2014年04月12日

濃いHシーンと悪くないシナリオ

懸案となっていたワルキューレロマンツェ ~少女騎士物語~(Ricotta)ですが、ようやくクリアすることが出来ました。前作のプリンセスラバー!のデキからそれほど期待はしていなかったのですが、全体的な評価としてはまずまず好印象。そこそこのストーリーに濃いHシーンを乗っけるという手法は目新しさこそないのですが、成功しているものは多くこのゲームもその中の1本ということになるでしょう。メーカーが決断したシナリオライターの変更という決断は成功したといえます。

ただそのシナリオに関して気になったことが多かったのも事実。
メインヒロイン格の美桜が「ジョスト」の経験どころか騎乗すら出来なかったというのに、ペグライダーの主人公のアドバイスで強敵を次々と撃破するという快進撃を演じる・・・というのは、まあ無名校や無名選手が勝ち進むというスポーツものの定番ストーリーであるからツッコミは止めておくとして、次のフィーリアルートで彼女の兄であり主人公の元師匠だったユリアーヌスが「ジョスト」の大会としてのレベルを上げるために無名選手を締め出すという方針を持ち出すという展開はどうなのか?
ユリアーヌスと主人公との過去の経緯やフィーリアとの考え方の違いを出すための手法としては一見間違っていないように思えるのですが、実のところこうした無名選手を強引な足切りによって締め出すというストーリーが一番栄えるのは美桜ルートに用いてこそだと思うのです。もし美桜ルートでユリアーヌスが強引に美桜を大会から締め出そうとしたならば、悪役としての彼の評価(憎たらしさ)は最高になったはずなのですね。
それが美桜ルートではユリアーヌスは登場せず、フィーリアルートになってのこのこ現れて無名(実績のない)選手締め出しを言い出すというのはいかにも証文の出し忘れの印象を拭えないのですね。言いたくはないですが「それなら美桜の存在はどうなのか?」と感じてしまうのです。このあからさまなご都合主義はさすがにマイナス点を付けざるを得ません。

そしてスポーツものにしては熱さが不足しているように感じるのも気になる点。
これはスポーツものには必須といえる敵役の存在がこのゲームでは弱い。最初に挙げたユリアーヌスもそうですが、ノエルルートの父やリサルートのフィオナも敵役としてはどうも中途半端に感じられて仕方がない。これはどのルートでも結局最後は和解してしまうという温さもあるのですが(まあその温さが持ち味といえないこともないが)、そういった予定調和が敵役キャラとしての弱さを露呈させてしまったのではないでしょうか。

ただそういったシナリオの物足りなさを含めてもぼく的に満足感を得たのは、前作に引き続いてHシーンが良かったこと。これは萌え系に含まれるゲームにしてはHシーンの回数の多さやシチュなどメーカーの拘りを感じられたこと。そして前作よりも明らかにヒロインが可愛く感じられたことでしょう。
かなり評判の悪い美桜のイメチェンもぼく的にはマイナスとは思いませんでしたし(もちろんプラスにも働いていませんが)リサのツンデレも定番ながら可愛く感じられました。ただぼくの一番のお気に入りヒロインはノエルで決まりです。主人公とのフランクなやり取りは好みでしたし、ジョストに懸ける思いも強く感じられたのは好印象。シナリオは家族愛をテーマにしている割には収束があっけなくて決して高い評価を付けられるものではないですが、ノエルに萌えたぼくにとっては論う気にはなりません。

(総括)

純愛系にしては濃いエロにソコソコ読めるシナリオ。シナリオに期待して読むファンにとっては物足りないでしょうし、こもりけい氏のファンにとってはもっとエロの濃さを求めてしまうのは事実。それでもぼくはこのリコッタの路線は間違っていないように思うし、恐らく今後もこの路線で行くのでしょう。いくらシナリオが良くてもエロが不足しては宝の持ち腐れですし、逆にこれ以上エロを濃くしてヒロイン萌えを減退させてしまうようでは逆効果ですから。ただ4つのルートのうち1つくらいはシナリオに力を入れたものがあっても良かったかなと思ってしまったのは事実ですけどね。

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