2015年04月11日
竜頭蛇尾の感は強いが
最近ぼくがほとんど行わなくなったのが「原画買い」です。
大昔は美少女ゲーム雑誌等で魅力ある一枚絵(CG)を見て、それだけを頼りに半ば内容を無視してショップで予約したなんてことを繰り返していたものですが、最近はすっかりそんな暴挙を犯すことはなくなりました。
これは最近のエロゲーが原画・CGともにレベルが上がってきて、原画だけを見て購入していては正直身が持たないという事情もあります。いくら原画が良くてもゲームの内容がぼくの好みにリンクしなければさすがに手が出ないし、悪評ばかりのライターがシナリオを担当するのが前もって分かっていればどうしても二の足を踏むというもの。いくら好みの原画家でも毎回地雷ばかりを踏まされては、さすがに見切りをつけても仕方ない。
ただぼくにとっては地雷と思うような作品であっても、世間の評価が低いとは限らない・・・とすると見切りを付けたくても付けられない。そういった意味でも「司田カズヒロ」氏はぼくが現在行っている「原画買い」している数少ないお気に入りの原画家であると同時に、もっとも相性の悪い原画家といえるでしょう。
なにせ一番最初に購入したウィズ アニバーサリィーはともかく星空のメモリアやいろとりどりのセカイは世間一般の評価とはぼくは真逆の評価しか与えていませんから。そして2作品ともさすがにファンディスクを購入することが出来なかったことを考えても、いかにぼくに合わなかった作品だったといえるでしょう。
そんな司田カズヒロ氏の久々の新作がアストラエアの白き永遠です。ライターが星空のメモリアと同じ「なかひろ」氏というのが非常に不安であるものの、この「なかひろ」氏は駄作ばかり出しているライターではなく今評価の高いエロゲーライターの一人なわけで、今回は当たりの可能性は高いと思われたのです。
というわけでさして不安を感じることなく(とまで言い切ってしまうと嘘になりますが)予約してしまったわけですが、発売されてからの世間の評価は前2作には及ばないという感想が殆ど。もちろん批評空間の中央値は80点をキープしていて決して駄作と呼べるものではないわけですが、前作や前々作のファンにとってはそれだけ今作は期待されていたということなのでしょう。とすればあまり期待しないでプレイするぼくのような人種にしてみれば、意外に楽しめる作品となる可能性は高いかも?と感じてのスタートでした。
そしてその期待は当たらずといえども遠からずといったものでした。
(ここからネタバレ有り)
前作では萌えを狙おうとして大きく空振ってしまった印象があったのですが、今回司田カズヒロ氏の魅力ある原画を無理なく生かした萌えを成功していました。特に事実上のメインヒロインといえる落葉についてはエロもなかなか濃厚で満足できるもの。最初非攻略キャラに幼女が多く、攻略ヒロインにも貧乳が多いところからもしかしてロリゲーなのではと思ったりしたのですが、落葉の存在でそれは杞憂に終わりました。
ただ一番最初のルートである落葉以上に楽しめたルートが最後のトゥルーシナリオを含め見当たらなかったのが残念です。次にプレイした一夏や琴里も落葉と同じ家族をテーマとしていて飽きが来てしまったのですね。もちろん同じテーマを繰り返すことによって、主張を浮かびださせるという側面もあるのですがこの作品に関してはシナリオの刈り込み不足からどうも冗長という印象を与えることになってしまったのではないかと思います。
そしてこの作品で一番問題となるコロナシナリオ。これに関しては正直全くといっていいくらい買っていません。
これは以前にプレイしたHeaven’s Cageでも感じたことなのですが、なかひろ氏は読者(プレイヤー)を驚かせようと伏線を凝ろうとするとなぜかストーリーが破綻・・・というより他の部分に目が行かなくなってしまうのですね。このコロナシナリオはその典型といえるものです。
確かにコロナがロボット(アンドロイド)とプレイヤーに思わせておいて実は能力者であったというトリックについてはよく考えられていて、アンフェアにならないように気を配ってい(るように見え)ます。ただそのトリックに酔うといったら言い過ぎかもしれませんが、それ以外の部分があまりにお寒い。ミステリーでいくらトリックが優れていてもそれを行った動機の部分に説得性がなければ二流以下の評価しか与えられないことと同じような現象がこのコロナルートでも起きているのですね。
そしてコロナルートほどでないにしてもりんねルートもパッとしない。特に中盤以降の展開が冗長だしとってつけたような戦闘シーンも理解に苦しむ。ひざがわりを務めるはずのこの2つのデキがこれでは大トリの雪々ルートが足を引っ張られても仕方ないところ。優遇されているはずの雪々の魅力があまり伝わってこなかったのもこの構成の悪さと冗長さが原因なのかもしれません。というか雪々よりも自称姉の雪さんの方を素直(でもないか)に攻略ヒロインにしてしまった方が、良かった気すらしてしまうのですね。
というかもしこのゲームに落葉&葉月姉妹が居なかったとしたら前作以下の評価になってしまった可能性は非常に高いです。そう考えれば決してシナリオが評価される作品でなく、萌えゲーの範疇に含まれるタイプの作品なわけで、前作に高得点を付けた人からすれば期待を裏切られたと感じても仕方ありません。まあぼくの評価はそれほど悪いわけではありませんが、プレイ直後の満足感は決して高くない。ラストであと一人くらい萌えさせてくれるヒロインがいればもう少し良い印象が残っただろうし、やや残念な作品というのが正直なところでした。
大昔は美少女ゲーム雑誌等で魅力ある一枚絵(CG)を見て、それだけを頼りに半ば内容を無視してショップで予約したなんてことを繰り返していたものですが、最近はすっかりそんな暴挙を犯すことはなくなりました。
これは最近のエロゲーが原画・CGともにレベルが上がってきて、原画だけを見て購入していては正直身が持たないという事情もあります。いくら原画が良くてもゲームの内容がぼくの好みにリンクしなければさすがに手が出ないし、悪評ばかりのライターがシナリオを担当するのが前もって分かっていればどうしても二の足を踏むというもの。いくら好みの原画家でも毎回地雷ばかりを踏まされては、さすがに見切りをつけても仕方ない。
ただぼくにとっては地雷と思うような作品であっても、世間の評価が低いとは限らない・・・とすると見切りを付けたくても付けられない。そういった意味でも「司田カズヒロ」氏はぼくが現在行っている「原画買い」している数少ないお気に入りの原画家であると同時に、もっとも相性の悪い原画家といえるでしょう。
なにせ一番最初に購入したウィズ アニバーサリィーはともかく星空のメモリアやいろとりどりのセカイは世間一般の評価とはぼくは真逆の評価しか与えていませんから。そして2作品ともさすがにファンディスクを購入することが出来なかったことを考えても、いかにぼくに合わなかった作品だったといえるでしょう。
そんな司田カズヒロ氏の久々の新作がアストラエアの白き永遠です。ライターが星空のメモリアと同じ「なかひろ」氏というのが非常に不安であるものの、この「なかひろ」氏は駄作ばかり出しているライターではなく今評価の高いエロゲーライターの一人なわけで、今回は当たりの可能性は高いと思われたのです。
というわけでさして不安を感じることなく(とまで言い切ってしまうと嘘になりますが)予約してしまったわけですが、発売されてからの世間の評価は前2作には及ばないという感想が殆ど。もちろん批評空間の中央値は80点をキープしていて決して駄作と呼べるものではないわけですが、前作や前々作のファンにとってはそれだけ今作は期待されていたということなのでしょう。とすればあまり期待しないでプレイするぼくのような人種にしてみれば、意外に楽しめる作品となる可能性は高いかも?と感じてのスタートでした。
そしてその期待は当たらずといえども遠からずといったものでした。
(ここからネタバレ有り)
前作では萌えを狙おうとして大きく空振ってしまった印象があったのですが、今回司田カズヒロ氏の魅力ある原画を無理なく生かした萌えを成功していました。特に事実上のメインヒロインといえる落葉についてはエロもなかなか濃厚で満足できるもの。最初非攻略キャラに幼女が多く、攻略ヒロインにも貧乳が多いところからもしかしてロリゲーなのではと思ったりしたのですが、落葉の存在でそれは杞憂に終わりました。
ただ一番最初のルートである落葉以上に楽しめたルートが最後のトゥルーシナリオを含め見当たらなかったのが残念です。次にプレイした一夏や琴里も落葉と同じ家族をテーマとしていて飽きが来てしまったのですね。もちろん同じテーマを繰り返すことによって、主張を浮かびださせるという側面もあるのですがこの作品に関してはシナリオの刈り込み不足からどうも冗長という印象を与えることになってしまったのではないかと思います。
そしてこの作品で一番問題となるコロナシナリオ。これに関しては正直全くといっていいくらい買っていません。
これは以前にプレイしたHeaven’s Cageでも感じたことなのですが、なかひろ氏は読者(プレイヤー)を驚かせようと伏線を凝ろうとするとなぜかストーリーが破綻・・・というより他の部分に目が行かなくなってしまうのですね。このコロナシナリオはその典型といえるものです。
確かにコロナがロボット(アンドロイド)とプレイヤーに思わせておいて実は能力者であったというトリックについてはよく考えられていて、アンフェアにならないように気を配ってい(るように見え)ます。ただそのトリックに酔うといったら言い過ぎかもしれませんが、それ以外の部分があまりにお寒い。ミステリーでいくらトリックが優れていてもそれを行った動機の部分に説得性がなければ二流以下の評価しか与えられないことと同じような現象がこのコロナルートでも起きているのですね。
そしてコロナルートほどでないにしてもりんねルートもパッとしない。特に中盤以降の展開が冗長だしとってつけたような戦闘シーンも理解に苦しむ。ひざがわりを務めるはずのこの2つのデキがこれでは大トリの雪々ルートが足を引っ張られても仕方ないところ。優遇されているはずの雪々の魅力があまり伝わってこなかったのもこの構成の悪さと冗長さが原因なのかもしれません。というか雪々よりも自称姉の雪さんの方を素直(でもないか)に攻略ヒロインにしてしまった方が、良かった気すらしてしまうのですね。
というかもしこのゲームに落葉&葉月姉妹が居なかったとしたら前作以下の評価になってしまった可能性は非常に高いです。そう考えれば決してシナリオが評価される作品でなく、萌えゲーの範疇に含まれるタイプの作品なわけで、前作に高得点を付けた人からすれば期待を裏切られたと感じても仕方ありません。まあぼくの評価はそれほど悪いわけではありませんが、プレイ直後の満足感は決して高くない。ラストであと一人くらい萌えさせてくれるヒロインがいればもう少し良い印象が残っただろうし、やや残念な作品というのが正直なところでした。
2015年03月28日
Hシーンで入れ替わった順位
職場の体制が激変してはや1年。
業務を回すのに必要な人数がが8名~9名で現在の人員が7名と完全に人が足りていない状況が正月以来続いていましたが、ようやく4月になって補充人員が2名やってくるらしいです。まあ直ぐに仕事が出来るようになるわけではないし、この1年の間で7人が職場を去っているという苛酷というかブラックなところですので、いつまで保つか分かったものではないですが、取りあえず5月以降は多少余裕ができそう。というわけで6月に1年半ぶりに温泉旅行に行ってこようかと思っているのですが、また突然職場を去る人間が相次いで折角申し込んだ旅行がキャンセルにならないように祈りたいと思っています。
さて3月は年度末ほかもろもろの行事が重なって一番多忙な時期なのですが、それを縫ってエロゲー崩しに勤しんでいます。まあ月1本ペースがやっとといういつ断絶してもおかしくない状況ですが、まずまず当たりのゲームを掴めれば積みゲー崩しも多少ははかどるというもの。
そんなわけで今回は発売前から期待していたキミのとなりで恋してる!(ALcotハニカム)をプレイしました。
ALcotハニカムといえば前ブランドのALcotシトラス時代を含め良作と凡作を繰り返すという不思議なジンクスを持っていましたが、このところはそのパターンから外れ凡作ばかりを出してしまっています。前作のサツコイも春季限定ポコ・ア・ポコやあえて無視するキミとの未来で結果を出した瀬尾順氏を満を持して起用した割には凡作の評価を免れなかっただけに、今回外せば良作メーカーとしてのメッキは完全に剥がれてしまうといっても過言ではない。
そんな今作は新人ライターであるおぅんごぅる氏を起用。といってもその名を見ればALcotハニカムのファンなら新人ライターという看板をまともには受け取れないのは言うまでもない。リアル妹のいる大泉君の場合等の作品でファンの心を鷲掴みしながら惜しくもエロゲーライターを引退したおるごぅる氏を明らかに想像させる名前だからで、ぼくならずともすわ「おるご~る氏復活か!」と色めきたったのは当然のことでしょう。
もちろんおるごぅる氏がすべて良作ばかりを出しているわけではないし、同一人物がライティングしているかどうかなんて関係者以外は分からないわけですが、実際プレイしてみると確かにおるごぅる氏らしい雰囲気を感じさせられる作品でした。
まず主人公の元にヒロイン2人が押し掛けお嫁さん候補としてやってくるという発端から。
こんな現実離れした設定はラノベか美少女ゲームの世界でしかお目にかかれないわけですが、逆に言うとラノベや美少女ゲームの世界では新鮮な題材というわけではなく、どちらかというと手垢が付いているといってもいいくらい。そんな発端からヒロインと親密になっていく工程もエロゲーでは王道といってもいい展開。そんな王道なストーリーが面白く感じられるというのはライターの腕が確かということ。もうこの時点でライターが並みの新人でないというのは確信できました。
そして非攻略キャラで一見お邪魔キャラ的存在に思える妹が゙、ラストで一番光る存在になっているなど小さくない驚きを考えれば、これまで妹にこだわった作品群を輩出してきたライターの影が見え隠れするとしたものですが、それは別としてこのゲームでぼくが一番驚きというより感心したのはメインヒロインの星野なぎさの影に隠れるもう一人の幼なじみである小松莉奈シナリオでした。
彼女は主人公のお嫁さん候補に立候補したなぎさや知花涼香から一歩引いた位置に居ます。そして主人公に容易に本心を見せようとはしません。あくまで主人公と男友達のような関係に居続けようとするわけですが、このあたりの描写はまあ並みのエロゲーでもよくある設定でそれほど目新しいというわけではない。
いやよく考えると莉奈は主人公のみならずプレイヤーにも個別ルートに入る直前まで容易に本心を見せようとしなかったのですね。その効果は〈善悪は別として)主人公となぎさ&莉奈の三角関係がドロドロしたものにならなかった反面、主人公と恋愛関係になるまでの展開は唐突感さえ感じてしまったくらいだったのです。ぼくが思うにはヒロインが主人公と結ばれる過程は涼香(勿論なぎさも)の方がじっくりと描写されていて楽しませてくれただけに、莉奈は魅力でも一歩引いた存在なのかと思ってしまったくらいでした。
その莉奈が主人公とのキスシーンから一変して可愛く感じられるようになってしまうから凄い。それくらい莉奈が失神したCGは強烈だったわけですが、それは主人公への想いをずっと抑えてきた代償なのかは分かりません。ただその主人公の性技に毎回失神してしまい、まるで凌辱ゲームで陥らせられたヒロインのように殊勝になってしまう莉奈を見ると可愛く思えて仕方ないのですね。
これは涼香相手ではずっと主導権を握られ続けてきた主人公が莉奈相手になると逆転してしまうという対比という意味でもよく考えられています。こうしたエロゲー特有の世界で違いを産み出せるというあたりはリアル妹のいる大泉君の場合でエロゲーに対する造詣を見せてくれたおるごぅる氏の影がやはり見え隠れしていると感じてしまったわけですが、そんな邪推はともかくシナリオだけでなくHシーンを含めて良作と感じられたという意味で、良作エロゲーを充分堪能することが出来ました。
業務を回すのに必要な人数がが8名~9名で現在の人員が7名と完全に人が足りていない状況が正月以来続いていましたが、ようやく4月になって補充人員が2名やってくるらしいです。まあ直ぐに仕事が出来るようになるわけではないし、この1年の間で7人が職場を去っているという苛酷というかブラックなところですので、いつまで保つか分かったものではないですが、取りあえず5月以降は多少余裕ができそう。というわけで6月に1年半ぶりに温泉旅行に行ってこようかと思っているのですが、また突然職場を去る人間が相次いで折角申し込んだ旅行がキャンセルにならないように祈りたいと思っています。
さて3月は年度末ほかもろもろの行事が重なって一番多忙な時期なのですが、それを縫ってエロゲー崩しに勤しんでいます。まあ月1本ペースがやっとといういつ断絶してもおかしくない状況ですが、まずまず当たりのゲームを掴めれば積みゲー崩しも多少ははかどるというもの。
そんなわけで今回は発売前から期待していたキミのとなりで恋してる!(ALcotハニカム)をプレイしました。
ALcotハニカムといえば前ブランドのALcotシトラス時代を含め良作と凡作を繰り返すという不思議なジンクスを持っていましたが、このところはそのパターンから外れ凡作ばかりを出してしまっています。前作のサツコイも春季限定ポコ・ア・ポコやあえて無視するキミとの未来で結果を出した瀬尾順氏を満を持して起用した割には凡作の評価を免れなかっただけに、今回外せば良作メーカーとしてのメッキは完全に剥がれてしまうといっても過言ではない。
そんな今作は新人ライターであるおぅんごぅる氏を起用。といってもその名を見ればALcotハニカムのファンなら新人ライターという看板をまともには受け取れないのは言うまでもない。リアル妹のいる大泉君の場合等の作品でファンの心を鷲掴みしながら惜しくもエロゲーライターを引退したおるごぅる氏を明らかに想像させる名前だからで、ぼくならずともすわ「おるご~る氏復活か!」と色めきたったのは当然のことでしょう。
もちろんおるごぅる氏がすべて良作ばかりを出しているわけではないし、同一人物がライティングしているかどうかなんて関係者以外は分からないわけですが、実際プレイしてみると確かにおるごぅる氏らしい雰囲気を感じさせられる作品でした。
まず主人公の元にヒロイン2人が押し掛けお嫁さん候補としてやってくるという発端から。
こんな現実離れした設定はラノベか美少女ゲームの世界でしかお目にかかれないわけですが、逆に言うとラノベや美少女ゲームの世界では新鮮な題材というわけではなく、どちらかというと手垢が付いているといってもいいくらい。そんな発端からヒロインと親密になっていく工程もエロゲーでは王道といってもいい展開。そんな王道なストーリーが面白く感じられるというのはライターの腕が確かということ。もうこの時点でライターが並みの新人でないというのは確信できました。
そして非攻略キャラで一見お邪魔キャラ的存在に思える妹が゙、ラストで一番光る存在になっているなど小さくない驚きを考えれば、これまで妹にこだわった作品群を輩出してきたライターの影が見え隠れするとしたものですが、それは別としてこのゲームでぼくが一番驚きというより感心したのはメインヒロインの星野なぎさの影に隠れるもう一人の幼なじみである小松莉奈シナリオでした。
彼女は主人公のお嫁さん候補に立候補したなぎさや知花涼香から一歩引いた位置に居ます。そして主人公に容易に本心を見せようとはしません。あくまで主人公と男友達のような関係に居続けようとするわけですが、このあたりの描写はまあ並みのエロゲーでもよくある設定でそれほど目新しいというわけではない。
いやよく考えると莉奈は主人公のみならずプレイヤーにも個別ルートに入る直前まで容易に本心を見せようとしなかったのですね。その効果は〈善悪は別として)主人公となぎさ&莉奈の三角関係がドロドロしたものにならなかった反面、主人公と恋愛関係になるまでの展開は唐突感さえ感じてしまったくらいだったのです。ぼくが思うにはヒロインが主人公と結ばれる過程は涼香(勿論なぎさも)の方がじっくりと描写されていて楽しませてくれただけに、莉奈は魅力でも一歩引いた存在なのかと思ってしまったくらいでした。
その莉奈が主人公とのキスシーンから一変して可愛く感じられるようになってしまうから凄い。それくらい莉奈が失神したCGは強烈だったわけですが、それは主人公への想いをずっと抑えてきた代償なのかは分かりません。ただその主人公の性技に毎回失神してしまい、まるで凌辱ゲームで陥らせられたヒロインのように殊勝になってしまう莉奈を見ると可愛く思えて仕方ないのですね。
これは涼香相手ではずっと主導権を握られ続けてきた主人公が莉奈相手になると逆転してしまうという対比という意味でもよく考えられています。こうしたエロゲー特有の世界で違いを産み出せるというあたりはリアル妹のいる大泉君の場合でエロゲーに対する造詣を見せてくれたおるごぅる氏の影がやはり見え隠れしていると感じてしまったわけですが、そんな邪推はともかくシナリオだけでなくHシーンを含めて良作と感じられたという意味で、良作エロゲーを充分堪能することが出来ました。
2015年03月03日
着地には失敗した印象も
半月ほどブログが更新出来ませんでしたが、何とか息しています。
仕事の方は相変わらず多忙で如何ともしがたい状況ですが、そんな中でも恒例の予想だけは続けたいと思い今月に入った頃からボチボチと取材(HP巡りや体験版等)を始めていたものですから、他の事に手の回るような状況ではなかったのですね。というわけで積みゲーの処理も滞り・・・まあいつものことなんですけれど。
それでも何とか宿題だけは果たせたというわけで、懸案の積みゲー処理に取り掛かってクリアしたのがグリザイアの楽園(フロントウイング)です。
というかこのゲーム、一昨年に発売されたゲームだったのですね。アニメにもなった(全く視聴していませんが)話題作をよくここまでほったらかしにしておいたものだと自分でも感心してしまうのですが、それでもぼくの怪しげな記憶力でも前作や前々作のあらすじを朧げながら覚えているところを見ると、やはり印象に残る作品だったのでしょう。
そんなグリザイアシリーズの集大成とも云えるのがこの「楽園」なわけですが、藤崎竜太の過去作を見てわかるように着地が綺麗に決まるとは思っていませんでした。
その予想からすれば全体的には悪くないデキといえないこともないですが、それでもヒース・オスロとの対決となるタルタロス部分は駆け足気味な上にラストもどこかで見たような結末で買えない。そういった意味ではこの楽園の面白いといえる部分はヒロインが主人公の雄二を助けようとタナトスやJBと共に奮闘する「ブランエールの種」の序中盤部分と、主人公が登場する以前の話である「プロローグ」部分にあるとぼくは思うのですね。このシリーズの感想でまま見かけた主人公に対するネガティブ意見についてぼくは組していなかったのですが、今回の楽園に関しては不要というよりも何か添え物のように思えてならなかったのです。まあぼくはパセリもしっかり食べるように、添え物が嫌いというわけではないのですけど・・・
それ以上に添え物の扱いとなっているのがHシーンで、本編に存在せず楽園アフターに集中しているところを見ても明らかでしょう。まあ無理に接着剤を入れて本編の流れを壊されるよりもその方がベターなのかもしれませんが、ただ本編でヒロインがあれだけ活躍して主人公(雄二)を救出したというのに、ご褒美のHが1回ずつというのは可哀想だし寂しい。しかも幸と蒔菜は2人で1回という冷遇さ。サブキャラのHシーンを入れて量的には充分なはずなのにどうも満足とまではいかなかったのはこのあたりが原因ではないかと思うのですね。
というわけでこのゲーム単体としては不満が残るデキといっても言いすぎではないのですが、シリーズとして充分楽しませてもらったことを考えれば貶す気があまり起きないというのが正直なところ。このキャラたちが活躍する世界にまた浸りたいと全年齢版のみちる主役のアフターまで購入してしまうくらいぼくには印象に残る作品でした。
仕事の方は相変わらず多忙で如何ともしがたい状況ですが、そんな中でも恒例の予想だけは続けたいと思い今月に入った頃からボチボチと取材(HP巡りや体験版等)を始めていたものですから、他の事に手の回るような状況ではなかったのですね。というわけで積みゲーの処理も滞り・・・まあいつものことなんですけれど。
それでも何とか宿題だけは果たせたというわけで、懸案の積みゲー処理に取り掛かってクリアしたのがグリザイアの楽園(フロントウイング)です。
というかこのゲーム、一昨年に発売されたゲームだったのですね。アニメにもなった(全く視聴していませんが)話題作をよくここまでほったらかしにしておいたものだと自分でも感心してしまうのですが、それでもぼくの怪しげな記憶力でも前作や前々作のあらすじを朧げながら覚えているところを見ると、やはり印象に残る作品だったのでしょう。
そんなグリザイアシリーズの集大成とも云えるのがこの「楽園」なわけですが、藤崎竜太の過去作を見てわかるように着地が綺麗に決まるとは思っていませんでした。
その予想からすれば全体的には悪くないデキといえないこともないですが、それでもヒース・オスロとの対決となるタルタロス部分は駆け足気味な上にラストもどこかで見たような結末で買えない。そういった意味ではこの楽園の面白いといえる部分はヒロインが主人公の雄二を助けようとタナトスやJBと共に奮闘する「ブランエールの種」の序中盤部分と、主人公が登場する以前の話である「プロローグ」部分にあるとぼくは思うのですね。このシリーズの感想でまま見かけた主人公に対するネガティブ意見についてぼくは組していなかったのですが、今回の楽園に関しては不要というよりも何か添え物のように思えてならなかったのです。まあぼくはパセリもしっかり食べるように、添え物が嫌いというわけではないのですけど・・・
それ以上に添え物の扱いとなっているのがHシーンで、本編に存在せず楽園アフターに集中しているところを見ても明らかでしょう。まあ無理に接着剤を入れて本編の流れを壊されるよりもその方がベターなのかもしれませんが、ただ本編でヒロインがあれだけ活躍して主人公(雄二)を救出したというのに、ご褒美のHが1回ずつというのは可哀想だし寂しい。しかも幸と蒔菜は2人で1回という冷遇さ。サブキャラのHシーンを入れて量的には充分なはずなのにどうも満足とまではいかなかったのはこのあたりが原因ではないかと思うのですね。
というわけでこのゲーム単体としては不満が残るデキといっても言いすぎではないのですが、シリーズとして充分楽しませてもらったことを考えれば貶す気があまり起きないというのが正直なところ。このキャラたちが活躍する世界にまた浸りたいと全年齢版のみちる主役のアフターまで購入してしまうくらいぼくには印象に残る作品でした。
2015年01月30日
シリアスとコメディが奏でる不協和音
ご無沙汰しています。
昨年末以来心身ともに非常に辛い日が続いていて、正直今月は恒例のゲーム予想記事をアップするのを断念しようかと思っていました。
それが何とか遅ればせながらでも発売日までに間に合わすことが出来たのは、今月は金曜日が第5週まであってゲームの発売日が遅かったこと。そしてこれが一番の理由ですが発売本数が少なく、取材に掛ける時間が少なく済んだからです。本来新作の発売本数が少ないことは、エロゲーファンにとっては選択肢が絞られるということもあって悲しむべきことかもしれませんが、今月に限っては素直に喜んでしまいました。
実際、ぼくも今月は購入するゲームが見当たらない・・・というより新作を予約に行く暇さえなかった・・・こともあって見送りが確定しているわけですが、その分昨年に購入したまま放置してある積みゲーを崩すのに専念したいところ。
というわけで、一番進行しているサツコイ(Alcotハニカム)を終わらせることにしました。
このゲームについては実は序盤プレイしていて気になった点をブログに取り上げていて、それが10月5日のこと。フルプライスでなく直ぐに終わりそうなゲームにどれだけ時間を掛けているのかといってお叱りを受けそうですが、これについては自分の責任なので首を垂れるしかありません。ただ、言い訳をさせてもらうならば、同じライターである瀬尾順氏の春季限定ポコ・ア・ポコやあえて無視するキミとの未来より明らかに面白くな・・・いやぼくの好みに合わなかったから、つい箸の進むのが遅くなったのですね。
(ここからネタバレ)
これまで瀬尾氏が出してきたハニカミ文庫の2本はいずれもコメディ&キャラゲー色の強い作品でした。もちろんよくあるイチャラブオンリーでシナリオは取ってつけたようなものというわけではなくて、多少ウェイトはかけているものの前作のあえて無視するキミとの未来の未来視設定のように、いわゆるギミックとしての意味しか持たないことが特徴でした。もちろんそれは悪い意味ではなく、キャラ同士のテンポの良い会話は瀬尾シナリオの魅力となっていました。
それがこのサツコイではシリアス色を強めて、いわゆるコメディ部分とシリアス部分の化合を図るという意欲的な作品となっています。エロゲーの世界でシリアスといえば定番といっていい死生観をモチーフにしたという意味では、同じAlcotの作品である死神の接吻は別離の味の成功に倣ったといったところかもしれませんが、結果的には先達の成功からは遠く及ばなかったというのが正直なところ。というのも死生観という重い主題とキャラ萌えがうまく配合され、引き立てあっていた死神の接吻は別離の味と比べて、サツコイは混合させただけで内容は分離してしまっている感が強かったからです。
これはこのゲームのキモともいえる人魚という設定がどうにも強引で無理筋のように思えるからでしょう。というかここまでご都合主義に溢れている設定は正直お目にかかれるものではないです。まあぼく的には神話の世界であるまいし、近親姦に凝り固まった純血種の方が人魚と人間の混血であるハイブリッド種よりも必ず優れているという設定を見るだけでかなりの違和感があるのですが、人魚の雌が双子の雄を喰らって成長するという設定等、これだけご都合主義的設定を振りかざしてしまうととてもラストで感動を呼ぶことなんて出来ません。
こうしたシナリオに足を引っ張られてしまったのが、これまで瀬尾氏の特長となっていたテンポの良い会話部分。駄妹3号というべきメインヒロインの悠も同級生の直も悪いキャラでないのに、前2作より劣るように感じられるのは中途半端なシリアス&シナリオ強化の犠牲になってしまったといっても過言でないと思うのですね。もともと瀬尾氏はシナリオの重厚さや伏線消化のトリッキー味で読ませるタイプのライターでないわけで、なぜこんな苦手な土俵で戦ったのかぼく的には解せないのです。前2作では薄っぺらい設定や畳みきれない伏線がありながらテンポの良い会話部分でそれが目立たず済んでいたのに、今回は悪い点ばかりが目についてしまったというのは明らかにテーマ選択の失敗が影響したものといえるでしょう。瀬尾氏には次回こそ得意な土俵で戦ってもらいたいし、それが一番生きるのはハニカム文庫だとぼく的には信じていますから・・・
昨年末以来心身ともに非常に辛い日が続いていて、正直今月は恒例のゲーム予想記事をアップするのを断念しようかと思っていました。
それが何とか遅ればせながらでも発売日までに間に合わすことが出来たのは、今月は金曜日が第5週まであってゲームの発売日が遅かったこと。そしてこれが一番の理由ですが発売本数が少なく、取材に掛ける時間が少なく済んだからです。本来新作の発売本数が少ないことは、エロゲーファンにとっては選択肢が絞られるということもあって悲しむべきことかもしれませんが、今月に限っては素直に喜んでしまいました。
実際、ぼくも今月は購入するゲームが見当たらない・・・というより新作を予約に行く暇さえなかった・・・こともあって見送りが確定しているわけですが、その分昨年に購入したまま放置してある積みゲーを崩すのに専念したいところ。
というわけで、一番進行しているサツコイ(Alcotハニカム)を終わらせることにしました。
このゲームについては実は序盤プレイしていて気になった点をブログに取り上げていて、それが10月5日のこと。フルプライスでなく直ぐに終わりそうなゲームにどれだけ時間を掛けているのかといってお叱りを受けそうですが、これについては自分の責任なので首を垂れるしかありません。ただ、言い訳をさせてもらうならば、同じライターである瀬尾順氏の春季限定ポコ・ア・ポコやあえて無視するキミとの未来より明らかに面白くな・・・いやぼくの好みに合わなかったから、つい箸の進むのが遅くなったのですね。
(ここからネタバレ)
これまで瀬尾氏が出してきたハニカミ文庫の2本はいずれもコメディ&キャラゲー色の強い作品でした。もちろんよくあるイチャラブオンリーでシナリオは取ってつけたようなものというわけではなくて、多少ウェイトはかけているものの前作のあえて無視するキミとの未来の未来視設定のように、いわゆるギミックとしての意味しか持たないことが特徴でした。もちろんそれは悪い意味ではなく、キャラ同士のテンポの良い会話は瀬尾シナリオの魅力となっていました。
それがこのサツコイではシリアス色を強めて、いわゆるコメディ部分とシリアス部分の化合を図るという意欲的な作品となっています。エロゲーの世界でシリアスといえば定番といっていい死生観をモチーフにしたという意味では、同じAlcotの作品である死神の接吻は別離の味の成功に倣ったといったところかもしれませんが、結果的には先達の成功からは遠く及ばなかったというのが正直なところ。というのも死生観という重い主題とキャラ萌えがうまく配合され、引き立てあっていた死神の接吻は別離の味と比べて、サツコイは混合させただけで内容は分離してしまっている感が強かったからです。
これはこのゲームのキモともいえる人魚という設定がどうにも強引で無理筋のように思えるからでしょう。というかここまでご都合主義に溢れている設定は正直お目にかかれるものではないです。まあぼく的には神話の世界であるまいし、近親姦に凝り固まった純血種の方が人魚と人間の混血であるハイブリッド種よりも必ず優れているという設定を見るだけでかなりの違和感があるのですが、人魚の雌が双子の雄を喰らって成長するという設定等、これだけご都合主義的設定を振りかざしてしまうととてもラストで感動を呼ぶことなんて出来ません。
こうしたシナリオに足を引っ張られてしまったのが、これまで瀬尾氏の特長となっていたテンポの良い会話部分。駄妹3号というべきメインヒロインの悠も同級生の直も悪いキャラでないのに、前2作より劣るように感じられるのは中途半端なシリアス&シナリオ強化の犠牲になってしまったといっても過言でないと思うのですね。もともと瀬尾氏はシナリオの重厚さや伏線消化のトリッキー味で読ませるタイプのライターでないわけで、なぜこんな苦手な土俵で戦ったのかぼく的には解せないのです。前2作では薄っぺらい設定や畳みきれない伏線がありながらテンポの良い会話部分でそれが目立たず済んでいたのに、今回は悪い点ばかりが目についてしまったというのは明らかにテーマ選択の失敗が影響したものといえるでしょう。瀬尾氏には次回こそ得意な土俵で戦ってもらいたいし、それが一番生きるのはハニカム文庫だとぼく的には信じていますから・・・
2015年01月07日
古い皮袋に古い酒
明けましておめでとうございます。
相変わらず多忙の中、体調が優れない毎日を送っていますが、ブログの更新については体調と折り合いを付けながら負担にならない程度にぼちぼちと進めていきたいと思っています。
さて、ごく短い正月休みの間、取りあえず昨年から進めていた積みゲー崩しを多少なりともというわけでLove Sweets(MOONSTONE)をクリアすることができました。
(ここからネタバレ)
このゲームの第1印象はというと、非常に古臭い設定のゲームというものでした。
舞台がパティスリーというのもエロゲーだけでなくラノベ等でも多くあるし、そこに勤めるウェイトレスがヒロインというのも定番。そのウェイトレスが妹を含め全員主人公と同じ学園に通っているというのもかなりのご都合主義でこのあたりも往年のエロゲーを偲ばせますし、主人公が彼女を作るためにアルバイトを始めるといった切欠もF&Cの一連の作品やMilkyway2(Witch)といった古典作でもよく見られたものでした。
そんな古い皮袋にどんな酒を注いでくれるのかといった点に興味があったのですが、実際ゲームをプレイを始めても印象はそれほど大きく変わるものではありませんでした。
実際原画についても決して垢抜けているわけでない(決して腐しているわけではない)し、MOONSTONEの姉妹ブランドにあるようなHシーンでの動画といった部分もない。そう考えるとCGや塗り等はともかく、それ以外の部分では10年前にこのゲームがリリースされたとしても、驚かないといっても言い過ぎでないくらい新鮮味のない内容でした。
では新鮮味がないといって決して不出来なゲームかと聴かれれば、明らかに違うと即答できます。プレイしていて嫌味を感じさせる部分がなく、イライラさせられる部分もない。もちろんシナリオに大きな起伏があるわけでなく、ラストの盛り上がりについても多少あったかといったところで決して褒められたデキではありませんが、主人公とヒロインの恋愛関係を楽しむといった点を思えば、それがいい方向に出ています。こうしたゲームにありがちなダメ主人公というわけでないので、必要以上に持ち上げられたシーンについてもあまり嫌味に感じない。萌えゲーの王道を走っているつもりで意外に道を踏み外してしまっているゲームが多い中で、こうして王道を踏み外さずにラストまで迎えられる作品というのは意外に少ないものなのです。
ただまずまずの作品だったとは認めるものの、印象に残る作品だったかと聴かれると首を横に振らざるを得ないのは確か。ぼくの記憶力を考えると割り引かないといけないかもしれませんが、1年後このゲームのことをどこまで詳細に覚えているかどうかとなると、自信のある人はそう多くはないはず。これは設定等も王道ならヒロインも定番の配置で奇をてらったところが全くない点がその要因かもしれません。もちろんヒロインに魅力がないといったわけではなく、恋人同士になった後はなかなかのイチャラブっぷりを見せてくれるのですが、印象の残る強烈なイベントとなるとほとんど見当たらないのですね。
もちろんこのゲームが大振りのパンチを繰り出しKOを狙うタイプのボクサーではなくて、小さなパンチを積み重ねポイントを稼いでいくタイプなので仕方ないのかもしれませんが、それにしてももう少し印象の残るイベントが欲しかったと思うのですね。
そんなぼくが今のところ一番印象に残っているのがみなもシナリオ。ぼく的にこのバイト先の先輩というポジションのヒロインはこれまでお気に入りに入選したことがなく一番期待していなかったキャラだったのですが、彼女のセールスポイントである包容力をコミュ障の小姑(伊織)との小さなイベントの積み重ねで表していくといった構成はこうした萌えゲーには珍しく新鮮に感じられました。決め手を持たずジャブを繰り出していくスタイルがこのゲームの持ち味と考えるならば、このシナリオがベストで次善のルートが奏絵というのがぼくの評価です。
逆にぼくの感覚的にヒロイン中で萌え分で上位にランクされるはずの結衣や櫛無の方が上積みという点では乏しかった。彼女たちのルートはイチャラブという点ではそれなりに悪くはないものの、概ねシナリオの流れは旧態依然としたものでHシーン以外ほとんど印象に残るものはありませんでした。
(総括)
古い皮袋に新しい酒というのはよくある例えですが、このゲームは古い皮袋にあえて古い酒を入れたというのが持ち味といっていいでしょう。それだけに物足りなさを感じられる部分は多いのですが、萌えゲーの王道ともいえる設定だけに安心してプレイできることは確か。ただ欲を言えばみなもルートのような味のあるルートがもう一つくらい欲しかった印象。特にこのみなもルートはイチャラブものにありがちな個別ルートに入るとほかのヒロインの影が薄くなるといった欠点が見られなかったのもプラスに作用しています。ただこういったゲームの宿命といえばそれまでですが、心に大きく響くようなシナリオではなかったということに関しては間違いないところでしょう。
相変わらず多忙の中、体調が優れない毎日を送っていますが、ブログの更新については体調と折り合いを付けながら負担にならない程度にぼちぼちと進めていきたいと思っています。
さて、ごく短い正月休みの間、取りあえず昨年から進めていた積みゲー崩しを多少なりともというわけでLove Sweets(MOONSTONE)をクリアすることができました。
(ここからネタバレ)
このゲームの第1印象はというと、非常に古臭い設定のゲームというものでした。
舞台がパティスリーというのもエロゲーだけでなくラノベ等でも多くあるし、そこに勤めるウェイトレスがヒロインというのも定番。そのウェイトレスが妹を含め全員主人公と同じ学園に通っているというのもかなりのご都合主義でこのあたりも往年のエロゲーを偲ばせますし、主人公が彼女を作るためにアルバイトを始めるといった切欠もF&Cの一連の作品やMilkyway2(Witch)といった古典作でもよく見られたものでした。
そんな古い皮袋にどんな酒を注いでくれるのかといった点に興味があったのですが、実際ゲームをプレイを始めても印象はそれほど大きく変わるものではありませんでした。
実際原画についても決して垢抜けているわけでない(決して腐しているわけではない)し、MOONSTONEの姉妹ブランドにあるようなHシーンでの動画といった部分もない。そう考えるとCGや塗り等はともかく、それ以外の部分では10年前にこのゲームがリリースされたとしても、驚かないといっても言い過ぎでないくらい新鮮味のない内容でした。
では新鮮味がないといって決して不出来なゲームかと聴かれれば、明らかに違うと即答できます。プレイしていて嫌味を感じさせる部分がなく、イライラさせられる部分もない。もちろんシナリオに大きな起伏があるわけでなく、ラストの盛り上がりについても多少あったかといったところで決して褒められたデキではありませんが、主人公とヒロインの恋愛関係を楽しむといった点を思えば、それがいい方向に出ています。こうしたゲームにありがちなダメ主人公というわけでないので、必要以上に持ち上げられたシーンについてもあまり嫌味に感じない。萌えゲーの王道を走っているつもりで意外に道を踏み外してしまっているゲームが多い中で、こうして王道を踏み外さずにラストまで迎えられる作品というのは意外に少ないものなのです。
ただまずまずの作品だったとは認めるものの、印象に残る作品だったかと聴かれると首を横に振らざるを得ないのは確か。ぼくの記憶力を考えると割り引かないといけないかもしれませんが、1年後このゲームのことをどこまで詳細に覚えているかどうかとなると、自信のある人はそう多くはないはず。これは設定等も王道ならヒロインも定番の配置で奇をてらったところが全くない点がその要因かもしれません。もちろんヒロインに魅力がないといったわけではなく、恋人同士になった後はなかなかのイチャラブっぷりを見せてくれるのですが、印象の残る強烈なイベントとなるとほとんど見当たらないのですね。
もちろんこのゲームが大振りのパンチを繰り出しKOを狙うタイプのボクサーではなくて、小さなパンチを積み重ねポイントを稼いでいくタイプなので仕方ないのかもしれませんが、それにしてももう少し印象の残るイベントが欲しかったと思うのですね。
そんなぼくが今のところ一番印象に残っているのがみなもシナリオ。ぼく的にこのバイト先の先輩というポジションのヒロインはこれまでお気に入りに入選したことがなく一番期待していなかったキャラだったのですが、彼女のセールスポイントである包容力をコミュ障の小姑(伊織)との小さなイベントの積み重ねで表していくといった構成はこうした萌えゲーには珍しく新鮮に感じられました。決め手を持たずジャブを繰り出していくスタイルがこのゲームの持ち味と考えるならば、このシナリオがベストで次善のルートが奏絵というのがぼくの評価です。
逆にぼくの感覚的にヒロイン中で萌え分で上位にランクされるはずの結衣や櫛無の方が上積みという点では乏しかった。彼女たちのルートはイチャラブという点ではそれなりに悪くはないものの、概ねシナリオの流れは旧態依然としたものでHシーン以外ほとんど印象に残るものはありませんでした。
(総括)
古い皮袋に新しい酒というのはよくある例えですが、このゲームは古い皮袋にあえて古い酒を入れたというのが持ち味といっていいでしょう。それだけに物足りなさを感じられる部分は多いのですが、萌えゲーの王道ともいえる設定だけに安心してプレイできることは確か。ただ欲を言えばみなもルートのような味のあるルートがもう一つくらい欲しかった印象。特にこのみなもルートはイチャラブものにありがちな個別ルートに入るとほかのヒロインの影が薄くなるといった欠点が見られなかったのもプラスに作用しています。ただこういったゲームの宿命といえばそれまでですが、心に大きく響くようなシナリオではなかったということに関しては間違いないところでしょう。
2014年12月06日
順調に積みゲーを増やす
子供の頃から皮膚が弱くステロイド軟膏が欠かせないぼくですが、2か月ほど前から額に三日月状の赤班が出来てしまいこれが一向に直らない。まあ赤班程度ならばいいのですが、時々出血するようで目を覚ました時、枕カバーが血だらけになっていたときはさすがにビビりました。
さすがに場所が場所だけに常用のステロイド軟膏は怖くて使えないし、といって弱めのステロイドではほとんど効果がない現状。恐らく疲労とストレスのせいだと思うのですが、皮膚科に受診しても対処療法しか行わないし・・・思い切って心療内科にでも行ったほうがいいのかしらと思わないでもないのですが、何か鉄格子の嵌った病室に監禁されそうで(誤解)なかなか踏ん切りが付きません。
まあ手持ちの積みゲーが全部片付いたら思い残すこともありませんので、そうなったら病院でも留置所でもどこでも行きますけど(事実上行かないと言っているも同じ)
というわけで、積みゲーを増やしておかないと一生娑婆に出てこられない可能性がありますので、10月の新作4本購入に続いて11月も4本購入と順調に積みゲーを増やしています。幸いここ1年くらい崩したゲームを先日紙袋4つ分某ショップに持ち込んだら大6枚ほどになりましたので、ほとんど現金の持ち出しなく新作を購入することができました。
ただ10月購入した4本は批評空間のデータを見る限りどうも外してしまったようです。唯一中央値が80点越えしているどうして、そんなに黒い髪が好きなの?(ファイヤワークス)も序盤プレイする限りは、イマイチぼくの趣味に合わないようですし、他の3本はというとこのままプレイする機会なくこのまま不良在庫となってしまいそうな悪寒。全体的に見ても文句なしの良作と呼べるものは見当たらなくて、所謂出走(発売された)馬(ゲーム)のレベルが低かったようです。
それに比べると11月はこれまでのところ事前の予想どおり出走馬のレベルが高そうでホッとしています。幸いぼくの購入した馬たちも上位に付けていて、これからプレイするのが楽しみです。
ただ予想外だったのは、追い切り(体験版)の動きや気配から不安視されていたChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1- 武士の鼓動 (インレ)やキミのとなりで恋してる!(ALcotハニカム )の好調ぶり。やはり実績馬は気配は今一つでもレースに入れば格好を付けてくれるものだと改めて思った次第ですが、ぼくの予想記事を信じてオミットしてしまった人には申し訳ないことをしてしまいました。しかも実のところぼく自身は押さえで購入しているわけで、これでは石をぶつけられても仕方ありません。
まあどちらにしても今回購入した新作についてはどれか1本でも年内に手を付けられれば上出来といったところで相変わらず仕事に追われ続けている毎日ですが、今月の予想記事についてはできるだけ早くアップしたいと思っています。
では短いですが今回はこんなところで。
さすがに場所が場所だけに常用のステロイド軟膏は怖くて使えないし、といって弱めのステロイドではほとんど効果がない現状。恐らく疲労とストレスのせいだと思うのですが、皮膚科に受診しても対処療法しか行わないし・・・思い切って心療内科にでも行ったほうがいいのかしらと思わないでもないのですが、何か鉄格子の嵌った病室に監禁されそうで(誤解)なかなか踏ん切りが付きません。
まあ手持ちの積みゲーが全部片付いたら思い残すこともありませんので、そうなったら病院でも留置所でもどこでも行きますけど(事実上行かないと言っているも同じ)
というわけで、積みゲーを増やしておかないと一生娑婆に出てこられない可能性がありますので、10月の新作4本購入に続いて11月も4本購入と順調に積みゲーを増やしています。幸いここ1年くらい崩したゲームを先日紙袋4つ分某ショップに持ち込んだら大6枚ほどになりましたので、ほとんど現金の持ち出しなく新作を購入することができました。
ただ10月購入した4本は批評空間のデータを見る限りどうも外してしまったようです。唯一中央値が80点越えしているどうして、そんなに黒い髪が好きなの?(ファイヤワークス)も序盤プレイする限りは、イマイチぼくの趣味に合わないようですし、他の3本はというとこのままプレイする機会なくこのまま不良在庫となってしまいそうな悪寒。全体的に見ても文句なしの良作と呼べるものは見当たらなくて、所謂出走(発売された)馬(ゲーム)のレベルが低かったようです。
それに比べると11月はこれまでのところ事前の予想どおり出走馬のレベルが高そうでホッとしています。幸いぼくの購入した馬たちも上位に付けていて、これからプレイするのが楽しみです。
ただ予想外だったのは、追い切り(体験版)の動きや気配から不安視されていたChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1- 武士の鼓動 (インレ)やキミのとなりで恋してる!(ALcotハニカム )の好調ぶり。やはり実績馬は気配は今一つでもレースに入れば格好を付けてくれるものだと改めて思った次第ですが、ぼくの予想記事を信じてオミットしてしまった人には申し訳ないことをしてしまいました。しかも実のところぼく自身は押さえで購入しているわけで、これでは石をぶつけられても仕方ありません。
まあどちらにしても今回購入した新作についてはどれか1本でも年内に手を付けられれば上出来といったところで相変わらず仕事に追われ続けている毎日ですが、今月の予想記事についてはできるだけ早くアップしたいと思っています。
では短いですが今回はこんなところで。
2014年11月06日
終盤の追い込みがすべて
先月末Lump of Sugarの新作運命線上のφが発売されたのですが、周回遅れでエロゲーをプレイしているぼくは今頃になってMagical Charming! をプレイしています。
このMagical Charming!。ぼくが初めてプレイするLump of Sugarの作品だったりします。なぜこれまでこのメーカーのゲームをプレイしていなかったかと聴かれても特に深い理由がなく間が悪かったとしか答えるしかないのですが、実際このMagical Charming!が発売された月もぼくの購入順位ではグリザイアの楽園・ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1-・らぶおぶ恋愛皇帝 of LOVE!・お嬢様はご機嫌ナナメに次ぐ5番手か6番手といったところで、まず手を出していなかったところでした。まあこの月はなぜか懐に余裕があったからこのゲームにまで議席が回ったのですが、それでも最後まで月あかりランチとどちらを買うか最後まで迷ったくらいで、もしEX-ONEの前作を購入していなかったら恐らくこちらが落選していた可能性は高かったと思います。
結果的にはこの月は当たりが多くてどれを選んでもハズレではなかったわけですが、これまで批評空間での評価はいつも一歩足りないLump of Sugarの作品で唯一好評を博しているゲームを手にできたというのは僥倖といったところ。そういいながらこれまでずっと積みっぱなしだったのはお約束なのですが・・・
(ここからネタバレ)
このゲームの(恐らく)メインライターはしげた氏ではないかと思われます。しげた氏といえばかんなぎれい氏と組んだプリンセスうぃっちぃずやティンクル☆くるせいだーすが代表作であり、この2本が魔法少女ものということもあって今作も同系統の作品であると思っていました。
実際主人公の性格設定は妙なノリでやや暑苦しかったりとしげた氏の一連の作品と近い性格となっています。主人公はライターにとって一番動かしやすい性格にするのが常道であるわけで、この主人公の妙なノリはまさにしげた節というもの。恐らく好き嫌いが大きく分かれそうな主人公だと思うのですが、このあたりはぼく的にはあまり気にならなりませんでした。
それより人気絵師の一角であるはずの梱枝りこ氏の原画があまり可愛く感じられなかったのは小さくない誤算でした。このあたりはぼくの嗜好もあるのか、それとも他に要因があるのか分かりませんが、そのため折角のステディモードのHシーンも満足がいくとまで言い切れなかったのが辛い。
それでもこのゲームの主眼といえるクロノカード集めさえ面白く感じられるなら充分といえるでしょう。そのクロノカード蒐集に嵌ることができるか、それとも面倒くさく感じられるかが評価の分かれ目かと思います。恐らく各ヒロインを1回ずつクリアしただけでは、トゥルーエンドに辿りつくのは不可能といってよく、少なくないバットエンドも見てかなりのカードを集めておかないとラストの戦いで積んでしまうことは必定でしょう。ぼくは元来の蒐集癖が幸いして何とか勝利できたのですが、少なくとも4大精霊のカードくらいは持っておかないと終盤苦しい戦いが待っている筈です。
といって最初から攻略サイトを見て安易にカードを集めていっても、このゲームの本当の面白さは分からないのではないのでしょうか?意味あるかどうか分からないような選択肢を一つずつ潰していくなどしていかないとカードは集まらないのですが、この作業を苦行と感じてしまい攻略サイトの解答を見てしまっては達成感は得られないと思うのです。
実際このゲームの個人ルートについてはそれほど特徴のあるものではありません。特にトゥルールートに掛かるオリエッタのルート以外は凡百の萌えゲーと変わることはありません。しかもHシーンがすべてステディモードに集中しているため、より個別ルートの物足りなさを強く感じてしまうのですね。唯一オリエッタルートはトゥルールートへの橋渡しの形で考えさせられるものになっているのですが、伏線が消化されないままラストを迎えてしまうのでラストはかなり物足りなく感じてしまう。
そういった意味で面倒くさくともぜひ最後までプレイしてもらいたいものですが、こうして考えるとこのゲームはトゥルールートがすべてといっても過言ではないと思うのですね。あまり意味ないものと思われていたクロノカード集めが実はストーリーに深く関わっていたという意外性は少なくない驚きをぼくに与えてくれました。ただこの謎を知ってプレイするのと知らずにプレイするのでは、犯人やトリックを知ってしまってから読む本格推理小説が味気なく感じてしまうのと同じ感触を与えるのではないかと思うのです。
ただミステリーでも名作と呼ばれるものは犯人やトリックを知ってしまっていても面白く感じられるもので、このゲームでも同じことが言えたのかもしれませんが・・・
(総括)
クロノカード集めがただのアクセントではなくストーリーに重大な影響を与えるというアイデアがこのゲームを支えているといっても過言ではない。そういった意味でも終盤特化型のゲームでありただの萌えゲーではありません。マイナス点は個別ルートがかなり退屈なことと、ヒロインは確かに可愛くイチャラブについては合格点を与えられるものの、Hシーンがまったく使えないこと。つまりエロ可愛くないということですが、よく考えると肝心のトゥルールートでは全くHシーンが存在していないことを考えると、そういった点を期待する方が間違っているのかもしれませんね。
このMagical Charming!。ぼくが初めてプレイするLump of Sugarの作品だったりします。なぜこれまでこのメーカーのゲームをプレイしていなかったかと聴かれても特に深い理由がなく間が悪かったとしか答えるしかないのですが、実際このMagical Charming!が発売された月もぼくの購入順位ではグリザイアの楽園・ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1-・らぶおぶ恋愛皇帝 of LOVE!・お嬢様はご機嫌ナナメに次ぐ5番手か6番手といったところで、まず手を出していなかったところでした。まあこの月はなぜか懐に余裕があったからこのゲームにまで議席が回ったのですが、それでも最後まで月あかりランチとどちらを買うか最後まで迷ったくらいで、もしEX-ONEの前作を購入していなかったら恐らくこちらが落選していた可能性は高かったと思います。
結果的にはこの月は当たりが多くてどれを選んでもハズレではなかったわけですが、これまで批評空間での評価はいつも一歩足りないLump of Sugarの作品で唯一好評を博しているゲームを手にできたというのは僥倖といったところ。そういいながらこれまでずっと積みっぱなしだったのはお約束なのですが・・・
(ここからネタバレ)
このゲームの(恐らく)メインライターはしげた氏ではないかと思われます。しげた氏といえばかんなぎれい氏と組んだプリンセスうぃっちぃずやティンクル☆くるせいだーすが代表作であり、この2本が魔法少女ものということもあって今作も同系統の作品であると思っていました。
実際主人公の性格設定は妙なノリでやや暑苦しかったりとしげた氏の一連の作品と近い性格となっています。主人公はライターにとって一番動かしやすい性格にするのが常道であるわけで、この主人公の妙なノリはまさにしげた節というもの。恐らく好き嫌いが大きく分かれそうな主人公だと思うのですが、このあたりはぼく的にはあまり気にならなりませんでした。
それより人気絵師の一角であるはずの梱枝りこ氏の原画があまり可愛く感じられなかったのは小さくない誤算でした。このあたりはぼくの嗜好もあるのか、それとも他に要因があるのか分かりませんが、そのため折角のステディモードのHシーンも満足がいくとまで言い切れなかったのが辛い。
それでもこのゲームの主眼といえるクロノカード集めさえ面白く感じられるなら充分といえるでしょう。そのクロノカード蒐集に嵌ることができるか、それとも面倒くさく感じられるかが評価の分かれ目かと思います。恐らく各ヒロインを1回ずつクリアしただけでは、トゥルーエンドに辿りつくのは不可能といってよく、少なくないバットエンドも見てかなりのカードを集めておかないとラストの戦いで積んでしまうことは必定でしょう。ぼくは元来の蒐集癖が幸いして何とか勝利できたのですが、少なくとも4大精霊のカードくらいは持っておかないと終盤苦しい戦いが待っている筈です。
といって最初から攻略サイトを見て安易にカードを集めていっても、このゲームの本当の面白さは分からないのではないのでしょうか?意味あるかどうか分からないような選択肢を一つずつ潰していくなどしていかないとカードは集まらないのですが、この作業を苦行と感じてしまい攻略サイトの解答を見てしまっては達成感は得られないと思うのです。
実際このゲームの個人ルートについてはそれほど特徴のあるものではありません。特にトゥルールートに掛かるオリエッタのルート以外は凡百の萌えゲーと変わることはありません。しかもHシーンがすべてステディモードに集中しているため、より個別ルートの物足りなさを強く感じてしまうのですね。唯一オリエッタルートはトゥルールートへの橋渡しの形で考えさせられるものになっているのですが、伏線が消化されないままラストを迎えてしまうのでラストはかなり物足りなく感じてしまう。
そういった意味で面倒くさくともぜひ最後までプレイしてもらいたいものですが、こうして考えるとこのゲームはトゥルールートがすべてといっても過言ではないと思うのですね。あまり意味ないものと思われていたクロノカード集めが実はストーリーに深く関わっていたという意外性は少なくない驚きをぼくに与えてくれました。ただこの謎を知ってプレイするのと知らずにプレイするのでは、犯人やトリックを知ってしまってから読む本格推理小説が味気なく感じてしまうのと同じ感触を与えるのではないかと思うのです。
ただミステリーでも名作と呼ばれるものは犯人やトリックを知ってしまっていても面白く感じられるもので、このゲームでも同じことが言えたのかもしれませんが・・・
(総括)
クロノカード集めがただのアクセントではなくストーリーに重大な影響を与えるというアイデアがこのゲームを支えているといっても過言ではない。そういった意味でも終盤特化型のゲームでありただの萌えゲーではありません。マイナス点は個別ルートがかなり退屈なことと、ヒロインは確かに可愛くイチャラブについては合格点を与えられるものの、Hシーンがまったく使えないこと。つまりエロ可愛くないということですが、よく考えると肝心のトゥルールートでは全くHシーンが存在していないことを考えると、そういった点を期待する方が間違っているのかもしれませんね。
2014年10月18日
2作目で前進というわけには行かず
2か月ほど前から断続的にプレイしていた夏恋ハイプレッシャー(スミレ)がようやくクリアできました。コメディと萌えの程よいバランスで今や本家のHOOKより勢いのある存在であるSMEEに続く存在にもなりえると見ていた割には、デビュー作のラブレッシブでは今一つの評価だったスミレだけに、今回こそは期待に応えたいところですが・・・
このメーカーのメインライターである雪仁氏の作品として思い浮かぶのがStrawberry Nauts(HOOK)で、モブキャラの鬱屈した心情を曝け出したPITという発想は中々面白く、練り上げれば面白いシステムとなりそうでした。
そしてラブレッシブではツブヤッキーというツイッターに模したシステムが導入されていました(らしい)。肉食系女子が主人公を取り合うというゲームのコンセプトだけに、主人公の知らない所で丁々発止とやり合うことを想像すると、確かにツブヤッキーというシステムには合っていると考えていました。(ただそれが点数に表れなかったところを見ると、実際には練られていなかったようですが)
それだけに2作目でこのシステムをどこまで練り上げてくるのか注目していたのですが、残念ながら進化したとは言い難いデキでした。というのもPITではモブキャラたちの会話が主となっていたのですが、今回はヒロイン及びサブキャラが呟くのみなのですね。確かにモブキャラの会話となるとかなりの呟きがストーリーにほとんど影響しない意味ないものとなってしまうのですが、ヒロインやサブキャラのみが呟くのみとなると、PITにあったような主人公に対する鬱屈したどす黒い思いを曝け出すということにはほとんどならない。特に今回は個別ルートに入ると他のヒロインが結ばれたヒロインとの仲を祝福するのみで、それ以後ほとんど呟かなくなるようではこの機能が生かされたというのとても言えないのですね。そんな中ヒメとババロアが時折笑いを誘ってくれますが、逆に言えば笑いが提供されたのはそれだけ。主人公の1人ボケツッコミはかなり寒いし、学園長のハゲネタも彼が権力を振りかざすタイプの人物ならともかくどちらかというと不遇な人なだけに、あれだけ連発されてはさすがにくどい。
というわけで期待した笑いという点ではイマイチどころかぼく的な評価はそれ以下という結果でした。
ではストーリーの方はどうかというと、萌えゲージャンルを考えれば標準レベルで良くも無ければ悪くもないといったデキ。まあ気分を害すようなシーンは少なかったのが救いとはいえそうですが、ただHOOKの一連の作品と比べると原画やCGがワンランク落ちるのは否めず「HOOKの下位互換」と見られるのは仕方ないところ。まあヒロインと結ばれた後のイチャラブに関してはかなりの破壊力があるのは確かですが、萌え一本で勝負するというわけでなく笑いに軸足を置いていることを考えるとやはり中途半端さは否めない。
結論的には笑いさえ合えば楽しめるのかもしれませんが、笑いのネタがかなり偏っているだけにその可能性は意外に低そう。まあ原画やCG(塗り)のレベルを考えると萌え一本で勝負するのは苦しそうなだけに仕方ないのかもしれませんが、期待のツブヤッキーにほとんど進化が見られなかった時点で勝負の行方が見えてしまった印象は拭えない。デビュー作に続いて2作目の今回も成功とはいえない結果に終わってしまったことで、メーカーとして苦しい立場に追い込まれてしまいそうですが、エロゲーで笑いを提供してくれるメーカーは少ないだけにぼく的には頑張って欲しいと思っています。
このメーカーのメインライターである雪仁氏の作品として思い浮かぶのがStrawberry Nauts(HOOK)で、モブキャラの鬱屈した心情を曝け出したPITという発想は中々面白く、練り上げれば面白いシステムとなりそうでした。
そしてラブレッシブではツブヤッキーというツイッターに模したシステムが導入されていました(らしい)。肉食系女子が主人公を取り合うというゲームのコンセプトだけに、主人公の知らない所で丁々発止とやり合うことを想像すると、確かにツブヤッキーというシステムには合っていると考えていました。(ただそれが点数に表れなかったところを見ると、実際には練られていなかったようですが)
それだけに2作目でこのシステムをどこまで練り上げてくるのか注目していたのですが、残念ながら進化したとは言い難いデキでした。というのもPITではモブキャラたちの会話が主となっていたのですが、今回はヒロイン及びサブキャラが呟くのみなのですね。確かにモブキャラの会話となるとかなりの呟きがストーリーにほとんど影響しない意味ないものとなってしまうのですが、ヒロインやサブキャラのみが呟くのみとなると、PITにあったような主人公に対する鬱屈したどす黒い思いを曝け出すということにはほとんどならない。特に今回は個別ルートに入ると他のヒロインが結ばれたヒロインとの仲を祝福するのみで、それ以後ほとんど呟かなくなるようではこの機能が生かされたというのとても言えないのですね。そんな中ヒメとババロアが時折笑いを誘ってくれますが、逆に言えば笑いが提供されたのはそれだけ。主人公の1人ボケツッコミはかなり寒いし、学園長のハゲネタも彼が権力を振りかざすタイプの人物ならともかくどちらかというと不遇な人なだけに、あれだけ連発されてはさすがにくどい。
というわけで期待した笑いという点ではイマイチどころかぼく的な評価はそれ以下という結果でした。
ではストーリーの方はどうかというと、萌えゲージャンルを考えれば標準レベルで良くも無ければ悪くもないといったデキ。まあ気分を害すようなシーンは少なかったのが救いとはいえそうですが、ただHOOKの一連の作品と比べると原画やCGがワンランク落ちるのは否めず「HOOKの下位互換」と見られるのは仕方ないところ。まあヒロインと結ばれた後のイチャラブに関してはかなりの破壊力があるのは確かですが、萌え一本で勝負するというわけでなく笑いに軸足を置いていることを考えるとやはり中途半端さは否めない。
結論的には笑いさえ合えば楽しめるのかもしれませんが、笑いのネタがかなり偏っているだけにその可能性は意外に低そう。まあ原画やCG(塗り)のレベルを考えると萌え一本で勝負するのは苦しそうなだけに仕方ないのかもしれませんが、期待のツブヤッキーにほとんど進化が見られなかった時点で勝負の行方が見えてしまった印象は拭えない。デビュー作に続いて2作目の今回も成功とはいえない結果に終わってしまったことで、メーカーとして苦しい立場に追い込まれてしまいそうですが、エロゲーで笑いを提供してくれるメーカーは少ないだけにぼく的には頑張って欲しいと思っています。
2014年10月05日
タバコを吸う功罪
ぼくがタバコを止めてから10年以上も経とうとしています。
止める切欠は、少し長い時間喋っていると声がかすれたりしたことからですが、2箱近く吸っていたことを思えばよく止められたものだと思っています。
それでもしばらくは夢の中でタバコを吸っていて驚いて目を覚ましたり、周りでタバコの煙の匂いがするとふらふらと近づいてしまったりと、禁断症状と思われる現象を感じたりしました。まあさすがに今ではそんな症状に悩まされることもありませんし、逆にタバコの臭いが苦痛に感じるくらいですから恐らく一生タバコを吸う事はないだろうと思います。
さて現在、多忙な中4本も同時進行させていたため、一向にクリアの報告が出来ないわけですが、そんな中、また新たに手を付けたのがサツコイ(Alcotハニカム)です。軽いテンポの会話で同ブランドの過去作2本が好評だった瀬尾順氏がシナリオを担当しているということもあって期待していたゲームだったのですが、始めてしばらくして気にかかる場面がありました。それは主人公がタバコを吸っている場面が登場することです。
このゲーム、主人公の年齢については語られていませんが、学園に通っているところを見ると未成年であることは明らかです。まあ主人公は人間(ヒューマン)でないという設定がじき明らかになるわけですから、未成年という括りは余り意味ないことかもしれませんが、それでも人間社会を生きているわけですから規律を守るのは当然のこと。道徳主義が強い人から見ればこれだけでゲームを進めるのを断念・・・とまではいかないまでも主人公に対する好感度が最低ランクにまで落ちてしまってもおかしくありません。
ただぼくが思うには、未成年者にタバコを吸わせる演出が絶対にタブーかと云われれば、そうでないと断言できます。ハードボイルドの探偵の中には麻薬やドラッグを愛好する主人公もいるわけで、ストーリーを構築する上でライターが必要だと思えば、あえて未成年者にタバコを吸わせるような行為を行わせても一向に問題はないはずです。大体エロゲーというのは痴漢や強姦する主人公が闊歩する世界。演出上必要とするならばタバコくらい咥えさせるくらいどうってことないのですが・・・
それでもややぼくが首を捻ってしまうのは、ライターがあえてタバコを主人公に咥えさせる理由というのが序盤を読む限り今一つ掴めないことからです。確かにまだ青い主人公に背伸びをさせるためにあえてタバコに手を出させるという演出は小説ではよく見かけますし、主人公を不良であると印象づけるためにタバコを吸わせるというのも常道ではあります。ただそういったケースでもタバコを吸わせた後に咳き込ませたりと、タバコが未成年(いや成人もですが)にとって有害であるという印象を与えることにより、読者の嫌悪感を避けたりするものです。それがこの作品では主人公がストレスが溜まった時にタバコを口にするなど、タバコの有害性でなく効能の方を強調しています。しかも主人公はとても裕福とはいえず貧弱な食生活を送りながらも、タバコを買うお金はあるわけでこれではニコチン中毒と云われても仕方がない。そんなタバコの有害性をほとんど語らずに未成年と思われる主人公にタブーを犯させるというのは、ライターの見識を疑いたくなっても仕方ないのです。
もちろんまだストーリーの一部を齧ったに過ぎないので、これからライターがあえて主人公にタバコを吸わせた理由が明かされるのかもしれません。例えば主人公の肉体をタバコ(ニコチン)が冒すことによって、悠が主人公を殺せなくなる(食せなくなる)いうような展開が一例として挙げられるのですが、それなら主人公にタバコを吸わせた理由にはなります。もちろん他にもっと良い調理方法があるかもしれず、そういった伏線で吸わせたとしたならばライターの技に脱帽するとともに謝罪しなければなりません。
そんなわけでラストがどんな展開になるか不安と楽しみが相半ばしているのですが、相変わらず業務が多忙で果たしていつクリアできるのか・・・ブログの更新の方も最近は滞っていますし、じっくりゲームを楽しむという環境でないのは確かですので。
止める切欠は、少し長い時間喋っていると声がかすれたりしたことからですが、2箱近く吸っていたことを思えばよく止められたものだと思っています。
それでもしばらくは夢の中でタバコを吸っていて驚いて目を覚ましたり、周りでタバコの煙の匂いがするとふらふらと近づいてしまったりと、禁断症状と思われる現象を感じたりしました。まあさすがに今ではそんな症状に悩まされることもありませんし、逆にタバコの臭いが苦痛に感じるくらいですから恐らく一生タバコを吸う事はないだろうと思います。
さて現在、多忙な中4本も同時進行させていたため、一向にクリアの報告が出来ないわけですが、そんな中、また新たに手を付けたのがサツコイ(Alcotハニカム)です。軽いテンポの会話で同ブランドの過去作2本が好評だった瀬尾順氏がシナリオを担当しているということもあって期待していたゲームだったのですが、始めてしばらくして気にかかる場面がありました。それは主人公がタバコを吸っている場面が登場することです。
このゲーム、主人公の年齢については語られていませんが、学園に通っているところを見ると未成年であることは明らかです。まあ主人公は人間(ヒューマン)でないという設定がじき明らかになるわけですから、未成年という括りは余り意味ないことかもしれませんが、それでも人間社会を生きているわけですから規律を守るのは当然のこと。道徳主義が強い人から見ればこれだけでゲームを進めるのを断念・・・とまではいかないまでも主人公に対する好感度が最低ランクにまで落ちてしまってもおかしくありません。
ただぼくが思うには、未成年者にタバコを吸わせる演出が絶対にタブーかと云われれば、そうでないと断言できます。ハードボイルドの探偵の中には麻薬やドラッグを愛好する主人公もいるわけで、ストーリーを構築する上でライターが必要だと思えば、あえて未成年者にタバコを吸わせるような行為を行わせても一向に問題はないはずです。大体エロゲーというのは痴漢や強姦する主人公が闊歩する世界。演出上必要とするならばタバコくらい咥えさせるくらいどうってことないのですが・・・
それでもややぼくが首を捻ってしまうのは、ライターがあえてタバコを主人公に咥えさせる理由というのが序盤を読む限り今一つ掴めないことからです。確かにまだ青い主人公に背伸びをさせるためにあえてタバコに手を出させるという演出は小説ではよく見かけますし、主人公を不良であると印象づけるためにタバコを吸わせるというのも常道ではあります。ただそういったケースでもタバコを吸わせた後に咳き込ませたりと、タバコが未成年(いや成人もですが)にとって有害であるという印象を与えることにより、読者の嫌悪感を避けたりするものです。それがこの作品では主人公がストレスが溜まった時にタバコを口にするなど、タバコの有害性でなく効能の方を強調しています。しかも主人公はとても裕福とはいえず貧弱な食生活を送りながらも、タバコを買うお金はあるわけでこれではニコチン中毒と云われても仕方がない。そんなタバコの有害性をほとんど語らずに未成年と思われる主人公にタブーを犯させるというのは、ライターの見識を疑いたくなっても仕方ないのです。
もちろんまだストーリーの一部を齧ったに過ぎないので、これからライターがあえて主人公にタバコを吸わせた理由が明かされるのかもしれません。例えば主人公の肉体をタバコ(ニコチン)が冒すことによって、悠が主人公を殺せなくなる(食せなくなる)いうような展開が一例として挙げられるのですが、それなら主人公にタバコを吸わせた理由にはなります。もちろん他にもっと良い調理方法があるかもしれず、そういった伏線で吸わせたとしたならばライターの技に脱帽するとともに謝罪しなければなりません。
そんなわけでラストがどんな展開になるか不安と楽しみが相半ばしているのですが、相変わらず業務が多忙で果たしていつクリアできるのか・・・ブログの更新の方も最近は滞っていますし、じっくりゲームを楽しむという環境でないのは確かですので。
2014年09月12日
不思議な読後感に襲われて
クリアした後、満足感に浸れるものが良作とするならば、不満ばかりが頭に残るものが駄作で、感動も不満もなく1週間もしたら内容をすっかり忘れてしまいそうなゲームが凡作と仮定すると、ほとんどのエロゲーがこのどこかに含まれるのではないかと思います。
もちろん良作が多ければ多いほど良いのですが、残念ながら凡作・駄作が多いのがこの世の倣いというわけですが、中にはこのどれにも当たらない妙な読後感に襲われるゲームがあるわけで・・・
今回ハロー・レディ!(暁WORKS)をクリアして久々にそんな感覚を味わいました。
もちろんこのゲームをプレイして口が裂けても面白くなかったなんて言うつもりはありません。るいは智を呼ぶや‘&’ -空の向こうで咲きますように-を評価しているように、このスタッフのゲームはいつも楽しませてもらっているのです。そして今回も期待していただけの力は見せてもらったとは思っています。
(ここからネタバレ)
そんな今作ですが、目立つのはこれまでのこのラインの作品とは一線を画す主人公の設定でしょう。その唯我独尊ぶりは開始当初鼻に付いたのですが、話が進むにつれて余り気にならなくなりました。というのも自分の譲れない部分を別にすれば、意外な柔軟性も持ち合わせている人物に描かれていたからです。そして異能バトル&復讐譚に相応しい高スペックな能力。前2作では全くの役たたずだった主人公のことを考えれば、この主人公の変貌ぶりは驚きといっていいくらいでした。
この主人公に比べるとヒロインはやや脇に回ったような印象はありました。それでも水準以上の魅力は保たれていたとは思います。朔はメインヒロインに相応しい純粋・高潔さを感じさせてくれたし、予想通りとはいえ珠緒のデレっぷりは強烈。この2人に比べると空子とエルはキャラクターとしてはともかくヒロイン性はやや弱いかなと思わないでもないですが、その分ストーリーで充分活躍しているのでお釣りがきます。その4人が揃うラストバトルは豪華絢爛といってよく、メインヒロインの朔だけでなく攻略済のヒロインにも光を当てた構成は良かったといえます。
ただプレイ後にどうも歯の間に小骨が引っかかったような違和感を感じたのは事実なのですね。
これはぼくが復讐譚というジャンルが元々好かないということがあるかもしれません。これは大部分の復讐譚が悲劇ものとしての体裁を整えているためで、悲劇よりもハッピーエンドを好むぼくの体質とは合わないからです。実際この作品も妹の瑠璃のために復讐を実行していた主人公に最後立ちはだかるのはその瑠璃だったというのは(主人公にとって)悲劇以外の何物でもありません。ライターも復讐譚を締めるには黒船を倒してハッピーエンドとするよりも、これまでの復讐譚を踏襲したいという欲求に駆られたのではないかと思うのです。
ただラストでの瑠璃の登場シーンがやはり唐突としか思えなかったのが痛かった。これはライターの伏線の張り方が悪かったというより、主人公と黒船とのイデオロギーをぶつけあった好バトルの後だけにやや損をしてしまったと思うのです。これは寄席でトリの前でひざがわりがたっぷり人情噺を熱演してしまったようなもので、これではトリの前で客が席を立ってしまっても仕方なく瑠璃とのバトルが蛇足のように思えてもある意味仕方ないところ。これまで構成の巧みさをみせてきたライターが唯一失敗したと思わせる結果となったのは皮肉としか言いようがないのですが、ではこれに変わる対案があるかと訊かれれば非常に難しい。まさか黒船に手を抜いて早々に退場しろとは言えないですしね。(まあぼくがバトルものに慣れてなく、2本続いたバトルに大概疲れてしまったこともあるのですが・・・)
そんなラスト部分でのマイナスはともかく全体を考えれば良作といっていい筈。それでもぼくがどうも物足りないと思ってしまったのは、これまで日野&衆堂ラインでは欠かさず登場していたヒロインが欠けていたことにあるとようやく気づきました。るい智のこより、コミュの紅緒、”&”の梨子とこれまで受け継がれてきたヒロイン枠が今回途切れてしまったためにぼく的にはどうもひと味欠けるような気がしたのですね。コーヒーに砂糖。紅茶にレモン。秋刀魚に大根おろしのように別になくても楽しめる(中には無い方がいいという人もいる)けれど、存在しないとどうも物足りない。決して主役を張るタイプのヒロインで中にはプレイヤーをイラつかせてしまうような存在だったかもしれないけれど、ストーリーを彩るヒロインとして欠かせなかったとぼくは思うのです。
いやエルがいるだろうと云われるかもしれませんが・・・勘違いしないでいただきたい!ぼくが言いたいのは決してロリ枠というわけではなくて、正義感が強くそしてそれがどうも空回りしているような青臭いヒロイン。そんなヒロインが今回存在しなかったことがぼく的には寂しく覚えたのです。
まあ主人公の設定的にこういったヒロインが存在しづらかったことは分かるんですけどね。
もちろん良作が多ければ多いほど良いのですが、残念ながら凡作・駄作が多いのがこの世の倣いというわけですが、中にはこのどれにも当たらない妙な読後感に襲われるゲームがあるわけで・・・
今回ハロー・レディ!(暁WORKS)をクリアして久々にそんな感覚を味わいました。
もちろんこのゲームをプレイして口が裂けても面白くなかったなんて言うつもりはありません。るいは智を呼ぶや‘&’ -空の向こうで咲きますように-を評価しているように、このスタッフのゲームはいつも楽しませてもらっているのです。そして今回も期待していただけの力は見せてもらったとは思っています。
(ここからネタバレ)
そんな今作ですが、目立つのはこれまでのこのラインの作品とは一線を画す主人公の設定でしょう。その唯我独尊ぶりは開始当初鼻に付いたのですが、話が進むにつれて余り気にならなくなりました。というのも自分の譲れない部分を別にすれば、意外な柔軟性も持ち合わせている人物に描かれていたからです。そして異能バトル&復讐譚に相応しい高スペックな能力。前2作では全くの役たたずだった主人公のことを考えれば、この主人公の変貌ぶりは驚きといっていいくらいでした。
この主人公に比べるとヒロインはやや脇に回ったような印象はありました。それでも水準以上の魅力は保たれていたとは思います。朔はメインヒロインに相応しい純粋・高潔さを感じさせてくれたし、予想通りとはいえ珠緒のデレっぷりは強烈。この2人に比べると空子とエルはキャラクターとしてはともかくヒロイン性はやや弱いかなと思わないでもないですが、その分ストーリーで充分活躍しているのでお釣りがきます。その4人が揃うラストバトルは豪華絢爛といってよく、メインヒロインの朔だけでなく攻略済のヒロインにも光を当てた構成は良かったといえます。
ただプレイ後にどうも歯の間に小骨が引っかかったような違和感を感じたのは事実なのですね。
これはぼくが復讐譚というジャンルが元々好かないということがあるかもしれません。これは大部分の復讐譚が悲劇ものとしての体裁を整えているためで、悲劇よりもハッピーエンドを好むぼくの体質とは合わないからです。実際この作品も妹の瑠璃のために復讐を実行していた主人公に最後立ちはだかるのはその瑠璃だったというのは(主人公にとって)悲劇以外の何物でもありません。ライターも復讐譚を締めるには黒船を倒してハッピーエンドとするよりも、これまでの復讐譚を踏襲したいという欲求に駆られたのではないかと思うのです。
ただラストでの瑠璃の登場シーンがやはり唐突としか思えなかったのが痛かった。これはライターの伏線の張り方が悪かったというより、主人公と黒船とのイデオロギーをぶつけあった好バトルの後だけにやや損をしてしまったと思うのです。これは寄席でトリの前でひざがわりがたっぷり人情噺を熱演してしまったようなもので、これではトリの前で客が席を立ってしまっても仕方なく瑠璃とのバトルが蛇足のように思えてもある意味仕方ないところ。これまで構成の巧みさをみせてきたライターが唯一失敗したと思わせる結果となったのは皮肉としか言いようがないのですが、ではこれに変わる対案があるかと訊かれれば非常に難しい。まさか黒船に手を抜いて早々に退場しろとは言えないですしね。(まあぼくがバトルものに慣れてなく、2本続いたバトルに大概疲れてしまったこともあるのですが・・・)
そんなラスト部分でのマイナスはともかく全体を考えれば良作といっていい筈。それでもぼくがどうも物足りないと思ってしまったのは、これまで日野&衆堂ラインでは欠かさず登場していたヒロインが欠けていたことにあるとようやく気づきました。るい智のこより、コミュの紅緒、”&”の梨子とこれまで受け継がれてきたヒロイン枠が今回途切れてしまったためにぼく的にはどうもひと味欠けるような気がしたのですね。コーヒーに砂糖。紅茶にレモン。秋刀魚に大根おろしのように別になくても楽しめる(中には無い方がいいという人もいる)けれど、存在しないとどうも物足りない。決して主役を張るタイプのヒロインで中にはプレイヤーをイラつかせてしまうような存在だったかもしれないけれど、ストーリーを彩るヒロインとして欠かせなかったとぼくは思うのです。
いやエルがいるだろうと云われるかもしれませんが・・・勘違いしないでいただきたい!ぼくが言いたいのは決してロリ枠というわけではなくて、正義感が強くそしてそれがどうも空回りしているような青臭いヒロイン。そんなヒロインが今回存在しなかったことがぼく的には寂しく覚えたのです。
まあ主人公の設定的にこういったヒロインが存在しづらかったことは分かるんですけどね。
2014年08月30日
偉大な名を冠した効果は・・・
汗かきの体質のため夏が嫌いという割にはほとんど夏バテしたことがないぼくですが、今年の夏はさすがにバテ気味です。例年の夏と比べてまだ涼しいと云われる今年の夏でこの状態ですから酷暑と云われる年だったらと考えると恐ろしくなってきますが、それはともかく社会人になって以来順調に増え続け全くといっていいほど落ちる気配のなかった体重が順調に落ちていっているのが怖い。まあ減っている食事量とそれ以上に増えている酒量の事を考えれば当然かもしれませんが。
そんな体重のように順調に減らないのが積みゲーですが、それでも最近の食事のように買う本数が少なくなっているおかげで少しずつ減っているのは確かです。
そんな中、今回クリアしたゲームがつよきすNEXT(CandySoft)でした。前作のつよきす3学期でつよきすワールドへの造詣の深さを見せてくれたさかき傘氏のシナリオということで期待していたのですが・・・
(ここからネタバレ)
結論を先に言うと、今回のつよきすNEXTはこれまでのつよきすシリーズと似て非なるものと云えるのではないでしょうか。
確かにつよきすで登場したキャラクターも登場しますし、またCGこそないものの存在を匂わせるキャラクターもいます。そういった意味でつよきすシリーズの一環といえないこともないのですが、プレイしている感触からは、あのつよきすの世界を楽しんでいるという雰囲気が全く起きなかったのです。
この理由として、前作の対馬グループを形成したカニやフカヒレ・スバルと比較して今作の主人公グループのキャラに魅力がなかったと言ってしまえばそれまでなのですが、ぼくが思うには今回の主人公のグループは対馬グループと比較して縁が薄いように感じられたのが原因と思うのですね。これは別に今回の主人公が仲間意識が薄いと言っているわけでなく、前作のようにグループの強固さを形作るようなエピソードがあまり語られなかったからそう感じてしまったのではないかと思うのです。
そういった友情部分があまり強く触れていなかったのに対し、逆に強化されていたのがヒロインとのイチャラブ部分。ネコ先輩や伊那瀬のデレに変わった際の豹変ぶりは楽しいし、チェリの友情が恋愛に変わっていく関係も定番ながら興味深く読めた。ただどのルートも消化不良というより、週刊少年漫画の連載が突然打ち切りを喰らったような駆け足ぶりが気になりました。これは最終ルートの澄香を目立たせようというライターの思惑があったように感じるのですが、ぼく感じるにははっきりいって逆効果。澄香がつよきす本編のよっぴーのようなアクの強いキャラクターならもう少し変化があったのかもしれませんが、ピュアで素直がウリの彼女にグランドルートを任せるのは荷が重すぎるように思えて仕方ないのです。悪役も信念だけ凝り固まった策ばかり弄する小悪党というキャラは序中盤のルートならともかく最終ルートを務めるにしては澄香以上に役不足。そして一番問題なのはこのルートで澄香が精神的に強くなった(成長した)という部分があまり見られなかったこと。これではつよきすという題名を冠するヒロイン・・・特にメインの・・・として相応しいとはとてもいえない。こんな蛇足としか思えないルートを作るなら、各ヒロインのルートの収束にもう少し力を入れた方が良かったように思えてならないのです。
ヒロインは誰もが可愛いし、アクが強く万人受けするとはとてもいえないヒロインが揃っていたつよきす本編と比べれば楽しめるシーンは多い。全体に散りばめられているつよきす本編の名残など、ライターのつよきすに対する知識の深さは今回も健在。ただつよきす本編と比べると根本的に味が違う。これならばつよきすNEXTなんて上段に振りかぶったタイトルを付けなくても、全くの新作としてリリースした方が良かったように思えて仕方がない。このタイトルのため嫌でも本編と比較してしまうことになるし、言いたくはないですがフカヒレのような存在がないことが目に付いてしまうのです。決して詰まらないゲームではないだけに、自ら土俵下に足を踏み出してしまったような結果になってしまったのは惜しいことこの上ないというのがぼくの評価でした。
あとこれはぼくの気のせいかもしれませんが、あの最終ルートを入れたのはつよきすよりも真剣で私に恋しなさい!の影響を受けたのかと思ったり思わなかったり。とするとライターのタカヒロ氏に対する念というのはかなり強いものがあると思うのですが、今回に関してはややその意識が強すぎたのかもしれませんね。
そんな体重のように順調に減らないのが積みゲーですが、それでも最近の食事のように買う本数が少なくなっているおかげで少しずつ減っているのは確かです。
そんな中、今回クリアしたゲームがつよきすNEXT(CandySoft)でした。前作のつよきす3学期でつよきすワールドへの造詣の深さを見せてくれたさかき傘氏のシナリオということで期待していたのですが・・・
(ここからネタバレ)
結論を先に言うと、今回のつよきすNEXTはこれまでのつよきすシリーズと似て非なるものと云えるのではないでしょうか。
確かにつよきすで登場したキャラクターも登場しますし、またCGこそないものの存在を匂わせるキャラクターもいます。そういった意味でつよきすシリーズの一環といえないこともないのですが、プレイしている感触からは、あのつよきすの世界を楽しんでいるという雰囲気が全く起きなかったのです。
この理由として、前作の対馬グループを形成したカニやフカヒレ・スバルと比較して今作の主人公グループのキャラに魅力がなかったと言ってしまえばそれまでなのですが、ぼくが思うには今回の主人公のグループは対馬グループと比較して縁が薄いように感じられたのが原因と思うのですね。これは別に今回の主人公が仲間意識が薄いと言っているわけでなく、前作のようにグループの強固さを形作るようなエピソードがあまり語られなかったからそう感じてしまったのではないかと思うのです。
そういった友情部分があまり強く触れていなかったのに対し、逆に強化されていたのがヒロインとのイチャラブ部分。ネコ先輩や伊那瀬のデレに変わった際の豹変ぶりは楽しいし、チェリの友情が恋愛に変わっていく関係も定番ながら興味深く読めた。ただどのルートも消化不良というより、週刊少年漫画の連載が突然打ち切りを喰らったような駆け足ぶりが気になりました。これは最終ルートの澄香を目立たせようというライターの思惑があったように感じるのですが、ぼく感じるにははっきりいって逆効果。澄香がつよきす本編のよっぴーのようなアクの強いキャラクターならもう少し変化があったのかもしれませんが、ピュアで素直がウリの彼女にグランドルートを任せるのは荷が重すぎるように思えて仕方ないのです。悪役も信念だけ凝り固まった策ばかり弄する小悪党というキャラは序中盤のルートならともかく最終ルートを務めるにしては澄香以上に役不足。そして一番問題なのはこのルートで澄香が精神的に強くなった(成長した)という部分があまり見られなかったこと。これではつよきすという題名を冠するヒロイン・・・特にメインの・・・として相応しいとはとてもいえない。こんな蛇足としか思えないルートを作るなら、各ヒロインのルートの収束にもう少し力を入れた方が良かったように思えてならないのです。
ヒロインは誰もが可愛いし、アクが強く万人受けするとはとてもいえないヒロインが揃っていたつよきす本編と比べれば楽しめるシーンは多い。全体に散りばめられているつよきす本編の名残など、ライターのつよきすに対する知識の深さは今回も健在。ただつよきす本編と比べると根本的に味が違う。これならばつよきすNEXTなんて上段に振りかぶったタイトルを付けなくても、全くの新作としてリリースした方が良かったように思えて仕方がない。このタイトルのため嫌でも本編と比較してしまうことになるし、言いたくはないですがフカヒレのような存在がないことが目に付いてしまうのです。決して詰まらないゲームではないだけに、自ら土俵下に足を踏み出してしまったような結果になってしまったのは惜しいことこの上ないというのがぼくの評価でした。
あとこれはぼくの気のせいかもしれませんが、あの最終ルートを入れたのはつよきすよりも真剣で私に恋しなさい!の影響を受けたのかと思ったり思わなかったり。とするとライターのタカヒロ氏に対する念というのはかなり強いものがあると思うのですが、今回に関してはややその意識が強すぎたのかもしれませんね。
2014年08月08日
攻略ヒロインの弱さが難点に
ここのところ、ほとんどクリアすることが出来ずにいた積みゲー崩しですが、不思議な事に1本クリアすると立て続けにクリアしてしまうもので、かなり前から崩しにかかっていたお嬢様はご機嫌ナナメ(ensemble)も無事エンディングを迎えることが出来ました。といってもおまけの七波アフターがまだ残っているのですが、正直七波お嬢さまはどうしても攻略ヒロインとして見られなかったので、まあ暇なときにプレイできればいいかなと思っています。
ではなぜ七波お嬢さまがなぜ攻略ヒロインとして見られなかったかというと、最大の理由はぼくの属性のストライクゾーンからかなり外れた位置にいたからに他なりません。テンション低めのやる気のない喋り方。天才と何とかは紙一重と言いますが、こういったタイプのヒロインを攻略対象として見るのはぼくには正直厳しい。それに主人公は七波に長年ずっと仕えてきたわけで、いくら環境の変化が激しくまた七波お嬢さまのアプローチが強烈だったとはいえ、急に恋愛関係になるというのはやや唐突なような気がしてならないのですね。つまり七波はメインヒロイン格でありながらサブとして光るタイプなように思えてならないのです。
ただこのゲーム。七波お嬢さまだけでなく、他のヒロインもどうもぼくの食指が動きにくいキャラばかりで弱りました。虚勢を張るのがどうにもうざい音羽や、序盤から兄ラブ全開でぼくの妹観からかけ離れている花は、ぼくの萌えゾーンから一番遠いタイプ。詩綾はルートに入った途端にアレだし、唯一属性的に合いそうな透夏もシナリオの不出来さが足を引っ張ってどうにも萌えるというところまでいかない。前に「攻略ヒロインの過半数が当たりならば萌えゲーとして良作」と言った覚えがあるのですが、その例に照らし合わせればこのゲームは萌えゲーとして考えると失敗作といわざるを得ないのです。
そんなこのゲームですが、では面白くないかと訊かれれば決してそんなわけではない。世間的に評価の低いアイドルルートも箸にも棒にもかからないほど酷いというわけでなく、コメディとして考えればそれほど悪くない。そしてメインルートというべきシリアスさを漂わせる七波&花ルートにそのシリアスさを根底から覆してしまうような詩綾ルートはこのゲームの主眼なだけに標準以上のデキといっても過言でないです。
ただ話の大部分を占める経済ネタや株ネタがどうも上っ面でしか語られておらず、よくよく考えると不自然さが鼻につく点は難といえば難です。ただぼくはこの点に関しては多少首を捻ったとしても大きなマイナスを付ける気分にはなれませんでした。というのも七波ルートはあくまで悪役である鶴美との対決がメインであり経済や株というのはギミックにすぎないと考えるからです。もちろん株に関して深い知識に基づいてストーリーが展開された方がいいにこしたことはないのですが、それで面白さが犠牲になるくらいなら、多少真実と違っていたとしてもエンターティメント性を重視した方がエロゲー的にはベターだと思うからです。
そう考えると、このゲームを萌えゲーとして見ていたぼくが間違っていたことが分かります。誰もが認める悪役鶴美に涼子、海千山千のショウエイとサブキャラに魅力的な人材を抱えていてしかも積極的にストーリーに関わってくるとなると、このゲームがヒロイン萌えよりもシナリオに軸足を掛けたフシは感じられるのです。
ただシナリオを重視したという割にはアイドルルートはそれまでの伏線をぶん投げてしまっているし、他のルートを含めてもシリアスよりもコメディ寄りといっていい展開。特にそれが顕著なのはヒロイン萌えを犠牲にしてもギャグに走った詩綾ルートですが、不覚にもこのルートで大いに笑わせてもらったのは事実。
ただそれでももう少しヒロイン萌えに重心を移しても良いような気はするのですね。イチャラブに関しては保住圭氏が担当したと思われるアイドルルートでは特に描かれていたような気がするのですが、萌え感の乏しいヒロインとのイチャラブを見せられてもぼくはさほど嬉しいと感じないのです。そういった意味でのバランスを考えると良作というにはやや足りないといった評価が妥当なゲームではないかと思うのです。
ではなぜ七波お嬢さまがなぜ攻略ヒロインとして見られなかったかというと、最大の理由はぼくの属性のストライクゾーンからかなり外れた位置にいたからに他なりません。テンション低めのやる気のない喋り方。天才と何とかは紙一重と言いますが、こういったタイプのヒロインを攻略対象として見るのはぼくには正直厳しい。それに主人公は七波に長年ずっと仕えてきたわけで、いくら環境の変化が激しくまた七波お嬢さまのアプローチが強烈だったとはいえ、急に恋愛関係になるというのはやや唐突なような気がしてならないのですね。つまり七波はメインヒロイン格でありながらサブとして光るタイプなように思えてならないのです。
ただこのゲーム。七波お嬢さまだけでなく、他のヒロインもどうもぼくの食指が動きにくいキャラばかりで弱りました。虚勢を張るのがどうにもうざい音羽や、序盤から兄ラブ全開でぼくの妹観からかけ離れている花は、ぼくの萌えゾーンから一番遠いタイプ。詩綾はルートに入った途端にアレだし、唯一属性的に合いそうな透夏もシナリオの不出来さが足を引っ張ってどうにも萌えるというところまでいかない。前に「攻略ヒロインの過半数が当たりならば萌えゲーとして良作」と言った覚えがあるのですが、その例に照らし合わせればこのゲームは萌えゲーとして考えると失敗作といわざるを得ないのです。
そんなこのゲームですが、では面白くないかと訊かれれば決してそんなわけではない。世間的に評価の低いアイドルルートも箸にも棒にもかからないほど酷いというわけでなく、コメディとして考えればそれほど悪くない。そしてメインルートというべきシリアスさを漂わせる七波&花ルートにそのシリアスさを根底から覆してしまうような詩綾ルートはこのゲームの主眼なだけに標準以上のデキといっても過言でないです。
ただ話の大部分を占める経済ネタや株ネタがどうも上っ面でしか語られておらず、よくよく考えると不自然さが鼻につく点は難といえば難です。ただぼくはこの点に関しては多少首を捻ったとしても大きなマイナスを付ける気分にはなれませんでした。というのも七波ルートはあくまで悪役である鶴美との対決がメインであり経済や株というのはギミックにすぎないと考えるからです。もちろん株に関して深い知識に基づいてストーリーが展開された方がいいにこしたことはないのですが、それで面白さが犠牲になるくらいなら、多少真実と違っていたとしてもエンターティメント性を重視した方がエロゲー的にはベターだと思うからです。
そう考えると、このゲームを萌えゲーとして見ていたぼくが間違っていたことが分かります。誰もが認める悪役鶴美に涼子、海千山千のショウエイとサブキャラに魅力的な人材を抱えていてしかも積極的にストーリーに関わってくるとなると、このゲームがヒロイン萌えよりもシナリオに軸足を掛けたフシは感じられるのです。
ただシナリオを重視したという割にはアイドルルートはそれまでの伏線をぶん投げてしまっているし、他のルートを含めてもシリアスよりもコメディ寄りといっていい展開。特にそれが顕著なのはヒロイン萌えを犠牲にしてもギャグに走った詩綾ルートですが、不覚にもこのルートで大いに笑わせてもらったのは事実。
ただそれでももう少しヒロイン萌えに重心を移しても良いような気はするのですね。イチャラブに関しては保住圭氏が担当したと思われるアイドルルートでは特に描かれていたような気がするのですが、萌え感の乏しいヒロインとのイチャラブを見せられてもぼくはさほど嬉しいと感じないのです。そういった意味でのバランスを考えると良作というにはやや足りないといった評価が妥当なゲームではないかと思うのです。
2014年08月02日
灰汁の薄まった結果は?
前々から課題にしていたエロゲーの内、ようやく‘&’ -空の向こうで咲きますように-(暁WORKS)をクリアすることが出来ました。
今年上半期の話題作の1本であるハロー・レディ!を始める前に、順番としてその前の作品を崩しておくべきだろうと思い手を付けたのですが、正直それほど期待していたわけではありませんでした。というのも批評空間で原画さえき北都・シナリオ衆堂ジョオ&日野亘ラインの作品では評価が一番低かったからです。まあそれでも中央値76点をキープしているのですから充分といえないこともないのですが、ぼく的に終盤の展開がどうにも評価できなかったコミュ -黒い竜と優しい王国-より中央値が低いということでネガティブ的イメージが強く働いていたことは確かでした。
あと若干不安に感じていたのが、このゲームが明らかに中二病的要素を漂わせていたところ。この系統の作品はぼくの感触ですと、当たり外れが激しいという印象が強い。当たりを引けばまだしも逆の目が出てしまうと本来こういったタイプの作品と肌が合わないだけに目も当てられない結果となってしまいそう。
まあるい智は面白かったし、コミュもそこまで大ハズレといった程でなかったのでそこまで大きな不安といった程ではなかったのですが・・・
結果はそんな予想をいい意味で裏切ってくれるものでした。日野&衆堂ラインの出世作というべきるいは智をよぶと比べると爆発力としては劣るかもしれませんが、キャラクターの魅力という点を考えれば勝るとも劣らない。これは原画家であるさえき氏の貢献度大といえます。タバサいや束沙の変身ぶりはさえき氏の力量を証明するものだし、梨子と妹たちのビジュアルは胸熱。ただそれだけではなくて、過去の仲間たちとの抗争や和解。道具に対する想いなどが織り交ざりキャラクターの魅力を引き立てています。そして過去作と同じくそんなキャラが繰り広げる会話のキャッチボールは相変わらず面白い。いや魅力あるキャラが多数いた分を考えれば一番上といっても言い過ぎではないくらい。これは前2作と比べてアクが薄れたことと無関係ではないかもしれず、これまでの暁WORKSファンにとって物足りないと思った部分がぼくにとっては歓迎だったということかもしれません。
もちろん褒められる部分ばかりでないことも確かです。
その大部分を占めるのが主人公であることは間違いないところ。中二病的作品にあるまじき役立たずぶりはプレイヤーと主人公を同一視して楽しむ人にとっては辛いかもしれません。一応主人公の変態紳士っぷりが同一視の妨げになるので、気にならないといえば気にならないのですが、それにしても友人のマッチョ法師貢一郎の方がよほど主人公らしい思考と言動をしていたことを考えると、真の主人公は貢一郎だったのかもしれません。
まあ中国の古典小説は一概に木偶の坊が主人公を務めることが多いのでその先例に倣ったといえないこともないですが・・・
そしてぼく的に引っかかったのが、このゲームのカギである道具の扱い方。
RPGのアイテムに強弱があるように道具に使える使えないものがあるのは仕方ないのですが、主人公の道具が新たな道具を産み出すといった半ば反則的なアイテムだった点で、謎解き要素は薄れ力技で押し切るタイプの作品になってしまったのが残念。(そしてそれをあっけなく盗まれる主人公の間抜けっぷりもキツイのですが・・・)少なくとも回数制限とか徐々に道具の性能が劣化していくなどの工夫があっても良かった。
そしてその力技の最たるものが八重ルートですが、まあ元が中二病的作品なわけですから力技で押し切られる展開だったとしても文句は言えないのかもしれません。
まあこれは愚痴なようなものでぼく的には充分楽しめた作品でした。その要因はやはりキャラの魅力で「攻略ヒロインの過半数が当たりなら良作」という目安に沿えば、梨子・束沙・麗の3人が(シナリオは別として)当たりだった時点で勝ったようなもの。他の作品ならばまず嫌いなタイプのヒロインのはずの麗ですが、原画・声優の貢献もあって充分魅力あるヒロインに仕上がっていたのも嬉しい。そう考えてみるとこのゲーム。中二病・燃えゲーの殻を被った萌えゲーといっても差支えないかも・・・
そんなわけでこの勢いに乗ってハロー・レディ!をプレイしたいと思います。
今年上半期の話題作の1本であるハロー・レディ!を始める前に、順番としてその前の作品を崩しておくべきだろうと思い手を付けたのですが、正直それほど期待していたわけではありませんでした。というのも批評空間で原画さえき北都・シナリオ衆堂ジョオ&日野亘ラインの作品では評価が一番低かったからです。まあそれでも中央値76点をキープしているのですから充分といえないこともないのですが、ぼく的に終盤の展開がどうにも評価できなかったコミュ -黒い竜と優しい王国-より中央値が低いということでネガティブ的イメージが強く働いていたことは確かでした。
あと若干不安に感じていたのが、このゲームが明らかに中二病的要素を漂わせていたところ。この系統の作品はぼくの感触ですと、当たり外れが激しいという印象が強い。当たりを引けばまだしも逆の目が出てしまうと本来こういったタイプの作品と肌が合わないだけに目も当てられない結果となってしまいそう。
まあるい智は面白かったし、コミュもそこまで大ハズレといった程でなかったのでそこまで大きな不安といった程ではなかったのですが・・・
結果はそんな予想をいい意味で裏切ってくれるものでした。日野&衆堂ラインの出世作というべきるいは智をよぶと比べると爆発力としては劣るかもしれませんが、キャラクターの魅力という点を考えれば勝るとも劣らない。これは原画家であるさえき氏の貢献度大といえます。タバサいや束沙の変身ぶりはさえき氏の力量を証明するものだし、梨子と妹たちのビジュアルは胸熱。ただそれだけではなくて、過去の仲間たちとの抗争や和解。道具に対する想いなどが織り交ざりキャラクターの魅力を引き立てています。そして過去作と同じくそんなキャラが繰り広げる会話のキャッチボールは相変わらず面白い。いや魅力あるキャラが多数いた分を考えれば一番上といっても言い過ぎではないくらい。これは前2作と比べてアクが薄れたことと無関係ではないかもしれず、これまでの暁WORKSファンにとって物足りないと思った部分がぼくにとっては歓迎だったということかもしれません。
もちろん褒められる部分ばかりでないことも確かです。
その大部分を占めるのが主人公であることは間違いないところ。中二病的作品にあるまじき役立たずぶりはプレイヤーと主人公を同一視して楽しむ人にとっては辛いかもしれません。一応主人公の変態紳士っぷりが同一視の妨げになるので、気にならないといえば気にならないのですが、それにしても友人のマッチョ法師貢一郎の方がよほど主人公らしい思考と言動をしていたことを考えると、真の主人公は貢一郎だったのかもしれません。
まあ中国の古典小説は一概に木偶の坊が主人公を務めることが多いのでその先例に倣ったといえないこともないですが・・・
そしてぼく的に引っかかったのが、このゲームのカギである道具の扱い方。
RPGのアイテムに強弱があるように道具に使える使えないものがあるのは仕方ないのですが、主人公の道具が新たな道具を産み出すといった半ば反則的なアイテムだった点で、謎解き要素は薄れ力技で押し切るタイプの作品になってしまったのが残念。(そしてそれをあっけなく盗まれる主人公の間抜けっぷりもキツイのですが・・・)少なくとも回数制限とか徐々に道具の性能が劣化していくなどの工夫があっても良かった。
そしてその力技の最たるものが八重ルートですが、まあ元が中二病的作品なわけですから力技で押し切られる展開だったとしても文句は言えないのかもしれません。
まあこれは愚痴なようなものでぼく的には充分楽しめた作品でした。その要因はやはりキャラの魅力で「攻略ヒロインの過半数が当たりなら良作」という目安に沿えば、梨子・束沙・麗の3人が(シナリオは別として)当たりだった時点で勝ったようなもの。他の作品ならばまず嫌いなタイプのヒロインのはずの麗ですが、原画・声優の貢献もあって充分魅力あるヒロインに仕上がっていたのも嬉しい。そう考えてみるとこのゲーム。中二病・燃えゲーの殻を被った萌えゲーといっても差支えないかも・・・
そんなわけでこの勢いに乗ってハロー・レディ!をプレイしたいと思います。
2014年07月07日
バカゲーとして生きるより
先週、久々に連休が取れたので、積みゲーを一気に崩してしまおうと画策したのですが、結局崩し切ったのは1本のみ。まあプレイ済のゲームを再び始めたり、久々に批評空間の自分のデータをじっくり触ったりした(ついでに感想を1本投下した)こともあるのですが、それはともかく本来優先して崩すはずだったつよきすNEXTや’&’ -空の向こうで咲きますように-ではなくバカ燃えハートに愛をこめて!(プラリネ)というのがなんともいえないところ。
まあこれはこのゲームがあまり深く考えるタイプでなく頭を空っぽにしてプレイできることが挙げられるでしょう。
まあバカゲーと呼ばれるタイプのゲームは一概にサクサクと進められるものが多いことは確かですが、それでも巧妙なセリフのやり取りで笑わせるゲームやネタがマニアックで深読みしたりネット検索しないと分からないものですとどうしても時間が掛かります。ただ幸い?このバカ燃えハートに愛をこめて!は勢いで押し切るタイプのバカゲーであって深く考える必要が全くないのが有難い。まあ有難いと言ってしまうのは皮肉かもしれませんが、長い共通パートに比べ代わり映えしないヒロイン個別ルートのことを考えれば内容が乏しいことについては間違いないところ。
ただこのゲームで一番問題と感じたのはプレイしていてただの一度もクスリとしなかったことでしょう。こうした勢いで突っ走るタイプのバカゲーはぼくの嗜好に合わないのは確かですが、それにしても全く笑えないというのではバカゲーとしての鼎の軽重を問われます。制作者がプレイヤーを笑わせようと躍起になっているのは分かるのですが、どうも肩に力が入りすぎて空回りしている印象は否めません。
ではなぜ笑えなかったのか?これは色々原因は推測できるのですが、ぼくが考える最大の原因は敵キャラである充爆者たちでしょう。
とにかく彼らの存在があまりに薄いのです。その格好にはインパクトがあるのですが、格好以上のインパクトがないといっても過言でないのですね。バカゲーの場合、主人公がギャグ担当なら敵キャラはそれ以上のギャグを持って挑むか、出なければ反対に真面目さを全面に押し出しすかどちらかなのですが・・・
これが充爆者の場合、どうにも中途半端なのですね。作戦はふざけたバカバカしいものもあれば、真正面から主人公たちに敵対したりとどうも一致しない。主人公のおバカな罠にすぐ引っかかったりするところを見れば、頭の悪い主人公以上におつむが弱いことは分かるのですが、レベルの低い同士が掛け合いを続けても寒い空気が流れるだけなのです。まあこうした寒いギャグが好みという人もいるでしょうけれど。
ぼくは折角充爆者側にヒロインの一人である愛(あんこ)がいるのですから、なぜ彼女をギャグメーカーとして活用しなかったか不思議でなりません。誰が見てもあんこは愛が変装(というより仮装)しているわけですから、彼女の稚拙な変装をネタにすれば根が真面目な愛のことですからかなり笑いが取れたと思うのですね。こうした充爆者側のキャラを全く生かさなかったおかげで、単に主人公たちの暑苦しくも寒いギャグが延々と続くことになってしまったと思うのです。
ただこんなゲームにもいい点があって、ヒロインに関しては皆かわいく感じられます。これは原画家であるRiv氏とMAKOTO氏の貢献大ですが、個別ルートに入ってのイチャラブに関してはなかなかのものでした。特に主人公と千菜美のバカップルに関するやり取りはバカバカしくも微笑ましく感じられました。そう考えると無理にダラダラと詰まらないギャグを続けるのではなく、ギャグは抑え気味にしてイチャラブコメディに走ったほうがもう少し評価が高くなったかもしれませんね。
まあこれはこのゲームがあまり深く考えるタイプでなく頭を空っぽにしてプレイできることが挙げられるでしょう。
まあバカゲーと呼ばれるタイプのゲームは一概にサクサクと進められるものが多いことは確かですが、それでも巧妙なセリフのやり取りで笑わせるゲームやネタがマニアックで深読みしたりネット検索しないと分からないものですとどうしても時間が掛かります。ただ幸い?このバカ燃えハートに愛をこめて!は勢いで押し切るタイプのバカゲーであって深く考える必要が全くないのが有難い。まあ有難いと言ってしまうのは皮肉かもしれませんが、長い共通パートに比べ代わり映えしないヒロイン個別ルートのことを考えれば内容が乏しいことについては間違いないところ。
ただこのゲームで一番問題と感じたのはプレイしていてただの一度もクスリとしなかったことでしょう。こうした勢いで突っ走るタイプのバカゲーはぼくの嗜好に合わないのは確かですが、それにしても全く笑えないというのではバカゲーとしての鼎の軽重を問われます。制作者がプレイヤーを笑わせようと躍起になっているのは分かるのですが、どうも肩に力が入りすぎて空回りしている印象は否めません。
ではなぜ笑えなかったのか?これは色々原因は推測できるのですが、ぼくが考える最大の原因は敵キャラである充爆者たちでしょう。
とにかく彼らの存在があまりに薄いのです。その格好にはインパクトがあるのですが、格好以上のインパクトがないといっても過言でないのですね。バカゲーの場合、主人公がギャグ担当なら敵キャラはそれ以上のギャグを持って挑むか、出なければ反対に真面目さを全面に押し出しすかどちらかなのですが・・・
これが充爆者の場合、どうにも中途半端なのですね。作戦はふざけたバカバカしいものもあれば、真正面から主人公たちに敵対したりとどうも一致しない。主人公のおバカな罠にすぐ引っかかったりするところを見れば、頭の悪い主人公以上におつむが弱いことは分かるのですが、レベルの低い同士が掛け合いを続けても寒い空気が流れるだけなのです。まあこうした寒いギャグが好みという人もいるでしょうけれど。
ぼくは折角充爆者側にヒロインの一人である愛(あんこ)がいるのですから、なぜ彼女をギャグメーカーとして活用しなかったか不思議でなりません。誰が見てもあんこは愛が変装(というより仮装)しているわけですから、彼女の稚拙な変装をネタにすれば根が真面目な愛のことですからかなり笑いが取れたと思うのですね。こうした充爆者側のキャラを全く生かさなかったおかげで、単に主人公たちの暑苦しくも寒いギャグが延々と続くことになってしまったと思うのです。
ただこんなゲームにもいい点があって、ヒロインに関しては皆かわいく感じられます。これは原画家であるRiv氏とMAKOTO氏の貢献大ですが、個別ルートに入ってのイチャラブに関してはなかなかのものでした。特に主人公と千菜美のバカップルに関するやり取りはバカバカしくも微笑ましく感じられました。そう考えると無理にダラダラと詰まらないギャグを続けるのではなく、ギャグは抑え気味にしてイチャラブコメディに走ったほうがもう少し評価が高くなったかもしれませんね。
2014年07月02日
久しぶりの2周目
先月中旬くらいから罹ったカゼが一向に直りません。
年齢のせいなのか、それとも仕事に追われて体力が落ちているのか原因は分かりませんが、深夜や明け方になると必ず咳が止まらなくなるのが辛い。まあ元気ならばワールドカップでも見ようかという気にもなるのですが、あいにく心身ともそんな余裕がないわけで仕方なく医者に行くことに・・・
カゼで病院に行くなんて恐らく学生の頃が最後で大抵は自力で直していたわけで、さすがに今回はその域を超えていたと判断したわけですが、それにしても病院って高いですね。治療費と院外薬局で貰った薬を合わせて樋口一葉1人いなくなるなんて半端ないです。
まあそのおかげか、それとも快方に向かう時だったか分かりませんが、ようやく酷い咳に悩まされることはなくなりました。ただ病院に行ったのが先週金曜日だったため、新作を買いに行きそびれてしまいました。いや実のところ見送るつもりは全くなく、発売日当日でなくても予約してあるから後日引き取りに行けばいいと思っていたのですが、よくよく調べてみると予約し忘れていたことが判明!週明けになって慌てて購入しに行ったときには売り切れていて後悔する羽目に。
といっても大図書館の羊飼い -Dreaming Sheep-(オーガスト)をクリアして以来1か月近く経つのに、他の積みゲーをただの1本も崩し切っていない現況では在庫が増えなくて助かるといえば助かるわけですが・・・
ではなぜ他の積みゲーが崩せないかというと、体調が悪かったり仕事が馬鹿みたいに忙しかったりと要因を挙げれば事欠かないのですが、どれか一つと云われれば大図書館の羊飼い -Dreaming Sheep-を再プレイしているからでしょう。
暇を持て余していた時ならともかく、最近になってぼくが2周目をプレイしたゲームというと、ほとんど思い浮かべることが出来ません。強いて言えば乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-(Navel)ぐらいですが、あのゲームは既読部分はシーンごとスキップする機能が付いているので、お気に入りのシーンだけ選んで読み返してみるだけでした。それが大図書館の羊飼い -Dreaming Sheep-ではスキップを使用することなく最初からプレイしているのですから完全に2周目を回っているといってもよいでしょう。
それだけぼくにとって大図書館の羊飼い(本編&FDとも)がお気に入りゲームとなったことは間違いないのですが、ではどこがほかのゲームと比べて優れているかというと一言では言い表せないのが辛いところです。これに関してはぼくのボキャブラリーのなさを嘆くしかないのですが、一つだけ間違いなしに言えるのが本編とFDの2つをプレイしてぼくが不快に感じる場面が一度もなかったことが挙げられます。それは魅力的なキャラクターの存在あってこそなのですが、他でもテキストで首を傾げるようなシーンもなく軽快に読み進められますし、時折挟まれるコメディシーンの頻度も適切。ぼくのような疲弊した社会生活を送る人間にとって、こうしたゲームをプレイすることは明日の活力になるといっても過言でないと思うのです。
というわけで気が付いたらまたを大図書館の羊飼いを語ってしまうことになってしまったのですが、このままだとオーガストの回し者と呼ばれかねないのでそろそろほかのゲームもクリアしないといけません。というわけで次回あたりでクリアしたゲームの所感でも語ってみる予定・・・といっても現在プレイした段階ではかなり腐してしまいそうな気がしないでもないのですが。
では今回はこんなところで。
年齢のせいなのか、それとも仕事に追われて体力が落ちているのか原因は分かりませんが、深夜や明け方になると必ず咳が止まらなくなるのが辛い。まあ元気ならばワールドカップでも見ようかという気にもなるのですが、あいにく心身ともそんな余裕がないわけで仕方なく医者に行くことに・・・
カゼで病院に行くなんて恐らく学生の頃が最後で大抵は自力で直していたわけで、さすがに今回はその域を超えていたと判断したわけですが、それにしても病院って高いですね。治療費と院外薬局で貰った薬を合わせて樋口一葉1人いなくなるなんて半端ないです。
まあそのおかげか、それとも快方に向かう時だったか分かりませんが、ようやく酷い咳に悩まされることはなくなりました。ただ病院に行ったのが先週金曜日だったため、新作を買いに行きそびれてしまいました。いや実のところ見送るつもりは全くなく、発売日当日でなくても予約してあるから後日引き取りに行けばいいと思っていたのですが、よくよく調べてみると予約し忘れていたことが判明!週明けになって慌てて購入しに行ったときには売り切れていて後悔する羽目に。
といっても大図書館の羊飼い -Dreaming Sheep-(オーガスト)をクリアして以来1か月近く経つのに、他の積みゲーをただの1本も崩し切っていない現況では在庫が増えなくて助かるといえば助かるわけですが・・・
ではなぜ他の積みゲーが崩せないかというと、体調が悪かったり仕事が馬鹿みたいに忙しかったりと要因を挙げれば事欠かないのですが、どれか一つと云われれば大図書館の羊飼い -Dreaming Sheep-を再プレイしているからでしょう。
暇を持て余していた時ならともかく、最近になってぼくが2周目をプレイしたゲームというと、ほとんど思い浮かべることが出来ません。強いて言えば乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-(Navel)ぐらいですが、あのゲームは既読部分はシーンごとスキップする機能が付いているので、お気に入りのシーンだけ選んで読み返してみるだけでした。それが大図書館の羊飼い -Dreaming Sheep-ではスキップを使用することなく最初からプレイしているのですから完全に2周目を回っているといってもよいでしょう。
それだけぼくにとって大図書館の羊飼い(本編&FDとも)がお気に入りゲームとなったことは間違いないのですが、ではどこがほかのゲームと比べて優れているかというと一言では言い表せないのが辛いところです。これに関してはぼくのボキャブラリーのなさを嘆くしかないのですが、一つだけ間違いなしに言えるのが本編とFDの2つをプレイしてぼくが不快に感じる場面が一度もなかったことが挙げられます。それは魅力的なキャラクターの存在あってこそなのですが、他でもテキストで首を傾げるようなシーンもなく軽快に読み進められますし、時折挟まれるコメディシーンの頻度も適切。ぼくのような疲弊した社会生活を送る人間にとって、こうしたゲームをプレイすることは明日の活力になるといっても過言でないと思うのです。
というわけで気が付いたらまたを大図書館の羊飼いを語ってしまうことになってしまったのですが、このままだとオーガストの回し者と呼ばれかねないのでそろそろほかのゲームもクリアしないといけません。というわけで次回あたりでクリアしたゲームの所感でも語ってみる予定・・・といっても現在プレイした段階ではかなり腐してしまいそうな気がしないでもないのですが。
では今回はこんなところで。
2014年06月03日
オーガストに救われて
つい少し前は「ワークホリック」という言葉とは、相当縁遠い存在だったぼくですが、先月まともに休めた日が3日きりで、9日間連続出勤なんて日々を過ごしているのですから、どうやらぼくも立派なワークホリック患者といえるでしょう。
そんな状態ですから休日も疲れを取るのが精一杯。まともにエロゲーをプレイする時間もなくて先月購入した新作は買ってきた時のまま積んでいるという有様。3月に購入した新作もまともにプレイしているのは大図書館の羊飼い -Dreaming Sheep-(オーガスト)だけという悲惨な状態ですから、お世辞にも積みゲーを崩すところまで頭が回りません。
こんな状態が続いているとエロゲーに対するモチベーションを失ってもおかしくないところですが、幸いそこまで悲惨な状況に陥っていないのが幸い。というのも唯一プレイしている大図書館の羊飼い -Dreaming Sheep-がお気に入りゲームのファンディスクとしてお手本のような作品に仕上がっているからです。それに現在のぼくのように少しの時間しかゲームをプレイできないプレイヤーにとって、プレイ時間に合わせて少しずつヒロインのアナザーを楽しめるというのは非常にありがたいのですね。しかも本編でどのルートを最初に攻略するか大いに迷ったように魅力的なヒロインが揃っているわけで、コンテンツすべてが楽しめるといっても過言でないくらい。そして相変わらずエロにも手を抜かずいい仕事をしています。
こんな褒め言葉が次々と湧き出てくるということはもはや立派なオーガスト信者と言われても仕方ないのですが、かく言うぼくもまさかオーガストのゲームをこれだけ絶賛するようになるとは月は東に日は西にをプレイした頃を考えるととても想像出来なかったです。まあ今考えると初期のPrincess Holidayでも充分光るものを感じさせてくれたメーカーでしたので不思議でないのかもしれませんが、それにしてもエロゲー界を牽引するメーカーの一つにまで隆盛するとは思いもよらなかったというのが正直なところです。
そんなわけでエロゲーから足を洗うのはまだまだ先の話となりそうですが、それでも5月発売された新作は結局すべて見送ってしまったので購入意欲に関しては落ちているのかもしれません。まあ今年に入って9本も購入しているわけですから購入ペースを考えればそれほど落ちていないと思うのですが、ただ期待作が揃う6月発売組をすべて見送る事態となると本格的に心配しなければいけません。まあこれ以上積みゲーが増えてしまうことを考えると多少購入意欲が落ちた方がいいのかもしれませんけれど・・・。
それより現在ぼくの部屋を侵食しているのは積みゲーではなくていつのまにか増えていく積み焼酎の存在。エロゲーの方は一向に進まない状況と違って焼酎の方は驚くほどのハイペースで処理できているというのにそれでいて焼酎の瓶が増えていくということは、以前のエロゲーのように処理する以上に焼酎を購入しているということに他ならない。
とよくよく考えると、最近多量に焼酎を飲むことが多い・・・というより帰宅した日はほぼ飲んでいるといっても過言でないので、布団の上で横になった瞬間気を失ってしまい結果エロゲーをプレイする機会が失われるという状況。まあ仕事の事を考えると「飲まなきゃやってられねえ」という心境なので仕方ないのですが、何とか積みゲーたちのことを考えると少しは崩す方にも身を入れないといけません。
取りあえず今年の話題作から崩していこうということでハローレディ(暁WORKS)とひこうき雲の向こう側(FLAT)あたりからと考えていたのですが、その前に同ライターの前作をプレイするのが先ということで、長期在庫していた‘&’ -空の向こうで咲きますように-につよきすNEXT(CandySoft)を始めることにします。
それでは今回はこんなところで。
そんな状態ですから休日も疲れを取るのが精一杯。まともにエロゲーをプレイする時間もなくて先月購入した新作は買ってきた時のまま積んでいるという有様。3月に購入した新作もまともにプレイしているのは大図書館の羊飼い -Dreaming Sheep-(オーガスト)だけという悲惨な状態ですから、お世辞にも積みゲーを崩すところまで頭が回りません。
こんな状態が続いているとエロゲーに対するモチベーションを失ってもおかしくないところですが、幸いそこまで悲惨な状況に陥っていないのが幸い。というのも唯一プレイしている大図書館の羊飼い -Dreaming Sheep-がお気に入りゲームのファンディスクとしてお手本のような作品に仕上がっているからです。それに現在のぼくのように少しの時間しかゲームをプレイできないプレイヤーにとって、プレイ時間に合わせて少しずつヒロインのアナザーを楽しめるというのは非常にありがたいのですね。しかも本編でどのルートを最初に攻略するか大いに迷ったように魅力的なヒロインが揃っているわけで、コンテンツすべてが楽しめるといっても過言でないくらい。そして相変わらずエロにも手を抜かずいい仕事をしています。
こんな褒め言葉が次々と湧き出てくるということはもはや立派なオーガスト信者と言われても仕方ないのですが、かく言うぼくもまさかオーガストのゲームをこれだけ絶賛するようになるとは月は東に日は西にをプレイした頃を考えるととても想像出来なかったです。まあ今考えると初期のPrincess Holidayでも充分光るものを感じさせてくれたメーカーでしたので不思議でないのかもしれませんが、それにしてもエロゲー界を牽引するメーカーの一つにまで隆盛するとは思いもよらなかったというのが正直なところです。
そんなわけでエロゲーから足を洗うのはまだまだ先の話となりそうですが、それでも5月発売された新作は結局すべて見送ってしまったので購入意欲に関しては落ちているのかもしれません。まあ今年に入って9本も購入しているわけですから購入ペースを考えればそれほど落ちていないと思うのですが、ただ期待作が揃う6月発売組をすべて見送る事態となると本格的に心配しなければいけません。まあこれ以上積みゲーが増えてしまうことを考えると多少購入意欲が落ちた方がいいのかもしれませんけれど・・・。
それより現在ぼくの部屋を侵食しているのは積みゲーではなくていつのまにか増えていく積み焼酎の存在。エロゲーの方は一向に進まない状況と違って焼酎の方は驚くほどのハイペースで処理できているというのにそれでいて焼酎の瓶が増えていくということは、以前のエロゲーのように処理する以上に焼酎を購入しているということに他ならない。
とよくよく考えると、最近多量に焼酎を飲むことが多い・・・というより帰宅した日はほぼ飲んでいるといっても過言でないので、布団の上で横になった瞬間気を失ってしまい結果エロゲーをプレイする機会が失われるという状況。まあ仕事の事を考えると「飲まなきゃやってられねえ」という心境なので仕方ないのですが、何とか積みゲーたちのことを考えると少しは崩す方にも身を入れないといけません。
取りあえず今年の話題作から崩していこうということでハローレディ(暁WORKS)とひこうき雲の向こう側(FLAT)あたりからと考えていたのですが、その前に同ライターの前作をプレイするのが先ということで、長期在庫していた‘&’ -空の向こうで咲きますように-につよきすNEXT(CandySoft)を始めることにします。
それでは今回はこんなところで。
2014年05月10日
抜きゲーの境界線を突破セリ
美少女ゲームが建前上成人男性をターゲットに制作されている以上、主人公が男性となってしまうのは仕方ないのかもしれません。特にヒロインとの恋愛過程を楽しむ萌えゲーでは女性主人公はほとんど見られないというのが現状となっています。
そんな男性上位の中、わずかに気を吐いているのが凌辱ゲーの世界。ミステリーで云うところのいわゆる「巻き込まれ」タイプのゲームで、女性主人公が文字通り体を張った活躍で孤軍奮闘しています。ぼくが名探偵が活躍する本格推理よりも「巻き込まれ」タイプのミステリー(サスペンス)が好みといったこともあるかもしれないのですが、美少女ゲームの主人公を女性が務めることに対してぼく的にはほとんど違和感がないのです。
ただ前に述べたようにぼくが主戦場としている萌えゲーで女性主人公となるとほとんど見当たらないというわけで、あえて女性主人公の萌えゲーを捜すとなると乙女ゲーに手を出すしかない。ただこの乙女ゲー、致命的な欠陥があってどうもエロさに欠けるところがあるのですね。これは原画家の質の問題なのかそれともいわゆる乙女ゲーをプレイする女性は男性とのHに対して淡泊なのでそれに合わせているのかぼくのプレイサンプル数が少なすぎて要因は掴めていないのですが、折角Hシーンでの細やかな女性心理を楽しみたいぼくにとっては薄いエロはあまり好ましいものではない。まあそんなにHシーンに期待したいならば凌辱ゲーをプレイすれば?と言われるかもしれないのですが、やはりヒロインが堕とされ不幸になるようなゲームをプレイするのは心苦しいものがあるのですね。過程はどうあれやはり最終的にハッピーエンドになるゲームの方が、プレイしていて気が楽なのです。
というわけで、ぼく的にはせめてHシーンだけでも女性視点となる萌えゲーがないかなんてことも考えていたのですが、なんとHシーンを男性主人公視点とヒロイン視点の両方から読ませるという画期的なゲームが発売されていたのですね。それがココロ@ファンクション(PULLTOP)なわけですが、これが凄いゲームなのです。
ヒロイン役の女性声優はと見ると、萌えゲーでの出演ばかりでいわゆる抜きゲーと云われるゲームにはほとんど出演経験のない人ばかり。これではHシーンの艶技なんて全く期待できないと思いきやこれが抜ける抜ける。これくらい抜けるエロゲーというとぼくの経験ではオーガストの一連の作品くらい。といってもこのココロ@ファンクションはオーガストのゲームほどヒロインが魅力的というわけではないので、これだけぼくが抜けたと絶賛するのもいわゆるHシーンでの新機軸がもたらしたといっても間違いないところでしょう。批評空間の一言感想で「シタゴコロ、ときはなつADV」というコメントがありましたが、まさしく言いえて妙。コロンブスの卵的なのかもしれませんがココロファンクションという設定をHシーンに生かし切った制作者側の勝利といっていいと思います。なんといっても萌えゲーでありながら抜きにも力を入れたといわれるワルキューレロマンチェよりもこちらの方が断然抜けましたから。
えっ!肝心のシナリオはどうかですって?
抜きゲーにとってシナリオなんて付録のようなものなのです。というかこのゲーム。Hシーンを除くと褒める部分を難渋してしまう・・・といっても貶すほど酷くはないのですが・・・わけで、そういった意味では前にプレイしたワルキューレロマンツェ ~少女騎士物語~(Ricotta)をより抜きゲー寄りにしたといっても過言でない。まあこのゲームのシナリオにのめりこめなかったのは主人公の性格がぼくの嗜好に合わなかったからですが、といって下心全開の主人公あってこそのHシーンといえないこともないわけで、そのあたりは仕方ないのかもしれませんね。
そんな男性上位の中、わずかに気を吐いているのが凌辱ゲーの世界。ミステリーで云うところのいわゆる「巻き込まれ」タイプのゲームで、女性主人公が文字通り体を張った活躍で孤軍奮闘しています。ぼくが名探偵が活躍する本格推理よりも「巻き込まれ」タイプのミステリー(サスペンス)が好みといったこともあるかもしれないのですが、美少女ゲームの主人公を女性が務めることに対してぼく的にはほとんど違和感がないのです。
ただ前に述べたようにぼくが主戦場としている萌えゲーで女性主人公となるとほとんど見当たらないというわけで、あえて女性主人公の萌えゲーを捜すとなると乙女ゲーに手を出すしかない。ただこの乙女ゲー、致命的な欠陥があってどうもエロさに欠けるところがあるのですね。これは原画家の質の問題なのかそれともいわゆる乙女ゲーをプレイする女性は男性とのHに対して淡泊なのでそれに合わせているのかぼくのプレイサンプル数が少なすぎて要因は掴めていないのですが、折角Hシーンでの細やかな女性心理を楽しみたいぼくにとっては薄いエロはあまり好ましいものではない。まあそんなにHシーンに期待したいならば凌辱ゲーをプレイすれば?と言われるかもしれないのですが、やはりヒロインが堕とされ不幸になるようなゲームをプレイするのは心苦しいものがあるのですね。過程はどうあれやはり最終的にハッピーエンドになるゲームの方が、プレイしていて気が楽なのです。
というわけで、ぼく的にはせめてHシーンだけでも女性視点となる萌えゲーがないかなんてことも考えていたのですが、なんとHシーンを男性主人公視点とヒロイン視点の両方から読ませるという画期的なゲームが発売されていたのですね。それがココロ@ファンクション(PULLTOP)なわけですが、これが凄いゲームなのです。
ヒロイン役の女性声優はと見ると、萌えゲーでの出演ばかりでいわゆる抜きゲーと云われるゲームにはほとんど出演経験のない人ばかり。これではHシーンの艶技なんて全く期待できないと思いきやこれが抜ける抜ける。これくらい抜けるエロゲーというとぼくの経験ではオーガストの一連の作品くらい。といってもこのココロ@ファンクションはオーガストのゲームほどヒロインが魅力的というわけではないので、これだけぼくが抜けたと絶賛するのもいわゆるHシーンでの新機軸がもたらしたといっても間違いないところでしょう。批評空間の一言感想で「シタゴコロ、ときはなつADV」というコメントがありましたが、まさしく言いえて妙。コロンブスの卵的なのかもしれませんがココロファンクションという設定をHシーンに生かし切った制作者側の勝利といっていいと思います。なんといっても萌えゲーでありながら抜きにも力を入れたといわれるワルキューレロマンチェよりもこちらの方が断然抜けましたから。
えっ!肝心のシナリオはどうかですって?
抜きゲーにとってシナリオなんて付録のようなものなのです。というかこのゲーム。Hシーンを除くと褒める部分を難渋してしまう・・・といっても貶すほど酷くはないのですが・・・わけで、そういった意味では前にプレイしたワルキューレロマンツェ ~少女騎士物語~(Ricotta)をより抜きゲー寄りにしたといっても過言でない。まあこのゲームのシナリオにのめりこめなかったのは主人公の性格がぼくの嗜好に合わなかったからですが、といって下心全開の主人公あってこそのHシーンといえないこともないわけで、そのあたりは仕方ないのかもしれませんね。
2014年04月12日
濃いHシーンと悪くないシナリオ
懸案となっていたワルキューレロマンツェ ~少女騎士物語~(Ricotta)ですが、ようやくクリアすることが出来ました。前作のプリンセスラバー!のデキからそれほど期待はしていなかったのですが、全体的な評価としてはまずまず好印象。そこそこのストーリーに濃いHシーンを乗っけるという手法は目新しさこそないのですが、成功しているものは多くこのゲームもその中の1本ということになるでしょう。メーカーが決断したシナリオライターの変更という決断は成功したといえます。
ただそのシナリオに関して気になったことが多かったのも事実。
メインヒロイン格の美桜が「ジョスト」の経験どころか騎乗すら出来なかったというのに、ペグライダーの主人公のアドバイスで強敵を次々と撃破するという快進撃を演じる・・・というのは、まあ無名校や無名選手が勝ち進むというスポーツものの定番ストーリーであるからツッコミは止めておくとして、次のフィーリアルートで彼女の兄であり主人公の元師匠だったユリアーヌスが「ジョスト」の大会としてのレベルを上げるために無名選手を締め出すという方針を持ち出すという展開はどうなのか?
ユリアーヌスと主人公との過去の経緯やフィーリアとの考え方の違いを出すための手法としては一見間違っていないように思えるのですが、実のところこうした無名選手を強引な足切りによって締め出すというストーリーが一番栄えるのは美桜ルートに用いてこそだと思うのです。もし美桜ルートでユリアーヌスが強引に美桜を大会から締め出そうとしたならば、悪役としての彼の評価(憎たらしさ)は最高になったはずなのですね。
それが美桜ルートではユリアーヌスは登場せず、フィーリアルートになってのこのこ現れて無名(実績のない)選手締め出しを言い出すというのはいかにも証文の出し忘れの印象を拭えないのですね。言いたくはないですが「それなら美桜の存在はどうなのか?」と感じてしまうのです。このあからさまなご都合主義はさすがにマイナス点を付けざるを得ません。
そしてスポーツものにしては熱さが不足しているように感じるのも気になる点。
これはスポーツものには必須といえる敵役の存在がこのゲームでは弱い。最初に挙げたユリアーヌスもそうですが、ノエルルートの父やリサルートのフィオナも敵役としてはどうも中途半端に感じられて仕方がない。これはどのルートでも結局最後は和解してしまうという温さもあるのですが(まあその温さが持ち味といえないこともないが)、そういった予定調和が敵役キャラとしての弱さを露呈させてしまったのではないでしょうか。
ただそういったシナリオの物足りなさを含めてもぼく的に満足感を得たのは、前作に引き続いてHシーンが良かったこと。これは萌え系に含まれるゲームにしてはHシーンの回数の多さやシチュなどメーカーの拘りを感じられたこと。そして前作よりも明らかにヒロインが可愛く感じられたことでしょう。
かなり評判の悪い美桜のイメチェンもぼく的にはマイナスとは思いませんでしたし(もちろんプラスにも働いていませんが)リサのツンデレも定番ながら可愛く感じられました。ただぼくの一番のお気に入りヒロインはノエルで決まりです。主人公とのフランクなやり取りは好みでしたし、ジョストに懸ける思いも強く感じられたのは好印象。シナリオは家族愛をテーマにしている割には収束があっけなくて決して高い評価を付けられるものではないですが、ノエルに萌えたぼくにとっては論う気にはなりません。
(総括)
純愛系にしては濃いエロにソコソコ読めるシナリオ。シナリオに期待して読むファンにとっては物足りないでしょうし、こもりけい氏のファンにとってはもっとエロの濃さを求めてしまうのは事実。それでもぼくはこのリコッタの路線は間違っていないように思うし、恐らく今後もこの路線で行くのでしょう。いくらシナリオが良くてもエロが不足しては宝の持ち腐れですし、逆にこれ以上エロを濃くしてヒロイン萌えを減退させてしまうようでは逆効果ですから。ただ4つのルートのうち1つくらいはシナリオに力を入れたものがあっても良かったかなと思ってしまったのは事実ですけどね。
ただそのシナリオに関して気になったことが多かったのも事実。
メインヒロイン格の美桜が「ジョスト」の経験どころか騎乗すら出来なかったというのに、ペグライダーの主人公のアドバイスで強敵を次々と撃破するという快進撃を演じる・・・というのは、まあ無名校や無名選手が勝ち進むというスポーツものの定番ストーリーであるからツッコミは止めておくとして、次のフィーリアルートで彼女の兄であり主人公の元師匠だったユリアーヌスが「ジョスト」の大会としてのレベルを上げるために無名選手を締め出すという方針を持ち出すという展開はどうなのか?
ユリアーヌスと主人公との過去の経緯やフィーリアとの考え方の違いを出すための手法としては一見間違っていないように思えるのですが、実のところこうした無名選手を強引な足切りによって締め出すというストーリーが一番栄えるのは美桜ルートに用いてこそだと思うのです。もし美桜ルートでユリアーヌスが強引に美桜を大会から締め出そうとしたならば、悪役としての彼の評価(憎たらしさ)は最高になったはずなのですね。
それが美桜ルートではユリアーヌスは登場せず、フィーリアルートになってのこのこ現れて無名(実績のない)選手締め出しを言い出すというのはいかにも証文の出し忘れの印象を拭えないのですね。言いたくはないですが「それなら美桜の存在はどうなのか?」と感じてしまうのです。このあからさまなご都合主義はさすがにマイナス点を付けざるを得ません。
そしてスポーツものにしては熱さが不足しているように感じるのも気になる点。
これはスポーツものには必須といえる敵役の存在がこのゲームでは弱い。最初に挙げたユリアーヌスもそうですが、ノエルルートの父やリサルートのフィオナも敵役としてはどうも中途半端に感じられて仕方がない。これはどのルートでも結局最後は和解してしまうという温さもあるのですが(まあその温さが持ち味といえないこともないが)、そういった予定調和が敵役キャラとしての弱さを露呈させてしまったのではないでしょうか。
ただそういったシナリオの物足りなさを含めてもぼく的に満足感を得たのは、前作に引き続いてHシーンが良かったこと。これは萌え系に含まれるゲームにしてはHシーンの回数の多さやシチュなどメーカーの拘りを感じられたこと。そして前作よりも明らかにヒロインが可愛く感じられたことでしょう。
かなり評判の悪い美桜のイメチェンもぼく的にはマイナスとは思いませんでしたし(もちろんプラスにも働いていませんが)リサのツンデレも定番ながら可愛く感じられました。ただぼくの一番のお気に入りヒロインはノエルで決まりです。主人公とのフランクなやり取りは好みでしたし、ジョストに懸ける思いも強く感じられたのは好印象。シナリオは家族愛をテーマにしている割には収束があっけなくて決して高い評価を付けられるものではないですが、ノエルに萌えたぼくにとっては論う気にはなりません。
(総括)
純愛系にしては濃いエロにソコソコ読めるシナリオ。シナリオに期待して読むファンにとっては物足りないでしょうし、こもりけい氏のファンにとってはもっとエロの濃さを求めてしまうのは事実。それでもぼくはこのリコッタの路線は間違っていないように思うし、恐らく今後もこの路線で行くのでしょう。いくらシナリオが良くてもエロが不足しては宝の持ち腐れですし、逆にこれ以上エロを濃くしてヒロイン萌えを減退させてしまうようでは逆効果ですから。ただ4つのルートのうち1つくらいはシナリオに力を入れたものがあっても良かったかなと思ってしまったのは事実ですけどね。
2014年03月27日
ブラボーと言えなかった理由とは
今月はぼく的期待作が目白押しというわけで複数本数を購入予定しています。
ただ困っているのがショップに行けそうな日が日曜日しかなさそうな事なのですね。
もちろん購入予定のゲームはすべて予約しているので売り切れの心配はないのですけど、夜勤明けの日曜日・・・しかも消費税増税前の電気店街なんて、人ゴミを嫌うぼくにとっては地獄のような場所になることは容易に想像できます。といってもわざわざ取り置きしてもらって4月に入ってから行くなんてバカバカしいことなんて出来ませんから取りあえず強行軍を行う予定にしています。
といっても4月に入るとこれまで以上に仕事が激務になる予定なので、崩す暇なんてほとんどないでしょうけれど・・・
そんなわけで新作がやってくる前に少しでも崩しておかないと・・・というわけで今年に入ってようやく2本目をクリアすることができました。それがBRAVA!!(Sweet light)なわけですが、このゲーム、批評空間での評価は上々といってよく容易にクリアできるのではないかと踏んでいたのですが、意外やかなりの期間を要すことに・・・
その原因の大部分はシステム面にあるといっていいと思います。
まあこれはプレイ環境の違いもあるかもしれないのですが、正直快適にプレイするといった点ではぼくの評価は落第・・・というのもシナリオを読ませるタイプのゲームにしてはバッグログを読もうとするたびにかなり長いタイムラグが発生するのですね。場面の切り替え時に緞帳が下りる演出は劇団を舞台にしているゲームということを強調するためだとは思うのですが、バックログの事も併せるとどうしてもモチベーションの低下につながってしまうのです。
あとこれはぼくがプレイした順番も悪かったかもしれません。ぼくはナナミ→みなも→しずく→日向→あおいの順でクリアしていったのですが、これがまずもって失敗でした。ナナミルートはナナミと演劇部との過去の恩讐や役者としてのナナミの成長を含めて一見良さそうなシナリオに思えるのですが、どうにも気が削がれる場面があって話に没頭できず。というのもナナミが普段の場面と舞台とで声色を変えるというのがぼくのような凡人にはどうも理解に苦しむのです。バイリンガルという設定は生かすにしても、演劇であれだけ流暢にセリフを喋るナナミが、普段はただたどしく日本語を話すような必要は全くないはず。ナナミが流暢に喋るように主人公と猛特訓するようなシーンでもあれば良かったのですが、そんな場面もなく、二つの声色を使う声優の熱演がどうにも空回りしているのように思えて仕方なかった。
そして続く雪乃姉妹ですが・・・後で分かったことなのですが、どうやら2人ともストーリー的に不遇な扱いを受けているのですね。というのもしずくにとって大事なのは祖父から受け継いだ喫茶店であって、劇団については喫茶店を流行らせる一手段に過ぎない。だから劇団が話の軸となるストーリーとしずくシナリオは和合性が良くないのです。しずくを演劇に引き込む理由が幼い頃からの主人公に対する想いだけでは少々弱く、そのあたりの書き込み不足からかだだ甘のお姉ちゃん属性以外の人にとっては魅力のないシナリオに映ったようにぼくは感じられた。そしてみなもですが、脚本を書きながら、演劇では敵役を勤めるというマルチな才能ぶりがシナリオではほとんど生かされなかったのが痛い。この雪乃姉妹のルートを見た限りでは、ヒロインキャラの魅力に頼る凡百の萌えゲーに過ぎないという印象だったのですが・・・
その印象が変わったのが次の日向ルートでした。
第一印象ではネト中で無気力な眼鏡っ娘というどう見てもいらない子だった彼女ですが、演劇を通じて他のヒロインたちとの仲間意識が生まれるに従って劇的に変化していく。それがこのルートの魅力でしょう。メインヒロインであるあおいのライバル格としてはやや家賃が高いように思われた彼女ですが、ラストでは文字通り役不足に感じられたくらい魅力あるヒロインに化けたというのは正直嬉しい誤算でした。
そして最後にプレイしたのがあおいシナリオ。ぼくはメインディッシュは最後に取っておくタイプですので、明らかにメインヒロインである彼女のルートを残しておいたのは当初からの予定だったのですが・・・
ただ今回に限ってはどうやらミスチョイスだったかもしれません。というのもこのゲーム。演劇をテーマにしている割には上演されるのは「月薔薇姫」ただ一つ。これまでのルートをプレイしていてさすがに劇中劇に飽きがきてしまったのですね。あおいルートではまさかのあおいパパの客演があったりして多少の変化はあったのですが、これも効果は限定的でした。
もしあおいルートを看板とするなら、ラストシーンで別の演劇を上演するくらい徹底的に優遇して欲しかったように思うのです。
(総括)
あおいがメインヒロインというのは主人公に与えた影響やビジュアル面を見ても必然だし、彼女のシーン数が他のヒロインよりも多いということを考えればゲーム制作者に優遇されているというのは誰が見ても分かります。
ただシナリオを考えるとそれほど優遇されているようには感じられなかったし、あおいが女優としての道を選ぶかそれとも主人公を選ぶかという葛藤もあっさり解決した印象でやや物足りなく思えたのは事実です。
そんな中で第一印象の変化という意外性からか日向が一番のお気に入りとなりました。ただ惜しむらくはシステム等環境面の弱さ。バックログが快適に作動すれば読み返しも楽だし、上演される劇が一本きりでもあまり不満に感じられずに済んだかもしれません。それにBGMもクオリティについては高かったのですが、ゲーム世界を考えるとシーンにそぐわないものが散見していたのが残念。
そういったマイナス点をカバーしきれたとはお世辞にも言えなかったという点で手放しに誉めることはできないゲームですが、それでも批評空間でまずまず評価されている理由は分かるような気がするしヒロインの魅力を考えれば良作として扱われるのも充分納得ができました。
ただ困っているのがショップに行けそうな日が日曜日しかなさそうな事なのですね。
もちろん購入予定のゲームはすべて予約しているので売り切れの心配はないのですけど、夜勤明けの日曜日・・・しかも消費税増税前の電気店街なんて、人ゴミを嫌うぼくにとっては地獄のような場所になることは容易に想像できます。といってもわざわざ取り置きしてもらって4月に入ってから行くなんてバカバカしいことなんて出来ませんから取りあえず強行軍を行う予定にしています。
といっても4月に入るとこれまで以上に仕事が激務になる予定なので、崩す暇なんてほとんどないでしょうけれど・・・
そんなわけで新作がやってくる前に少しでも崩しておかないと・・・というわけで今年に入ってようやく2本目をクリアすることができました。それがBRAVA!!(Sweet light)なわけですが、このゲーム、批評空間での評価は上々といってよく容易にクリアできるのではないかと踏んでいたのですが、意外やかなりの期間を要すことに・・・
その原因の大部分はシステム面にあるといっていいと思います。
まあこれはプレイ環境の違いもあるかもしれないのですが、正直快適にプレイするといった点ではぼくの評価は落第・・・というのもシナリオを読ませるタイプのゲームにしてはバッグログを読もうとするたびにかなり長いタイムラグが発生するのですね。場面の切り替え時に緞帳が下りる演出は劇団を舞台にしているゲームということを強調するためだとは思うのですが、バックログの事も併せるとどうしてもモチベーションの低下につながってしまうのです。
あとこれはぼくがプレイした順番も悪かったかもしれません。ぼくはナナミ→みなも→しずく→日向→あおいの順でクリアしていったのですが、これがまずもって失敗でした。ナナミルートはナナミと演劇部との過去の恩讐や役者としてのナナミの成長を含めて一見良さそうなシナリオに思えるのですが、どうにも気が削がれる場面があって話に没頭できず。というのもナナミが普段の場面と舞台とで声色を変えるというのがぼくのような凡人にはどうも理解に苦しむのです。バイリンガルという設定は生かすにしても、演劇であれだけ流暢にセリフを喋るナナミが、普段はただたどしく日本語を話すような必要は全くないはず。ナナミが流暢に喋るように主人公と猛特訓するようなシーンでもあれば良かったのですが、そんな場面もなく、二つの声色を使う声優の熱演がどうにも空回りしているのように思えて仕方なかった。
そして続く雪乃姉妹ですが・・・後で分かったことなのですが、どうやら2人ともストーリー的に不遇な扱いを受けているのですね。というのもしずくにとって大事なのは祖父から受け継いだ喫茶店であって、劇団については喫茶店を流行らせる一手段に過ぎない。だから劇団が話の軸となるストーリーとしずくシナリオは和合性が良くないのです。しずくを演劇に引き込む理由が幼い頃からの主人公に対する想いだけでは少々弱く、そのあたりの書き込み不足からかだだ甘のお姉ちゃん属性以外の人にとっては魅力のないシナリオに映ったようにぼくは感じられた。そしてみなもですが、脚本を書きながら、演劇では敵役を勤めるというマルチな才能ぶりがシナリオではほとんど生かされなかったのが痛い。この雪乃姉妹のルートを見た限りでは、ヒロインキャラの魅力に頼る凡百の萌えゲーに過ぎないという印象だったのですが・・・
その印象が変わったのが次の日向ルートでした。
第一印象ではネト中で無気力な眼鏡っ娘というどう見てもいらない子だった彼女ですが、演劇を通じて他のヒロインたちとの仲間意識が生まれるに従って劇的に変化していく。それがこのルートの魅力でしょう。メインヒロインであるあおいのライバル格としてはやや家賃が高いように思われた彼女ですが、ラストでは文字通り役不足に感じられたくらい魅力あるヒロインに化けたというのは正直嬉しい誤算でした。
そして最後にプレイしたのがあおいシナリオ。ぼくはメインディッシュは最後に取っておくタイプですので、明らかにメインヒロインである彼女のルートを残しておいたのは当初からの予定だったのですが・・・
ただ今回に限ってはどうやらミスチョイスだったかもしれません。というのもこのゲーム。演劇をテーマにしている割には上演されるのは「月薔薇姫」ただ一つ。これまでのルートをプレイしていてさすがに劇中劇に飽きがきてしまったのですね。あおいルートではまさかのあおいパパの客演があったりして多少の変化はあったのですが、これも効果は限定的でした。
もしあおいルートを看板とするなら、ラストシーンで別の演劇を上演するくらい徹底的に優遇して欲しかったように思うのです。
(総括)
あおいがメインヒロインというのは主人公に与えた影響やビジュアル面を見ても必然だし、彼女のシーン数が他のヒロインよりも多いということを考えればゲーム制作者に優遇されているというのは誰が見ても分かります。
ただシナリオを考えるとそれほど優遇されているようには感じられなかったし、あおいが女優としての道を選ぶかそれとも主人公を選ぶかという葛藤もあっさり解決した印象でやや物足りなく思えたのは事実です。
そんな中で第一印象の変化という意外性からか日向が一番のお気に入りとなりました。ただ惜しむらくはシステム等環境面の弱さ。バックログが快適に作動すれば読み返しも楽だし、上演される劇が一本きりでもあまり不満に感じられずに済んだかもしれません。それにBGMもクオリティについては高かったのですが、ゲーム世界を考えるとシーンにそぐわないものが散見していたのが残念。
そういったマイナス点をカバーしきれたとはお世辞にも言えなかったという点で手放しに誉めることはできないゲームですが、それでも批評空間でまずまず評価されている理由は分かるような気がするしヒロインの魅力を考えれば良作として扱われるのも充分納得ができました。
2014年03月02日
頑張ってくれた妹のために
先週久々に土日が休日になったのですが、そんな時に限ってカゼをひいてしまうもので結局休日はずっと安静にしていました。
カゼといっても多少の熱程度なら隙をついてエロゲーをしたりするのですが、今回のカゼはかなり酷くて文字通りの安静状態。症状を見る限り明らかなインフルエンザなわけですが、仕事柄予防接種を打っていることもあって最近は一度も罹った覚えのないインフルに罹患するとはよほど抵抗力が弱っているのでしょう。
そんなわけで相変わらず積みゲー崩しは全くといっていいくらい捗っていないのですが、ようやく妹のおかげでモテすぎてヤバい(Hulotte)をクリアすることができました。タイトルを見る限りラノベをパクったネタゲーのように思えるし、実際OPムービーを見てもそれを強く臭わせる内容。正直不安ばかりが先立つ出だしだったのですが、高いレベルとまではいかないまでも萌えゲーとしては水準以上といえるデキでした。
特にぼくが感心したのはヒロインがすべて可愛く感じられたことです。
(ここからネタバレ注意)
このゲームの趣向として「振って! 振って! 振りまくる! ADV 」とあるように、目的のヒロインのルートに入るためには他のヒロインの告白を無下にしなければなりません。ただその過程ともいえる他のヒロインを魅力的に描かなければ、メインディッシュに行きつくまでの道中が苦痛に感じられてしまう。といってメインヒロインよりも中途のヒロインを魅力的にしてしまっても、今度は主人公がメインヒロインに惹かれるようになった理由が乏しくなる・・・というわけでこの趣向を成功させるにはヒロインの魅力について微妙なバランスが必要となるわけですが、このゲームの場合それが絶妙だったのですね。
最初の敵キャラ(ヒロイン)である活発でありながら純情という舞奈に始まって、やや小悪魔風味を漂わせている妹の友人である青葉。そしてインドア系で影の薄いのが逆にキャラ立ちに繋がっている先輩の美也という順に攻略していくわけですが、その誰もが可愛く感じられていわゆる捨てキャラと云われるようなヒロインは1人もいませんでした。それにその攻略していくラインナップも正道ながらよく考えられています。
舞奈はいわゆる正統派のヒロインであってトップバッターには最適。続く青葉は勘が鋭い小悪魔タイプというどちらかというとトリッキーなタイプなだけに2番手というのは頷ける選択。そして続く美也はおとなしい性格と見せて芯の強いタイプのヒロイン。秘かに主人公を想っているという点を考えればメインヒロインの前に登場するのに相応しい。もしこのヒロインの登場する順番が違ったとすれば、このゲームに対する印象はかなり変わったのではないかと思うのです。
そんな3人を経て登場する叶はメインヒロインだけに厚遇されています。そしてこのゲームのキモというべき浅沼神社の秘術「刻廻の儀」の謎について徐々に明かされいくわけですが、ただそれよりも天然系お嬢さまである叶の魅力はさすがにメインディッシュに相応しくて非常に魅力的に感じられました。そしてその叶ルートが終えて次にプレイすることになるのが影のメインヒロインというべき妹のメグリなわけですが、正直なところぼくはこのメグリルートを買っていないのですね。というのも叶ルートでは主人公が不調に陥り、そしてメグリルートではメグリの体調が悪くなるという二重の展開はやはり重く感じられるのです。他のルートで兄である主人公の恋愛を優しく見守るメグリの方が、自らのルートよりも魅力的にぼくには感じられてしまうのもその重さによるものではないかと思うのですね。
その重さの主要因はこのゲームのライターが物語の主軸として「刻廻の儀」を据えてしまったことによることは明らかです。確かにこれまで女性に縁遠かった主人公を手っ取り早くモテさせるのには「刻廻の儀」という儀式は有効に働いているのは間違いない。ただぼくが思うにはメグリが兄に恋愛を積極的にさせるために「刻廻の儀」を行うこと自体は良いとしても、必ずしも儀式自体を成功させる必要はなかったと思うのです。
叶と同じ学校に転入するために必死に勉強しまた肉体改造にまで取り組んだというのにフラれてしまった主人公のために何とかしてあげたいというメグリの気持ちは分かります。ただそれでは肝心のメグリの兄に対する想いについてはどうなのでしょうか?ぼくはその想いが置き去りになってしまっていたのが、本来なら影のメインヒロインとして叶以上に光るはずだったメグリルートが今ひとつ輝かなかったことに繋がったのではないかと考えるのです。
もしメグリを輝かせたいならば、叶に告白してフラれて落ち込む主人公をもう一押しさせるためにメグリが「刻廻の儀」という儀式をでっち上げたというストーリーにしても良かったのではないかと・・・。まあそこまでぶっちゃけなくても、「刻廻の儀」という秘法は浅沼神社に伝わってはいたが、メグリの巫女としての実力が足りなかったのかなぜか発動しなかったという展開にしても悪くなかった(メグリはそれを分かっていたが恋愛に奥手な兄を勇気づけたいがために黙っていた)。そしてその失敗した原因はメグリの巫女としての力が劣っていたわけでなく、兄が他の女性と結ばれることについて心の奥底で邪心が働いてしまっていたからとした方が、よりメグリの兄に対する想いが伝わったはずなのです。
だからメグリルートの分岐点は一番最初ではなくラスト・・・つまり数々の苦労をしてまでむすばれたかったはずの叶の告白を振ってまで、主人公が妹のメグリに告白する。もしそんな展開だったとすれば妹スキーにとっては至高の妹ゲーになったはずなのですが・・・
まあこのゲームのライターは、叶とメグリを両天秤にかけて叶の方を取ったのでしょう。もちろんそれはそれで悪くないとは思うのですが、幼いころから兄に秘かな思いを抱いていたメグリのことを思うと「刻廻の儀」の副作用ではなく、主人公と恋愛関係を結ばせてあげたかったのです。メインヒロインである叶の告白を無下にする。それでこそ「振って! 振って! 振りまくる! ADV 」の面目躍如ではなかったかなとぼくは思ったのです。
カゼといっても多少の熱程度なら隙をついてエロゲーをしたりするのですが、今回のカゼはかなり酷くて文字通りの安静状態。症状を見る限り明らかなインフルエンザなわけですが、仕事柄予防接種を打っていることもあって最近は一度も罹った覚えのないインフルに罹患するとはよほど抵抗力が弱っているのでしょう。
そんなわけで相変わらず積みゲー崩しは全くといっていいくらい捗っていないのですが、ようやく妹のおかげでモテすぎてヤバい(Hulotte)をクリアすることができました。タイトルを見る限りラノベをパクったネタゲーのように思えるし、実際OPムービーを見てもそれを強く臭わせる内容。正直不安ばかりが先立つ出だしだったのですが、高いレベルとまではいかないまでも萌えゲーとしては水準以上といえるデキでした。
特にぼくが感心したのはヒロインがすべて可愛く感じられたことです。
(ここからネタバレ注意)
このゲームの趣向として「振って! 振って! 振りまくる! ADV 」とあるように、目的のヒロインのルートに入るためには他のヒロインの告白を無下にしなければなりません。ただその過程ともいえる他のヒロインを魅力的に描かなければ、メインディッシュに行きつくまでの道中が苦痛に感じられてしまう。といってメインヒロインよりも中途のヒロインを魅力的にしてしまっても、今度は主人公がメインヒロインに惹かれるようになった理由が乏しくなる・・・というわけでこの趣向を成功させるにはヒロインの魅力について微妙なバランスが必要となるわけですが、このゲームの場合それが絶妙だったのですね。
最初の敵キャラ(ヒロイン)である活発でありながら純情という舞奈に始まって、やや小悪魔風味を漂わせている妹の友人である青葉。そしてインドア系で影の薄いのが逆にキャラ立ちに繋がっている先輩の美也という順に攻略していくわけですが、その誰もが可愛く感じられていわゆる捨てキャラと云われるようなヒロインは1人もいませんでした。それにその攻略していくラインナップも正道ながらよく考えられています。
舞奈はいわゆる正統派のヒロインであってトップバッターには最適。続く青葉は勘が鋭い小悪魔タイプというどちらかというとトリッキーなタイプなだけに2番手というのは頷ける選択。そして続く美也はおとなしい性格と見せて芯の強いタイプのヒロイン。秘かに主人公を想っているという点を考えればメインヒロインの前に登場するのに相応しい。もしこのヒロインの登場する順番が違ったとすれば、このゲームに対する印象はかなり変わったのではないかと思うのです。
そんな3人を経て登場する叶はメインヒロインだけに厚遇されています。そしてこのゲームのキモというべき浅沼神社の秘術「刻廻の儀」の謎について徐々に明かされいくわけですが、ただそれよりも天然系お嬢さまである叶の魅力はさすがにメインディッシュに相応しくて非常に魅力的に感じられました。そしてその叶ルートが終えて次にプレイすることになるのが影のメインヒロインというべき妹のメグリなわけですが、正直なところぼくはこのメグリルートを買っていないのですね。というのも叶ルートでは主人公が不調に陥り、そしてメグリルートではメグリの体調が悪くなるという二重の展開はやはり重く感じられるのです。他のルートで兄である主人公の恋愛を優しく見守るメグリの方が、自らのルートよりも魅力的にぼくには感じられてしまうのもその重さによるものではないかと思うのですね。
その重さの主要因はこのゲームのライターが物語の主軸として「刻廻の儀」を据えてしまったことによることは明らかです。確かにこれまで女性に縁遠かった主人公を手っ取り早くモテさせるのには「刻廻の儀」という儀式は有効に働いているのは間違いない。ただぼくが思うにはメグリが兄に恋愛を積極的にさせるために「刻廻の儀」を行うこと自体は良いとしても、必ずしも儀式自体を成功させる必要はなかったと思うのです。
叶と同じ学校に転入するために必死に勉強しまた肉体改造にまで取り組んだというのにフラれてしまった主人公のために何とかしてあげたいというメグリの気持ちは分かります。ただそれでは肝心のメグリの兄に対する想いについてはどうなのでしょうか?ぼくはその想いが置き去りになってしまっていたのが、本来なら影のメインヒロインとして叶以上に光るはずだったメグリルートが今ひとつ輝かなかったことに繋がったのではないかと考えるのです。
もしメグリを輝かせたいならば、叶に告白してフラれて落ち込む主人公をもう一押しさせるためにメグリが「刻廻の儀」という儀式をでっち上げたというストーリーにしても良かったのではないかと・・・。まあそこまでぶっちゃけなくても、「刻廻の儀」という秘法は浅沼神社に伝わってはいたが、メグリの巫女としての実力が足りなかったのかなぜか発動しなかったという展開にしても悪くなかった(メグリはそれを分かっていたが恋愛に奥手な兄を勇気づけたいがために黙っていた)。そしてその失敗した原因はメグリの巫女としての力が劣っていたわけでなく、兄が他の女性と結ばれることについて心の奥底で邪心が働いてしまっていたからとした方が、よりメグリの兄に対する想いが伝わったはずなのです。
だからメグリルートの分岐点は一番最初ではなくラスト・・・つまり数々の苦労をしてまでむすばれたかったはずの叶の告白を振ってまで、主人公が妹のメグリに告白する。もしそんな展開だったとすれば妹スキーにとっては至高の妹ゲーになったはずなのですが・・・
まあこのゲームのライターは、叶とメグリを両天秤にかけて叶の方を取ったのでしょう。もちろんそれはそれで悪くないとは思うのですが、幼いころから兄に秘かな思いを抱いていたメグリのことを思うと「刻廻の儀」の副作用ではなく、主人公と恋愛関係を結ばせてあげたかったのです。メインヒロインである叶の告白を無下にする。それでこそ「振って! 振って! 振りまくる! ADV 」の面目躍如ではなかったかなとぼくは思ったのです。