロインに昇格したいわゆる「パリ編」と本編ヒロインのアフターストーリーの2部構成となっています。
本編はかなり楽しませてもらった・・・というわけで当然アフターからと考えていたのですが、思わぬことに開始前先にプレイすることを警告され、仕方なく「パリ編」からプレイすることになりました。

正直ぼく的にはアフターの方がメインで「パリ編」の方はおまけと考えていました。というのもぼくの想像では「本編」でストーリーの方はあらかた完結していて、もはやお釣りが無い状態。衣遠の言動等についての謎が残っているとはいっても、それだけの材料で話を膨らませるには難しいと思っていたのです。
ところがぼくの想像はいい意味で裏切られました。「パリ編」のメインというべき大蔵りそなルートは圧巻といっていいデキで本当に楽しませてくれました。ルナの登場シーンはやられたと思わされましたし、衣遠や駿河でない別の悪役の登場は正直しまったと思わされました。このしまったという意味は悪役の正体の伏線について序盤気になる場面があり訝しみながらも結局素通りしてしまったからです。
ただこのりそなルートですが、内実は大蔵一族ルートといった様相でりそな自体が輝いていないのが惜しまれます。中盤の名場面はルナ様が横からスッと現れて食ってしまうし、終盤ではりそなより衣遠の存在の方が目立つ始末。キャラクターとしてはともかくヒロインとしてのりそなはどうも影が薄いように思えるのです。
まあこれは、本編から定番となっていたりそなのモーションを朝日(遊星)が華麗にスルーするという兄妹漫才があまりに嵌っていたことと、朝日のこれまでの言動を考えればいくらりそなを愛おしく思い始めたとしても兄妹がすぐ肉体関係を結ぶというのは若干違和感があるように思えたからなのですね。そう考えてみるとりそなはエロゲーのヒロインにするには少し難しい存在であり、サブキャラとしてこそ光る存在だったのかもしれません。

といってもりそなをメインヒロインにするとやや光を失うのではという点については予想の範疇でした。そこでそれを補う存在として新たにヒロインとして登場したのがメリルとエッテの2人で、ぼく的にはエッテの設定がツボで彼女には期待していました。ただ批評空間でのコメントをチラ見すると彼女のルートは大変評判がよろしくない。まあ彼女のルートは事実上ノーマルエンドにHシーンを付けたようなもので当然と言えば当然なのですが、それでもぼくはこのルート。意外に気に入っているのです。
これはエッテが名家の貴族令嬢にあるまじき気さくさ・・・いや奔放というべきかも・・で、Hに対して非常に積極的で、生真面目な朝日とのギャップから始まるHシーンでのやり取りが非常に笑えたからです。
このあたりはエッテの中の人である車の人の演技達者っぷり(前にも似たようなことを言った覚えがある・・・)に脱帽するしかありません。従者であるメリルのぐっすんおよよな寂しいHシーンを体を張って償う(嘘)エッテを見ると、本編を含め朝日に一番似合うパートナーは彼女のような気がして、多少(ではないが・・・)の不満も心の奥に引っ込んでしまった次第。

まあそんなぼくの意見が少数派であることはよく分かっているし、本編のアフターをプレイするとまたお気に入りヒロインがコロッと変わってしまうかもしれませんけどね。

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