2015年04月11日
竜頭蛇尾の感は強いが
最近ぼくがほとんど行わなくなったのが「原画買い」です。
大昔は美少女ゲーム雑誌等で魅力ある一枚絵(CG)を見て、それだけを頼りに半ば内容を無視してショップで予約したなんてことを繰り返していたものですが、最近はすっかりそんな暴挙を犯すことはなくなりました。
これは最近のエロゲーが原画・CGともにレベルが上がってきて、原画だけを見て購入していては正直身が持たないという事情もあります。いくら原画が良くてもゲームの内容がぼくの好みにリンクしなければさすがに手が出ないし、悪評ばかりのライターがシナリオを担当するのが前もって分かっていればどうしても二の足を踏むというもの。いくら好みの原画家でも毎回地雷ばかりを踏まされては、さすがに見切りをつけても仕方ない。
ただぼくにとっては地雷と思うような作品であっても、世間の評価が低いとは限らない・・・とすると見切りを付けたくても付けられない。そういった意味でも「司田カズヒロ」氏はぼくが現在行っている「原画買い」している数少ないお気に入りの原画家であると同時に、もっとも相性の悪い原画家といえるでしょう。
なにせ一番最初に購入したウィズ アニバーサリィーはともかく星空のメモリアやいろとりどりのセカイは世間一般の評価とはぼくは真逆の評価しか与えていませんから。そして2作品ともさすがにファンディスクを購入することが出来なかったことを考えても、いかにぼくに合わなかった作品だったといえるでしょう。
そんな司田カズヒロ氏の久々の新作がアストラエアの白き永遠です。ライターが星空のメモリアと同じ「なかひろ」氏というのが非常に不安であるものの、この「なかひろ」氏は駄作ばかり出しているライターではなく今評価の高いエロゲーライターの一人なわけで、今回は当たりの可能性は高いと思われたのです。
というわけでさして不安を感じることなく(とまで言い切ってしまうと嘘になりますが)予約してしまったわけですが、発売されてからの世間の評価は前2作には及ばないという感想が殆ど。もちろん批評空間の中央値は80点をキープしていて決して駄作と呼べるものではないわけですが、前作や前々作のファンにとってはそれだけ今作は期待されていたということなのでしょう。とすればあまり期待しないでプレイするぼくのような人種にしてみれば、意外に楽しめる作品となる可能性は高いかも?と感じてのスタートでした。
そしてその期待は当たらずといえども遠からずといったものでした。
(ここからネタバレ有り)
前作では萌えを狙おうとして大きく空振ってしまった印象があったのですが、今回司田カズヒロ氏の魅力ある原画を無理なく生かした萌えを成功していました。特に事実上のメインヒロインといえる落葉についてはエロもなかなか濃厚で満足できるもの。最初非攻略キャラに幼女が多く、攻略ヒロインにも貧乳が多いところからもしかしてロリゲーなのではと思ったりしたのですが、落葉の存在でそれは杞憂に終わりました。
ただ一番最初のルートである落葉以上に楽しめたルートが最後のトゥルーシナリオを含め見当たらなかったのが残念です。次にプレイした一夏や琴里も落葉と同じ家族をテーマとしていて飽きが来てしまったのですね。もちろん同じテーマを繰り返すことによって、主張を浮かびださせるという側面もあるのですがこの作品に関してはシナリオの刈り込み不足からどうも冗長という印象を与えることになってしまったのではないかと思います。
そしてこの作品で一番問題となるコロナシナリオ。これに関しては正直全くといっていいくらい買っていません。
これは以前にプレイしたHeaven’s Cageでも感じたことなのですが、なかひろ氏は読者(プレイヤー)を驚かせようと伏線を凝ろうとするとなぜかストーリーが破綻・・・というより他の部分に目が行かなくなってしまうのですね。このコロナシナリオはその典型といえるものです。
確かにコロナがロボット(アンドロイド)とプレイヤーに思わせておいて実は能力者であったというトリックについてはよく考えられていて、アンフェアにならないように気を配ってい(るように見え)ます。ただそのトリックに酔うといったら言い過ぎかもしれませんが、それ以外の部分があまりにお寒い。ミステリーでいくらトリックが優れていてもそれを行った動機の部分に説得性がなければ二流以下の評価しか与えられないことと同じような現象がこのコロナルートでも起きているのですね。
そしてコロナルートほどでないにしてもりんねルートもパッとしない。特に中盤以降の展開が冗長だしとってつけたような戦闘シーンも理解に苦しむ。ひざがわりを務めるはずのこの2つのデキがこれでは大トリの雪々ルートが足を引っ張られても仕方ないところ。優遇されているはずの雪々の魅力があまり伝わってこなかったのもこの構成の悪さと冗長さが原因なのかもしれません。というか雪々よりも自称姉の雪さんの方を素直(でもないか)に攻略ヒロインにしてしまった方が、良かった気すらしてしまうのですね。
というかもしこのゲームに落葉&葉月姉妹が居なかったとしたら前作以下の評価になってしまった可能性は非常に高いです。そう考えれば決してシナリオが評価される作品でなく、萌えゲーの範疇に含まれるタイプの作品なわけで、前作に高得点を付けた人からすれば期待を裏切られたと感じても仕方ありません。まあぼくの評価はそれほど悪いわけではありませんが、プレイ直後の満足感は決して高くない。ラストであと一人くらい萌えさせてくれるヒロインがいればもう少し良い印象が残っただろうし、やや残念な作品というのが正直なところでした。
大昔は美少女ゲーム雑誌等で魅力ある一枚絵(CG)を見て、それだけを頼りに半ば内容を無視してショップで予約したなんてことを繰り返していたものですが、最近はすっかりそんな暴挙を犯すことはなくなりました。
これは最近のエロゲーが原画・CGともにレベルが上がってきて、原画だけを見て購入していては正直身が持たないという事情もあります。いくら原画が良くてもゲームの内容がぼくの好みにリンクしなければさすがに手が出ないし、悪評ばかりのライターがシナリオを担当するのが前もって分かっていればどうしても二の足を踏むというもの。いくら好みの原画家でも毎回地雷ばかりを踏まされては、さすがに見切りをつけても仕方ない。
ただぼくにとっては地雷と思うような作品であっても、世間の評価が低いとは限らない・・・とすると見切りを付けたくても付けられない。そういった意味でも「司田カズヒロ」氏はぼくが現在行っている「原画買い」している数少ないお気に入りの原画家であると同時に、もっとも相性の悪い原画家といえるでしょう。
なにせ一番最初に購入したウィズ アニバーサリィーはともかく星空のメモリアやいろとりどりのセカイは世間一般の評価とはぼくは真逆の評価しか与えていませんから。そして2作品ともさすがにファンディスクを購入することが出来なかったことを考えても、いかにぼくに合わなかった作品だったといえるでしょう。
そんな司田カズヒロ氏の久々の新作がアストラエアの白き永遠です。ライターが星空のメモリアと同じ「なかひろ」氏というのが非常に不安であるものの、この「なかひろ」氏は駄作ばかり出しているライターではなく今評価の高いエロゲーライターの一人なわけで、今回は当たりの可能性は高いと思われたのです。
というわけでさして不安を感じることなく(とまで言い切ってしまうと嘘になりますが)予約してしまったわけですが、発売されてからの世間の評価は前2作には及ばないという感想が殆ど。もちろん批評空間の中央値は80点をキープしていて決して駄作と呼べるものではないわけですが、前作や前々作のファンにとってはそれだけ今作は期待されていたということなのでしょう。とすればあまり期待しないでプレイするぼくのような人種にしてみれば、意外に楽しめる作品となる可能性は高いかも?と感じてのスタートでした。
そしてその期待は当たらずといえども遠からずといったものでした。
(ここからネタバレ有り)
前作では萌えを狙おうとして大きく空振ってしまった印象があったのですが、今回司田カズヒロ氏の魅力ある原画を無理なく生かした萌えを成功していました。特に事実上のメインヒロインといえる落葉についてはエロもなかなか濃厚で満足できるもの。最初非攻略キャラに幼女が多く、攻略ヒロインにも貧乳が多いところからもしかしてロリゲーなのではと思ったりしたのですが、落葉の存在でそれは杞憂に終わりました。
ただ一番最初のルートである落葉以上に楽しめたルートが最後のトゥルーシナリオを含め見当たらなかったのが残念です。次にプレイした一夏や琴里も落葉と同じ家族をテーマとしていて飽きが来てしまったのですね。もちろん同じテーマを繰り返すことによって、主張を浮かびださせるという側面もあるのですがこの作品に関してはシナリオの刈り込み不足からどうも冗長という印象を与えることになってしまったのではないかと思います。
そしてこの作品で一番問題となるコロナシナリオ。これに関しては正直全くといっていいくらい買っていません。
これは以前にプレイしたHeaven’s Cageでも感じたことなのですが、なかひろ氏は読者(プレイヤー)を驚かせようと伏線を凝ろうとするとなぜかストーリーが破綻・・・というより他の部分に目が行かなくなってしまうのですね。このコロナシナリオはその典型といえるものです。
確かにコロナがロボット(アンドロイド)とプレイヤーに思わせておいて実は能力者であったというトリックについてはよく考えられていて、アンフェアにならないように気を配ってい(るように見え)ます。ただそのトリックに酔うといったら言い過ぎかもしれませんが、それ以外の部分があまりにお寒い。ミステリーでいくらトリックが優れていてもそれを行った動機の部分に説得性がなければ二流以下の評価しか与えられないことと同じような現象がこのコロナルートでも起きているのですね。
そしてコロナルートほどでないにしてもりんねルートもパッとしない。特に中盤以降の展開が冗長だしとってつけたような戦闘シーンも理解に苦しむ。ひざがわりを務めるはずのこの2つのデキがこれでは大トリの雪々ルートが足を引っ張られても仕方ないところ。優遇されているはずの雪々の魅力があまり伝わってこなかったのもこの構成の悪さと冗長さが原因なのかもしれません。というか雪々よりも自称姉の雪さんの方を素直(でもないか)に攻略ヒロインにしてしまった方が、良かった気すらしてしまうのですね。
というかもしこのゲームに落葉&葉月姉妹が居なかったとしたら前作以下の評価になってしまった可能性は非常に高いです。そう考えれば決してシナリオが評価される作品でなく、萌えゲーの範疇に含まれるタイプの作品なわけで、前作に高得点を付けた人からすれば期待を裏切られたと感じても仕方ありません。まあぼくの評価はそれほど悪いわけではありませんが、プレイ直後の満足感は決して高くない。ラストであと一人くらい萌えさせてくれるヒロインがいればもう少し良い印象が残っただろうし、やや残念な作品というのが正直なところでした。
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