2011年09月25日
典型的なB級作品
右足親指付け根の痛みは治まったのですが、尿酸値の方は相変わらず高止まりということで下げるクスリの服用を始めています。
勿論薬に頼るだけでなく食生活の改善も必要ですしストレスもなるべく溜めないようにしないといけないわけですが、そうするとエロゲーのプレイというのは果たしてストレス改善に役立っているのかと自問しきり。
文句なしの良作ならばストレスなんて溜まらないのでしょうが、中には買ったことを後悔させるような作品に当たったりしたらストレス解消どころか逆に悪化させるような気がしてならないのですね。もしストレスを容易に数値で割り出せる度量衡が発明されたら売れるだろうなと思ったり思わなかったり。
まあそんなことを考えている方がよほどストレスに悪いと言われたらそれまでですけどね。
さてそんなわけで今回消化いや紹介するゲームはというとMてぃーちゃー 彼女♂の悩み多き教育事情(ALL-TiME)です。前回の太陽のプロミア以上に肩の凝らないゲームというより完全なバカゲーのノリでした。
このゲームの特長はというと女装ゲーには珍しい徹底的なダメ主人公を設定したことでしょう。
序章のヒロインにフラれるシーンにそれが非常に表れているのですが、あのシーンで主人公のダメっぷりが強調されていて思わず上手いと唸ってしまいました。そういえば女装ゲーの傑作キラ☆キラ(OVERDRIVE)も主人公がフラれるシーンから始まりましたが、あれも主人公のパーソナリティを強調させるのに役立っていました。このゲームのライターもそんな過去の名作に倣ったのかもしれません。
普段ダメ主人公を貶すことが多いぼくですが、ここまでダメっぷりを強調されては素直に受け入れるしかないところ。実際ぼくもダメ主人公全部がアウトなわけでなく、普段良主人公の殻をかぶっているのに肝心なところでヘタレ行動をとってしまったり(それでいてヒロインに過剰に持ち上げられることが多い)おバカな行動を取る主人公を嫌うわけで、ストーリー上最初からダメであることを明示される分には決してマイナスにはならないのです。
実際一部のシーンを除いてHシーンはヒロインが主導するものがほとんどで、Mてぃーちゃーの看板に偽りなしといいたいところですが、問題はそのHシーンが全くといっていいくらいエロさを感じないところ。まあHシーンまでギャグが挿入されているわけで仕方ないこましれないのですが、これまでのALL-TiMEのゲームは大なり小なり抜きゲーよりの内容だっただけにここまでHシーンがエロくないのは拍子抜けだったかもしれません。
そんなエロの看板をかなぐり捨ててまで笑いに走った今作品なわけですが、その笑いは序盤こそ良かったものの中盤からはやや失速気味。これは中盤以降笑いが少なくなったというよりややギャグの内容がパターン化してしまって飽きてきたことが要因かと思われます。このゲームは個別パートに入っても笑いについては貫こうとしているのですが、正直全部のヒロインがそれではやや飽きがくるというもの。最初から笑い担当のヒロインである小枝子やスラップスティックな内容にしかなりそうもない雄飛はともかく全員のルートをギャグな内容にしてしまったのは正直マイナスだったのではと思うのです。ぼく的には一人か二人は笑いを少なくしても読ませる話にして欲しかったところで、ちょっといい話になりそうだった香凛ルートや純愛ものになりそうだった智子ルートまでもギャグに逃げてしまった(ように感じた)のは惜しいと思うのです。まあそれでも智子ルートのデキが一番良かったのは事実ですが。
そんなわけで総括すると、ぼく的にはまずまず楽しめましたのですが他人に文句無く薦められるかというと悩ましいところ。他メーカーのフルプライス作品と比べると明らかに劣る部分が多く、B級作品という言葉がこれほど似合うゲームはないでしょう。
勿論薬に頼るだけでなく食生活の改善も必要ですしストレスもなるべく溜めないようにしないといけないわけですが、そうするとエロゲーのプレイというのは果たしてストレス改善に役立っているのかと自問しきり。
文句なしの良作ならばストレスなんて溜まらないのでしょうが、中には買ったことを後悔させるような作品に当たったりしたらストレス解消どころか逆に悪化させるような気がしてならないのですね。もしストレスを容易に数値で割り出せる度量衡が発明されたら売れるだろうなと思ったり思わなかったり。
まあそんなことを考えている方がよほどストレスに悪いと言われたらそれまでですけどね。
さてそんなわけで今回消化いや紹介するゲームはというとMてぃーちゃー 彼女♂の悩み多き教育事情(ALL-TiME)です。前回の太陽のプロミア以上に肩の凝らないゲームというより完全なバカゲーのノリでした。
このゲームの特長はというと女装ゲーには珍しい徹底的なダメ主人公を設定したことでしょう。
序章のヒロインにフラれるシーンにそれが非常に表れているのですが、あのシーンで主人公のダメっぷりが強調されていて思わず上手いと唸ってしまいました。そういえば女装ゲーの傑作キラ☆キラ(OVERDRIVE)も主人公がフラれるシーンから始まりましたが、あれも主人公のパーソナリティを強調させるのに役立っていました。このゲームのライターもそんな過去の名作に倣ったのかもしれません。
普段ダメ主人公を貶すことが多いぼくですが、ここまでダメっぷりを強調されては素直に受け入れるしかないところ。実際ぼくもダメ主人公全部がアウトなわけでなく、普段良主人公の殻をかぶっているのに肝心なところでヘタレ行動をとってしまったり(それでいてヒロインに過剰に持ち上げられることが多い)おバカな行動を取る主人公を嫌うわけで、ストーリー上最初からダメであることを明示される分には決してマイナスにはならないのです。
実際一部のシーンを除いてHシーンはヒロインが主導するものがほとんどで、Mてぃーちゃーの看板に偽りなしといいたいところですが、問題はそのHシーンが全くといっていいくらいエロさを感じないところ。まあHシーンまでギャグが挿入されているわけで仕方ないこましれないのですが、これまでのALL-TiMEのゲームは大なり小なり抜きゲーよりの内容だっただけにここまでHシーンがエロくないのは拍子抜けだったかもしれません。
そんなエロの看板をかなぐり捨ててまで笑いに走った今作品なわけですが、その笑いは序盤こそ良かったものの中盤からはやや失速気味。これは中盤以降笑いが少なくなったというよりややギャグの内容がパターン化してしまって飽きてきたことが要因かと思われます。このゲームは個別パートに入っても笑いについては貫こうとしているのですが、正直全部のヒロインがそれではやや飽きがくるというもの。最初から笑い担当のヒロインである小枝子やスラップスティックな内容にしかなりそうもない雄飛はともかく全員のルートをギャグな内容にしてしまったのは正直マイナスだったのではと思うのです。ぼく的には一人か二人は笑いを少なくしても読ませる話にして欲しかったところで、ちょっといい話になりそうだった香凛ルートや純愛ものになりそうだった智子ルートまでもギャグに逃げてしまった(ように感じた)のは惜しいと思うのです。まあそれでも智子ルートのデキが一番良かったのは事実ですが。
そんなわけで総括すると、ぼく的にはまずまず楽しめましたのですが他人に文句無く薦められるかというと悩ましいところ。他メーカーのフルプライス作品と比べると明らかに劣る部分が多く、B級作品という言葉がこれほど似合うゲームはないでしょう。
2011年09月19日
ヒロイン全員に光を当てて
最近足の親指の付け根が痛いと思っていたら、先日とうとうまともに歩けないほどの状態になりました。
専門医に見せるまでもなく典型的な痛風の症状で診断結果も当然痛風。まあ分かっているだけで3年前から尿酸値がレッドゾーンを指し高尿酸血症と診断されていましたから、この日が来るのは覚悟していましたが、ビール(アルコール)を浴びるほど飲むわけでなく逆に毎日水分(麦茶&烏龍茶)を2~3Lは飲んでいるのになぜ尿酸値が高くなるのかぼく的には解せないのですね。
まあ職場の同僚に言わせると美食が過ぎるというかぜいたく病らしいのですが、まあ学生時代から10キロ以上太ってしまっていることを考えるとそれも否定できないところ。ただ尿酸値を上げるもうひとつの原因を忘れちゃいませんかと言い返したいのです。
そう尿酸値が高止まりする原因はストレスが絡んでいることが多いのです。現在の職場環境を考えると気の休まる暇なんてほとんどないわけで、この病気を奇貨に痛風が完治するまで半月くらい休養したいと思っているのですが、まあ無理ですね。
さてそんなわけで、エロゲーくらいストレスが溜まらず楽しめる作品をプレイしたいところで、前から少しずつプレイしていた太陽のプロミア(SEVEN WENDER)を一気にクリアしてしまいました。
同スタッフのゲームで評判があまり芳しくないPRINCESS WALTZ(PULLTOP)でさえそれなりに楽しめたくらい(批評空間で付けた得点は75点)ですから、それよりずっと評価の高いこのゲームが楽しめないはずはないと高をくくっていたわけですが、実際プレイを始めてその予感は間違っていませんでした。このスタッフが醸し出すゲームの雰囲気は本当に素晴らしく、特に明るさ・楽しさを押し出す作風は移籍しても全く変わることはありませんでした。
ただそれでも過去(直近)2作品に良作以上の評価を与えることが出来なかったのは見過ごせない欠点があったからです。それはラスト付近での失速。PRINCESS WALTZではまるで往年のジャンプの連載打ち切りを見るかのような終わり方をしていたし、てとてトライオンでも意味ありげな伏線がほとんど説明されないままスタッフの自己満足的な団円を迎えてしまいました。
この両作品に共通するのはラストのまとめ方が悪かったことで、風呂敷を広げるのはいいけれどいつもそれを畳めていなかったというわけ。
それだけにこのゲームでもいくら序盤の雰囲気が良かったからといって安心はできなかったわけですが、ゲームを進めるにつれてスタッフ(ライター)の工夫に思わずニヤリとさせられました。
普通散りばめた伏線がいつも纏められないとすれば撒く伏線の数を減らそうと考えるもの。つまり自分の技量で畳めるような風呂敷の大きさとしそうなものなのですがこのスタッフは違い全く逆の方法を採ったのです。
それはプレイヤーが考えてまず絶対畳めないであると思うくらいの大風呂敷を広げたことで、ここまで壮大な世界観を設定されればプレイヤーは端から風呂敷が畳まれることを期待しません。移籍第1作という環境で逆に縮こまってしまいそうなところで、欠点を直すのではなく逆に開き直ってしまうという豪胆さにはいい意味で驚かされました。
そんなわけで、端から伏線が纏められることを期待してプレイしていなかったので細かいところをツッコむのは止めておきます。実際には細かいところをメモするなどしてじっくりプレイすればいろいろと矛盾するところが出てくると思うのでしょうが、ぼく的にはこのゲームを楽しむにおいてそんなあら探しをするようなプレイ方法は自分が損するだけだと思ったのです。
さてこのゲーム。あるヒロインのルートをクリアしていくに従って、他のヒロインのルートが解凍していきそれにつれて徐々に謎が解明されていくという形式を採っています。ただこの方法を採ると優遇されるヒロイン(大抵最後に解凍されるルートのヒロイン)が居る代わり、当然不遇な扱いに終わるヒロインが出てしまいます。どれか1本素晴らしいシナリオがあれば充分という1点突破主義的考えならばそれでOKなのかもしれませんが、シナリオ主眼でなくヒロイン萌えに焦点をという考えならばどのヒロインにもスポットライトを当ててあげたいもの。その点このゲームはどのヒロインにもほぼ同等に光を当てていて、捨てキャラ(ヒロイン)が一人もいないというのが上手い。この解凍タイプのゲームで、どのヒロインもほぼ同じくらい可愛く見せているという例はあまり無いのではないでしょうか。まあぼく的にはヒロインがあまりにも同等に可愛く見えたため、飛びぬけて萌えるというヒロインが存在しなかったというのが残念だったのですが、まあこれは贅沢な言い分といえるでしょう。
心に深く残るといったタイプのゲームでないことは確かですが、この明るく楽しい雰囲気に文句なしに浸ることができたという点を考えれば今度こそ良作以上の評価を与えてもと思わせてくれた作品でした。
専門医に見せるまでもなく典型的な痛風の症状で診断結果も当然痛風。まあ分かっているだけで3年前から尿酸値がレッドゾーンを指し高尿酸血症と診断されていましたから、この日が来るのは覚悟していましたが、ビール(アルコール)を浴びるほど飲むわけでなく逆に毎日水分(麦茶&烏龍茶)を2~3Lは飲んでいるのになぜ尿酸値が高くなるのかぼく的には解せないのですね。
まあ職場の同僚に言わせると美食が過ぎるというかぜいたく病らしいのですが、まあ学生時代から10キロ以上太ってしまっていることを考えるとそれも否定できないところ。ただ尿酸値を上げるもうひとつの原因を忘れちゃいませんかと言い返したいのです。
そう尿酸値が高止まりする原因はストレスが絡んでいることが多いのです。現在の職場環境を考えると気の休まる暇なんてほとんどないわけで、この病気を奇貨に痛風が完治するまで半月くらい休養したいと思っているのですが、まあ無理ですね。
さてそんなわけで、エロゲーくらいストレスが溜まらず楽しめる作品をプレイしたいところで、前から少しずつプレイしていた太陽のプロミア(SEVEN WENDER)を一気にクリアしてしまいました。
同スタッフのゲームで評判があまり芳しくないPRINCESS WALTZ(PULLTOP)でさえそれなりに楽しめたくらい(批評空間で付けた得点は75点)ですから、それよりずっと評価の高いこのゲームが楽しめないはずはないと高をくくっていたわけですが、実際プレイを始めてその予感は間違っていませんでした。このスタッフが醸し出すゲームの雰囲気は本当に素晴らしく、特に明るさ・楽しさを押し出す作風は移籍しても全く変わることはありませんでした。
ただそれでも過去(直近)2作品に良作以上の評価を与えることが出来なかったのは見過ごせない欠点があったからです。それはラスト付近での失速。PRINCESS WALTZではまるで往年のジャンプの連載打ち切りを見るかのような終わり方をしていたし、てとてトライオンでも意味ありげな伏線がほとんど説明されないままスタッフの自己満足的な団円を迎えてしまいました。
この両作品に共通するのはラストのまとめ方が悪かったことで、風呂敷を広げるのはいいけれどいつもそれを畳めていなかったというわけ。
それだけにこのゲームでもいくら序盤の雰囲気が良かったからといって安心はできなかったわけですが、ゲームを進めるにつれてスタッフ(ライター)の工夫に思わずニヤリとさせられました。
普通散りばめた伏線がいつも纏められないとすれば撒く伏線の数を減らそうと考えるもの。つまり自分の技量で畳めるような風呂敷の大きさとしそうなものなのですがこのスタッフは違い全く逆の方法を採ったのです。
それはプレイヤーが考えてまず絶対畳めないであると思うくらいの大風呂敷を広げたことで、ここまで壮大な世界観を設定されればプレイヤーは端から風呂敷が畳まれることを期待しません。移籍第1作という環境で逆に縮こまってしまいそうなところで、欠点を直すのではなく逆に開き直ってしまうという豪胆さにはいい意味で驚かされました。
そんなわけで、端から伏線が纏められることを期待してプレイしていなかったので細かいところをツッコむのは止めておきます。実際には細かいところをメモするなどしてじっくりプレイすればいろいろと矛盾するところが出てくると思うのでしょうが、ぼく的にはこのゲームを楽しむにおいてそんなあら探しをするようなプレイ方法は自分が損するだけだと思ったのです。
さてこのゲーム。あるヒロインのルートをクリアしていくに従って、他のヒロインのルートが解凍していきそれにつれて徐々に謎が解明されていくという形式を採っています。ただこの方法を採ると優遇されるヒロイン(大抵最後に解凍されるルートのヒロイン)が居る代わり、当然不遇な扱いに終わるヒロインが出てしまいます。どれか1本素晴らしいシナリオがあれば充分という1点突破主義的考えならばそれでOKなのかもしれませんが、シナリオ主眼でなくヒロイン萌えに焦点をという考えならばどのヒロインにもスポットライトを当ててあげたいもの。その点このゲームはどのヒロインにもほぼ同等に光を当てていて、捨てキャラ(ヒロイン)が一人もいないというのが上手い。この解凍タイプのゲームで、どのヒロインもほぼ同じくらい可愛く見せているという例はあまり無いのではないでしょうか。まあぼく的にはヒロインがあまりにも同等に可愛く見えたため、飛びぬけて萌えるというヒロインが存在しなかったというのが残念だったのですが、まあこれは贅沢な言い分といえるでしょう。
心に深く残るといったタイプのゲームでないことは確かですが、この明るく楽しい雰囲気に文句なしに浸ることができたという点を考えれば今度こそ良作以上の評価を与えてもと思わせてくれた作品でした。
2011年09月05日
疑問の残る収束
今回は同時進行していた積みゲーの中で一番最初にゴールへたどり着いたすきま桜とうその都会(propeller)の所感を書いてみたいと思います。
批評空間の中央値は79点。データ数も発売2か月強で3ケタに達しており、この好評価も信頼に値するといってよさそう。ライターもStarTRain(mixed up)やNega0(ETERNAL)をプレイしていてその実力を承知している七烏未奏とハズレる要素は見当たらないはずだったのですが、結果的には大きくとまでは言えないものの期待を裏切られたゲームでした。
七烏未奏独特のいい意味での青臭さがこのゲームでは逆の目で出てしまった気がしてならないのが残念でなりません。
(ここからネタバレ)
このゲームはマヨイガものの一種といえるのですが、導入部分で主人公と咲良が桜乃という世界に迷い誘われるあたりは、背景として映る桜の美しさも相まって非常に惹きつけられるものがあります。優しいうそを秘めていることが桜乃という世界と巡り会う条件という設定は今後に期待を抱かせるもので掴みはOKといったところ。
ただその後に進行する共通パートはやや退屈といった感があります。それでもテキストというより場面転換の巧みさからつい読み進めてしまうから不思議。普通これほど惹きこみが少なくてギャグも空振り気味となると飽きてしまいがちとなるのですが、それをあまり感じさせずストーリーを進めていける牽引力はライターの実力をある程度証明しているといえます。もちろんゲーム世界部分の暖かさ・雰囲気の良さも貢献しているのでしょうが、そこはかとなく散りばめられている伏線を含めライターの力量を過小評価するものではありません。まあここまでは充分平均点には達していると思います。
この感覚は個別ルートに入ってからもそれなりに続きます。一歩間違えればウザキャラとなってしまいそうなちょこを立派な萌えキャラとして昇華させていましたし、花珠ルートも定番ながらうまく伏線をまとめていたと思います。ただぼく的にこのゲームがあまり買えないのはどうにも着地に失敗した印象が拭えないからです。
このゲームには終盤、それまでの流れを根底から覆すような超展開が待っているのですが、ぼく的にはマヨイガという一種ファンタジー世界を主題にしている以上、終盤どんなSF的な収束に持って行ったとしてもアンフェアと取られることはないと思います。
ただそんな強引な展開にした割にヒロインである鈴が持ち上げられたという印象が薄くむしろ咲良に喰われてしまっているように感じられるようでは本末転倒に他なりません。咲良ルートの終盤がどうにもご都合主義的な収束に終わってしまったため、それを払拭するためにに鈴ルートが使われたのかもしれませんが、これでは鈴をかませ犬として使ったと言われても仕方がありません。確かにこのゲームで一番光っているヒロインが咲良であることについては間違いないのですが、それでも他のヒロインのルート(しかも隠れヒロインのルート)を使ってまで持ち上げられるというのは正直疑問に思えてならないのです。
もしライターが咲良を主軸に持っていきたいならば彼女のルートをラストに持ってくるべきですし、そうでなくとも鈴ルートをラストにするべきではなかったとぼく的には思います。それまで築きあげてきた雰囲気をなぜ終盤で壊すようなことをしたのか?採算が取れているならまだしもその収支は明らかにマイナスであるだけにぼくにはこの展開は解せないという思いがぼくには拭えませんでした。
批評空間の中央値は79点。データ数も発売2か月強で3ケタに達しており、この好評価も信頼に値するといってよさそう。ライターもStarTRain(mixed up)やNega0(ETERNAL)をプレイしていてその実力を承知している七烏未奏とハズレる要素は見当たらないはずだったのですが、結果的には大きくとまでは言えないものの期待を裏切られたゲームでした。
七烏未奏独特のいい意味での青臭さがこのゲームでは逆の目で出てしまった気がしてならないのが残念でなりません。
(ここからネタバレ)
このゲームはマヨイガものの一種といえるのですが、導入部分で主人公と咲良が桜乃という世界に迷い誘われるあたりは、背景として映る桜の美しさも相まって非常に惹きつけられるものがあります。優しいうそを秘めていることが桜乃という世界と巡り会う条件という設定は今後に期待を抱かせるもので掴みはOKといったところ。
ただその後に進行する共通パートはやや退屈といった感があります。それでもテキストというより場面転換の巧みさからつい読み進めてしまうから不思議。普通これほど惹きこみが少なくてギャグも空振り気味となると飽きてしまいがちとなるのですが、それをあまり感じさせずストーリーを進めていける牽引力はライターの実力をある程度証明しているといえます。もちろんゲーム世界部分の暖かさ・雰囲気の良さも貢献しているのでしょうが、そこはかとなく散りばめられている伏線を含めライターの力量を過小評価するものではありません。まあここまでは充分平均点には達していると思います。
この感覚は個別ルートに入ってからもそれなりに続きます。一歩間違えればウザキャラとなってしまいそうなちょこを立派な萌えキャラとして昇華させていましたし、花珠ルートも定番ながらうまく伏線をまとめていたと思います。ただぼく的にこのゲームがあまり買えないのはどうにも着地に失敗した印象が拭えないからです。
このゲームには終盤、それまでの流れを根底から覆すような超展開が待っているのですが、ぼく的にはマヨイガという一種ファンタジー世界を主題にしている以上、終盤どんなSF的な収束に持って行ったとしてもアンフェアと取られることはないと思います。
ただそんな強引な展開にした割にヒロインである鈴が持ち上げられたという印象が薄くむしろ咲良に喰われてしまっているように感じられるようでは本末転倒に他なりません。咲良ルートの終盤がどうにもご都合主義的な収束に終わってしまったため、それを払拭するためにに鈴ルートが使われたのかもしれませんが、これでは鈴をかませ犬として使ったと言われても仕方がありません。確かにこのゲームで一番光っているヒロインが咲良であることについては間違いないのですが、それでも他のヒロインのルート(しかも隠れヒロインのルート)を使ってまで持ち上げられるというのは正直疑問に思えてならないのです。
もしライターが咲良を主軸に持っていきたいならば彼女のルートをラストに持ってくるべきですし、そうでなくとも鈴ルートをラストにするべきではなかったとぼく的には思います。それまで築きあげてきた雰囲気をなぜ終盤で壊すようなことをしたのか?採算が取れているならまだしもその収支は明らかにマイナスであるだけにぼくにはこの展開は解せないという思いがぼくには拭えませんでした。
2011年08月28日
同時進行の弊害
8月も終わりに近づいてきましたが、恥ずかしながら1本も積みゲーを終わらせることが出来ませんでした。
エロゲーに対する意欲を無くしたわけでないのですが、仕事の疲れからかプレイしても寝落ちする毎日で全くといっていいほど進まないのですね。駄作といわれるようなつまらないゲームばかりプレイしているわけでなく、批評空間でもそれなりに評価を得ているものを専ら進行させているのですから寝落ちしてしまうのはほぼ100%ぼくの責任でしょう。というより時間の差こそあれ大抵のゲームで寝落ちに成功してしまうのがぼくの特技なのです。
まあそんな自堕落な進め方でも1本に絞ってプレイしていれば少なくとも1~2本くらいはクリア出来でいたのでしょうが、5本も同時進行させているものだから終わるわけがありません。そのうちの2本が最後のヒロインのルートに入っていることを考えれば1本に集中してプレイしていればクリアできていたに違いないのです。
ぼくが巡回しているレビューサイトやブログなどを見ている限り、ここまで複数のゲームに手を付けているプレイヤーはほとんど見当たりません。大抵の人は中途でギブアップしない限り1本に集中してプレイしているし、2本プレイしていたとしても箸休めに違う傾向のゲームを進行させるというのが常道です。
もちろんぼくも自分のプレイ法が邪道であることは分かっているのですが、この多本数プレイがここ数年染みついてしまっていてもう変えようがないのです。ではなぜこうしたプレイをするようになってしまったかというと理由はいろいろあるのですが、一番の大きな理由はぼくの堪え性のなさに依るものでしょう。
つまりプレイしていて退屈な場面が続いたりするとすぐに他のゲームに替えてしまうのです。その上ゲームの登場人物がぼくの意にそぐわない行動をしたり、Hシーンの直前になると止めてしまう(基本的にぼくは1本のゲームで2つ以上のHシーンを一気に見ることはない)のですから、ものの10分か15分プレイしてはセーブして他のゲームをプレイするという繰り返しなのです。
この性格は生来のもので治らないと諦めていますがそれでもこれまではエロゲーをプレイする上に於いてあまり問題はありませんでした。というのもあるゲームを中断して別のゲームを始めたとしても前にセーブした場面を直ぐ思い出せていたからです。ところが最近加齢のせいか記憶力に自信が無くなってきたのですね。だからセーブした箇所から巻き戻してプレイする羽目に陥るなど進行に支障を来たしているわけです。その上最近仕事が忙しくて同時進行といっても1週間以上起動していないゲームが出てきたりとまさしく悪循環に・・・
というわけで今回も愚痴ばかりになってしまいましたが、来月初旬くらいには同時進行させているゲームを次々と終わらせていきたいなと思っています。今月は幸い目ぼしいゲームが少なかったのですが来月は大量買いが予想されるわけで、折角わずかながら減ってきた積みゲーをまた激増させることになりかねませんし。
エロゲーに対する意欲を無くしたわけでないのですが、仕事の疲れからかプレイしても寝落ちする毎日で全くといっていいほど進まないのですね。駄作といわれるようなつまらないゲームばかりプレイしているわけでなく、批評空間でもそれなりに評価を得ているものを専ら進行させているのですから寝落ちしてしまうのはほぼ100%ぼくの責任でしょう。というより時間の差こそあれ大抵のゲームで寝落ちに成功してしまうのがぼくの特技なのです。
まあそんな自堕落な進め方でも1本に絞ってプレイしていれば少なくとも1~2本くらいはクリア出来でいたのでしょうが、5本も同時進行させているものだから終わるわけがありません。そのうちの2本が最後のヒロインのルートに入っていることを考えれば1本に集中してプレイしていればクリアできていたに違いないのです。
ぼくが巡回しているレビューサイトやブログなどを見ている限り、ここまで複数のゲームに手を付けているプレイヤーはほとんど見当たりません。大抵の人は中途でギブアップしない限り1本に集中してプレイしているし、2本プレイしていたとしても箸休めに違う傾向のゲームを進行させるというのが常道です。
もちろんぼくも自分のプレイ法が邪道であることは分かっているのですが、この多本数プレイがここ数年染みついてしまっていてもう変えようがないのです。ではなぜこうしたプレイをするようになってしまったかというと理由はいろいろあるのですが、一番の大きな理由はぼくの堪え性のなさに依るものでしょう。
つまりプレイしていて退屈な場面が続いたりするとすぐに他のゲームに替えてしまうのです。その上ゲームの登場人物がぼくの意にそぐわない行動をしたり、Hシーンの直前になると止めてしまう(基本的にぼくは1本のゲームで2つ以上のHシーンを一気に見ることはない)のですから、ものの10分か15分プレイしてはセーブして他のゲームをプレイするという繰り返しなのです。
この性格は生来のもので治らないと諦めていますがそれでもこれまではエロゲーをプレイする上に於いてあまり問題はありませんでした。というのもあるゲームを中断して別のゲームを始めたとしても前にセーブした場面を直ぐ思い出せていたからです。ところが最近加齢のせいか記憶力に自信が無くなってきたのですね。だからセーブした箇所から巻き戻してプレイする羽目に陥るなど進行に支障を来たしているわけです。その上最近仕事が忙しくて同時進行といっても1週間以上起動していないゲームが出てきたりとまさしく悪循環に・・・
というわけで今回も愚痴ばかりになってしまいましたが、来月初旬くらいには同時進行させているゲームを次々と終わらせていきたいなと思っています。今月は幸い目ぼしいゲームが少なかったのですが来月は大量買いが予想されるわけで、折角わずかながら減ってきた積みゲーをまた激増させることになりかねませんし。
2011年08月12日
萌えゲーにおける意外性
エロゲーを購入するにあたって、ぼくが一番重要視するのは大抵の人と同じく原画です。
もちろんライターの名に惹かれて買うこともあれば、予約特典にヴォーカルCDが付いたりすることでつい手を出してしまうこともありますが、基本的には原画がぼくの好みでないゲームを買うことはほとんどありません。
これは以前ある著名ライターがシナリオを担当した某ゲームを購入した時の教訓からで、そのゲームはあまりにストーリーがつまらなかったため中途放棄してしまったのですが、もし原画が高水準だったとすれば少なくともギブアップすることはなかったでしょう。それがこのゲーム、原画も並以下という体たらくだったために最後まで続ける気力が沸かなかったのです。
というわけで購入前は原画を重視しているぼくですが、いざ買った後プレイする際のモチベーションを左右するのは原画よりもシナリオ(ストーリー)だったりします。というのも購入前はブランドのHPやゲーム雑誌などで見る画像やキャラ設定からヒロインに対する萌え心を膨らませているわけですが、プレイ中その期待をより膨らませてくれるかそれとも萎ませてしまうかはシナリオライターの腕次第だからです。
つまり原画買いというのはあくまで写真だけを見てお見合いするようなもので、その後交際に発展するかどうかは実際会って話をして見なければ分からない。エロゲーでもヒロインが可愛く見えるようになるか、それとも醒めてしまうかは実際にゲームを進めてみないと分からないのです。
萌えゲーの難しさ(面白さ?)はまさしくここで、多くのゲームは原画の魅力とストーリーとが比例しないことが多い。第1印象の良いヒロインに限ってシナリオが酷かったり、逆に要らない子と思われていたヒロインのシナリオが存外良くてゲームを進めるにつれてだんだん可愛く見えてきたりというのは誰しも経験したことがあると思います。
そんな意外性ですが振り返って考えると最近あまりお目にかかっていません。特に良い意味での驚きというのが味わえていないというのは残念な気がします。これはシナリオライターの巧拙というよりぼくのエロゲー歴が長すぎて大抵のことでは驚かなくなっているというのが正解なのでしょうが、それでも一年に一本くらいは新鮮な驚きを味あわせてくれないかと思っているのです。
まあ原画の魅力を損なわないようなシナリオを書いてくれれば充分といってしまえばそれまでなんですけどね。
もちろんライターの名に惹かれて買うこともあれば、予約特典にヴォーカルCDが付いたりすることでつい手を出してしまうこともありますが、基本的には原画がぼくの好みでないゲームを買うことはほとんどありません。
これは以前ある著名ライターがシナリオを担当した某ゲームを購入した時の教訓からで、そのゲームはあまりにストーリーがつまらなかったため中途放棄してしまったのですが、もし原画が高水準だったとすれば少なくともギブアップすることはなかったでしょう。それがこのゲーム、原画も並以下という体たらくだったために最後まで続ける気力が沸かなかったのです。
というわけで購入前は原画を重視しているぼくですが、いざ買った後プレイする際のモチベーションを左右するのは原画よりもシナリオ(ストーリー)だったりします。というのも購入前はブランドのHPやゲーム雑誌などで見る画像やキャラ設定からヒロインに対する萌え心を膨らませているわけですが、プレイ中その期待をより膨らませてくれるかそれとも萎ませてしまうかはシナリオライターの腕次第だからです。
つまり原画買いというのはあくまで写真だけを見てお見合いするようなもので、その後交際に発展するかどうかは実際会って話をして見なければ分からない。エロゲーでもヒロインが可愛く見えるようになるか、それとも醒めてしまうかは実際にゲームを進めてみないと分からないのです。
萌えゲーの難しさ(面白さ?)はまさしくここで、多くのゲームは原画の魅力とストーリーとが比例しないことが多い。第1印象の良いヒロインに限ってシナリオが酷かったり、逆に要らない子と思われていたヒロインのシナリオが存外良くてゲームを進めるにつれてだんだん可愛く見えてきたりというのは誰しも経験したことがあると思います。
そんな意外性ですが振り返って考えると最近あまりお目にかかっていません。特に良い意味での驚きというのが味わえていないというのは残念な気がします。これはシナリオライターの巧拙というよりぼくのエロゲー歴が長すぎて大抵のことでは驚かなくなっているというのが正解なのでしょうが、それでも一年に一本くらいは新鮮な驚きを味あわせてくれないかと思っているのです。
まあ原画の魅力を損なわないようなシナリオを書いてくれれば充分といってしまえばそれまでなんですけどね。
2011年08月04日
巡回して感じたこと
穢翼のユースティア(オーガスト)をクリア後、ぼくが良く巡回している感想サイト(ブログ)を回ってみたのですが、ほぼ例外なくこのゲームを取り上げているのには驚かされました。
もちろん話題の新作でしたし批評空間の感想数もかなり多くなっているので当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが、ぼくが言いたいのはどのサイトでもかなり力の入った感想(考察)を載せていたということです。
もちろんその感想は好意的なものばかりでなく腐していたものもあったわけですが、その感想も通り一遍の批判でなく力の入った苦言であり、その多種多様な感想は驚くとともに感心させられました。
では、なぜこのゲームをプレイしたユーザーがそれだけ感想に力が入ったかというと、このゲームのシナリオがそれだけユーザーの心を捉えていたからだといえるのではないでしょうか?
これはぼくの個人的な感覚なのですが、これまでのオーガストのゲームといえば感想を書こうと思ってもシナリオの内容に乏しくて、どちらかというと斜に構えないといけなかった(でないと悪い部分だけを強調することになってしまう・・・)のですが、このゲームに関しては真っ向からシナリオ部分を評せるくらいの内容を誇っていたと思うのです。
そして、それ以外でも深読みできる部分が多々あります。ストーリーの根幹部分を成す崩落が東日本を襲った大地震と重なってみえるのは単なる偶然なのでしょうが、それ以外でも閉鎖空間である空中都市が不思議にも水や食料の不足に喘いでいないという部分は現在の日本の食糧事情に擬えそうですし他にも考えさせられる部分があり、このゲームは萌えゲーにしては珍しいシニカルな内容といえないこともないのです。
そう考えると、このゲームがこれまでのオーガストの作品群とはかなり様相の違うものになっているといえるのですが、それでもこれまで持っていたオーガストの味というものは失っていないのは嬉しかったところ。
確かにメインヒロインのティアは正直これまでのオーガストの作品群のメインヒロインと比較すると萌えという点に関してはやや弱いことは否めません。そういった部分だけを取り上げれば萌え不足であり、リシアやフィオネといった他のヒロインの個別ルートが短いというのもよりそのように感じてしまう要因なのかもしれませんが、それでもぼくがこのブランドの特色と思っている萌えとエロとの高次元での両立という部分では充分期待に応えてくれていると思っています。おまけルートで本編で不足気味だったイチャラブ&エロを補完するというのは最近では珍しくなくなってきていますが、それでも今回のおまけは質量とも充分でぼく的には充分満足できましたので。
萌えエロとストーリー性の折り合いを付けたという意味ではオーガストの試みは成功したといっていいかもしれません。この良作によってオーガストは一皮向けたといっても過言でないとぼく的には思っています。
もちろん話題の新作でしたし批評空間の感想数もかなり多くなっているので当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが、ぼくが言いたいのはどのサイトでもかなり力の入った感想(考察)を載せていたということです。
もちろんその感想は好意的なものばかりでなく腐していたものもあったわけですが、その感想も通り一遍の批判でなく力の入った苦言であり、その多種多様な感想は驚くとともに感心させられました。
では、なぜこのゲームをプレイしたユーザーがそれだけ感想に力が入ったかというと、このゲームのシナリオがそれだけユーザーの心を捉えていたからだといえるのではないでしょうか?
これはぼくの個人的な感覚なのですが、これまでのオーガストのゲームといえば感想を書こうと思ってもシナリオの内容に乏しくて、どちらかというと斜に構えないといけなかった(でないと悪い部分だけを強調することになってしまう・・・)のですが、このゲームに関しては真っ向からシナリオ部分を評せるくらいの内容を誇っていたと思うのです。
そして、それ以外でも深読みできる部分が多々あります。ストーリーの根幹部分を成す崩落が東日本を襲った大地震と重なってみえるのは単なる偶然なのでしょうが、それ以外でも閉鎖空間である空中都市が不思議にも水や食料の不足に喘いでいないという部分は現在の日本の食糧事情に擬えそうですし他にも考えさせられる部分があり、このゲームは萌えゲーにしては珍しいシニカルな内容といえないこともないのです。
そう考えると、このゲームがこれまでのオーガストの作品群とはかなり様相の違うものになっているといえるのですが、それでもこれまで持っていたオーガストの味というものは失っていないのは嬉しかったところ。
確かにメインヒロインのティアは正直これまでのオーガストの作品群のメインヒロインと比較すると萌えという点に関してはやや弱いことは否めません。そういった部分だけを取り上げれば萌え不足であり、リシアやフィオネといった他のヒロインの個別ルートが短いというのもよりそのように感じてしまう要因なのかもしれませんが、それでもぼくがこのブランドの特色と思っている萌えとエロとの高次元での両立という部分では充分期待に応えてくれていると思っています。おまけルートで本編で不足気味だったイチャラブ&エロを補完するというのは最近では珍しくなくなってきていますが、それでも今回のおまけは質量とも充分でぼく的には充分満足できましたので。
萌えエロとストーリー性の折り合いを付けたという意味ではオーガストの試みは成功したといっていいかもしれません。この良作によってオーガストは一皮向けたといっても過言でないとぼく的には思っています。
2011年07月27日
傷ついた林檎の行方は
ぼく的に主人公女装ものは大好物でどんなエロゲーでも購入候補になってしまうわけですが、最近このジャンルのゲームがあまりに氾濫している状況では、さすがに全てを購入するわけにはいきません。
となってくると体験版をプレイしたりライターの過去作などを調べて購入の可否を決めるわけですが、この手のゲームは大抵調べれば調べるほどアラが目に付いて買いたくなくなってくるのですね。
そんなわけでキミとボクとエデンの林檎(ALMA)も当初はオミットする予定でした。それも迷った末のことでなく割合早く買わないことに決めていたのですが、その方針を違えて購入することになったのは批評空間のせいなのです。
あの批評空間のトップに貼り付けてあるバナーがどうにもぼくの眼に焼きついて、まるでサブリミナルのようについ買ってしまったわけですがこれも一種の原画買いという奴でしょうか。バナーで購入してしまったというのは初めての経験なのですが、とするとメーカーが最近頻繁に行っているバナーキャンペーンというのも満更ムダでなく多少は売り上げに貢献しているのかと思ったり思わなかったり。
さてそんな切欠で購入した本作品ですが、実を言うともうクリアしてしまったわけで1ヶ月強程度の時間で終えてしまったというのはぼくにしてはかなり早いペースです。というよりある程度寝かしておかないと崩さないぼくが購入早々プレイを始めるというのはこのゲームにかなり期待していた表れといえるかもしれません。まあ結果的にはその期待は裏切られたわけなのですが・・・
最初に述べたとおりこのゲームは女装した(させられた)主人公が女子校に潜入するといういわゆる主人公女装ものでは定番といえる設定なのですが、このゲームほど女装設定が生かされていないゲームも珍しい。
大体主人公に女装して女子校に通うという危険に対する自覚が乏しいのがどうにも困りもので、女装しているにも関わらず平気で「俺」なんて一人称を平気で使ったりするものだから、プレイしているこちらの方がバレないか心配になってくるくらい。
まあこういったゲームらしくご都合主義に満ち溢れていて首謀者の従妹と婚約者以外誰も気が付かないわけですが、そう考えるとどうやらこのゲームは一般の主人公女装潜入ものとは味が違うことが分かってきました。本来の女装潜入ならば主人公の女装がバレるバレないといったシーンがクライマックスになってくるわけですが、主人公自身にそういった危機感がないわけですから盛り上がるわけがないのです。
だから主人公が女装していることを知らない雪乃や七海のルートが伏線もおざなりにして終わっても大して気になりませんでした。それはかれんルートも同様だったのですが、ぼく的には主人公が女装して潜入していることを知っている琉奈&琴音ルートのデキさえまともだったなら充分という気持ちだったのは確かです。そうルートに入るまでは・・・
その肝心な琉奈&琴音ルートも雪乃&七海ルートと同じく何の盛り上がりもないままラストを迎えてしまっては当然シナリオに高評価を与えることなんてできないわけですが、ここまでシナリオが酷いと何か清々しい気分になってくるから不思議。もちろん何のとりえもなければそう思うわけないのですが、このゲームは何といても小さなバナーでぼくを惹き付けるくらいの魅力を秘めた原画があるのです。この原画に関しては期待通りでありエロシーンについても充分ぼくを満足させてくれました。そういった意味では決して損をしたとは言えないわけですが、それでも魅力的なキャラ絵を少しでも生かしたシナリオだったならばもっとヒロインに萌えられたと思うのですね。そう考えると声優陣を含めて派手な無駄遣いをしたものだなと思ってしまいました。
たとえ大震災の影響があった(ライターが代わった)としてももう少しまともな仕上げをしていればと思うのですが、それとも傷ついた林檎はもう甦らないと考えたのでしょうか?
となってくると体験版をプレイしたりライターの過去作などを調べて購入の可否を決めるわけですが、この手のゲームは大抵調べれば調べるほどアラが目に付いて買いたくなくなってくるのですね。
そんなわけでキミとボクとエデンの林檎(ALMA)も当初はオミットする予定でした。それも迷った末のことでなく割合早く買わないことに決めていたのですが、その方針を違えて購入することになったのは批評空間のせいなのです。
あの批評空間のトップに貼り付けてあるバナーがどうにもぼくの眼に焼きついて、まるでサブリミナルのようについ買ってしまったわけですがこれも一種の原画買いという奴でしょうか。バナーで購入してしまったというのは初めての経験なのですが、とするとメーカーが最近頻繁に行っているバナーキャンペーンというのも満更ムダでなく多少は売り上げに貢献しているのかと思ったり思わなかったり。
さてそんな切欠で購入した本作品ですが、実を言うともうクリアしてしまったわけで1ヶ月強程度の時間で終えてしまったというのはぼくにしてはかなり早いペースです。というよりある程度寝かしておかないと崩さないぼくが購入早々プレイを始めるというのはこのゲームにかなり期待していた表れといえるかもしれません。まあ結果的にはその期待は裏切られたわけなのですが・・・
最初に述べたとおりこのゲームは女装した(させられた)主人公が女子校に潜入するといういわゆる主人公女装ものでは定番といえる設定なのですが、このゲームほど女装設定が生かされていないゲームも珍しい。
大体主人公に女装して女子校に通うという危険に対する自覚が乏しいのがどうにも困りもので、女装しているにも関わらず平気で「俺」なんて一人称を平気で使ったりするものだから、プレイしているこちらの方がバレないか心配になってくるくらい。
まあこういったゲームらしくご都合主義に満ち溢れていて首謀者の従妹と婚約者以外誰も気が付かないわけですが、そう考えるとどうやらこのゲームは一般の主人公女装潜入ものとは味が違うことが分かってきました。本来の女装潜入ならば主人公の女装がバレるバレないといったシーンがクライマックスになってくるわけですが、主人公自身にそういった危機感がないわけですから盛り上がるわけがないのです。
だから主人公が女装していることを知らない雪乃や七海のルートが伏線もおざなりにして終わっても大して気になりませんでした。それはかれんルートも同様だったのですが、ぼく的には主人公が女装して潜入していることを知っている琉奈&琴音ルートのデキさえまともだったなら充分という気持ちだったのは確かです。そうルートに入るまでは・・・
その肝心な琉奈&琴音ルートも雪乃&七海ルートと同じく何の盛り上がりもないままラストを迎えてしまっては当然シナリオに高評価を与えることなんてできないわけですが、ここまでシナリオが酷いと何か清々しい気分になってくるから不思議。もちろん何のとりえもなければそう思うわけないのですが、このゲームは何といても小さなバナーでぼくを惹き付けるくらいの魅力を秘めた原画があるのです。この原画に関しては期待通りでありエロシーンについても充分ぼくを満足させてくれました。そういった意味では決して損をしたとは言えないわけですが、それでも魅力的なキャラ絵を少しでも生かしたシナリオだったならばもっとヒロインに萌えられたと思うのですね。そう考えると声優陣を含めて派手な無駄遣いをしたものだなと思ってしまいました。
たとえ大震災の影響があった(ライターが代わった)としてももう少しまともな仕上げをしていればと思うのですが、それとも傷ついた林檎はもう甦らないと考えたのでしょうか?
2011年07月16日
温泉旅行から帰ってきて・・・
13日から2泊3日の予定で久々に温泉旅行に行ってきました。
2ヶ月ほど前から予定を組んでいて最初行く予定にしていたのは山陰だったのですが、何か勘が働いて予約直前に信州&飛騨に変更したのがどうやら当たった感じ。まさかこんな早くに梅雨明けするとは思っていなかったので幸運にもうだるような暑さを避ける形となりました。
一泊目の蓼科&二泊目の奥飛騨とも当地と違い夜はクーラー要らずの涼しさ。そして温泉もいつも行くスーパー銭湯と違いいかにも効きそうなムード。もちろん1日2日温泉に入ったくらいで全快するわけがないのですが、この雰囲気が大事なのです。
この旅行のために今月に入ってからほとんど休みを取らず正直バテ気味となっていたのですが、ようやく休まった気がします。まあ少なからず旅行疲れもありますし本当に体が休まったかは微妙なのですが、それでも精神的に休まったのは間違いないでしょう。
ただ旅行に行くとなると困るのは積みゲーの処理が全く進まなくなること。
旅行中にエロゲーの禁断症状が出て予定を切り上げ早く帰ってしまうようでは話にならないので、取り合えず出発前にかなり処理を進めたのですが、帰ってきて積みゲーの山を見ると何か焼け石に水のような気がしてならないです。それでも評判になっていた穢翼のユースティア(オーガスト)がおまけシナリオ数本を残して終わったのでホッとしていますが・・・ただ考察する暇もなく旅行に出かけてしまったので、帰ってきてこれから感想を書くといっても何か気が乗らないのですね。
それに発売からこれまでに他のレビュアーさんが賛否両論含めかなり考察を残しておられるし、ぼくが今更書いたとしても2番煎じの2乗のようなものですし・・・
それよりも旅行中中断していたエロゲーのプレイを優先したいのです。何といっても丸3日間もエロゲーをプレイしないなんていうのは記憶にないくらいで本当に禁断症状が出かねないわけで、考察なり感想はそれからといったところになりそうです。まあいつものように考察なんて大層なものにはならないでしょうけどね。
2ヶ月ほど前から予定を組んでいて最初行く予定にしていたのは山陰だったのですが、何か勘が働いて予約直前に信州&飛騨に変更したのがどうやら当たった感じ。まさかこんな早くに梅雨明けするとは思っていなかったので幸運にもうだるような暑さを避ける形となりました。
一泊目の蓼科&二泊目の奥飛騨とも当地と違い夜はクーラー要らずの涼しさ。そして温泉もいつも行くスーパー銭湯と違いいかにも効きそうなムード。もちろん1日2日温泉に入ったくらいで全快するわけがないのですが、この雰囲気が大事なのです。
この旅行のために今月に入ってからほとんど休みを取らず正直バテ気味となっていたのですが、ようやく休まった気がします。まあ少なからず旅行疲れもありますし本当に体が休まったかは微妙なのですが、それでも精神的に休まったのは間違いないでしょう。
ただ旅行に行くとなると困るのは積みゲーの処理が全く進まなくなること。
旅行中にエロゲーの禁断症状が出て予定を切り上げ早く帰ってしまうようでは話にならないので、取り合えず出発前にかなり処理を進めたのですが、帰ってきて積みゲーの山を見ると何か焼け石に水のような気がしてならないです。それでも評判になっていた穢翼のユースティア(オーガスト)がおまけシナリオ数本を残して終わったのでホッとしていますが・・・ただ考察する暇もなく旅行に出かけてしまったので、帰ってきてこれから感想を書くといっても何か気が乗らないのですね。
それに発売からこれまでに他のレビュアーさんが賛否両論含めかなり考察を残しておられるし、ぼくが今更書いたとしても2番煎じの2乗のようなものですし・・・
それよりも旅行中中断していたエロゲーのプレイを優先したいのです。何といっても丸3日間もエロゲーをプレイしないなんていうのは記憶にないくらいで本当に禁断症状が出かねないわけで、考察なり感想はそれからといったところになりそうです。まあいつものように考察なんて大層なものにはならないでしょうけどね。
2011年07月06日
起動ディスクが負担に
先月初めグリザイアの果実(フロントウイング)を崩してから他のゲームをクリアできないでいるのですが、もちろん全くプレイしていないというわけではなく単にエロゲーを5本も同時進行しているためどれも終わらすことが出来ずいわば虻蜂取らずになっているだけです。
その5本はというと先月発売されたばかりの新作から薹が立った旧作まで色々なわけですが、その中で一番長く積んであるゲームがWHITE ALBUM2 ~introductory chapter~(Leaf)です。
前に書いたことがあるのですが本来なら本編発売するまで待ってから崩そうと思っていたものの、いつまで待っても本編の開発状況が伝わってこないのに苛立ちとうとう始めてしまいました。
批評空間の信頼できるユーザーさんからも面白いとは聴いていたのですが、序章でまだ強烈なイベントが起きていないいわば流しているシーンでもなぜか惹きつけられてしまうあたりさすが丸戸史明氏といったところでしょうか。最初あまり可愛くみえなかったヒロインもゲームを進めるにつれてだんだんと可愛く見えてきたのもライターの能力の高さを証明しているといえるでしょう。
ただこの良作にも一つ困ったことがあってそれがこのゲームが起動ディスクを要すること。
ぼくの場合こうした起動ディスクをパソコンのドライブに常駐させなければいけないゲームは早めにクリアして次の起動ディスクを要するゲームにバトンタッチさせるのが常となっています。よって輝光翼戦記 天空のユミナ(ETERNAL)のようにファンディスクと併せて半年以上もパソコンのドライブを占領されてしまうと他の起動ディスク要のゲームがプレイできなくてはなはだ困ることになるのです。
そういった意味ではWHITE ALBUM2はゲーム容量も少なくその気になれば直ぐに終わらせることが出来るはずなのですが、プレイをしていて何か終わらせるのが勿体ないような気がしていて中々終わらせることが出来ないのですね。
まあ面白いシーンがあると再び戻ってプレイしているようでは終わらなくて当然なのかもしれませんが、こうして見ると起動ディスクを要するゲームというのはユーザーにとっては負担になるなと改めて思った次第。
本来なら今頃は前に紹介したMてぃーちゃー 彼女♂の悩み多き教育事情(ALL‐TiME)(これも起動ディスク要のゲーム)を始めているはずだったのがこの体たらく。こんな調子では起動ディスク要のゲームはいつまで経っても順番が回ってこないかもしれません。というか本当にこのWHITE ALBUM2って9時間あればコンプ(批評空間のデータ)できるのでしょうか?何かいまだに終わる気配が見られないのですが・・・
その5本はというと先月発売されたばかりの新作から薹が立った旧作まで色々なわけですが、その中で一番長く積んであるゲームがWHITE ALBUM2 ~introductory chapter~(Leaf)です。
前に書いたことがあるのですが本来なら本編発売するまで待ってから崩そうと思っていたものの、いつまで待っても本編の開発状況が伝わってこないのに苛立ちとうとう始めてしまいました。
批評空間の信頼できるユーザーさんからも面白いとは聴いていたのですが、序章でまだ強烈なイベントが起きていないいわば流しているシーンでもなぜか惹きつけられてしまうあたりさすが丸戸史明氏といったところでしょうか。最初あまり可愛くみえなかったヒロインもゲームを進めるにつれてだんだんと可愛く見えてきたのもライターの能力の高さを証明しているといえるでしょう。
ただこの良作にも一つ困ったことがあってそれがこのゲームが起動ディスクを要すること。
ぼくの場合こうした起動ディスクをパソコンのドライブに常駐させなければいけないゲームは早めにクリアして次の起動ディスクを要するゲームにバトンタッチさせるのが常となっています。よって輝光翼戦記 天空のユミナ(ETERNAL)のようにファンディスクと併せて半年以上もパソコンのドライブを占領されてしまうと他の起動ディスク要のゲームがプレイできなくてはなはだ困ることになるのです。
そういった意味ではWHITE ALBUM2はゲーム容量も少なくその気になれば直ぐに終わらせることが出来るはずなのですが、プレイをしていて何か終わらせるのが勿体ないような気がしていて中々終わらせることが出来ないのですね。
まあ面白いシーンがあると再び戻ってプレイしているようでは終わらなくて当然なのかもしれませんが、こうして見ると起動ディスクを要するゲームというのはユーザーにとっては負担になるなと改めて思った次第。
本来なら今頃は前に紹介したMてぃーちゃー 彼女♂の悩み多き教育事情(ALL‐TiME)(これも起動ディスク要のゲーム)を始めているはずだったのがこの体たらく。こんな調子では起動ディスク要のゲームはいつまで経っても順番が回ってこないかもしれません。というか本当にこのWHITE ALBUM2って9時間あればコンプ(批評空間のデータ)できるのでしょうか?何かいまだに終わる気配が見られないのですが・・・
2011年06月23日
合わなかったゲームのことは忘れて
学生の頃と比べてグンと読む本数は減ってしまったとはいえ、それでも月に2~3冊はミステリーを読んでいます。
ただこのミステリーですが、なかなか面白いものに出会えないのが悩み。まあこれは名作と云われるものではなく、あえて知られていない作品に専ら手を出しているので仕方ないといえるかもしれませんが。
それに比べるとエロゲーの方がぼくにとってはずっとハズレが少ないといえるでしょう。少なくとも全く楽しめなかった&中途で放りだしたというようなゲームはほとんどありません。まあぼくが買うミステリーのほとんどは文庫本でありそれに比べてエロゲーの方が元手はずっと高いわけですから、そうそうプレイするに耐えられないようなハズレを掴まされてはたまらないわけですが。
といっても小説とエロゲーの価値を一緒くたに扱うのは正直間違っているというのは自分でも分かっています。原画や音楽等の助けを得られるエロゲーのライターと比べ文章で情景から人物まで表現しなければならない小説家の方が才能を要するのは当然ですから、同じような眼で見てしまっては作家の方々に怒られても仕方ない。特に面白いミステリーというのは天才かそれとも一種の職人肌の人間でなければ書くことができないとぼく的には思っているわけで、少なくともミステリー作家の方にはある程度尊敬の眼差しで見ているのは事実なのです。
ではそんなミステリーがなぜ読んでいて面白くないかというと、登場人物が魅力的に描かれていなかったり背景描写がしっかりと説明されていなかったりする小説がたびたび見受けられるからで、いくらトリックが捻ったものであったとしてもそのあたりがおざなりに書かれていたら物語に引き込まれなくても当然なわけです。
もちろんこれらのことはエロゲーでも言えることで登場人物(ヒロイン)が魅力的でなければ詰まらないこと必定なわけですが、ただ前に述べたとおりエロゲーには原画という強い助けがあります。例えライターがヒロインを魅力的に書けなかったとしても、その分原画家が魅力的に描いてくれればある程度帳尻が合うのです。
そんなわけでぼくがエロゲーを放棄したくなるということはほとんどないはずなのですが、1ヶ月ほど前からプレイしていたゲームが珍しく放棄したくなってほとほと弱りました。
これが誰もが認めるクズゲーならばぼく的にも納得するのですが、批評空間での評価を見ると中央値80点台をキープしているわけで、これを見るとプレイしているぼくの方が間違っているような気がしてきて泣く泣く続けることにしました。もしかしたら最後まで続けることによっていい意味での変化があるのではと思ったこともあったのですが、ライターの努力こそ感じられたもののそれでも評価が覆ったわけではなく徒労感だけが残る結果となりました。
いつもならこうしたゲームは遠慮なしに腐すのがぼくのスタイルなのですが、このゲームに関しては理解できなかったぼくの方が悪かったのかもしれない・・・つまり合わなかったというような通り一遍の感想しか言えないわけで他人が読んでもあまり参考というか面白いものになりそうもない。
というわけで今回に限っては腐すのは止めようと思います。それよりこんな時は合わなかったゲームのことはサッパリ忘れて他の積みゲーを崩すほうが余程建設的でしょう。まあ次に崩すゲームは多少ぼくに合わないとしても原画の力で最後までプレイ出来るようなものをプレイしたいと考えていますが。
ただこのミステリーですが、なかなか面白いものに出会えないのが悩み。まあこれは名作と云われるものではなく、あえて知られていない作品に専ら手を出しているので仕方ないといえるかもしれませんが。
それに比べるとエロゲーの方がぼくにとってはずっとハズレが少ないといえるでしょう。少なくとも全く楽しめなかった&中途で放りだしたというようなゲームはほとんどありません。まあぼくが買うミステリーのほとんどは文庫本でありそれに比べてエロゲーの方が元手はずっと高いわけですから、そうそうプレイするに耐えられないようなハズレを掴まされてはたまらないわけですが。
といっても小説とエロゲーの価値を一緒くたに扱うのは正直間違っているというのは自分でも分かっています。原画や音楽等の助けを得られるエロゲーのライターと比べ文章で情景から人物まで表現しなければならない小説家の方が才能を要するのは当然ですから、同じような眼で見てしまっては作家の方々に怒られても仕方ない。特に面白いミステリーというのは天才かそれとも一種の職人肌の人間でなければ書くことができないとぼく的には思っているわけで、少なくともミステリー作家の方にはある程度尊敬の眼差しで見ているのは事実なのです。
ではそんなミステリーがなぜ読んでいて面白くないかというと、登場人物が魅力的に描かれていなかったり背景描写がしっかりと説明されていなかったりする小説がたびたび見受けられるからで、いくらトリックが捻ったものであったとしてもそのあたりがおざなりに書かれていたら物語に引き込まれなくても当然なわけです。
もちろんこれらのことはエロゲーでも言えることで登場人物(ヒロイン)が魅力的でなければ詰まらないこと必定なわけですが、ただ前に述べたとおりエロゲーには原画という強い助けがあります。例えライターがヒロインを魅力的に書けなかったとしても、その分原画家が魅力的に描いてくれればある程度帳尻が合うのです。
そんなわけでぼくがエロゲーを放棄したくなるということはほとんどないはずなのですが、1ヶ月ほど前からプレイしていたゲームが珍しく放棄したくなってほとほと弱りました。
これが誰もが認めるクズゲーならばぼく的にも納得するのですが、批評空間での評価を見ると中央値80点台をキープしているわけで、これを見るとプレイしているぼくの方が間違っているような気がしてきて泣く泣く続けることにしました。もしかしたら最後まで続けることによっていい意味での変化があるのではと思ったこともあったのですが、ライターの努力こそ感じられたもののそれでも評価が覆ったわけではなく徒労感だけが残る結果となりました。
いつもならこうしたゲームは遠慮なしに腐すのがぼくのスタイルなのですが、このゲームに関しては理解できなかったぼくの方が悪かったのかもしれない・・・つまり合わなかったというような通り一遍の感想しか言えないわけで他人が読んでもあまり参考というか面白いものになりそうもない。
というわけで今回に限っては腐すのは止めようと思います。それよりこんな時は合わなかったゲームのことはサッパリ忘れて他の積みゲーを崩すほうが余程建設的でしょう。まあ次に崩すゲームは多少ぼくに合わないとしても原画の力で最後までプレイ出来るようなものをプレイしたいと考えていますが。
2011年06月12日
例え畳みきれなかったとしても
かなり時間が掛かったのですが、ようやくグリザイアの果実(FrontWing)をクリアすることが出来ました。批評空間での評判は相当高くて知名度は別としてこれまで良作という台詞とは無縁の存在だったFrontWingのゲームとしては思えないくらいの評価を得ているのですが、その評判もあながち間違いでないと思わせるくらい面白いゲームでした。ただ何か引っかかるものが残っているのは確かで、このあたりが絶賛とまでいかないところなのですが・・・
(ここから多少ネタバレ)
構成としては笑いの多い共通パートの後ヒロインの個別ルートに分岐するというものですが、この個別ルートが共通パートとは様相をガラリと変えて鬱気味となるというのは、かっての名作ゲームにも頻繁に取り入れられていた手法でそれほど新鮮味があるわけではありません。
まあ序盤からそれとなしにそういった展開になることを臭わせていることもあって終盤シリアス展開になることは予想できたでしょう。それでもエンジェリック・ハウルのような話が待っているというのはぼく的には予想外でしたが、逆にああいった展開が全くないシナリオがあったとしたら序盤及び共通ルートから散りばめていた伏線のことを考えれば逆におかしいことになっていたはずで、その点は素直に脱帽したいところです。
ただ問題はその散りばめいていた伏線をどこまで回収できていたこということで、この点に関しては批評空間の感想をざっくり目を通した限り厳しい意見が見られます。
もちろんその意見は至極もっともで、謎が残ったまま収束を迎えたりするエンドが多々見られることを考えれば減点となるのは当然といってもいいでしょう。ただ他の伏線部分はともかく主人公の過去に関してはあやふやに終わっているのはぼく的にはそれほど気になりませんでした。というより語られることを期待していなかったというのが正直なところで、序盤からあれだけ壮大に広げてしまった風呂敷が畳みきれるとは端から思っていなかったのです。
ただそんなぼくでもこれはちょっとと思わせたのが由美子ルートで、ラストの対決シーンでトリックを見せないまま完全に腰砕けになってしまっているようではさすがに個別ルートとして弁護できない。特にメーカー推奨でこの由美子が最終ルートとなっていただけに余計に酷さが目に付きます。蒔菜ルートと同じ逃避行を題材にしているだけに比較されてしまうのが不運なのかもしれませんが、それだけが酷評される理由とは言い切れないとぼく的に思います。
逆にぼくが個人的に感心させれたのはみちるルート。このルートは主人公の過去や組織がシナリオの根幹にあまり関わってこない分より物語に没頭できたのは事実ですが、冷静に考えるとやや不自然に思えるみちるの過去(トラウマ)部分をプレイ中そう感じさせなかったあたりはライターの力といっていいと思います。
ただぼく的にこのゲームを一番評価しているのは実は長いと不評な共通ルートの方で、あれだけテンポのいい掛け合いを見せられたのは久しぶりといっていいくらい。特に蒔菜のシモネタと幸の毒舌には本当に笑わせてもらいました。この共通パートの笑いのことを考えれば個別ルートで伏線が多少謎のまま残っていたとしても些細なことではとぼく的に思ってしまうのですが、多分これは少数意見なのでしょうね。
(ここから多少ネタバレ)
構成としては笑いの多い共通パートの後ヒロインの個別ルートに分岐するというものですが、この個別ルートが共通パートとは様相をガラリと変えて鬱気味となるというのは、かっての名作ゲームにも頻繁に取り入れられていた手法でそれほど新鮮味があるわけではありません。
まあ序盤からそれとなしにそういった展開になることを臭わせていることもあって終盤シリアス展開になることは予想できたでしょう。それでもエンジェリック・ハウルのような話が待っているというのはぼく的には予想外でしたが、逆にああいった展開が全くないシナリオがあったとしたら序盤及び共通ルートから散りばめていた伏線のことを考えれば逆におかしいことになっていたはずで、その点は素直に脱帽したいところです。
ただ問題はその散りばめいていた伏線をどこまで回収できていたこということで、この点に関しては批評空間の感想をざっくり目を通した限り厳しい意見が見られます。
もちろんその意見は至極もっともで、謎が残ったまま収束を迎えたりするエンドが多々見られることを考えれば減点となるのは当然といってもいいでしょう。ただ他の伏線部分はともかく主人公の過去に関してはあやふやに終わっているのはぼく的にはそれほど気になりませんでした。というより語られることを期待していなかったというのが正直なところで、序盤からあれだけ壮大に広げてしまった風呂敷が畳みきれるとは端から思っていなかったのです。
ただそんなぼくでもこれはちょっとと思わせたのが由美子ルートで、ラストの対決シーンでトリックを見せないまま完全に腰砕けになってしまっているようではさすがに個別ルートとして弁護できない。特にメーカー推奨でこの由美子が最終ルートとなっていただけに余計に酷さが目に付きます。蒔菜ルートと同じ逃避行を題材にしているだけに比較されてしまうのが不運なのかもしれませんが、それだけが酷評される理由とは言い切れないとぼく的に思います。
逆にぼくが個人的に感心させれたのはみちるルート。このルートは主人公の過去や組織がシナリオの根幹にあまり関わってこない分より物語に没頭できたのは事実ですが、冷静に考えるとやや不自然に思えるみちるの過去(トラウマ)部分をプレイ中そう感じさせなかったあたりはライターの力といっていいと思います。
ただぼく的にこのゲームを一番評価しているのは実は長いと不評な共通ルートの方で、あれだけテンポのいい掛け合いを見せられたのは久しぶりといっていいくらい。特に蒔菜のシモネタと幸の毒舌には本当に笑わせてもらいました。この共通パートの笑いのことを考えれば個別ルートで伏線が多少謎のまま残っていたとしても些細なことではとぼく的に思ってしまうのですが、多分これは少数意見なのでしょうね。
2011年06月07日
May‐Be SOFTがへんし~ん!!!したワケ
先月末発売された美少女ゲームの評価がソロソロ批評空間に投稿されてきているのですが、予想の中でぼくが大本命に推した恋ではなく-It’s not love, but so where near.(しゃんぐりらすまーと)が思ったより伸び悩んでいる(それでも中央値を見れば大したものですが)こともあって混戦気味のスタートとなっています。
そんな中、現在集団のトップを走っているのがへんし~ん!!! (May‐Be SOFT)なのですが、これがぼくが想定表に載せてなかったゲームで正直頭を抱えています。このゲーム、月末の発売でなく一週前の発売だったため迂闊にも見逃してしまったというのが想定漏れした真相なのですが、例え想定表に加えていたとしてもこのゲームにまで印が回ったかというと首を横に振るしかないでしょう。遊撃警艦パトベセルが当ったとはいえそれ以後発売したゲームはパッとしていなくて、凡作との評価で固まっている過去作へんし~ん!のリメイクときては買える材料は乏しいと考えてしまっても仕方ないところですが、それが人気どころを抑えてのトップでしかも中央値は85点を堂々キープとくればその変身ぶりを探ってみたくなるというもの。
ただよくよくこれまでの作品と比べてみると、それほど違いがあるようには見えません。抜きゲーアニメとして素晴らしい技術を見せているというわけでもなさそうですし、明るく楽しいバカゲーといってもこれまでのゲームもタイプとしては同様。ではなぜここまで高い評価を受けたのでしょうか。
ぼくが思うに、まず一つの要因としてタイトルがあるのではと考えています。このゲームの副題は~パンツになってクンクンペロペロ~というのですが、これほど分かりやすくかつ酷い副題(貶しているわけではない)はそうはありません。しかも学園☆新選組のような中途半端なバカゲーではなく、ある意味開き直ったといっていい心境に入っているのではないかというバカゲーっぷり。この副題である程度ゲームの内容が分かってしまうくらいで、バカゲーらしいいいタイトルを付けたと感心してしまったわけですが・・・
ただよく考えると(事実上の)前作のぱいタッチ!も酷いタイトルですし、内容も想像できるとなればこのゲームももう少し評価が高くなっても不思議でないところ。それがここまで差が出てしまっているというのはぼくが考えるにはヒロインの差といってもいいのではないかと思います。
今作がここまで抜けるという評価を得ているのはヒロインがそれだけ可愛く描かれているということに他ならないわけですが、よく見れば原画家は同じあかざ氏。ここまで違いが出るのは不思議に思えるのですが言い換えれば原画以外の部分でヒロインが可愛く描かれているのでしょう。例え抜きゲーといっても表面的な部分でなく内面部分でもヒロインを可愛く描かなければ、ユーザーの琴線に触れることはないというわけです。
これまでバカ(笑い)度が強すぎて肝心の抜きについてはマイナス側に振れてしまうケースが多かったメイビーの作品群でしたが、今回はその両方を高い次元で両立させたという意味でようやく本領発揮となった気がします。この勢いが持続するとなれば次走は当然重い印を付けなければいけないわけですが、それより今回のようなケアレスミスは二度としないように気を引き締めていこうと思っています。
そんな中、現在集団のトップを走っているのがへんし~ん!!! (May‐Be SOFT)なのですが、これがぼくが想定表に載せてなかったゲームで正直頭を抱えています。このゲーム、月末の発売でなく一週前の発売だったため迂闊にも見逃してしまったというのが想定漏れした真相なのですが、例え想定表に加えていたとしてもこのゲームにまで印が回ったかというと首を横に振るしかないでしょう。遊撃警艦パトベセルが当ったとはいえそれ以後発売したゲームはパッとしていなくて、凡作との評価で固まっている過去作へんし~ん!のリメイクときては買える材料は乏しいと考えてしまっても仕方ないところですが、それが人気どころを抑えてのトップでしかも中央値は85点を堂々キープとくればその変身ぶりを探ってみたくなるというもの。
ただよくよくこれまでの作品と比べてみると、それほど違いがあるようには見えません。抜きゲーアニメとして素晴らしい技術を見せているというわけでもなさそうですし、明るく楽しいバカゲーといってもこれまでのゲームもタイプとしては同様。ではなぜここまで高い評価を受けたのでしょうか。
ぼくが思うに、まず一つの要因としてタイトルがあるのではと考えています。このゲームの副題は~パンツになってクンクンペロペロ~というのですが、これほど分かりやすくかつ酷い副題(貶しているわけではない)はそうはありません。しかも学園☆新選組のような中途半端なバカゲーではなく、ある意味開き直ったといっていい心境に入っているのではないかというバカゲーっぷり。この副題である程度ゲームの内容が分かってしまうくらいで、バカゲーらしいいいタイトルを付けたと感心してしまったわけですが・・・
ただよく考えると(事実上の)前作のぱいタッチ!も酷いタイトルですし、内容も想像できるとなればこのゲームももう少し評価が高くなっても不思議でないところ。それがここまで差が出てしまっているというのはぼくが考えるにはヒロインの差といってもいいのではないかと思います。
今作がここまで抜けるという評価を得ているのはヒロインがそれだけ可愛く描かれているということに他ならないわけですが、よく見れば原画家は同じあかざ氏。ここまで違いが出るのは不思議に思えるのですが言い換えれば原画以外の部分でヒロインが可愛く描かれているのでしょう。例え抜きゲーといっても表面的な部分でなく内面部分でもヒロインを可愛く描かなければ、ユーザーの琴線に触れることはないというわけです。
これまでバカ(笑い)度が強すぎて肝心の抜きについてはマイナス側に振れてしまうケースが多かったメイビーの作品群でしたが、今回はその両方を高い次元で両立させたという意味でようやく本領発揮となった気がします。この勢いが持続するとなれば次走は当然重い印を付けなければいけないわけですが、それより今回のようなケアレスミスは二度としないように気を引き締めていこうと思っています。
2011年06月01日
女装潜入ゲームの違う切り口
ジャンルとして大昔からある女装主人公ものですが、美少女ゲームでは最近このゲームのリリースが目立っていてもうニッチな層を対象にしたとはいえない増えてきています。
特に多いのが女装潜入ものと云われるもので、主人公が女装をして女子校や女子寮といった女の園に潜入するという一種の男の夢を叶えるもの。ぼくがパッと思いつくものだけでも処女はお姉さまに恋してる(キャラメルBOX)・恋する乙女と守護の盾(AXL)・アッチむいて恋(ASa project)などがありますが、どのゲームもそれぞれ違う魅力を放っています。もちろんすべてが当たりというわけでなく成功した作品以上に失敗に終わったものがあるわけですが、それはともかくこれだけ氾濫してくると導入部分で多少不自然な部分があってもあまり感じなくなってくるのが不思議。思えばこの分野でのパイオニアというべき初代おとボクでは主人公が女子校に入学するにあたってライターはかなり筆を割いて説明していたものですが・・・
そんな主人公女装潜入ものですが、成功しているゲームはいわゆる宝塚の男役のような存在で八面六臂の大活躍してヒロインたちの眼をハートマークにさせるというタイプが多い気がしています。この分野で一番成功したゲームといっていい初代おとボクがそうっだたため余計そう感じられるのかもしれませんが、ただ冷静に考えてみると女装しているということは主人公が性格的に何らかの問題を抱えていることが多いはず。そういったヘタレ要素の強いはずの人物が女の園に潜入した途端に良主人公に変貌するというのもちょっと出来すぎているような気がしてならないのです。
そういった意味で主人公が宝塚の男役でなく娘役のような存在として描かれていた花と乙女に祝福を(ensemble)の生徒会ルートをぼくは買っているのですが、もう一歩進めて脛に傷を持つ女装主人公がそれを知るS系ヒロインに痛ぶら・・・いや可愛がられてしまうようなゲームがも増えてきてもおかしくないはず。
そんな数少ないシチュが描かれているゲームが先月発売されたMてぃーちゃー 彼女♂の悩み多き教育事情(ALL‐TiME)ですが、これまでのメーカーやスタッフの実績から考えてどうみても期待できそうにもないゲームにも関わらずなぜか購入してしまったのは、M系女装主人公潜入ものの数少ない成功例となって欲しいという期待を持ってしまったためなのです。
まあ批評空間で感想が投稿されるにつれ期待がしぼんでいくのはほぼ間違いないところなのでしょうけど、それだけに悪評が定まってプレイする意欲がなくならないうちに早く崩さなければと思っています。それには現在プレイしているゲームを早いところ終わらせないといけないのですけれど・・・
特に多いのが女装潜入ものと云われるもので、主人公が女装をして女子校や女子寮といった女の園に潜入するという一種の男の夢を叶えるもの。ぼくがパッと思いつくものだけでも処女はお姉さまに恋してる(キャラメルBOX)・恋する乙女と守護の盾(AXL)・アッチむいて恋(ASa project)などがありますが、どのゲームもそれぞれ違う魅力を放っています。もちろんすべてが当たりというわけでなく成功した作品以上に失敗に終わったものがあるわけですが、それはともかくこれだけ氾濫してくると導入部分で多少不自然な部分があってもあまり感じなくなってくるのが不思議。思えばこの分野でのパイオニアというべき初代おとボクでは主人公が女子校に入学するにあたってライターはかなり筆を割いて説明していたものですが・・・
そんな主人公女装潜入ものですが、成功しているゲームはいわゆる宝塚の男役のような存在で八面六臂の大活躍してヒロインたちの眼をハートマークにさせるというタイプが多い気がしています。この分野で一番成功したゲームといっていい初代おとボクがそうっだたため余計そう感じられるのかもしれませんが、ただ冷静に考えてみると女装しているということは主人公が性格的に何らかの問題を抱えていることが多いはず。そういったヘタレ要素の強いはずの人物が女の園に潜入した途端に良主人公に変貌するというのもちょっと出来すぎているような気がしてならないのです。
そういった意味で主人公が宝塚の男役でなく娘役のような存在として描かれていた花と乙女に祝福を(ensemble)の生徒会ルートをぼくは買っているのですが、もう一歩進めて脛に傷を持つ女装主人公がそれを知るS系ヒロインに痛ぶら・・・いや可愛がられてしまうようなゲームがも増えてきてもおかしくないはず。
そんな数少ないシチュが描かれているゲームが先月発売されたMてぃーちゃー 彼女♂の悩み多き教育事情(ALL‐TiME)ですが、これまでのメーカーやスタッフの実績から考えてどうみても期待できそうにもないゲームにも関わらずなぜか購入してしまったのは、M系女装主人公潜入ものの数少ない成功例となって欲しいという期待を持ってしまったためなのです。
まあ批評空間で感想が投稿されるにつれ期待がしぼんでいくのはほぼ間違いないところなのでしょうけど、それだけに悪評が定まってプレイする意欲がなくならないうちに早く崩さなければと思っています。それには現在プレイしているゲームを早いところ終わらせないといけないのですけれど・・・
2011年05月24日
ぼくの積みゲーが減らない理由
今年発売された美少女ゲームの中でこれまで購入したものは8本。月平均2本弱という数は例年に比べてやや少なめでこれも東日本大震災が遠因となっている気がしないでもないのですが、それでも積みゲーの数が減っていないのはプレイするスピードが遅くなっているからに他ならないわけで・・・
これは仕事が忙しくてプレイする時間があまり取れなくなっていることも大きいのですが、それよりクリアしやすいファンディスクやロー&ミドルプライス等の軽い作品でなくやや重め(ゲームジャンルではなく量的な意味で)のゲームを最近専ら進行させている影響が大きいでしょう。
こうしたいわゆる大作&人気作といわれるゲームは声に力を入れていることが多くて、普通なら文章さえ読んだら最後まで聞かない音声まで聴いてしまうので時間が掛かって仕方ないのです。
まあ勿論ゲーム自体が詰まらなかったとしたらいくら声優が熱演したからといってもマウスを左クリックして飛ばしてしまうのですが、現在プレイ中のゲームに関してはテキスト及び話の引き込みが良くてどうしても最後まで聴いてしまいます。
こうなってくると、性急にクリアしてしまうと何か勿体ない気分になってきて余計にじっくり読み進めるようになる・・・つまりぼくの場合「サクサクプレイすることが出来ました。」というのは必ずしも誉め言葉というわけではないわけですが・・・こういった貧乏性が直らない限り積みゲーは減っていかないのでしょう。
それでも今週末にはまた新作が手元に届くわけで、それまでには1本くらいはクリアしておかないといけませんね。
これは仕事が忙しくてプレイする時間があまり取れなくなっていることも大きいのですが、それよりクリアしやすいファンディスクやロー&ミドルプライス等の軽い作品でなくやや重め(ゲームジャンルではなく量的な意味で)のゲームを最近専ら進行させている影響が大きいでしょう。
こうしたいわゆる大作&人気作といわれるゲームは声に力を入れていることが多くて、普通なら文章さえ読んだら最後まで聞かない音声まで聴いてしまうので時間が掛かって仕方ないのです。
まあ勿論ゲーム自体が詰まらなかったとしたらいくら声優が熱演したからといってもマウスを左クリックして飛ばしてしまうのですが、現在プレイ中のゲームに関してはテキスト及び話の引き込みが良くてどうしても最後まで聴いてしまいます。
こうなってくると、性急にクリアしてしまうと何か勿体ない気分になってきて余計にじっくり読み進めるようになる・・・つまりぼくの場合「サクサクプレイすることが出来ました。」というのは必ずしも誉め言葉というわけではないわけですが・・・こういった貧乏性が直らない限り積みゲーは減っていかないのでしょう。
それでも今週末にはまた新作が手元に届くわけで、それまでには1本くらいはクリアしておかないといけませんね。
2011年05月16日
メインヒロインに弱みを抱える
昨年下半期で一番注目を集めた美少女ゲームと言われて、まず思い浮かべるのが恋と選挙とチョコレート(sprite)です。凌辱メーカー(といっても直近のソフトは凌辱とはほど遠い内容のものばかりでしたが)として鳴らしたSerenの別ブランド第1弾で、往年のSelenの作風とは間逆の萌えゲーとあって正直未知数なところが多いゲームだったのですが、まさかこれほど話題を集めるとは思いも寄らなかったです。なんといっても発売間もなくショップから新品の姿が無くなりいわゆるエロゲー難民が大量発生してしまったわけですから、メーカーとしてもそれだけ大きく売り上げを伸ばしたことでしょう。
その成功した要因といえば雑誌媒体を始めとする積極的な宣伝活動の成果といえるのでしょうが、それも今夏がデビュー作品とは思えない原画家の魅力に尽きるでしょう。いくらパブリッシングに力を入れたとしても原画に惹きつけるものがなければ空振りに終わるのが関の山ですし。
そしてもう一つの材料が今後のCS及びアニメ化を意識しているかのような声優の起用で、これまでのSerenのゲームから考えられないような配役を見てもメーカーの力の入れ方が分かるというもの。これだけの意気込みを見せられては、萌えゲーファンならプレイしてみようと思わないほうがおかしいというもの。
そんなわけでようやくぼくも遅ればせながらようやくプレイしました。その知名度にしては批評空間ではやや物足りない評価になっているゲームですが、それでも光る部分が多くてぼく的にはまずまず楽しむことができました。
ただ誰もが指摘しているようにこのゲーム最大の弱点といっていいのが、メインヒロインである千里が(性格的に)可愛く描かれていないところにあります。
他のヒロインの可愛さが目立つだけに余計千里が可愛くなく感じられて仕方がないのですが、よくよく考えてみるとどうやらライターはわざと千里をいわばかませ犬に仕立て上げているように思えてならないのです。
というのもこのゲーム、一番最初は必ず千里ルートをプレイしないと他ヒロインのルートに入ることができないのですね。常識的に考えるとオーラスでしかルートに入れないならともかくその間逆というのはほとんど聞いたことがないのですが、なぜこのような演出にしたのかぼくには理解できません。タイトルにある「恋」「選挙」「チョコレート」という三つのお題で噺が成立しているのは千里ルートだけであり、本来ならこのルートが大トリになっているのが自然なのです。
それに他のルートでも部分部分では千里が可愛く描かれている場面もあるわけで、そういった場面を下敷きにして千里ルートをプレイすればもう少し彼女を(プレイヤーから見て)可愛く感じられると思うのです。
そう考えると千里ルートを一番最初にプレイしなければならないようにしたのはマイナスにしかならないように思えてならないのですが、深読みすれば制作者側がこのような構成にした理由は千里シナリオに自信がなかった表れではないかと勘繰りたくなってきます。実際5本のルートで一番デキが悪く感じられるのが千里ルートであり一番最後にデキの悪いルートをプレイすると全体的な印象が悪くなってしまう。それならば一番最初にデキの悪いルートをプレイさせた方が良いと思ったのではないのでしょうか。例え千里個人の印象が悪くなったとしても・・・
ただぼく個人の意見とすればヒロインをスケープゴートにするくらいならば、最初から千里ルートを練り直した方が良かったと思うのですね。プレイヤーの感想によって自然にヒロインの優劣順位がつくならともかく、制作者が意図的にヒロインを差別するのはシナリオゲーならともかく萌えゲーでは逆効果ではないでしょうか。他のヒロインのルートにお情けで感動させようとするシーンを入れるくらいなら、千里本人のシナリオでこそ感動させて欲しかったとぼくは考えるのです。そしてそれが成されていれば精力的に行ったパブリッシングに比例するような名声を得られていたと思うのですが・・・
その成功した要因といえば雑誌媒体を始めとする積極的な宣伝活動の成果といえるのでしょうが、それも今夏がデビュー作品とは思えない原画家の魅力に尽きるでしょう。いくらパブリッシングに力を入れたとしても原画に惹きつけるものがなければ空振りに終わるのが関の山ですし。
そしてもう一つの材料が今後のCS及びアニメ化を意識しているかのような声優の起用で、これまでのSerenのゲームから考えられないような配役を見てもメーカーの力の入れ方が分かるというもの。これだけの意気込みを見せられては、萌えゲーファンならプレイしてみようと思わないほうがおかしいというもの。
そんなわけでようやくぼくも遅ればせながらようやくプレイしました。その知名度にしては批評空間ではやや物足りない評価になっているゲームですが、それでも光る部分が多くてぼく的にはまずまず楽しむことができました。
ただ誰もが指摘しているようにこのゲーム最大の弱点といっていいのが、メインヒロインである千里が(性格的に)可愛く描かれていないところにあります。
他のヒロインの可愛さが目立つだけに余計千里が可愛くなく感じられて仕方がないのですが、よくよく考えてみるとどうやらライターはわざと千里をいわばかませ犬に仕立て上げているように思えてならないのです。
というのもこのゲーム、一番最初は必ず千里ルートをプレイしないと他ヒロインのルートに入ることができないのですね。常識的に考えるとオーラスでしかルートに入れないならともかくその間逆というのはほとんど聞いたことがないのですが、なぜこのような演出にしたのかぼくには理解できません。タイトルにある「恋」「選挙」「チョコレート」という三つのお題で噺が成立しているのは千里ルートだけであり、本来ならこのルートが大トリになっているのが自然なのです。
それに他のルートでも部分部分では千里が可愛く描かれている場面もあるわけで、そういった場面を下敷きにして千里ルートをプレイすればもう少し彼女を(プレイヤーから見て)可愛く感じられると思うのです。
そう考えると千里ルートを一番最初にプレイしなければならないようにしたのはマイナスにしかならないように思えてならないのですが、深読みすれば制作者側がこのような構成にした理由は千里シナリオに自信がなかった表れではないかと勘繰りたくなってきます。実際5本のルートで一番デキが悪く感じられるのが千里ルートであり一番最後にデキの悪いルートをプレイすると全体的な印象が悪くなってしまう。それならば一番最初にデキの悪いルートをプレイさせた方が良いと思ったのではないのでしょうか。例え千里個人の印象が悪くなったとしても・・・
ただぼく個人の意見とすればヒロインをスケープゴートにするくらいならば、最初から千里ルートを練り直した方が良かったと思うのですね。プレイヤーの感想によって自然にヒロインの優劣順位がつくならともかく、制作者が意図的にヒロインを差別するのはシナリオゲーならともかく萌えゲーでは逆効果ではないでしょうか。他のヒロインのルートにお情けで感動させようとするシーンを入れるくらいなら、千里本人のシナリオでこそ感動させて欲しかったとぼくは考えるのです。そしてそれが成されていれば精力的に行ったパブリッシングに比例するような名声を得られていたと思うのですが・・・
2011年05月06日
評価の高さも納得
GW中は当直勤務ばかりで自宅と職場を往復する日々。
当初の予定ではこの機会に昨年後半から今年初頭に発売された話題作や大作を崩そうかと思っていたのですが画餅に終わりました。といっても何も手をつけないまま時が過ぎて行くというのも自堕落過ぎるので気軽にできる軽いFDをと思い昨年秋購入後暖めていたゲームを崩すことにしました。
それがるいは智を呼ぶファンディスク~明日のむこうに視える風~(暁WORKS)だったのですが、いざ崩し始めると意外なヴォリュームにいい意味で驚かされました。まあ同じあかべぇブランドのフルプライス作品と比べれば容量は少ないのかもしれませんが、他ブランドのフルプライス作品でこれより内容の劣るゲームはいくらでも存在するわけですから容量的に充分といえると思います。
それよりもっと驚かされたのはこれまで本編の価値を貶めるFDしか出していなかったあかべぇブランドからこれほど良作のFDがリリースされたことですが、ただ冷静に考えてみるとこのゲーム、ファンディスクと銘打たれていますが実際プレイしてみるとよく云われるFDとは様相が違うことが分かります。これまでのファンディスクのイメージはというと本編人気ヒロインのショートストーリー&アフターが主体でそこにミニゲームや壁紙等のアクセサリーを組み合わせたもの。それがこのるい智FDは本編ヒロインのアフターなどはそこそこに本編の補完というべきシナリオをメインにもってきています。そこにサブヒロインだった宮和&央輝そして惠のシナリオを組み合わせたものですが、そのシナリオもお茶を濁したようなものでは決してなくるい智本編にあったとしてもほとんど違和感のない本格的なものとなっています。そのキャラクター通り宮和&央輝は楽しく惠はほろ苦いストーリーとなっていますが本編の補完シナリオを含めてるい智ファンならどれも楽しめる内容となっています。
そんな良質のFDですから本編のファンに人気が出るのは間違いなくて批評空間での評価もあのフォセットやFate/hollow ataraxiaといった人気FDとほぼ互角の評価。ぼくも非常に楽しめましたし厳しいGW期間のいいアクセントになりました。これが次に大作&人気作に挑むいい弾みになればと思うのですが、それにはもう一つの条件としてじっくりプレイできる時間が欲しいところですが・・・
当初の予定ではこの機会に昨年後半から今年初頭に発売された話題作や大作を崩そうかと思っていたのですが画餅に終わりました。といっても何も手をつけないまま時が過ぎて行くというのも自堕落過ぎるので気軽にできる軽いFDをと思い昨年秋購入後暖めていたゲームを崩すことにしました。
それがるいは智を呼ぶファンディスク~明日のむこうに視える風~(暁WORKS)だったのですが、いざ崩し始めると意外なヴォリュームにいい意味で驚かされました。まあ同じあかべぇブランドのフルプライス作品と比べれば容量は少ないのかもしれませんが、他ブランドのフルプライス作品でこれより内容の劣るゲームはいくらでも存在するわけですから容量的に充分といえると思います。
それよりもっと驚かされたのはこれまで本編の価値を貶めるFDしか出していなかったあかべぇブランドからこれほど良作のFDがリリースされたことですが、ただ冷静に考えてみるとこのゲーム、ファンディスクと銘打たれていますが実際プレイしてみるとよく云われるFDとは様相が違うことが分かります。これまでのファンディスクのイメージはというと本編人気ヒロインのショートストーリー&アフターが主体でそこにミニゲームや壁紙等のアクセサリーを組み合わせたもの。それがこのるい智FDは本編ヒロインのアフターなどはそこそこに本編の補完というべきシナリオをメインにもってきています。そこにサブヒロインだった宮和&央輝そして惠のシナリオを組み合わせたものですが、そのシナリオもお茶を濁したようなものでは決してなくるい智本編にあったとしてもほとんど違和感のない本格的なものとなっています。そのキャラクター通り宮和&央輝は楽しく惠はほろ苦いストーリーとなっていますが本編の補完シナリオを含めてるい智ファンならどれも楽しめる内容となっています。
そんな良質のFDですから本編のファンに人気が出るのは間違いなくて批評空間での評価もあのフォセットやFate/hollow ataraxiaといった人気FDとほぼ互角の評価。ぼくも非常に楽しめましたし厳しいGW期間のいいアクセントになりました。これが次に大作&人気作に挑むいい弾みになればと思うのですが、それにはもう一つの条件としてじっくりプレイできる時間が欲しいところですが・・・
2011年04月12日
あの名作を今更ながら語ってみる
ここ2回最近クリアしたゲームの雑記を書いてきたわけでその順番からいくと今回はG線上の魔王(あかべぇそふとつぅ)ということになるのですが、何かあまり気乗りがしない。
というのもご存知のように批評空間でデータ数2000越えを果たしたゲームで発売から3年も経った現在でも最近入力が多いエロゲーベスト10に名を連ねる超著名作品。感想や考察などは多くのレビュワーによってもはや言い尽くされていて、今さらぼくがあれこれと語っても2番煎じどころか10番~20番煎じくらいの出し殻になってしまう可能性が大ですから。
ただそう言いつつも時間が経つにつれゲームについて語りたくなってしまうのがエロゲーレビュワーの悲しい性。特にこの作品はよくある特長のあまりないエロゲーと違っていろいろ語りたくなってしまう魅力を秘めているのですね。というわけでぼくも大いに楽しませて貰いましたのですが、少なからず疑問が残る場面があるのも確か。そういった意味で面白さとともにツッコミどころが多いことも批評空間での入力数の多さに繋がっているのかもしれません。
(ここから多少ネタバレ)
そんな疑問のうちぼくが一番気になったのが、魔王の正体のこと。
このゲーム、ライターは盛んに魔王=主人公であるような誤ったディレクションに誘うわけですが、このディレクションが物語を楽しむ上で充分な効果を上げているとは到底思えないのですね。
というのも序盤早々から魔王=主人公とすると全く説明できないことが出てくるわけで(もしそうだとすると完全なアンフェア)これだけ早くにそういったことを明かしておきながら、なおも魔王の正体に対する興味を惹かせようとするのは冗長というより言い方は悪いのですがプレイヤーを甘くみているように思えて仕方ないからです。
まあそれが物語の瑕になっていなければ読者に対する一種のサービスと受け取れないこともないのですが実際には大きな瑕になってしまっているわけで、なぜライターはこのようなミスディレクションをわざわざ行ったのかぼくにはサッパリ理解できないのです。
ぼく的にはそんな無理な誘い手をするよりも、単に魔王と勇者ハルとの知恵比べ&コンゲームものとして読ませたほうがプレイヤーとしてはより純粋に物語を楽しめたと思うのですね。実際ぼくはそういった楽しみ方をしましたし、物語を通してみると目に付く不合理も各章を単体で捉えられればそれほど目立たないと思うのです。
つまりこのゲーム、各章ごとに分けて考えたほうがより楽しむことが出来る。逆に言えば1本の物語として見てしまうと辻褄の合わない部分が出てきてしまって楽しめなくなる・・・といった点で両極端の評価が出てきてもおかしくないわけですが、それでもこのゲームを高く評価する方が多いということはそういったアラを覆い隠すくらいストーリーが面白かったといえるのではないでしょうか。
さてこのゲームをコンゲームものとして考えて見たとして、各章での魔王の犯罪についての感想なのですが・・・
実のところぼくが一番面白く感じられたのは第1章なのです。コンゲームものでは定番の誘拐ものなのですが、魔王とハルとの虚虚実実の駆け引きも面白く、また魔王が尻尾を掴ませず完全犯罪を遂行するまでの筆力は圧巻といっていいと思います。
そのコンゲームものとしての面白さは章を経るごとに物足りなくなってくるのですが、魔王の犯罪として一番評価が低いのがラスト前での大掛かりなテロ。
詳細はネタバレになるので触れませんが、成功したのが不思議なくらい偶然に頼った計画は第1章での緻密な計画から考えると別人が行ったのではないかと疑いたくなるくらい。ぼく的にはこのゲームをそれまでコンゲームものとして見ていたため、正直この章でかなり評価を落としたくなりました。
何か批判ばかりしてしまったような気がしないでもないですが、それでもこのゲームがそういった批判を含めて強い影響力を秘めていることは間違いないところ。プレイ終了後これだけ心地よい疲れを感じたのは久々であり、それだけでもこのゲームをプレイする価値はあったといえるのです。
というのもご存知のように批評空間でデータ数2000越えを果たしたゲームで発売から3年も経った現在でも最近入力が多いエロゲーベスト10に名を連ねる超著名作品。感想や考察などは多くのレビュワーによってもはや言い尽くされていて、今さらぼくがあれこれと語っても2番煎じどころか10番~20番煎じくらいの出し殻になってしまう可能性が大ですから。
ただそう言いつつも時間が経つにつれゲームについて語りたくなってしまうのがエロゲーレビュワーの悲しい性。特にこの作品はよくある特長のあまりないエロゲーと違っていろいろ語りたくなってしまう魅力を秘めているのですね。というわけでぼくも大いに楽しませて貰いましたのですが、少なからず疑問が残る場面があるのも確か。そういった意味で面白さとともにツッコミどころが多いことも批評空間での入力数の多さに繋がっているのかもしれません。
(ここから多少ネタバレ)
そんな疑問のうちぼくが一番気になったのが、魔王の正体のこと。
このゲーム、ライターは盛んに魔王=主人公であるような誤ったディレクションに誘うわけですが、このディレクションが物語を楽しむ上で充分な効果を上げているとは到底思えないのですね。
というのも序盤早々から魔王=主人公とすると全く説明できないことが出てくるわけで(もしそうだとすると完全なアンフェア)これだけ早くにそういったことを明かしておきながら、なおも魔王の正体に対する興味を惹かせようとするのは冗長というより言い方は悪いのですがプレイヤーを甘くみているように思えて仕方ないからです。
まあそれが物語の瑕になっていなければ読者に対する一種のサービスと受け取れないこともないのですが実際には大きな瑕になってしまっているわけで、なぜライターはこのようなミスディレクションをわざわざ行ったのかぼくにはサッパリ理解できないのです。
ぼく的にはそんな無理な誘い手をするよりも、単に魔王と勇者ハルとの知恵比べ&コンゲームものとして読ませたほうがプレイヤーとしてはより純粋に物語を楽しめたと思うのですね。実際ぼくはそういった楽しみ方をしましたし、物語を通してみると目に付く不合理も各章を単体で捉えられればそれほど目立たないと思うのです。
つまりこのゲーム、各章ごとに分けて考えたほうがより楽しむことが出来る。逆に言えば1本の物語として見てしまうと辻褄の合わない部分が出てきてしまって楽しめなくなる・・・といった点で両極端の評価が出てきてもおかしくないわけですが、それでもこのゲームを高く評価する方が多いということはそういったアラを覆い隠すくらいストーリーが面白かったといえるのではないでしょうか。
さてこのゲームをコンゲームものとして考えて見たとして、各章での魔王の犯罪についての感想なのですが・・・
実のところぼくが一番面白く感じられたのは第1章なのです。コンゲームものでは定番の誘拐ものなのですが、魔王とハルとの虚虚実実の駆け引きも面白く、また魔王が尻尾を掴ませず完全犯罪を遂行するまでの筆力は圧巻といっていいと思います。
そのコンゲームものとしての面白さは章を経るごとに物足りなくなってくるのですが、魔王の犯罪として一番評価が低いのがラスト前での大掛かりなテロ。
詳細はネタバレになるので触れませんが、成功したのが不思議なくらい偶然に頼った計画は第1章での緻密な計画から考えると別人が行ったのではないかと疑いたくなるくらい。ぼく的にはこのゲームをそれまでコンゲームものとして見ていたため、正直この章でかなり評価を落としたくなりました。
何か批判ばかりしてしまったような気がしないでもないですが、それでもこのゲームがそういった批判を含めて強い影響力を秘めていることは間違いないところ。プレイ終了後これだけ心地よい疲れを感じたのは久々であり、それだけでもこのゲームをプレイする価値はあったといえるのです。
2011年04月06日
本編の残滓といっても
積みゲーを3本も一気に崩したからといってまだまだ棚卸しなければならないものが山ほどあるわけですが多少なりとも心に余裕が出てくるのは確か。
心に余裕がないときですとどうしても手軽にクリアできそうな容量が短いものやファンディスクに走ってしまうのですが、心に余裕が出てくるとじっくりプレイできる大作や巷の評価が高いエロゲーを崩す意欲が湧いてきます。
まあSacred † Vampire(Silver Bullet)やキラ☆キラ ~カーテンコール~(OVERDRIVE)のような短いゲームを続けてプレイしていれば当たり前といえば当たり前なのですが。
そんなキラ☆キラ ~カーテンコール~ですが、プレイして一番驚かされたのは容量の少なさでファンディスクなので仕方ないといってしまえばそれまでですが、他メーカーのものと比べるとサービス精神に乏しくシナリオも全くの一本道であり余計にボリュームの少なさを感じてしまうのです。
まあストーリーが面白ければ別にどうこう言うことではないのですが、本編と比べるとクオリティは当然の如く低下しているわけで特に第1部に関してはかなり不満の残るデキ。
これもライターの代わった効果と言ってしまえばそれまでなのですが、なぜここまで差が出てしまったかというと、本編のライターである瀬戸口廉也氏が一筋縄ではいかない性格の主人公を生み出したのに対して、このファンディスクのライターはロックという字面に捉われた単純な性格の主人公を設定してしまったこと。キラ☆キラ本編ではあの主人公だからこそ良い意味でのロックのクソッタレな部分が浮かび上がったのですが、カーテンコールでは主人公のクソッタレぶりが目に付きすぎてさっぱりロックのクソッタレさが表れてこなかったのですね。確かにロックを舞台とするストーリーというとああいったタイプの主人公の方が一見合っているように思いがちなのかもしれませんが、キラ☆キラ本編は単なる音楽を舞台にしただけでなくもっと深い背景のあるゲームだったわけであまりに単純な思考の主人公では本編との印象が違いすぎる気がするのです。
それに比べると第2部の方はキラ☆キラ本編のキャラが総出演するだけに第1部よりはテンポも良く本編の残滓といっても充分面白い。ただいかんせん短すぎて楽しむといったところまでいかずに終わってしまうしその上Hシーンも存在しないのではエロゲーとして余りに辛すぎる。
というわけで全体的な評価はとても満足したとはいえないのですが、救いは発売直後でなくかなり時間が経過してから購入したおかげでかなり安く手に入れていたこと。値段相応の内容と考えればまあ納得といったところですがもし本来の予定通り予約購入していたとしたら当然気分は良くなかったかもしれませんね。
心に余裕がないときですとどうしても手軽にクリアできそうな容量が短いものやファンディスクに走ってしまうのですが、心に余裕が出てくるとじっくりプレイできる大作や巷の評価が高いエロゲーを崩す意欲が湧いてきます。
まあSacred † Vampire(Silver Bullet)やキラ☆キラ ~カーテンコール~(OVERDRIVE)のような短いゲームを続けてプレイしていれば当たり前といえば当たり前なのですが。
そんなキラ☆キラ ~カーテンコール~ですが、プレイして一番驚かされたのは容量の少なさでファンディスクなので仕方ないといってしまえばそれまでですが、他メーカーのものと比べるとサービス精神に乏しくシナリオも全くの一本道であり余計にボリュームの少なさを感じてしまうのです。
まあストーリーが面白ければ別にどうこう言うことではないのですが、本編と比べるとクオリティは当然の如く低下しているわけで特に第1部に関してはかなり不満の残るデキ。
これもライターの代わった効果と言ってしまえばそれまでなのですが、なぜここまで差が出てしまったかというと、本編のライターである瀬戸口廉也氏が一筋縄ではいかない性格の主人公を生み出したのに対して、このファンディスクのライターはロックという字面に捉われた単純な性格の主人公を設定してしまったこと。キラ☆キラ本編ではあの主人公だからこそ良い意味でのロックのクソッタレな部分が浮かび上がったのですが、カーテンコールでは主人公のクソッタレぶりが目に付きすぎてさっぱりロックのクソッタレさが表れてこなかったのですね。確かにロックを舞台とするストーリーというとああいったタイプの主人公の方が一見合っているように思いがちなのかもしれませんが、キラ☆キラ本編は単なる音楽を舞台にしただけでなくもっと深い背景のあるゲームだったわけであまりに単純な思考の主人公では本編との印象が違いすぎる気がするのです。
それに比べると第2部の方はキラ☆キラ本編のキャラが総出演するだけに第1部よりはテンポも良く本編の残滓といっても充分面白い。ただいかんせん短すぎて楽しむといったところまでいかずに終わってしまうしその上Hシーンも存在しないのではエロゲーとして余りに辛すぎる。
というわけで全体的な評価はとても満足したとはいえないのですが、救いは発売直後でなくかなり時間が経過してから購入したおかげでかなり安く手に入れていたこと。値段相応の内容と考えればまあ納得といったところですがもし本来の予定通り予約購入していたとしたら当然気分は良くなかったかもしれませんね。
2011年04月02日
設定とは裏腹のライトな展開
新年度に入りぼくの職場にようやく新人が入ってきました。
これで多少は厳しい当直ローテから開放されるかと思っていたのですが、今月&来月の勤務予定表を見る限りほとんど変化が見られない・・・
居なくなった人員と比べて一応数はプラスになっているはずなのですが、多少の人員数の増加では目に見えるほど勤務は楽になってこないということなのでしょう。
まあそれでも机上の理論では一応休暇も取りやすくなっているはずですし、ここ2年頑張った分今年は多少我がままを言わせて貰おうかと思っています。まあ休みといってもどこかへ出かけるでもなく、ただ一日自室でエロゲーをするという非建設的な余暇を過ごすだけなのですが・・・
さて先月購入予定だったゲームがことごとく延期したこともあって久々に積みゲーが減ったような気がします。長年の課題だったG線上の魔王(あかべぇそふとつぅ)もようやく終わりましたし、その勢いでSacred † Vampire(Silver Bullet)とこれまた長年積みっぱなしにしていたキラ☆キラ ~カーテンコール~(OVERDRIVE)も崩し終えました。これだけハイペースでエロゲーをクリアしたのは久しぶりのことですが、まあG線上の魔王はともかく他の2本は容量的にやや少ないゲームですのでそれほど時間が掛からなくても当然なのかもしれませんが。
そんなSacred † Vampire(Silver Bullet)ですが、批評空間での評価がパッとしないようにクリア後の感想はというと辛辣な台詞ばかり浮かんできます。
ただ前回の黙って私のムコになれ!(ensemble)でかなりキツイ毒を吐いてしまったわけで、2回も続けて同じ毒は吐きたくない・・・というより黙って私のムコになれ!と比べたらまだ面白かったといえるわけですから、今回は甘めのコメントを。
このゲームの特長はというと吸血鬼ものというイメージにはほど遠いライトなノリの部分。吸血鬼ものによくあるバトルやダークな展開を望んだとしたら裏切られること必定なわけですが、学園コメディと考えれば充分楽しめます。
といっても主人公の吐くギャグはどちらかというと寒いものばかりなのですが、このゲームの見所といえば溺愛とヤンデレのタイトロープを渡る霧姉さんがポツリと漏らす危ないセリフでしょう。コメディとヤンデレヒロインの親和性は余りよろしくないのですが、このゲームの霧さんは非常に魅力的なキャラに仕上がっていてメインヒロインの聖来を完全に喰ってしまっています。
ただSilver Bulletのいつものクセというかテーマが不消化気味なところがこのゲームにもあるのが残念。もちろんコメディと考えればあまり重い展開には出来なかったのかもしれませんが、どのルートも消化不良というか逃げてしまっているエンドばかりだったのが辛かった。4本のうちどれか1本くらい真正面からテーマに挑んで欲しかったように思います。まあこれがSilver Bulletの持ち味と言われればそれまでかもしれませんが。
というわけで、ぼく的には小春ルートが一番好み。まあぼくがああいったタイプのヒロインが好きなだけかもしれませんが、このゲームに一番合っているのはやや重めの真亜沙ルートより小春ルートのような軽い話だと思うのです。
これで多少は厳しい当直ローテから開放されるかと思っていたのですが、今月&来月の勤務予定表を見る限りほとんど変化が見られない・・・
居なくなった人員と比べて一応数はプラスになっているはずなのですが、多少の人員数の増加では目に見えるほど勤務は楽になってこないということなのでしょう。
まあそれでも机上の理論では一応休暇も取りやすくなっているはずですし、ここ2年頑張った分今年は多少我がままを言わせて貰おうかと思っています。まあ休みといってもどこかへ出かけるでもなく、ただ一日自室でエロゲーをするという非建設的な余暇を過ごすだけなのですが・・・
さて先月購入予定だったゲームがことごとく延期したこともあって久々に積みゲーが減ったような気がします。長年の課題だったG線上の魔王(あかべぇそふとつぅ)もようやく終わりましたし、その勢いでSacred † Vampire(Silver Bullet)とこれまた長年積みっぱなしにしていたキラ☆キラ ~カーテンコール~(OVERDRIVE)も崩し終えました。これだけハイペースでエロゲーをクリアしたのは久しぶりのことですが、まあG線上の魔王はともかく他の2本は容量的にやや少ないゲームですのでそれほど時間が掛からなくても当然なのかもしれませんが。
そんなSacred † Vampire(Silver Bullet)ですが、批評空間での評価がパッとしないようにクリア後の感想はというと辛辣な台詞ばかり浮かんできます。
ただ前回の黙って私のムコになれ!(ensemble)でかなりキツイ毒を吐いてしまったわけで、2回も続けて同じ毒は吐きたくない・・・というより黙って私のムコになれ!と比べたらまだ面白かったといえるわけですから、今回は甘めのコメントを。
このゲームの特長はというと吸血鬼ものというイメージにはほど遠いライトなノリの部分。吸血鬼ものによくあるバトルやダークな展開を望んだとしたら裏切られること必定なわけですが、学園コメディと考えれば充分楽しめます。
といっても主人公の吐くギャグはどちらかというと寒いものばかりなのですが、このゲームの見所といえば溺愛とヤンデレのタイトロープを渡る霧姉さんがポツリと漏らす危ないセリフでしょう。コメディとヤンデレヒロインの親和性は余りよろしくないのですが、このゲームの霧さんは非常に魅力的なキャラに仕上がっていてメインヒロインの聖来を完全に喰ってしまっています。
ただSilver Bulletのいつものクセというかテーマが不消化気味なところがこのゲームにもあるのが残念。もちろんコメディと考えればあまり重い展開には出来なかったのかもしれませんが、どのルートも消化不良というか逃げてしまっているエンドばかりだったのが辛かった。4本のうちどれか1本くらい真正面からテーマに挑んで欲しかったように思います。まあこれがSilver Bulletの持ち味と言われればそれまでかもしれませんが。
というわけで、ぼく的には小春ルートが一番好み。まあぼくがああいったタイプのヒロインが好きなだけかもしれませんが、このゲームに一番合っているのはやや重めの真亜沙ルートより小春ルートのような軽い話だと思うのです。
2011年03月28日
デビュー作の成功が嘘のような
今年これまで発売されたエロゲーで飛びぬけて評価が低いといっていいのが黙って私のムコになれ!(ensemble)です。まあ他にもこれより酷い地雷が存在するのかもしれませんが、このエロゲーが特筆されるのがその犠牲者の数の多さです。批評空間でのデータ数も100の大台に迫る勢いですし、著名ショップの売り上げ本数も1月ではトップとなっているところが多い。これは1月発売組の中で目ぼしいゲームが少なく、いわば押し出される形でこのゲームに人気が集まってしまったことによるものが大きいのでしょう。
実際ぼくがこのゲームを購入した理由というのも、正月以来エロゲーを購入していないことに対する口寂しさによるものという理由が大きかったのですから、満更的外れなことを言っているわけではないと思います。
まあそれ以外にもensembleのデビュー作である花と乙女に祝福をが意外に良作だったため、この新作も同じように楽しめるのではないかと思ってしまったことも理由に挙げられるでしょう。それがただの幻想に過ぎないことは最後までプレイしてみると分かるし、その反動から低評価の嵐が吹き荒れたといえるわけですが・・・
ぼくがこのゲームのプレイを始めたのは概ね地雷評価が定まった後のことでしたので開始前の期待値に関しては最低ランクでした。ただ序盤はキャラもそこそこ立っていてそれほど悪くないデキといってよくなぜここまで評価が低いのか首を捻ることに・・・この序盤のデキが犠牲者を増加させた要因の一つではと納得してしまったのですが、主人公もへタレというほど酷くなくヒロイン連も武藤此史氏&あんころもち氏の原画も手伝って魅力的に感じられたのですが、それが怪しくなってきたのは凛が天文部をかき回し始め主人公のヘタレが表面化してきたあたりから。
まあこのゲームの設定から主人公がある程度へタレであることは覚悟は出来ていました。ただこのゲーム、特筆されるのはヒロインがことごとく萌えとはかけ離れた言動を取ってくれること。
前作では主人公の可愛さ&健気さが抜きん出ていたものの攻略ヒロインたちについては強烈な萌えを感じることはできませんでした。そこで武藤此史氏一人でも充分なところにあんころもち氏を補強したのは前作よりも萌えを意識させるためであり、今回はよりヒロインの萌えに焦点を絞ってくると思い込んでいたのですがどうやらそれはぼくの思い違いだったようです。
というのも萌えゲーと呼ぶにはこのゲームのヒロインは悪い意味で人間臭すぎる。萌えゲーというのはどちらかというと浮世離れしたヒロインの方が主体であり、このゲームのように(ナチュラルに)痛い面ばかり見せるヒロインというのは異端といっていい。もちろんその痛い面を活かしたシナリオ(展開)になっていればいいのですが、このゲームは展開もお粗末な上に収束もおざなりで単にヒロインの痛さを強調するだけになってしまっているのですね。これではとてもヒロインの萌えに焦点を当てたとはいえない。
ただ結果論にはなるのですが、メーカー側はこのゲームを萌えゲーとして企画したという意識はなかったのでしょう。例を挙げるとこのゲームで一番痛いヒロインといっていい佑里恵さん。
シナリオ終盤主人公を拉致するなど完全にヤンデレ化した佑里恵さんですが、その行動はとてもプレイヤーの琴線に触れるものではない。まあヤンデレヒロインというのは萌えゲーでは所詮異端的存在であるわけでいわば捨て駒として扱われることが多いわけですが、このゲームでは残念ながらその捨て駒としての役すら果たせていない。
佑里恵さんが自分を犠牲にすることによって玲央奈に対する萌えが大きくなったとはとてもいえないし、佑里恵さんの行動によって一番株が上がったといっていいふみゅ子に至ってはおざなりなエンドがあるだけ。このゲームで一番の萌えキャラといっていいふみゅ子のシナリオが無いようでは、佑里恵さんはただゲームの雰囲気を悪くさせただけの無駄死にだったとしか言いようがないのです。
そんなわけでこのゲーム、萌えゲーとはとても呼べない代物なわけですが、主人公のムコ入りというメインテーマを無視したお粗末な収束がほとんどではとてもシナリオ重視のゲームともいえない。まあ人はそれをダメゲーとかクズゲーと呼ぶのですが、デビュー作で成功したメーカーがなぜこのような作品を出してしまったのか正直理解に苦しみます。
まあ推測になるのですが、この惨状を見る限りデビュー作の成功はただの偶然でメーカーもなぜ評価が高かったのか理解していなかったのではないでしょうか。だからファンの希望を無視するようなファンディスクや、このようなダメゲーを出してしまうのでしょうね。
実際ぼくがこのゲームを購入した理由というのも、正月以来エロゲーを購入していないことに対する口寂しさによるものという理由が大きかったのですから、満更的外れなことを言っているわけではないと思います。
まあそれ以外にもensembleのデビュー作である花と乙女に祝福をが意外に良作だったため、この新作も同じように楽しめるのではないかと思ってしまったことも理由に挙げられるでしょう。それがただの幻想に過ぎないことは最後までプレイしてみると分かるし、その反動から低評価の嵐が吹き荒れたといえるわけですが・・・
ぼくがこのゲームのプレイを始めたのは概ね地雷評価が定まった後のことでしたので開始前の期待値に関しては最低ランクでした。ただ序盤はキャラもそこそこ立っていてそれほど悪くないデキといってよくなぜここまで評価が低いのか首を捻ることに・・・この序盤のデキが犠牲者を増加させた要因の一つではと納得してしまったのですが、主人公もへタレというほど酷くなくヒロイン連も武藤此史氏&あんころもち氏の原画も手伝って魅力的に感じられたのですが、それが怪しくなってきたのは凛が天文部をかき回し始め主人公のヘタレが表面化してきたあたりから。
まあこのゲームの設定から主人公がある程度へタレであることは覚悟は出来ていました。ただこのゲーム、特筆されるのはヒロインがことごとく萌えとはかけ離れた言動を取ってくれること。
前作では主人公の可愛さ&健気さが抜きん出ていたものの攻略ヒロインたちについては強烈な萌えを感じることはできませんでした。そこで武藤此史氏一人でも充分なところにあんころもち氏を補強したのは前作よりも萌えを意識させるためであり、今回はよりヒロインの萌えに焦点を絞ってくると思い込んでいたのですがどうやらそれはぼくの思い違いだったようです。
というのも萌えゲーと呼ぶにはこのゲームのヒロインは悪い意味で人間臭すぎる。萌えゲーというのはどちらかというと浮世離れしたヒロインの方が主体であり、このゲームのように(ナチュラルに)痛い面ばかり見せるヒロインというのは異端といっていい。もちろんその痛い面を活かしたシナリオ(展開)になっていればいいのですが、このゲームは展開もお粗末な上に収束もおざなりで単にヒロインの痛さを強調するだけになってしまっているのですね。これではとてもヒロインの萌えに焦点を当てたとはいえない。
ただ結果論にはなるのですが、メーカー側はこのゲームを萌えゲーとして企画したという意識はなかったのでしょう。例を挙げるとこのゲームで一番痛いヒロインといっていい佑里恵さん。
シナリオ終盤主人公を拉致するなど完全にヤンデレ化した佑里恵さんですが、その行動はとてもプレイヤーの琴線に触れるものではない。まあヤンデレヒロインというのは萌えゲーでは所詮異端的存在であるわけでいわば捨て駒として扱われることが多いわけですが、このゲームでは残念ながらその捨て駒としての役すら果たせていない。
佑里恵さんが自分を犠牲にすることによって玲央奈に対する萌えが大きくなったとはとてもいえないし、佑里恵さんの行動によって一番株が上がったといっていいふみゅ子に至ってはおざなりなエンドがあるだけ。このゲームで一番の萌えキャラといっていいふみゅ子のシナリオが無いようでは、佑里恵さんはただゲームの雰囲気を悪くさせただけの無駄死にだったとしか言いようがないのです。
そんなわけでこのゲーム、萌えゲーとはとても呼べない代物なわけですが、主人公のムコ入りというメインテーマを無視したお粗末な収束がほとんどではとてもシナリオ重視のゲームともいえない。まあ人はそれをダメゲーとかクズゲーと呼ぶのですが、デビュー作で成功したメーカーがなぜこのような作品を出してしまったのか正直理解に苦しみます。
まあ推測になるのですが、この惨状を見る限りデビュー作の成功はただの偶然でメーカーもなぜ評価が高かったのか理解していなかったのではないでしょうか。だからファンの希望を無視するようなファンディスクや、このようなダメゲーを出してしまうのでしょうね。