2014年03月27日

ブラボーと言えなかった理由とは

今月はぼく的期待作が目白押しというわけで複数本数を購入予定しています。
ただ困っているのがショップに行けそうな日が日曜日しかなさそうな事なのですね。
もちろん購入予定のゲームはすべて予約しているので売り切れの心配はないのですけど、夜勤明けの日曜日・・・しかも消費税増税前の電気店街なんて、人ゴミを嫌うぼくにとっては地獄のような場所になることは容易に想像できます。といってもわざわざ取り置きしてもらって4月に入ってから行くなんてバカバカしいことなんて出来ませんから取りあえず強行軍を行う予定にしています。
といっても4月に入るとこれまで以上に仕事が激務になる予定なので、崩す暇なんてほとんどないでしょうけれど・・・

そんなわけで新作がやってくる前に少しでも崩しておかないと・・・というわけで今年に入ってようやく2本目をクリアすることができました。それがBRAVA!!(Sweet light)なわけですが、このゲーム、批評空間での評価は上々といってよく容易にクリアできるのではないかと踏んでいたのですが、意外やかなりの期間を要すことに・・・

その原因の大部分はシステム面にあるといっていいと思います。
まあこれはプレイ環境の違いもあるかもしれないのですが、正直快適にプレイするといった点ではぼくの評価は落第・・・というのもシナリオを読ませるタイプのゲームにしてはバッグログを読もうとするたびにかなり長いタイムラグが発生するのですね。場面の切り替え時に緞帳が下りる演出は劇団を舞台にしているゲームということを強調するためだとは思うのですが、バックログの事も併せるとどうしてもモチベーションの低下につながってしまうのです。

あとこれはぼくがプレイした順番も悪かったかもしれません。ぼくはナナミ→みなも→しずく→日向→あおいの順でクリアしていったのですが、これがまずもって失敗でした。ナナミルートはナナミと演劇部との過去の恩讐や役者としてのナナミの成長を含めて一見良さそうなシナリオに思えるのですが、どうにも気が削がれる場面があって話に没頭できず。というのもナナミが普段の場面と舞台とで声色を変えるというのがぼくのような凡人にはどうも理解に苦しむのです。バイリンガルという設定は生かすにしても、演劇であれだけ流暢にセリフを喋るナナミが、普段はただたどしく日本語を話すような必要は全くないはず。ナナミが流暢に喋るように主人公と猛特訓するようなシーンでもあれば良かったのですが、そんな場面もなく、二つの声色を使う声優の熱演がどうにも空回りしているのように思えて仕方なかった。

そして続く雪乃姉妹ですが・・・後で分かったことなのですが、どうやら2人ともストーリー的に不遇な扱いを受けているのですね。というのもしずくにとって大事なのは祖父から受け継いだ喫茶店であって、劇団については喫茶店を流行らせる一手段に過ぎない。だから劇団が話の軸となるストーリーとしずくシナリオは和合性が良くないのです。しずくを演劇に引き込む理由が幼い頃からの主人公に対する想いだけでは少々弱く、そのあたりの書き込み不足からかだだ甘のお姉ちゃん属性以外の人にとっては魅力のないシナリオに映ったようにぼくは感じられた。そしてみなもですが、脚本を書きながら、演劇では敵役を勤めるというマルチな才能ぶりがシナリオではほとんど生かされなかったのが痛い。この雪乃姉妹のルートを見た限りでは、ヒロインキャラの魅力に頼る凡百の萌えゲーに過ぎないという印象だったのですが・・・

その印象が変わったのが次の日向ルートでした。
第一印象ではネト中で無気力な眼鏡っ娘というどう見てもいらない子だった彼女ですが、演劇を通じて他のヒロインたちとの仲間意識が生まれるに従って劇的に変化していく。それがこのルートの魅力でしょう。メインヒロインであるあおいのライバル格としてはやや家賃が高いように思われた彼女ですが、ラストでは文字通り役不足に感じられたくらい魅力あるヒロインに化けたというのは正直嬉しい誤算でした。
そして最後にプレイしたのがあおいシナリオ。ぼくはメインディッシュは最後に取っておくタイプですので、明らかにメインヒロインである彼女のルートを残しておいたのは当初からの予定だったのですが・・・
ただ今回に限ってはどうやらミスチョイスだったかもしれません。というのもこのゲーム。演劇をテーマにしている割には上演されるのは「月薔薇姫」ただ一つ。これまでのルートをプレイしていてさすがに劇中劇に飽きがきてしまったのですね。あおいルートではまさかのあおいパパの客演があったりして多少の変化はあったのですが、これも効果は限定的でした。
もしあおいルートを看板とするなら、ラストシーンで別の演劇を上演するくらい徹底的に優遇して欲しかったように思うのです。

(総括)

あおいがメインヒロインというのは主人公に与えた影響やビジュアル面を見ても必然だし、彼女のシーン数が他のヒロインよりも多いということを考えればゲーム制作者に優遇されているというのは誰が見ても分かります。
ただシナリオを考えるとそれほど優遇されているようには感じられなかったし、あおいが女優としての道を選ぶかそれとも主人公を選ぶかという葛藤もあっさり解決した印象でやや物足りなく思えたのは事実です。
そんな中で第一印象の変化という意外性からか日向が一番のお気に入りとなりました。ただ惜しむらくはシステム等環境面の弱さ。バックログが快適に作動すれば読み返しも楽だし、上演される劇が一本きりでもあまり不満に感じられずに済んだかもしれません。それにBGMもクオリティについては高かったのですが、ゲーム世界を考えるとシーンにそぐわないものが散見していたのが残念。
そういったマイナス点をカバーしきれたとはお世辞にも言えなかったという点で手放しに誉めることはできないゲームですが、それでも批評空間でまずまず評価されている理由は分かるような気がするしヒロインの魅力を考えれば良作として扱われるのも充分納得ができました。

この記事へのトラックバックURL

http://sakanaeye.mediacat-blog.jp/t98175
上の画像に書かれている文字を入力して下さい